2013年1月27日日曜日

飾東町の野深三角点


姫路から山陽自動車道に乗って東に走ると、播但道への分岐を過ぎた後で左側の山腹に神社が見えます。これが飾東町北野の天満神社ですが、この東側の馬蹄形の山並みを一周して来ました。登り口はもちろん天満神社で、蹄と鼻面が青で描かれた大正13年の絵馬があります。神社の北側の笹藪を抜けると簡単に尾根に出られました。最初は道があり、赤テープや赤ペンキのマーキングがありますが、すぐにシダ藪になりました。90m+ピークを過ぎていったん少し下がって140m+への登りになりました。この付近は南側の方が歩き易かったので南斜面に近づくと、石組みがありました。石を綺麗に四角く切って積んであるので、新しめのようです。この付近は藪で、140m+ピーク付近は少しだけ落ち葉の上を歩けますが、他はずっと藪漕ぎでした。実際の所、この山の尾根はほとんど全部藪です。

168mピークも、とにかくすべてがシダ藪かシバ藪になっています。歩けないわけではないのですが、木の枝が顔に当たるのでそれを押しのけなければなりませんし、倒木もあり、イバラもたくさん生えています。展望はたまにあり、一息つけますが、この付近には岩場はありません。200m+ピークは、シダが少なく良い雰囲気なのですが、長くは続きません。高い木が少ないのが特徴でしょう。実は踏み跡の残っている場所は多いのですが、シダが上から覆い隠しています。大きなシダ藪の固まりはなるべく避けて巻いて歩きました。下手にシダ藪に突っ込むと、足が地面から浮いてしまって身動き取れなくなります。三角点への登りも踏み跡がありますが、灌木が両側から枝を伸ばしているので容易には歩けません。やっと頂上に着くと、野深四等三角点(243.57m)があり、周囲だけ木も草もありません(写真)。大柿さんの2008.2.8の赤プラスチックが木に下がっていました。北から来られたようです。山頂からは海も見えましたし、景色を楽しめます。

三角点の先は北東に降りて北に行かねばならないのですが、方角が分から深いずシダ藪の中で立ち往生しました。正しく北の尾根に行くと、シバ藪が増えました。東の法華中継所のアンテナが見えてきます。頂上の王神峯も屋根が見えます。ここは姫路市と加古川市の市境ですが、たまに標石がある程度です。徐々に岩場が増えてきて展望も良くなりますが、藪はいっこうに減りません。踏み跡は相変わらずありますが、シダに覆われており、すぐに消えてしまいます。いくつもピークをアップダウンしましたが、結局この状態は尾根の北端まで続きました。最後は国道372号線に降りました。

3時間半かかって3.5kmしか歩いてません。注意深くシダ藪の固まりを避けたので絶望的な状況には陥らずに済みましたが、好きこのんで歩く山ではないと思いました。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★★
地形図は「笠原」です。

2013年1月26日土曜日

多可町の大海山から三組尾


多可町と山南町の境界の尾根です。このコースは[1]とほぼ同じです。登りはじめは牧野大池で、そのまま真っ直ぐに樺坂目指して登りました。途中で川を東に渡ると谷の奧に入り込んでしまいそうだったので、ずっと川の西側を歩きましたが、[1]を見ると東側の方が面白かったかも知れません。川の西側には道はありません。谷は歩きにくいので谷の間の尾根を歩いたのですが、最後は木に掴まらないと登れない急登となりました。出てきたのは樺坂(345m地点)の少し西側でした。樺坂にはお地蔵様があり、「まきの」「たんば」と書いてありましたが、だったらここではなく牛坂峠にあるべきでは?という気もしました。峠には地形図どうりに北から林道が来ていますが、他に東に水平道があり、これは牛坂峠へ行くようです([2])。大海山へは尾根を登らねばなりません。すぐに何たら記念と掘ってある石が落ちていました。それからは結構急登で、しかもこの日は北風が冷たくて堪えました。西には雪の積もった千ヶ峰など多可の天空、振り替えれば妙見山が見えましたが、木々に隠れがちです。山の上は平らになり風も弱まりました。大海山山頂には観音寺四等三角点(551.78m)と共同アンテナの残骸があります。

次は大海山から南に尾根を降りましたが、何も考えずに降りていったら東にそれてしまい、藪をトラバースして尾根に戻り、牛坂峠に着きました。ここも林道が東から来ています。地形図にある峠越えの道は、よく分かりません。坑道をちょっと覗いてからさらに南に尾根を歩きました。この付近からは528mピークが高く見えます。じっさい342mの鞍部からの登りも、528mピークの西の登りも結構な急登です。528mピークを過ぎると東に山南町が見えるようになります。カザシ、岩屋山、篠ヶ峰まで見渡せます。尾根道は気持ち良く、480m+ピークを過ぎると南に瀬戸内海や明石海峡大橋が見えました。ここからしばらくは岩尾根でしたが、巻くこともできたので、用心深く歩けばさほど危険はありません。そのまま尾根を歩いて、延命寺山三等三角点(539.68m)のある三組尾に着きました。途中にも少し北側が見える場所がありました。なお。三組尾は「にくみお」と読むのだそうです([3])。二ではなくて三なのに「に」なんでしょうか?

三組尾からは少し戻って476mへ延びる尾根で下山しました。ピンクテープのマーキングがあり、道もしっかりしていました。この山は松茸山らしく、荷造り用プラスチック紐の汚らしい囲い込みがあちこちにありました。特に標高350m付近まで降りてくると尾根がネットと紐で通せんぼされていました。無視して通りましたが、「ウルフ・ピス」を使って動物も近づかないようにしていました。秋になるとここは松茸の宝庫なのでしょうか?その南の370m+ピーク付近でピンクテープが西の尾根に付いていたので、そちらに降りてみました。しかし下るにつれて尾根は倒木や藪でひどく歩きにくくなりました。結局歩き易そうな場所を探した結果、南の植林に出てきました。それを下っていくと、小野尻トンネルの上を通って旧道に出ました。明治42年建設という古い小野尻トンネルを見に行きましたが、水が凍って氷柱ができていました(写真)。金網にも氷が付いています。トンネルは金網で塞がれていますが、両脇はあいており、痩せた人なら通れるかも知れません。小動物は問題なく通れるでしょう。トンネルを覗くと、上の方はレンガでできています。トンネルの中は濡れてはいますが水は溜まっていません。あとは県道86号線を戻りましたが、車が飛ばすので恐ろしい道でした。

展望 ★★☆
藪山度 ★★☆
地形図は「丹波和田」です。

2013年1月20日日曜日

西脇の武嶋山


由緒のある山を探していたら、この山を見つけました。低山なので、尾根もついでに歩くことにしました。このコースは、[1]とほぼ同じです。

県道に「武嶋山 摩崖仏」という看板が出ていますが、まず猪避けの金網の扉を通らねばなりません。その奧に「武嶋ひぐらし荘」がありますが、普段は人はいないようです。ここから清厳寺までは石仏が並ぶ急斜面の道です。西国33箇所と四国88箇所が一緒になったようで、石仏を見て回ったら半日かかるでしょう。登った先には清厳寺本堂があります。摩崖仏の標識があるので、そちらに行く道があるのかと思ったのですが、崖をトラバースなどできません。目をこらしてみると、寺の横から見える岩に刻まれた何かが摩崖仏でした。目が悪くてよく見えなかったのですが、写真を撮って確認しました。

寺の裏には岩の上に作られた鉄の階段があり、これを登ると岩場になります。滑らないのであまり危険は無いのですが、えらく急勾配の岩場です。特に上の方では岩の上が尖って狭くなっているため、高所恐怖症には辛い岩場でした(写真)。頂上が武嶋山ですが、藪です。

ここからは縦走ですが、まだまだ岩場が続きます。尾根の西側がストンと落ちており、その上の岩に立つと眺めは良いのですが、危険もあります。踏み跡に従って岩場を歩きましたが、松の枝が邪魔なのと、シダが踏み跡を消し気味で、気を使いました。180m+も岩場で南に眺めのよい場所です。215mピークも藪でした。ここから東に降りて行くと、北摂長田野線45鉄塔がありました。懸垂型鉄塔ですが、片側だけ黒い避雷がいしがぶら下がっています。巡視路を歩くと下山してしまうので尾根を沿って灌木の藪を登ると、350m+の尾根に出ました。東の黒田庄側が樹の枝を通して見えるようになります。この尾根も藪で、シダが膝のあたりまで延びていますが、踏み跡はしっかりしています。少し登ると大木山三等三角点(374.81m)がありました。展望はイマイチです。

三角点からはシダに隠された踏み跡を歩きました。まず共同アンテナがあり、ケーブルは東側に降りて行っています。アンテナが北を向いていたのが気になりました。さらにいくつかピークがあり、東の展望もあります。ピーク付近はシダに覆われていることが多く、ピークを越すたびに踏み跡を探す必要がありました。最初は南にずっと尾根を辿って246mピークの方に行くつもりだったのですが、なんとなく尾根を歩いていたら西の260mピークの方に向かってしまいました。後から確認すると、下半分が細い不思議な形の枯れ木が立っていたところが分岐だったようです。

260mピーク方面の尾根ではシダは減ってシバ藪になります。220m+ピークで地形図の破線道が南に尾根を降りているので、踏み跡はありませんが南に降りて行くと、送電線の巡視路に出ました。尾根上の鉄塔から降りてきており、北摂長田野線41鉄塔につながり、さらに溜池の土手に出て来ました。ここでは何か工事が行われていました。土手の南端に扉があり、そこからは道がありました。

時間にすると3時間半ほどで、姫路から往復する時間を考えるとやや物足りない感じでしたが、武嶋山の岩盤は岩登りの好きな人にはピッタリです。

展望 ★★☆
藪山度 ★★☆
地形図は「中村町」です。

2013年1月19日土曜日

大藤山と高山


大藤山は加古川市志方町の長楽寺の裏山(というか、寺の名前が大藤山長楽寺です)です。高山と繋がっており、両方まとめて歩いてみました。

2011年の台風で本堂が全壊して再建中の長楽寺に車をとめて、西に歩きました。県道65号線を西に歩くと、「腹切り地蔵」のところに高山登山口があります。溜池の横から始まりますが、岩が多い斜面を真っ直ぐに登っています。途中に姫二火力線39鉄塔があり、それから尾根に出ます。北に向かうと眺めの良い岩場に出て、251mピークを過ぎて主尾根に出ました。ここから高山まで往復しました。登山コースには赤い金属板の標識が付けられており、迷う心配はありません。高山は展望は無く、川北三等三角点(298.29m)があります。

高山から尾根を東に歩き、「峠」方向に歩きました。登ってきた道ほど頻繁ではありませんが、こちらにも赤い金属板の標識があります。ただし道はかなり藪っぽくなります。まず260m+のピークに登りますが、ここは眺めは良いのですがシダ藪です。ピークに出て南東に降りるところは笹藪ですが、足元をよく見ないといきなり大きな段差があったりします。ここを過ぎると歩き易くなり、まず姫一火力線42鉄塔があります。良く整備された送電線の巡視路を気持ち良く歩くと姫二火力線41鉄塔に出ます。この先も巡視路なので楽ですが、ちょっと脇の藪に入って、山中四等三角点(204.68m)を見てきました。巡視路を降りて行くと切通があり、ここが峠かと思うとそうではありません。この切通は北側に道がありません。もうちょっと歩くと、姫二火力線42鉄塔があります。さすがに火力線で電圧が高いらしく、碍子が20近くも使われています。その東で、地形図に破線道のある峠に出ました。この付近は竹藪ですが、ちゃんと道が通っています。

峠から東は大藤山登山道となります。とは言っても最初は巡視路で、姫二火力線43鉄塔に出ました。ここから北に登って尾根に出て、あとはなだらかな尾根歩きとなりました。すぐに「大藤山」という金属プレートの標識があって、ここが山頂かと一瞬勘違いしたのですが、ここから東に少し尾根を降ります。「蛇が池」への分岐がありますが、これは北の大釜池へ降りる道です。蛇が池への標識の下に「マムシ注意」とあったのは笑えました。蛇が池では雨乞いをするそうです([1])。姫二火力線44鉄塔を過ぎると道の脇にやたらとロープが張ってあります。この道は水平道ですが、「遊歩道~頂上」の標識があり、ロープに沿って歩いて行くと、別の登山道に出ました。これを登ると240m+に出ますが、ここには東登山道と西登山道の両方の標識がありました。登ってきたのは東登山道でしたが、峠は西登山道から行くことになっており、どこかで道を間違えたのかも知れません。ここからは平らな尾根を歩いて大藤山山頂に出ました。西牧三等三角点(250.79m)があります(写真)。なお山頂には「大藤山山頂標高251.1m」と書いてあり、標高が三角点と微妙に異なります。

下山は東の尾根にしました。ここまでずっと登山コースを歩いてきて、藪はあったものの歩き易くてやや物足りなかったのですが、東の尾根には整備された道はなく、まず藪の中で尾根を探しました。尾根道が残っているところもありますが、ほとんどは藪と化しています。しかしシバ藪なので枝が邪魔なだけで歩くのに支障はありません。どっちの方向を見ても降りられそうな感じで、ちゃんと尾根を辿るために何度も現在地を確認しました。最後は小さな藪のピークを二つ越しましたが、二つ目は前山と言うようです([2])。大日如来の梵字の刻まれた石碑と、「陽仰塔」と刻まれた石がありました。ここからは良い道で、地形図にもある墓地に降りました。

高山も大藤山も展望のある山ではありませんが、今日歩いた範囲では登山道は整備されています。ほとんど植林が無いのが特徴と言えば特徴でしょう。大藤山は、ほとんど展望はありません。

展望 ★☆☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「笠原」です。

2013年1月6日日曜日

古法華自然公園の北尾根


ひとつ山に登ると、次の山に登りたくなります。前日に夕陽ヶ山から善防山まで縦走した時に、谷を挟んで北に見えた尾根が岩場が多くて楽しそうだったので、登ってみました。どこから登ってよいのかわからないので、公園駐車場に車をとめて向かい側の森から登り始めました。森の山側の際には道がありますが、整備されているのはそこまでで、そこから上は藪です。まともな登山道は期待していなかったので、藪に分け入りました。最初はシバ藪、それからシダ藪となりますが、傾斜がきつくシダも背丈以上に伸びている所もあるので、通り抜けるのにはだいぶ苦労しました。基本的にはシダを避けるのですが、避けられない時には足が地面につく場所を選んで歩きました。低山なので悪戦苦闘も長くは続かず、10分ほどで尾根に出ました。

尾根はシバ藪で枝が邪魔ですが、踏み跡があります。岩場が多く、振り返るたびに遠景が楽しめます。この付近の岩は硬くて崩れないので、安心して登れます。130m+の尾根に出ると谷の南の尾根もよく見えます。岩の多い、低い松の生えた尾根を歩いて行くと、南東に面白そうな尾根が見えてきます。194mピークに向かう痩せ尾根です(写真)。しかしそこに向かうには、まず220m+ピークに登らねばなりません。相変わらず藪っぽい尾根ですが、踏み跡はずっとあります。220m+ピークはこの連山の最高峰ですが、南側が岩場で展望が良いほかは足を踏み入れたくない藪です。ここで南の痩せ尾根への踏み跡を探しました。急斜面なのでどこが道かはわからないのですが、なんとなく藪が薄い所を降りていくと岩場に出てきて、あとは岩場と藪を交互に抜けて、鞍部に出られました。この痩せ尾根は柔らかい岩でできていますが、幅が十分あるので危なくはありません。途中に元気の良い松が生えているので、その枝と力比べをしないと通れません。194mピークは低木がまばらに生えているだけで、南側は広い岩場となっています。足元にはキャンプ場が見えており、ここを降りて下山することも可能だったと思います。しかしまだ時間もあったので、220m+ピークに戻りました。ほぼ同じルートで戻れたので、多分踏み跡があったのでしょう。

220m+ピークからさらに東に歩き、次は尾根を北東に降りました。ここは藪化しており、踏み跡も消えていました。無理やり藪を抜けると鞍部に道がありますが、その先もシダ藪になります。それを抜けると190m+ピークへ向かって藪っぽく岩の多い登りです。ピークに出ても藪っぽいのですが、展望はあります。ここで、次に行きたかった北の140m+ピークへどう行くかが問題でした。とにかく北に尾根を降りましたが、踏み跡はありません。ひどいシバ藪なので枝を折りながら歩かねばなりません。鞍部に降りてくると、古い高圧ボンベが転がっていました。普通のボンベではなく、端から鉄のパイプが延びています。このパイプは尾根上を西にずっと延びており、140m+ピークの北側に消えて行きました。パイプに沿って鞍部のシバ藪を抜けて、登りになってくると岩場となり、シダが茂っていました。ここを抜けるには、シダと岩をよく観察して一番登りやすい場所を選ぶ必要がありました。急勾配なので注意が必要です。しかし標高差はそんなにないので、すぐに山頂に出ました。このピークは南側から見ると大きく崩落しており、垂直の崖の下に大量の石が積もっています。しかし上に立ってしまうとそんな様子は見えず、今日歩いてきた尾根がよく見えるだけでした。そのまま西に尾根を降りていくと、またシバ藪となり、さらにシダ藪となりました。しかしこちら側は勾配が反対側よりも緩やかで、シダ藪にも踏み跡がありました。シダ藪を抜けると石積みの上に建てられた崩壊した小屋がありました。ここには鉄パイプが繋ぎ込まれていました。何の施設か、全く分かりません。ゼンリンの地図を見るとこの付近には道が延びています。ここから下も踏み跡が続き、歩きやすくなります。南側には鉄パイプが西に延びていましたが、山裾になると見えなくなりました。最後は林から笹薮の中の小道に出てきました。それを西に歩くと、地形図の林道に出てきました。

古法華自然公園はよく整備されていますが、その南北の尾根にはまったく手が入れられていません。北の尾根にもマーキングはまったくありません。この尾根にもっと適当な登り口があるのかどうか分かりませんが、尾根の西端の畑の上から入るのが常道だろうと思います。

展望 ★★☆
藪山度 ★★★
地形図は「笠原」です。

2013年1月5日土曜日

加西の夕陽ヶ山・善防山・笠松山


加西の善防山はよく知られた山ですが、その南に延びる尾根が法華山から見て美しかったので、[1]を参考にして歩いてみました。

夕陽ヶ山から歩こうと決めていたのですが、最初の難問はどうやって夕陽ヶ山に登るかでした。尾根の西の端にある萬歳橋付近の山裾に少し入ってみましたが、灌木の藪でシダも多く、歩く気になりません。尾根の端の北側は川があるため山裾には行けませんが、古法華自然公園の駐車場の方へ少し歩くと、川に堰堤のようなものがあって、簡単に渡れました。しかしここもシバ藪で、枝を払いながら登ると今度はシダが密集していました。シダを避けると谷沿いに登ることになり、その上は岩盤でした。岩盤は滑落の危険がありますが、ひどいシダ藪は全く登れなくなります。結局なるべくシダ藪は避けて岩場を登りましたが、場所によってはシダ藪を正面突破した所もあります。岩場が多いので展望は良く、登るにつれて北の深山や笠形山などが見えるようになります。そして30分以上の悪戦苦闘の末、三角点がいきなり現れました。夕陽ヶ山四等三角点(227.59m)です。確かにこの山からは西側が開けており、夕陽はきれいだろうと思います。赤白の棒もありましたから、もっと楽に登るルートがあるのかも知れません。夕陽ヶ山から登ったのは、夕陽ヶ山の斜面を降りるのは余りにも危険そうだったからですが、この予想は正しかったと思います。

夕陽ヶ山からは東に縦走です。尾根にはしっかりした道が付けられており、枝が邪魔なことはあっても歩くに困ることはありません。岩の多い尾根なので、低い松が多く半袖だとチクチクするかも知れません。展望はずっと素晴らしく、南には法華山が見えますし、東には善防山、北には笠松山が見えます。地形図どうりにアップダウンを繰り返しますが、ピークはほとんどが岩山です。おかげで展望も良く、登るのも楽でした。大柳ダムの南の200m+ピーク付近に来ると、南側に不思議な建物が見えます。地形図でも建物が4つ並んで描かれていますが、これらの建物の周囲には屋根と同じくらいの高さの土手が築かれています。火薬庫でしょうか?この付近からは、善防山も笠松山もぐるっと見渡せます(写真)。

このあとは下りとなり、ここからはシダが腰のあたりまで茂っています。ぼんやりと歩いていると道を見失う可能性があります。154mピークの東側が最低点で、南北に道がありました。ここまでは道はあってもマーキングは全くなかったのですが、ここからの登りは階段が作られており登山コースです。とは言うものの、すぐに急斜面の岩場に出てしまいました。ここは結構な難所で、降りるのは避けたいコースでした。ピークに出ると道は左右に分かれており、左に行くと「周回コース」で、岩の痩せ尾根に出ます。ここからの展望も素晴らしいものです。ここから西に下山もできますが、善防山に行くことにしました。尾根を東に降り、吊り橋への分岐を東に折れてやや急な道を上がっていくと、善防山の山頂に出ました。「第1頂上」という札が立っていますが、第2はどこでしょうか?三角点がないのが不思議です。ちょうど坐りやすい形の岩がありました。ここは城跡だそうです。

まだ時間があったので、来た道を引き返し、吊り橋を渡って笠松山に登りました。こちらも岩場の多い山なので展望は素晴らしく、ご機嫌な尾根歩きが堪能できます。岩盤も登山コースなので登りやすくなっています。笠松山山頂には展望台があり、360度の展望が楽しめます。法華山三等三角点(244.39m)はその下にあり、点の記では「状態 要移転」となっています。確かに上に展望台があったのでは測量には使えません。これだけの低山でこれだけの展望があるというのは驚きでした。

下山は「大柳ダム方面800m」に向かいました。急勾配の道を降りて、鞍部に出ると案内板があります。そのまま進めば降りられそうなので次のピークを登ると東屋がありました。青い屋根が南の尾根からも見えていました。登山コースは地形図の破線道どうりにここから南東の尾根に降りるのですが、何も考えずに真っ直ぐ進むとだんだん道が怪しくなりました。あやうく西の急斜面を降りそうになり、変だと思って道を見つけて南に行くと、広い岩場に出てきました。眺めは良いのですが道ははっきりせず、急勾配の岩を真っ直ぐに降りました。岩場の下には道があり、湖に出てきました。降りてきたところにはテープのマーキングくらいしかないので不親切だと思ったのですが、登山コースではなかったようです。降りたところで湖面の北側に沿った道があり、西にも行けましたが、これは湖面一周コースではなく、案内のあった鞍部に戻るようです。結局湖の東端まで出て、舗装道路を歩いて車まで帰りました。

ずいぶん大回りしましたが、歩いていたのは4時間半ほどでした。最初から最後まで展望が楽しめるので、素晴らしいコースでした。この付近の岩場にはガレ石はなく、崩れる心配がないので安心して上に乗れます。しかし、一つ間違うと滑落の恐れがあるので雨の跡などは避けたいと思います。

展望 ★★★
藪山度 ★☆☆ 夕陽ヶ山に登るところは別です
地形図は「笠原」です。

2013年1月3日木曜日

加古川の法華山


正確には加古川市と加西市の市境にある山です。法華山一乗寺というくらいですから、一乗寺の背後(北側)にある山です。西国三十三箇所の順番では、書写山の前の26番となります。正月だったのでしっかりと駐車料金を取られましたが、一乗寺の駐車場に車を置きました。東の尾根から登ろうと考えて、寺の東にある見子大神の裏から登り始めました。踏み跡があるのですが、登ってこうとするとシダが邪魔なので、結局谷を通って鞍部に出ました。マーキングがあるので南のピークまで戻ると、一乗寺の東門(峠のところに立っている門)の付近から登山道が登ってきていました。法華山山頂まで1000mとのことで、縦走を始めました。藪の尾根ですが、シダは一番育っているところで腰くらいまでですし、木の枝もさほど邪魔ではありません。とにかく登山道ですから道に迷うことはありません。最初は東に、それから北に展望があります。写真は善防山です。藪に疲れた頃に標石の埋まっているピークに出ました。ここが法華山の北のピークなので南へ行くと、法華山山頂に出ました。上ノ垣内三等三角点(243.25m)があります。大柿さんの'07.2.17の赤いプラスチック板と「法華山裏山243.3m」と書いた赤い板がありました。ここが裏山なら、法華山表山はどこでしょうか?

このまま南に登山コースを降りることもできますが、さらに縦走を続けるために北のピークに戻り、西に尾根を降りました。この付近は柴藪ですが、岩尾根なので松の小木も多く、ちくちくと刺されます。腰より高いシダ藪もありますが、踏み跡ははっきりしており、それを忠実に辿れば藪に突入して身動きが取れなくなることはありません。徐々に南側の展望が得られるようになり、海も見えるようになります。そして、ピーク前で踏み跡が登りと南斜面の巻き道に分かれていたので上に登ったところ、ここが姫路市、加西市、加古川市の境界点でした。そのまま歩くと北の尾根を降りて行ってしまうので、戻って巻き道を進みました。この道は岩場の斜面を横切っており、ここはちょっと難所です。その後西へ行く尾根を降りますが、この付近も踏み跡はあるものの藪です。206mピークには岩が二つありました。そして南西に急斜面を降りていくと、北側に道路が見えてきます。山頂へ向かう保守道路です。道に降りて楽をすることも考えましたが、尾根も踏み跡があるのでそのまま歩きました。とはいえこの尾根も藪で、かなり根気の要る縦走でした。登りになって見上げると、小さな神社がありました。牛頭天王を祭る王神峯だそうです([1])。目の前にはDocomoの法華中継所がありますが、そこへ行くには急斜面を降りなければなりません。なお地形図にはありませんが、保守道路の途中には関西電力の小原無線中継所(パラボラ3つ)も建てられています。

このDocomoの中継所は尾根から突き出た格好に建てられており、西側先はありません。下山は、王神峯まで登り返して、その参道を東に辿りました。この道はしっかりしており、南東に尾根を降りていきます。展望も良く快適です。しかし、尾根の先の小ピーク付近で道が消えてしまいました。無理矢理藪を突破して下山しましたが、背の高いシダも茂っており、そちらには行かないように注意しました。結局東向きに谷を降りることになったのですが、水がないので助かりました。この谷は短距離ですが、えらく長く感じました。七ツ谷に降りて溜池に向かう道に出て、あとは道を歩いて一乗寺まで戻りました。道路に出たところに、「法華山1Km登山口」の標識がありました。

1月3日は特異日なので好天で眺めも良く、新年の藪山歩きを楽しめました。

展望 ★☆☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「笠原」です。