2017年5月27日土曜日

兵庫・岡山県境の佐用の竜王三角点

どうして名前が竜王なのか、付近の地名を見ても分からないのですが、先週歩いた佐用町北端の県境の尾根の南側です。登り口は国道373号線が県境を横切っている場所にしました。「播磨の峠ものがたり」によると、ここは「さっこり峠」と呼ばれているそうです。明治時代の工事で作られたそうで、勾配は緩やかです。しかし、峠から北の尾根に登るには急斜面を登らねばなりません。少し東側の尾根から登ったほうが楽だったかも知れません。足元はやや崩れやすく、作業道もありませんが、下草は全くなく、尾根の上がれば快適に歩けました。40分ほど歩いて竜王三等三角点(530.85m)に着きました。この付近は少し倒木があります(写真)。

この尾根は所々倒木やアセビの藪がありますが、抜けるのに苦労するような所はありません。そして531mピークまで来ると、佐用側から林道が上がってきていました。この林道は東側の植林のために作られたもののようでした。この先で尾根は西方向に曲がりますが、この付近はここまでよりも藪っぽい場所でした。そして510m+ピークまで来て、ここから北に降りれば先週登って来た鞍部ですが、帰りが近い南西の尾根で下山することにしました。迷いやすい尾根ですが、方向を確認して降りれば歩き易い尾根でした。最後は崖の上に出てしまうので、南の植林の急斜面を降りました。

帰りは東町から西町まで歩いて帰りました。南北に離れた集落になぜ東西の名前がついているのか、これも謎です。さっこり峠まで戻ってきて2時間半程度の短い行程でした。歩き易い山だったと思います。この付近は山にネットが無いので助かります。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「古町」です。

2017年5月20日土曜日

佐用町若州の奥を一周

佐用町の北端にある若州は廃村と思われていることが多いようですが、新しい家もあって週末になると車がとまっています。しかし壊れかかった家も多く、雰囲気としては廃村です。若州を通る道は北に谷の奥まで延びていますが、道があるかどうか怪しいので、とりあえずは尾根で一周しました。

最初は若州の南から地形図で西に延びる破線道を歩きました。これは谷道で、北側の斜面に作られていますが、歩いていくうちにどんどん崩落して、場所によっては斜面をトラバースしている状態になりました。滑落しても数mですが、落ち葉で滑りやすいので危険です。谷底も歩けそうですが、場所によっては平地がないので、歩きづらそうでした。破線道と思われる道は消えかかりながらも峠まで続いていました。峠ではお地蔵様を探しましたが、発見できませんでした。峠からは北に斜面を登って県境の尾根歩きになりました。広々とした気持の良い植林の尾根ですが、広すぎて迷いそうになることもありました。590m+付近は倒木が多いのですが、西に少し展望があります。少し藪っぽい所がありますが、ひどく歩きにくいことはありません。ただし地形はかなり複雑です。600m+ピークを過ぎて降りると、鞍部が北東から来ている林道の終点になっていました。林道は歩かずに620m+を越すと、また林道が東から西に尾根を横切っていました。この林道は次の鞍部でも西から東に尾根を横切っており、その後も尾根の東側下を北に延びていました。これについてはGoogleの航空写真をごらんください。尾根の方には巨大な山崎智頭線五二鉄塔があって、大原が望めました。その北には山根四等三角点(633.52m)があり、西の後山川沿いと、東の郷鴫山が望めます。

三角点の北も歩き易い尾根ですが、「愛の村ビューライン」という札が木に付けられていました。愛の村パークは東粟倉にあるので、そこの関係で整備されたのでしょう。しかし道が付けられている訳ではなく、登って来る登山道もなく、さらには愛の村はこの先一度も尾根から見えることはありませんでした。その北で林道が東西に尾根を横切っており、これで岡山側に降りられるので、これが登山コースなのかも知れません。この林道は県をまたいで作られています。林道の北も「愛の村ビューライン」のようで、細尾根になってからも札がありました。途中で東粟倉小学校が見えました。細尾根は最後は谷の奥に出ます。ここには地形図では若州から延びる谷道の破線道が来ており、さらに北側にかなり無理なコースで降りていっています。この破線道を探しましたが、南にも北にも見つかりません。北は地形図どうりの急斜面です。南の谷は倒木が多く歩きにくそうなので、南東に斜面を登りました。789m地点まで登り、南に歩いて郷鴫山へ向かいました。途中で枯れすすきで覆われた789mへ行ってみましたが、日名倉山から後山方面が見渡せました(写真)。この付近は伐採が進んでいるので眺望は良好です。郷鴫山へは尾根を歩きますが、最後はネットがあって藪を登らねばなりません。頂上には作用ハイキングコース選定の会が平成27年に建てたプレートがありますが、宍粟50名山と見間違いそうでした。奥海三等三角点(783.73m)もあります。ハイキングコースとのことで、山頂の手前には郷鴫山への道標がありましたが、登山道がどちらから来ているのかは分かりませんでした。

下山は南西の尾根を降りましたが、複雑な地形で悩みました。結局山崎智頭線四九鉄塔まで歩いて、その先を西に折れるのが正解です。そこからは地形図では一本の尾根のように見えますが、分岐が多くて何度も間違えそうになりました。特に630m+ピークから南の細尾根に降りる所は、下の尾根が見えないので決断を要しました。この細尾根は気持の良い場所でした。最後は西に曲がって、その先は南に降りるつもりがまっすぐ歩いていたら北西に向かうことになり、急斜面の植林を降りました。足元は崩れやすくて、若いヒノキに掴まりながら降りました。腕が痛くなりました。最後は砂防ダムの付近に出てきて、民家の脇から出ようとすると扉が開けられず、結局畑を歩いて石を祀っている祠の所で川を渡りました。

この季節には異常なくらいの暑さの中を5時間歩きました。佐用の山にしては倒木地帯も少なく、下草はなく、歩きやすかったと思います。

展望 ★★☆
藪山度 ★★☆
地形図は「古町」です。

2017年5月14日日曜日

大茅からダルガ峰

ダルガ峰(だるがなる)は、駒の尾山から行ったことはありますが、尾根歩きだったので西側に広がる避難小屋のある平坦地には行ったことがありません。そこで、西の大茅から登ってみることにしました。大茅スキー場から登山道がありますが、それでは面白くないので、大海里川の北の尾根で登ることにしました。登り口の尾根先には地形図では墓地があります。この墓地は金網で囲まれていますが、山に入るには金網の外を登りました。すぐに急斜面の植林になりますが気持ち良く登れました。少し登ると鬱蒼とした植林になりましたが、地形が不自然に複雑で、かんな流しの跡のように思われました。特に小才田四等三角点(845.73m)の手前は大きくえぐれていて、自然にできたものとは思えません(写真)。三角点の方は、落ち葉の中に5cmほど頭が出ていました。この尾根には時々土石流の痕のような岩もあります。そして、三角点付近から周囲は自然林が増えてきます。南側すぐ下には未舗装の林道が見えました。そして、標高950m付近は急斜面で、大きな岩がありました。これを登り切ると、「おかやま森つくり県民税事業」の杭が立っています。平成20年にCO2対策として間伐をしたようです。この上には未舗装の林道があり、それを少し歩いてから林道ダルガ峰線に出ました。ちょっと南に歩くと整備されたトイレと休憩所があります。舗装された林道を北に歩いて、中国自然歩道で平原に入りました。平原と言っても緩い上りです。木はあまり生えておらず、枯れたススキが重なっている中に道が登っていきます。すぐに「若杉後山歩道避難小屋」がありますが、夏は閉まっているようです。この付近は木がないので夏は非常に暑いと思われます。登りきって県境の尾根に出ると林になり、中国自然歩道を南に少し歩くと宍粟50名山の「ダルガ峰(なる)1163m」の標識が立っていました。これがなければ、どこが山頂か分からないくらいに平らです。

下山は登った道を林道ダルガ峰線まで戻り、少し南の尾根にしました。未舗装林道をちょっと歩いてから尾根を辿って下りましたが、地形が複雑でGPSがないと簡単に迷います。最初は新緑が美しい自然林ですが、そのうちに植林が増えてきて、ここもかんな流しの跡らしく、地形は複雑です。不自然に残った細い尾根を下りました。なるべく長く尾根で下ろうと思ったのですが、最後は尾根が終わって谷に降りました。下草はありませんが間伐した木の転がっている谷間で、歩きにくく、斜面を歩いて舗装された林道に降り立ちました。ここは三倉木谷と呼ばれるようですが、大きな堰堤が作られています。道路も地形図に描かれているものとは異なる、南側の道路を降りました。吉野川沿いに降りてからは、大茅地区活性化協議会の芝桜公園を見て帰りました。

一周4時間くらいなので、標高差700mを考えると楽に歩けたということでしょう。累積標高は1600m以上になりました。林道ダルガ峰線はGoogleのStreet Viewで辿れるので、雰囲気を知るには便利です。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「坂根」です。

2017年5月3日水曜日

加美区丹治から登る篠ヶ峰

篠ヶ峰には何度か登っていますが、いつも東の氷上町の方からでした。そこで、西の多可町加美区丹治から登ってみることにしました。とはいえ、こちら側からは山頂まで舗装道路が延びていますから、普通に登るとそれを辿ることになります。そこで、北向きに登って、大井戸山から篠ヶ峰への尾根を歩くことにしました。

まず丹治で道を探すと、集落の東に春蘭荘という温泉と桜公園があることが分かりました。この公園の北側に林道があります。チェーンがかかっていますが、よく整備された道で、これを山裾沿いに歩きました。途中には通称名という札がたくさんあって、「山ノ神」「在郷軍人山」「勝太郎切跡」など興味深い名前がありました。機材運搬用のモノレールもありましたが、藪の中に登って行っていました。そして大きくヘアピンカーブすると舗装は無くなり、最後に道は2つに別れ、ひとつは送電線鉄塔の方へ登っていました。これは奥多々良木線三四鉄塔で、展望があります。ここからは尾根を真っ直ぐに登ることにしました。さほどの藪ではありませんが、枝をかき分ける必要がありますし、ネットがあって邪魔です。勾配もあるので体力勝負の登りでした。そして主尾根直前まで登ると、未舗装の幅広い林道がありました。尾根の下を巻いて走っている感じで、どこまで行くのか見に、左(北東)に行ってみました。するとすぐに終わっていたので、その付近から尾根に上がって、さらに西側に歩いたのですが、これは逆方向でした。急坂を必死に登ると、地積図根三角点があって、「大井戸山 清水山」の矢印がありました。ここは2012/09/14に通った大井戸山から清水山へのルートで、篠ヶ峰へのT字なっているピークでした。実は林道は主尾根に沿って走っていたのだと気付いて、引き返して篠ヶ峰へ向かいました。

大井戸山と篠ヶ峰の間の尾根は勾配もあまりなく歩き易く、北に氷上町方面が望めました。そして林道の切通しがありました。この林道は加美区と氷上町をつなぐものなのですが、南側には「5号(日向)線」という林道があって、これがさっき出会った林道のようです。ここをちょっと南に行けば山頂に通じる舗装道路があるのですが、それではつまらないと思って東に歩きました。この林道はしっかり作られたようですが非常に荒れています。やっとのことで氷上町へ降りる所まで出ました。地形図にはここから山頂まで破線道があるのですが、実際にはありません。急斜面を登ると動力線があって、2014/11/24に氷上町から登って来た尾根だということに気付きました。右下に道路を見ながらの、けっこう勾配があって長い尾根登りで、やっと山頂に着きました。アンテナ群があり、展望も良好です。自動車がとまっていました。

山頂からは南の尾根を降りました。すぐに2014/12/03に通った「火の用心」が3枚ある地点に出ました。ここで南に降りる所は、これがないと見落としそうです。前とは逆方向に歩いて、奥多々良木線三六鉄塔に出ました。この先を歩いても良かったのですが時間もなかったので、ここから下山することにしました。送電線の下は伐採されていますが、それが故に藪で降りられません。そこで、南側の植林を降りました。急勾配で伐採された木が転がっていて非常に降りにくかったのですが、少し降りると林道が見えたので頑張って降りました。この林道は「3号(籠谷)線」だそうで、南に大回りしてから舗装道路に出ました。

最初は林道を歩き、帰りは舗装道路を歩いた割には5時間近くかかりました。丹治から篠ヶ峰は直線距離でも3km近くあり、登山にはあまり向いていないようです。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「丹波和田」です。