2013年6月29日土曜日

佐中から登る馬場山

朝来市の馬場山は、目立つ山なのですが南山麓にキャンプ場などが整備されているため、登山意欲のわかない山です。しかし北側から登ったらどうなんだろうと思って、佐中から登ってみました。

地形図を見ると佐中の集落から破線道が東の方に伸びて、峠を越して北の建屋川方面へ延びています。しかし行ってみるとこの道は良く分からず、谷には入れるのですが道は無く、結局植林を登りました。祠があり(天神の祠らしい[1])、ここまでは探せば道があるのでしょう(これが破線道なのかも知れません)。その後も急勾配が続きますが、40分ほどでようやく582mピークに着きました。ここからは植林の尾根を縦走です。東側には林道が植林の向こうに見えています。尾根が東に向きを変える点に、新しい内山四等三角点(559.94m)があります。2008年新設の割には金属プレートではなく標石の三角点です。この付近は北側斜面が伐採されており、ネットがありますが展望は良くなります。建屋川沿いの長野から建屋まで見渡せます。尾根が伐採されている所には歩きにくい所もあるのですが、展望を楽しみつつ歩いていると、徐々に自然林の細い尾根になってきました。藪にはならず、歩き易い尾根が続きます。朝来市の地籍図根三角点もありました。726m地点を過ぎても雰囲気は余り変わらず、広めで片側または全体が植林という尾根になります。

そして馬場山に登り始めると、道が斜面を横切っていました。作業道かと思って東にその道を歩くと、「さのう高原パノラマ展望台 ハイキングコース あと100m」という札が立っていました。ここは馬場山の東側ですが、ここからちょっと東に行くと円山川沿いが一望できる素晴らしい展望地があります(写真)。残念ながら竹田城は見えません。西に登ると馬場山山頂で、婆々山二等三角点(742.88m)がありました。この山の名前をどう書くかは微妙で、山頂の案内板ではバ々山となっていました。展望を楽しみましたが、ハチが飛び回っているので早々に下山しました。頂上からは地形図の通りに南西に降りる道もありましたが、まずハイキングコースを戻り、西に延びる尾根を下りました。すぐにネットが現れましたが、まもなく消えて、あとは急斜面となります。最後は枝が敷き詰められた植林を木に掴まりながら降りると、地形図の林道に出てきました。そのまま林道で下山しましたが、川沿いの材木集積所の見えるあたりに祠がありました。

4時間ほどで一周できました。最初はちょっと大変ですが、あとは気軽に歩ける尾根でした。

展望 ★★☆
藪山度 ★★☆
地形図は「但馬竹田」です。

2013年6月22日土曜日

田路から登った朝来市のトンガリ山

朝来市のトンガリ山へは、2010/11/06に栃原川側から登っていますが。今回は田路から登ってみました。林道を使うと楽に登れそうでしたが、あえて長い尾根を辿ってみました。登り口は田路の公民館近くです。細い橋を渡ると林道が谷沿いに西に延びていましたが、登りたい尾根は谷川の北側で、谷川を登るのは難しそうでした。この谷川には橋が架かっているのですが、害獣避けの金網の外です。ややこしいのですが、橋の金網の外側を歩けば尾根に行けそうだったので、ちょっと怖かったのですが橋の欄干の外側を歩いて尾根に辿り着きました。急斜面の植林を登って尾根の上に出ましたが、途中に洞穴があって蓋がしてありました。鉱石を探したのでしょうか?

ひとしきり登って、518m地点で主尾根に出ると、木にワイヤーロープがたくさん巻き付けてあり、かつて木材か何かを下ろしたのかも知れません。尾根の北側が伐採地となりネットもありました。赤白のポールの立っている所が出入り口になっているようでしたが、開いている所があり、鹿が出入りしていました。閉めておこうかと思ったのですが、閉めると伐採地にいる鹿がそれこそ一網打尽になると困ると思って、やめておきました。720m+ピークでさらに別の尾根と合流し、その先も多少藪っぽい所はあるものの歩き易い尾根です。標高800mに近づくと岩が増えますが、その先も細い道がつけられており、行者山の雰囲気です。トンガリ山手前は写真のような岩場となって東側に展望があります。トンガリ山山頂には、林道の作業道を通って西から登りました。辻ケ淵三等三角点(981.43m)があり、ここでも東側の展望があります。

下山はまず2010/11/06に登ってきた尾根を南東に辿り、910m+ピークで北の尾根に曲がりました。良い感じの尾根です。この後は「尾根なり」に降りたのですが、意外と迷う場所が多く、GPSのお世話になりました。地形図では分かりませんが、細い尾根で、岩場もあります。はっきりしない場所もありますが、道が付けられているので歩くには困りませんが、雨の後だったので枯れ葉の下の木の根や岩に足を取られそうになったことが何度かありました。特に730mピークを過ぎて北に向かうと、600m+付近で岩が途切れている場所があります。ほんの2m位の高さで、木もあるので枝にぶら下がって降りられそうでしたが、その勇気が出ず、結局大回りして巻いて進みました。周辺は尾根のどちら側も切り立っており、巻くのも危険でした。

この先も長い尾根歩きで、519mピークを過ぎると北側にネットが現れました。田路側南側の伐採された斜面です。ネット沿いに降りましたが、急勾配で木に掴まりながらでないと降りられません。最後は東側下方に道が見えたので、急斜面の植林を転がり降りました。

5時間ほどの長い尾根歩きでした。雨の後の曇りの日だったので濡れた落ち葉が危険でした。ひどい藪は無いのですが、危険が一杯でした。天気の良い日ならもっと楽しめたと思います。

展望 ★★☆
藪山度 ★★★
地形図は「神子畑」「但馬新井」です。

2013年6月8日土曜日

西から行ってみた中音水渓谷

音水渓谷と赤西渓谷の間に位置する中音水渓谷には、2012/10/06に行って、宍粟森林鉄道の歴史的遺物を見て感銘を受けました。もう一度行ってみたいのですが、鉄道用の橋の上を歩くのが苦手な私は、再び同じようなルートで行こうという気になりません。そこで距離は長いのですが、瀬戸山経由で行く計画を立てました。

登り口は波賀町日ノ原の、引原川西岸です。昔は森林鉄道が通っていたサイクリングロードを下流へ歩き、人家を抜けた付近で鞍部を目指して登り始めました。岩の多い急勾配の植林で、明らかに登るには不向きです。しばらく登ると登山道がありました。近くには送電線の鉄塔があるので、当然巡視路の登り口を探すべきでした。基本を忘れていました。鞍部には水のタンクがあり、新鮮な山の水が大量に流れていました。ここまで登ってきて、目の前に中音水川が流れているのには驚きました。地形図を見れば分かりますが、この川はここから急勾配で引原川に流れ込むのです。西に巡視路を歩いて、鉄塔37に向かいました。黒いプラ階段を登ると、尾根にやや珍しい形の低めの鉄塔がありました。原横行線2です。37というのは古い番号のようですが、実はそれ以前には23だったようで、変遷の多い系統のようです。鉄塔からは川向かいの日ノ原の集落や、マンガ谷へのバリアになっている山並みが見えますが、遠くには一山も見えていました。

鉄塔からはひたすら尾根を登りました。切り開きがあり、黒いケーブルが敷設されています。岩の多い急斜面の植林を抜け、ひたすら尾根を登りました。680m+ピークに出て一息つきましたが、その後も登りが続きます。黒いケーブルの終点は825mピークで、ここには共同アンテナと、宍粟市の地籍図根三角点がありました。ケーブルは1km以上敷設されていたことになりますが、途中の急斜面で明らかに切れていました。ここからは植林が多く、アップダウンして、瀬戸山に着きました。ここには電波反射板が東を向いて立っていました。掲示されていた保安林内作業許可標識を見るとどうやら平成19年に建てられたようです。工事の名称は「防災用多重無線反射板設置」となっています。瀬戸三等三角点(870.55m)は、標高を変えないためか、反射板背後に小山を作ってその上に置かれていました。ここからも日ノ原方面の展望があります。

この後も登りが続きます。標高差150mほどを登ると、やや楽になり、1035mピークを過ぎ、周囲が山上庭園的な雰囲気になると、主尾根に出ました。2011/09/23に通った尾根です。まず北に下り、さらに登ると、西に展望があって三室山や竹呂山の見渡せる地点があります。日ノ原方面の見える地点もありました。倒木もありますが、良い雰囲気の尾根です。1107mピークの手前で東の尾根に曲がり、下っていきました。最初は良い雰囲気ですが、段々と藪っぽくなります。しかし、藪漕ぎになることはありません。1032m地点を過ぎて、2012/10/06に見つけた道(?)を目指したのですが、尾根を間違えて、真っ直ぐ東に降りてしまいました。多少変な凸凹があって人の手が加わっているような感じもしましたが、歩き易い尾根でした。最後は地形図どうりに急勾配になったため、南の谷に降りました。谷に沿って降りて行くと、小屋の廃墟がある地点に出てきました。ちょっと北に歩いて、川に掛かるコンクリ橋を見てから、森林鉄道跡の道を南に歩きました。このへんの詳しいことは[1]をご覧下さい。この道は途中で土石流で埋まっており、下を巻かないと進めないのですが、進んでも非常に高い位置にある橋に出て渡れないことが分かっているので、素直にここから急斜面の谷を川に降りました。

降りてきたのは川に鉄橋の架かっている場所で、ここからも川の南側を東に森林鉄道どうりに歩きました。最初の橋は落ちていますが、その後も道は続きます。こちらには前回は来なかったのですが、橋があり、降りて登り返し、さらに歩いて行くと道がUターンする所に隧道がありました(写真)([1])。中は通れるのですが、何やら音がします。しばらく聞いていると、どうやらカエルであると分かったので、隧道を歩いてみました。短い隧道ですが、壁はコンクリですし、ちゃんと作ってあります。

隧道があるのは、ここに小さな尾根があるからなので、この尾根を登って帰ることにしました。非常に急勾配の尾根で、途中で何度も休みました。山歩きの最後の方で、こんな標高差200m以上の急斜面の登りというのは、辛いものがあります。足元は崩れやすく、神経を使いました。少しずつ東に寄って徐々に大きな尾根に乗り換えていきましたが、途中に非常によく保存されている炭焼き窯がありました。そして40分ほども掛かって、やっと尾根に上がれました。あとは来た道を戻るだけです。825mピークからは黒いケーブルを辿りましたが、下りではケーブルで足が滑って転倒する可能性があるので注意が必要です。最後の鞍部から下は、巡視路をとことん歩いたので、発電所の近くまで行って、やっとサイクリングロードに出ました。6時間近く掛かっていました。

いかに安全に中音水渓谷に降りるためと言え、このルートはひどい大回りです。やっぱり中音水渓谷は秘境と言えます。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★★
地形図は「音水湖」「西河内」です。

2013年6月5日水曜日

朝来の大宮山

前回2013/05/23に引き続いて神子畑付近の山に登りましたが、今回はもっと東側の山並みです。朝来市佐嚢の式内佐嚢神社([1])の裏山から登り始めました。最初は急勾配の植林ですが、すぐに楽に歩けるようになりました。時々は少し下りもあり、徐々に標高が上がっていきます。朝来市の金色に輝く地籍図根三角点を過ぎると周囲は美しい植林になったり、また自然林に戻ったりします。651mピークにも地籍図根三角点があり、周囲は伐採した木が転がっていましたが、展望は僅かです。その先の三角点の前にはかなり急な登り坂があります。これを過ぎて平坦な山頂を歩くと大宮山三等三角点(797.97m)がありました。三角点と同じくこの山の名前も大宮山なのかは分かりませんが、神社前の橋も大宮橋だったので、佐嚢神社が大宮なのかも知れません。

三角点から北西に急な下りとなります。最後の急斜面を降りると、694mの大呂峠です([2])。神子畑から佐中に抜ける峠で、峠付近には道はありませんが、峠の両側の谷には旧道が残されているようです。ここからまた植林の中をえっちらおっちら登ると、740m+のピークに出ます。ここからちょっと北の尾根にも行ってみました。最初は伐採した木が多くて歩きにくいのですが、すぐに気持ちの良い尾根になり、その北は伐採地の上なので展望が広がります。佐中川の北側の尾根や、西の山が見えます。佐中の林道が山の上の方にあり、須留ケ峰の方へ行っています。716mピーク付近は気持ちの良いなだらかな植林で、ぶらぶらと歩きました。それから再び740m+ピークに戻り、ネットの張られた尾根を西に歩きました。この付近の北側は、少し下がると伐採地です。696mピークも広々していますが、少し南に降りると神子畑選鉱場がよく見えました。かなり遠くですが、シックナーのへこみを斜め上から見ることができます。

この西も南側の伐採地の上の尾根なのでネットが張られており、アセビも元気で岩もあり、ちょっと歩きにくくなりますが、問題はありません。北側にもなだらかな広い伐採地があり、鹿に食べられないようにネットで囲って苗木を植えたようですが、まともに育ったものは無いようです。会計監査とかあったら大変ですね。さらに西に少し登ると、2013/05/23に尾根から上がってきた地点に出ました。この尾根は一度歩きましたし、下の方は堰堤の工事でかなりの急斜面を歩かざるを得ないので、遠慮して少し先へ行ってから鳥ノ奧ダムに降りることにしました。

前回と同じに気持ちの良い尾根を西に歩きました。国土調査の金属プレートを過ぎて、715mピークから南に尾根を下りました。最初はまずまず歩き易かったのですが、だんだん急になります。標高570m付近で尾根を間違えたらしく、谷の方に降りてしまいました。尾根を歩いていたのですが、岩場の上で行き止まりでした。なんとか巻いて降りようとしたのですが、余りに急斜面で滑落の恐れが高かったため、登り返して、正しい尾根を下りました。尾根は長く続きましたが、尾根を歩くのが正解かどうかはやや疑問でした。というのは、尾根を歩いても最後は結局谷と同じ高さまで降りなければならないわけで、それなら最初から谷を歩く方が楽かも知れません。この付近の谷は広くて、倒木はあまりありません。結局最後は谷に降りて、急勾配を木に掴まりながら下りました。出てきた地形図の破線道は、水路と並行して作られていました。鳥ノ奧ダムは鹿の楽園状態になっているようで、奈良公園のように鹿が戯れていたので(写真)、水路に沿って歩きました。水路には崖から落ちたと思われるバンビが一匹死んでいました。鹿と言えども慣れないと滑落するようです。この水路と道は一緒にトンネルも抜けています。最後はダムまで来たので、東端の道で下まで降りました。それからは神子畑川沿いに4キロほど歩いて神社まで帰りました。

鳥ノ奧ダムに降りる所は、もっと注意して降りるべきでした。岩場を無理して降りると、滑落して骨折、というような事態になりかねません。素直に[2]のように尾根を降りるべきでしょう。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆ この下山は★★★
地形図は「大屋市場」です。