2022年10月29日土曜日

横行から登る十年三角点

 


宍粟市と大屋町の境界にある十年三角点には、最近では2022/08/10に南から登りました。今回は北の大屋川沿いの横行から登ってみました。


登り口は大屋川の但馬アルペンロード沿いの横行停留所のところで、谷沿いの道を登りました。西村川という名前らしいこの川は滝のように水が流れていて楽しめますが、少し登ると人の顔のように穴のあいた堰堤に出ました。堰堤の上には上がれますがその先の谷は歩けそうもないので、ここから植林の急斜面を登りました。それでも植林なので滑るようなこともなく、なんとか登り切ると少し岩もある自然林の尾根になりました。紅葉にはまだ少し早いようでしたが、楽しめる山です。ちょっとアシビの藪もありましたが、難なく登りきって、稜線上の六郎谷四等三角点(950.5m)に出ました。登り始めて標高差600m程度、90分くらいかかりました。


ここからは西に稜線上を縦走です。紅葉していなくても、黄色くなってきた葉がきれいでした。足元には栗がたくさん落ちています。氷ノ山の山小屋が見えます。そして2022/08/10にも来た植林付近では南側の林道に出会いました。996mピークを過ぎ、1010mピークを過ぎて、次は広い自然林の斜面です。登ると水がほとんどない山上池があり、植林に入って十年三等三角点(1039.31m)に着きました。宍粟別選5名山だそうですが展望はありません。


下山は北に向かいました。いきなり降りようとすると斜面がきつすぎるので、少し戻ってから北に降りました。この付近は広い尾根で方向が定まりませんが、東側斜面は自然林できれいです。方向に気をつけて北東の尾根に向かいました。地形図では細尾根のようですが、特に細くはない自然林の尾根です。953mピークまで来て、東の尾根に曲がりました。こちらも自然林の良い感じの尾根ですが、途中にアシビの藪もあって力づくで突破しました。さらに東に進むと尾根の先が切れていて降りられず、巻いていくのも急斜面のトラバースなので、南に尾根を降りました。こちらも非常に急峻でしたが、木につかまりながら降りていくと植林になり、地形図の破線道らしい道に出会いました。これを東に辿ったのですが、斜面に作られた道なので流されて消えかかっています。目を凝らすとなんとか道と判別できる程度で、トラバースが続くので体のバランスを保つのに苦労しました。これがかなり続いて、やっと平坦地に出てきたと思ったら、石垣がありました(写真)。この石垣は大規模なもので、高さは2m程度で見た感じ雑な積み方ですが、数10mにわたって続いていました。少なくとも2段あり、その間の平坦な地面は5m程度の幅しかありません。耕作地を作ったにしては山奥ですし、大規模過ぎる感じがしますが、石をどこから持ってきたのか、ここまでどうやって登ってきたのか、など謎だらけです。降りようと思うと急斜面で、東に歩くとさらに石垣があり、そこから植林を降りるとどんどん急になりました。最後に道路に降りる付近は崖に近く、滑り降りる感じでした。降りてきた道も岩を削って作ったような道です。ちょっと歩くと平成30年に作られた堰堤があり、立派な道がありました。これを降りていくと、途中の堰堤は珍しく石を積んで作られていました。そのまま農地を通って但馬アルペンロードに降りました。


この付近には横行砦というのがあったようなのですが、地図で見るとおそらく大屋川沿いなので、この石垣は謎です。


展望 ☆☆☆

藪山度 ★★☆

地形図は「戸倉峠」です。



2022年10月15日土曜日

北から登る大原の星祭山

 


星祭山には2014/08/31に南から登りましたが、今回は北から登ってみました。北というのは大原から三九郎稲荷神社の前を通って谷の舗装道路を西の金谷の方向に登っていき、川上ダム方面の道と出会った所の尾根です。尖った尾根ですが先端は登れるようになっています。最初はすごい細尾根で、盛り上がった馬の背には苔が生えている状態ですが、少し西側に降りると楽に歩けました。最初は藪ですが尾根が広くなると灌木も減って歩きやすくなり、さらに植林になりました。しかし急斜面が続きます。木に掴まって登るような所はありませんが、たまに少し降る所があってもすぐに急斜面の登りになります。470m+の小ピークに登り、一旦下ってからまた頑張って登ると、真船四等三角点(505.18m)がありました。周囲は植林です(写真)。このあとは緩やかではありますが登りで、490m+を登って下って、最後の厳しい斜面を登ると580m+のピークに出ました。ここが今日の最高地点です。気をつけないと南に降りてしまいます。ここからは2014/08/31の逆コースとなり、東に稜線を歩いて575mピークに着きました。ここが星祭山らしいのですが、相変わらず何のプレートもありません。北に展望があって大原の町や大空山の方向がよく見えました。


山頂からは南東に歩きましたが、倒木の多い荒れた里山です。まずNHKの桂坪立石テレビ共同受信施設がありました。アナログで撤去品とかシールがありましたが、電源は入っているようでした。さらに歩くと広い尾根に人工的な溝が作られています。2014/08/31に登った時は迷いようがなかったのですが、下りとなるとどちらにも行けてしまいます。急な斜面を南東に降りる所は人工的な地形なのですが道を見つけるのに時間がかかりました。急斜面を降りきると植林になり、道路に出ました。これは山麓の碑によると「城山登山道」で、施工したのは陸上自衛隊だそうです。もちろん竹山城跡にも行けますが、今回もアンテナの保守に車が何台も上がってきていました。城跡からの眺めは良好で、駒ノ尾から後山の方向がよく見えます。南側にも展望があります。あとは舗装道路で下山し、大原宿を通って出発点に戻りました。


展望 ★☆☆

藪山度 ★★☆

地形図は「古町」です。



2022年10月13日木曜日

雨石山と櫃ヶ嶽

 


雨石山と櫃ヶ嶽は丹波篠山の北に位置し、篠山市と京丹波町の境の稜線上にあります。一般的な登山道で登りました。雨石山は国道173号線から見上げても岩が多く、修験道の山だという感じがします。国道から東に入り、墓地を過ぎると小原自然公園案内マップと公園案内の古びた地図があります。気になるのは、松林には「松茸山なので入山厳禁」という札が立っていることですが、松林に入らなければ良いことにして歩きはじめました。案内図では谷沿いに滝がいくつかあるのですが、そちらではなく地図の横の道からいきなり登り始めました。この道は荒れていて、あまり正解とは言えません。途中に小さな祠がありましたが、滝の方から上がってくる道と合流するまでは倒木も多く歩きにくい道でした。合流してからは岩だらけの谷沿いの道で、さらに斜面を登っていきますが、整備された登山道です。途中で毘沙門洞への分岐があり、、行ってみましたが高さのある洞窟に毘沙門像?がありました。これは十分に見に行く価値があります。


毘沙門洞から登山道に戻ると、急斜面を登ることになります。振り向くと篠山川沿いが見渡せます。そして尾根に上がると自然林の中に道がありました。北から東寄りに方向を変えて、580m+のピークは毘沙門山となっていました。この付近からは大きな岩が増えます。岩を越えると丹後幹線甲六四鉄塔があります。甲というのは、普通は一つの鉄塔の両側に一回線ずつ合計二回線が張られているのを、一回線ずつに分けて別々の鉄塔にしているからです。さらに各回線の3本のケーブルを水平に配置していて、ネットで読むと雪国に多い仕様だそうです。この東で篠山市と京丹波町の境に出た所には、「関電巡視路 下山路には不適」という案内板がありました。丹後幹線乙六四鉄塔付近の藪を過ぎると南に展望が広がります。付近の岩を見るとレンガのように赤っぽいのですが(写真)、これは俗称「ロース」と呼ばれる硅石だそうで、耐火レンガの材料に使われたそうです。G-Spaceでは約2億年前のチャートブロックとなっています。その固くて大きな岩をよじ登って稜線を東に進みましたが、滑落したら危険な場所もありました。巻き道がないのだとしたら初心者向けとは言えないと思います。北にも南にも展望があって、登山道としては楽しめます。630mピークは岩尾峰だそうです。さらに大きな岩が続きますが、いちど下ると尾根の幅が広がって、楽に歩けるようになりました。雨石山の山頂も広く、北は植林で南は自然林です。


雨石山から東は少し下りで、そのあとゆっくりと広い尾根を595mピークに登っていきます。ここから東の下山は広い急斜面で方向が定まりませんがマーキングがあります。迷いながら最後はマーキングを見つけて降りると、420m+の鞍部に出られました。ここは小野峠だそうです。櫃ヶ嶽へはそのまま急な植林を登りました。頑張って546mピークに上がると、あとは楽になりました。櫃ヶ嶽の山頂には櫃ケ岳二等三角点(582.02m)があります。羊ヶ岳とも言うようで、確かに音は似ています。北に京都縦貫自動車道が見えています。ここから東の下りは地形図では間違えそうですが、マーキングがあるので問題なく降りられました。降りた鞍部には道標が倒れていましたが、篠山方面に下るとすぐに林道が谷を横切っていました。地形図で破線道のある谷は上から見ると荒れ気味でしたが、林道ではなく谷を降りました。最初は林道から落とされた枝などが山積みでしたが、すぐに谷沿いの作業道が現れました。しっかりした道で倒木もなく、宮代の集落に降りられました。


県道702篠山京丹波線に出て、そのまま国道173号線まで行っても良かったのですが、近道をしようと北の小倉の集落に行きました。ここで硅石の説明板を読み、西の谷に向かいました。関電の「火の用心」があったのでそれに従って谷に入りましたが、谷の奥にはガードの固い大豆畑があり、その奥にはフェンスがあって進めません。戻って調べると谷の北に道があって、その奥にフェンスの扉がありました。これは良い山道で、切通しを抜けると関電の「火の用心が」南北にあり、竹やぶを抜けて小原に出てきました。


展望 ★☆☆

藪山度 ★★☆

地形図は「村雲」です。



2022年10月8日土曜日

丹波篠山の荒木城跡と燈明寺

 


篠山盆地の東に位置する荒木城跡(細工所城)は、戦国時代の古戦場だそうです。登り口は細工所(地名です)で、登山道入り口には駐車場まで完備されています。登山道もわかりやすく、グイグイと登れます。最初に役行者?の像があり、目の前に赤い鳥居があるので登っていくと当然のごとくお稲荷さんがありますが、ここから登山道に戻ろうとするといきなり空堀がありました。気合の入った城です。登山道は良く整備されていて、急斜面を一直線に上がる所はロープがあります。周囲は雑木林で気分良く登っていくと、平坦地に出てきて地形図の404mピークにある本丸跡に着きました。本丸の周囲はどちらを向いても下に平坦地があり、かなり大規模な城だったことが分かります。展望もあります。東を見ると谷に堰堤が見ますが、ここからはこの谷を南に迂回することになります。


本丸跡から南に降りる平坦地があり、道があって南東に降りていくと再び平坦地があり、この付近まで城の一部だったのでしょう。ここからは尾根歩きで、倒木はありますがなんとなく道があります。この道は稜線からは下がった位置にりピークには上がらないので、場所によってはピークに上がってみましたが、特に何もありません。東に行ってから北東に向きを変えて、登っていくと464(461?)mピークで、ここから東に燈明寺に向かいました。ここまでずっと自然林でしたが、南側に植林があります。そして燈明寺に近づくと竹が折り重なって倒れており、そこにシダが生えて、さらに山椒も生えている藪を抜けなければなりません。山椒を振り払うと石積みがあって斜面には石仏が何体もあり、階段がありました。ここは幡路から登ってくる表参道ですが、竹がたくさん倒れて歩ける状態ではありません。階段を上がると本堂があり、周囲にはいくつもの石仏があります[1]。お堂の左手から背後の山に登ると広い平坦地に不動明王、役行者、「万工房」と並んでおり(写真)、その他にもいろいろ祀られているのですが、ごった煮という感じです。大阪の方が寄進されたものが多いようでした。


山頂から東に降りると、ここもおそらく人工的に平らな場所で、ちょっと登って再び稜線歩きですが、道がありました。495mピーク付近では谷があるために道はピークの東を通っていきます。登ってから北に降りる所には道があるのですが、見落として少し東に行って戻りました。北に行く稜線にもだいたい道がありますが倒木もあります。道はピークには上がらないので時々ピークに行ってみましたが、もちろん何もありません。東には大芋湖(おくもっこ)があるのですが、展望が無いのでそんな気配はありません。ここまで岩の無い尾根だと思っていたのですが少し岩があり、共同アンテナの残骸もあり、北のハズレは急斜面となりました。ジグザグに踏み跡があって降りていくとフェンスがありました。フェンス沿いに南に歩くと植林の谷があり、谷の真ん中に扉があって山から出られました。谷を下ればみくまりダムに向かう道です。ダムを過ぎると道も未舗装となり、谷の奥へ登りとなります。倒木はありませんが石が多く歩きにくい道で、切通しを通って下っていくと害獣避けの扉がありました。開けやすい扉で、これを抜けて幡路を通り、国道173号線に出て、細工所に戻るまで下山から90分かかりました。


展望 ★☆☆

藪山度 ★☆☆

地形図は「村雲」です。



2022年10月1日土曜日

登山道で登る鳥取・岡山県境の大倉山

 


この山には2017/07/22に東から県境を歩いて来ていますが、今回は登山道で登ってみました。智頭急行線の山郷駅から県道7号線で南に行き、右手(うて)峠方面に曲がると、峠の手前に大倉山へのトレッキングコースの標識があります。これに従って植林の中の林道を歩いていくと、堰堤があってその先の分岐に右が沢コース、真っ直ぐが尾根コースという道標があります。ここは尾根コースを選んで林道を登っていくと、地形図で実線道が終わっている地点からも先に道があります。森林作業道新田大ナル一号線というらしいのですが、東向きに徐々に登っていきます。周囲はきれいな植林です。どこかの尾根の先を回る所に道標があってそこから登るのだろうと思って探しましたが、道標は見つかりません。結局林道の終点に着いてしまい、少し戻って尾根の先を回っている所から尾根を登り始めました。急斜面ですが植林なので問題なく登れました。少し登ると西からの尾根と合流しますが、この尾根の先から登るのが正解だったような気がします。もう少し登って標高750m付近では植林が終わってアシビ混じりの自然林になりましたが、問題なく歩けました。北からの尾根(これは2022/9/17に山郷から歩いた尾根の延長になる)と合流して840m+のピークに出ると、ここは周囲の木々が見渡せる場所でした。遠景は見えませんが、智頭町の地籍図根三角点があります。この日は快晴だったので青空が綺麗でした。ちょっとアシビの間を抜けて再び植林に入り、まっすぐに登っていきました。道標はありませんが、迷うおそれはありません。標高900m付近の斜面は急で、作業道を探してジグザグに登りました。ここを過ぎるとまた植林をまっすぐに登り、最後はちょっと急な自然林を過ぎて県境の稜線に出ました。西に少し歩くと大倉山の山頂の手前に高岳四等三角点(1054.79m)がありました。山頂付近からは南も北もよく見えて、日名倉山や智頭南IC、穂見山、風力発電所などあちこちが見えます。


山頂から西に降りると反射板があって、ここからは那岐山(写真)や奈義町、土師川沿いなどが望めます。下山は南に少し行ってから地籍図根三角点のある分岐から西に県境を降りました。2017/07/22にはここを南に木地山へ向かいましたが、こちらは右手峠に降りるコースです。最初は大きな岩がありますが、すぐに広い気持ちの良い自然林の尾根になりました。歩きやすい尾根ですが、標高900m付近の細尾根は大岩が尾根の真ん中にあり、越えるのが正解でした。その先の900m+には地籍図根三角点があり、ここで北向きに尾根を降りました。尖った大岩を見ながら降りていくと道が2つに分かれますが、ここは北寄りを選び、植林を抜けて降りていきました。迷う要素はいろいろある尾根ですが、道ははっきりしていて、右手峠四等三角点(680.22m)に着きました。そして右手峠は切通しなので降りられないので鳥取県川の急斜面を降りましたが、ここは岡山県側の植林を降りるのが正解です。峠には右手峠地蔵が雨ざらしで置かれていました。


展望 ★★☆

藪山度 ★☆☆

地形図は「坂根」です。