以前に赤西渓谷を訪れたとき(2011/09/23)は、木材の積み出しが行われており、林道も轍で無茶苦茶でした。作業が終わったようなので、赤西渓谷から波佐利山に行ってみました。
赤西渓谷の林道は相変わらず狭く、途中からは未舗装で、しかも大きめの石がごろごろしています。そんな所を走っていると、「軍師官兵衛 タイトルバックの撮影がここで行われました」という看板が立っていました。その付近の渓谷の風景は、そう言えばそうかも、という程度のものですが、これが観光客を集めているようで、帰りには乗用車2台(1台は神戸ナンバーのベンツ)とすれ違いました。すれ違うのが大変な道ですので(特に林道に入る前のサイクリングロード)、喜んでばかりもいられません。この新名所から更に上流に走って、赤西森林広場まで行くと、橋の手前にゲートがあって、鍵が掛かっています。ここに車をとめて、歩き始めました。前とは違って歩き易くなっています。所々に「通話可能ポイント表示」がありますが、どこでも通話不可能です。意味のない表示ですが、赤西林道起点からの距離が書いてあるので、自分の位置が分かるという利点はあります。「赤西の先代杉」という巨木もあり、多少は楽しめました。この道にはかつては森林鉄道が走っていたようです。
林道を歩いて行くと、川が二つに分かれています。右(東)側が赤西川源流となっています。この付近は以前は作業小屋もあって賑わっていらのですが、今はすっかり片付いています。ここから正面の山を登ればよいのですが、どう取り付いたら分からないので、まず西に行く林道を上ってみました。この林道は地形図にも描いてありますが、正面の山に登るには不向きなので、登りやすそうな所で斜面を登りました。登りやすそうと言っても、滑りやすい砂地の斜面を木に掴まりながら登るしかありません。しかし、ちょっと登るとまた道がありました。軽トラックが通れるくらいの幅ですが、落ちていた金具(写真)を見るとここにも森林鉄道が走っていたかも知れません。この道も斜面にほぼ平行で、おそらく赤西川上流から折り返して来ているものと思いますが、これを歩いていても山には登れないので、途中でまた歩き易いところから尾根を登りました。急勾配ですが、割と歩き易く、雰囲気の良い尾根でした。植林が多いのですが、大きな木の古い切り株がたくさんあるのが気になりました。ここは標高差400mを登らねばなりませんが、標高1100m付近に来ると木が減って展望が広がります。三室山、竹呂山から、赤西渓谷も見えるようになります。この付近に生えている大木もなかなか立派なものです。あとは頑張って50mほどを登ると、県境かつ日本分水嶺の尾根に出ました。1202mピーク(赤西山)は気分の良い場所ですが、特に何もありません。
ここからは北に県境を縦走しました。気持ちの良い林が多いのですが、場所によっては尾根上に背の高い草などが生えていて、北側を巻きました。1047m地点を過ぎて、1130m+ピークまで登ると、ここは2015/05/27に大ボウシから来た尾根です。前とは逆向きに歩いて、次の1130m+ピークで東に折れて、1100m+鞍部まで降りて登る返すと、波佐利山山頂に着きました。波左利三等三角点(1191.68m)があります。
波佐利山からは、2012/06/24に音水渓谷から来たときに登った尾根を降りました。山頂で「原生林登(山口)」と書いてある方向です。こちらは道案内の板が時々立っています。1122mにも板があり、「音水登山口」の標識もあります。途中で少し笹が増えますが、今日の行程で笹が生えていたのはこの付近だけでした。1100m+小ピークで音水渓谷からの登山道とは分かれて南に向かいました。しばらくは植林が続きます。あまり手入れはよくありませんが、倒木も少なく雰囲気は悪くありません。1110mピーク、1081mピークと、多少のアップダウンがあります。その南の1107mピーク付近は2011/09/23にも来ましたが、自然林が増えます。時々開けた場所があり、西には竹呂山、東には遠く日ノ原が見えました。1106mピークも広い場所です。そして、その南の1080m+小ピークで前回のコースから外れて、赤西森林広場方面へまっすぐ降りました。標高差600m近くを降りなければなりません。最初はなだらかで気持ちの良い尾根でしたが、徐々に急勾配で藪も増えました。岩も多少あります。とにかく忍耐強く、斜面を斜めに木に掴まって降りたりしながら、標高600m付近まで降りると、トラロープが張ってあって道がありました。北方面は「赤西の尾根道」で南は「丸太階段道」ですが、ここは階段道をまっしぐらに降りました。木に名前の書いてある札がついていたり、遊歩道らしい感じです。階段も作られていますが、朽ちかけていました。最後はまさに林道のゲートの所に降りてきました。このとき初めて気がついたのですが、この付近は墓地です。よく読めないのですが、江戸時代のお墓が草に埋もれていました。
波佐利山から林道のゲートまでの尾根は長く、3時間以上かかりました。あまり障害物のない尾根で、かえって退屈かも知れませんが、林道を歩いて帰るよりは楽しめたと思います。
展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「西河内」です。
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