2011年10月16日日曜日

野尻から登る大甲山


波賀町野尻から大甲山に登るには、林道を利用して尾根から登るのが定番となっています。確かに整備された林道があるのですからこれも良いのですが、少し変わったルートとして、尾根を真っ直ぐに登ってみました。

野尻集落の奥に鹿よけの扉があり、脇に「大甲山登山口」の標識があります。ここから林道に入り、しばらく歩いてカーブを東に曲ってから、「大甲山」の道標の方には行かず、西向きの林道に入りました。この林道は少し歩くと地形図とは違って北に曲がり、谷の方に降りて行ってしまいます。地形図の破線道に相当すると思われる植林の作業道があったのでしばらく登りましたが、すぐに消えてしまいました。そこで尾根に登ることにしました。この付近の尾根は地形図にもあるように幅広く比較的平坦ですが、少し登ると更に北の尾根に上がる必要があり、ここは急勾配です。植林でやや足元が悪いのですが、すぐに尾根に出られます。ここからは、長い登りです。

ややきつい坂ではありますが、歩きにくくはありません。標高差200mくらいを登って700mを越す付近で、南に展望がありました。この付近は南側にネットが張ってあり、その下斜面に伐採地が広がっています。この付近は倒木が若干ありますが、藪というほどではありません。徐々に植生が変わり、コナラやブナが増えてきます。さらに900m程度まで上がると細い尾根になって、灌木が邪魔で歩きにくい場所もありました。さらに登ると岩が増えてきます。この付近も勾配はありますが、感じのよい林です(写真)。最後は大きな岩を巻いて登ると、アシビの密生した平坦地に出てきました。これが山頂です。「WE LOVE FLOWERS 花のある町 波賀町」というプレートがあり、西に少し歩くと、荒尾山山頂に出ました。植松山が見えます。

ここからは、分かりにくい南東の尾根を探して降りて、尾根伝いに歩いて大甲山に行きました。大甲山には斉木三等三角点(1035.25m)があり、展望が広がります。下山は少し北に降りて、東に伸びる尾根を林道まで歩きました。これが標準的な登山道です。降りていくと最初は植林、それからブナ林となります。871m地点には「お滝さんルート」への立派な道標がありますが、そちらには行かずに東へと降りました。この先は岩場が多く、楽しめます。ちょっとだけ倒木地帯があり、草が生い茂っていました。飯見四等三角点(694.02m)の周囲は伐採してあり、すこし展望があります。そして岩場から岩塊流のような急斜面を降りると、前地・カンカケ林道に出ました。「大甲山登山口」の標識があります。ちょっと東に林道を行くと、一山、東山、上野の街や城がよく見えました。ここは下から見上げても林道がよく見える地点です。あとは林道で下山しました。

最初にルートを検討するときは、飯見から登ることも検討したのですが、結局どう登っても前地・カンカケ林道にぶちあたってしまい、林道にあがる所で苦労しそうな気がしました。じっさい林道から下を見ると、斜面を登ってきて林道にあがるのは楽そうには見えません。また、林道の入口で出会った地元の人によると、昔の道は扉のところから真っ直ぐ尾根に付けられていたそうです。それも面白そうですが、植林の中に古い道が残っている形跡はありませんし、どこかで林道に出会うことも間違いありません。林道のおかげでどうにも登りにくい山になってしまったという気がします。

展望 ★★☆
藪山度 ★★☆
地形図は「音水湖」です。

2011年10月10日月曜日

宍粟市波賀町の日見谷三角点


この山は名前がわからないのですが、黒尾山の北側、深山とは谷を挟んで東側にある山です。三角点は波賀町と一宮町の町界にあります。国道29号線で安積を過ぎて北上すると、西側に見えてきます。登山、下山のルートはだいぶ悩んだ末に、波賀町の上小野から登ることにしました。2011/08/27に深山に登る時に通った林道上城線への道を歩くと、すぐに山に入る舗装道路があります。これを登り詰めました。周囲は気持ちの良い植林で、道沿いに浅い洞穴があったりして楽しめました。終点からは全く踏み跡もないので、急斜面の植林を尾根まで登りました。

尾根は自然林で気持よく歩けました。標高600mを越すと一息つけますが、それからは長いやや急な斜面で、根気よく登ると北や東に少し展望がありました。五蔵山、東山や一山がよく見えます。820m+ピークを過ぎるとシダが増えてきて、次の800m+の鞍部はシダと倒木で埋まっていたので西側を巻きました。そして日見谷四等三角点(844.23m)がありましたが、周囲は雑然としています(写真)。最初の予定ではここから日見谷に降りるつもりでした。それには東側の斜面を降りる必要がありますが、藪っぽいので気が進みませんでした。そこでさらに南に歩くことにしました。

相変わらずシダが多い尾根ですが、藪山というほどではありません。気分の良い林もあります。ちょっとだけですが、ゴソロ山や深山も見えました。820mピークは気を付けないと西に行ってしまいます。次の800m+ピークまで来て、そのまま南に歩けば尾根伝いに黒尾山まで行けることに気が付きましたが、ここから東の尾根で下山することにしました。この長い尾根は、倒木もあってやや雑然としてます。北側は植林の倒木処理をしたようで、時々展望があります。673m地点付近まで来ると藪がひどくなり、さらに尾根が広がってどちらを向いても急斜面となります。鹿避けネットが張られていたので、それに沿って降りることにしました。ネットの張られている尾根は植林ではなく、灌木がやや多い急斜面でした。我慢して520m付近まで降りると、東側の植林の木にワイヤーロープが張られており、何かと思ってよく見ると、北の谷にめがけて資材運搬用のワイヤーが張られていました。ここで東側の植林を見ると、下に道が見えたので、急斜面の植林を抜けて降りました。出てきた道は倒木処理のために作られたと思われる作業道で、斜面をジグザグに降りていましたが、草が生い茂っていました。最後は地形図の林道に出てきました。

この後は谷に作られた立派な堰堤を眺めてから下山しましたが、途中で日見谷に真東に降りる破線道に入りました。これは町界にもなっていると思われる道で、暗い植林の中を抜けていきます。古い墓地や炭焼き窯がありましたが、最後は道に水が流れており、さらには金網に囲まれて、葬儀場脇の道路に出るのに一苦労しました。道路を歩くべきでしょう。

地味な山で荒れている場所もありましたが、気持の良い林も歩けました。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「安積」です。

2011年10月8日土曜日

波賀町の不動口と野尻三角点


先月ヒルガタワに北から登ったときに、東から登るルートも検討しました。結局周回コースにならないので諦めたのですが、波賀の道の駅の付近からは引原川の西に尾根が何本もあって、登山に向いていそうです。そこで、その尾根を二本使って周遊コースを歩いてみました。

登り口は波賀町原の八幡神社です。引原川の西側には波賀森林鉄道の跡と思われる遊歩道がありますが、ここから階段で八幡神社に登りました。神社付近の杉はすばらしく、推定樹齢500年の夫婦杉だけでなく、立派な杉がたくさんあります。その中を抜けて登り始めました。植林と自然林が混ざっていますが、基本的に下草のない、登りやすい尾根です。共同アンテナの残骸があったと思ったら、不動口四等三角点(736.11m)に出てきました。神社から1時間弱でした。三角点の周囲は伐採されていますが、展望はありません。

このあとは気持ちよく歩ける尾根が続きました。共同アンテナの残骸が2箇所ありました。展望もちょっとあります。767mピークを過ぎても歩きやすい尾根は続きました。特に標高800mを過ぎてからは尾根が広くなり、開放感があります。栗の木が多く、栗の実を食べていたイノシシが逃げて行きました。ここを過ぎると細い尾根になって、藪っぽくなりました。903mピークは藪でした。

ここから988mピークまでは藪の尾根となります。途中から先は先月(2011/09/25)にも歩いています。踏み跡はあるのですが、左右から枝が伸びてきていて、それを押しのけなければ歩けません。傾斜はそれほど強くないのですが、疲れる山歩きです。30分近くもかかって着いた988mピーク付近も藪で、展望は全くありません。ここから東の尾根に降りたのですが、とても急な斜面で下に尾根があると信じなければ降りられません。木に掴まりながら降りれば降りられますが、倒木もありますし、細い尾根になると岩や巨木が邪魔で、急斜面をトラバースしたり、危ない場所もありました。尾根を間違えると下山できないので、慎重に位置を確認しながら降りました。少し降りると岩場ですが見通しの良い場所があり、紅白のポールが立っていて「宍粟市 地籍図根三角点」がありました。この先もしばらくは急斜面が続きましたが、徐々に標石や杭が増えてきて、最後は気持ちの良い尾根になりました。登りに通った尾根と同じくこちらの尾根にも気持ちよく広々した場所があります。野尻三等三角点(753.84m)付近は伐採してあり、東や南に展望がありました。この三角点は、他の標石同様に赤く塗られいます(写真)。全体に標石や杭の多い尾根でした。

この先はやや藪っぽくなりましたが、快調に歩けました。546mピーク付近も伐採してあり、再び「宍粟市 地籍図根三角点」がありました。地籍調査のマーキングはここから南東の尾根に付いていましたが、予定どうりに北東に降りました。藪っぽい場所はありますが、下草は全くありません。しかし最後は急斜面になり、また木に掴まって降りることになりました。最後は遊歩道に降り立つことができて、ほっとしました。

主尾根付近は藪ですが、二本の尾根にはそれぞれに美しい場所があり、秋の日の山歩きを堪能しました。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★★
地形図は「西河内」です。