2011年5月8日日曜日

高峰


昨日は福知渓谷北側の尾根を歩きましたが、そこからさらに北側には草木川を挟んで高峰がよく見えました。南斜面に林道が複雑に走っており、Google Earthで見ても地形図には無い新しい林道ができていました。

一宮町福野には、「高峰登山口」と書かれた標識の立っている道があります。これが地形図の林道(前川林道)です。舗装された林道で、最初はやや急ですが、割と楽に登れます。何回もターンすると、地形図にあるアンテナがありました。auとdocomoの二本の通信塔です。近くの三角点は「通信塔」という名前なので近くにあるのかと思えばそうではなく、もう一度大きなターンをした後にNHKの「火の用心」があり、そこから尾根を少し歩くと西向きのNHKのパラボラがあって、そこに受信塔四等三角点(613.50m)がありました。携帯の通信塔より三角点のほうが新しいというのは信じがたかったのですが、これで謎がとけました。三角点は昭和41年となっていますが、パラボラの設置年はどこにも書いてなかったので不明です。地形図の林道は三角点のすぐ先で尾根に出て終わりますが、ここから新しい林道が南斜面に延びています。そちらに行ってみようかとも思ったのですが、尾根に高峰への道標があり、やはりこちらが王道と思って尾根を歩くことにしました。この地点にはボーイスカウトの初日の出登山記念の碑が立っていますが、この碑を持って登った根性には恐れ入ります。

いきなり目の前にNHKの一宮三方テレビ中継放送所があります。昭和46年に建てられたようなのですが、三角点より数年遅れです。ここからは気持ちの良い縦走で、植林と雑木林を抜けます。南向きに展望のあるところが何カ所があります。写真は、林道、草木川、福知渓谷北尾根、その南の細畑、岡ノ上三角点などの山を望んだものです。林道からの展望が気になっていたのですが、尾根から見られるならこちらの方が標高が高いわけで、眺めも良かったと思います。頂上に近づくと南側にネットが張られ、その下は伐採されています。新しい林道は頂上の南西斜面の倒木処理をするためのものだったようです。頂上にはここが御形神社の土地であるという意味らしい碑が立っています。高峰三等三角点(844.64m)もあります。頂上から真南の尾根にはネットが張られていますが、ネットの東側は少し空いています。新しい林道はこの尾根で終わっており、新しい林道の終点からこの尾根を登れるかも知れません。ネット脇の狭いスペースで急勾配の尾根を登るので楽しくはないと思いますが。

下山はそのまま頂上を過ぎて草木方面に歩きました。このまま草木まで尾根を降りて草木から山越えの道路で百千家満に出るのが普通でしょうが、この道路は狭くて危なそうなので、直接百千家満の近くに降りることを検討しました。尾根を北東に歩いて、展望のある地点に出たところで(下には解体されたパラボラアンテナが見えていました)北向きの尾根を降りました。この尾根は急勾配の植林になります。付近は大きな岩や土石流の跡がありますが、あまり東に行き過ぎないように急勾配の尾根を降りると、697m地点に出てきました。ここは気持ちの良い平坦な植林です。この先は木がまばらに生えており、間に低いアセビが茂っていますが、藪というほどではありません。ただし勾配も急で、伐採した木などもあり、歩きにくくなっています。見回すと東のほうに道らしきものがあり、そちらに歩いて降りていくと、結局植林の間の谷に降りてきました。谷は岩と倒木で歩けず、東側の植林の急斜面をトラバースするような形で谷を降りて、道路に出ました。

この後は普通に道路を歩いて百千家満へ出る予定でした。しかし、最初に降りていた斜面の先を見ると、歩けそうな植林になっていました。その反対側は平坦な植林で、その先は平地になってみました。興味があったので行ってみたら、背の低い笹の原っぱでした。その先は「百千家満グランド」でした。この付近から川沿いの道に出ようとしたのですが、意外と難しく、結局西側の尾根を越して谷間から道路際に出ると金網があり、扉がありました。ここから道路側に出ると「平成元年ふるさと100年の森林」という碑があったのですが、道路へ降りようとすると家が目の前にあって降りられません。結局さらに西の尾根にトラバースしましたが、この尾根の先から道路に降りようとすると崖になっており、結局さらに西に歩いて、草木から来る道に出て道路に出ました。何をやっているのやら、という感じでした。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆ 下山次第です。
地形図は「神子畑」です。

2011年5月7日土曜日

福知渓谷北の尾根


2009年の台風でひどいダメージを受けた福知渓谷ですが、白口までは道路が通ったようです。福知渓谷の北の東西に走る長い尾根は前から気になっていたのですが、台風の被害から周囲が回復してきたこともあって、そろそろ歩いてみる気になりました。問題はコースで、福知から北の尾根に登って白口まで歩き、福知渓谷沿いに歩いて帰ってくるのは景色は良さそうですが、細い自動車道を歩くことになるので危険そうです。その点、北尾根の更に北側の草木川沿いの道は地形図では破線道なので、こちら側に降りて戻ってくる手はありそうです。しかし草木川の破線道が台風で通行不能になっていると、谷筋で行き止まりになり、帰って来るのが大変そうです。そこで一計を案じて、まず草木川を歩いて遡り、草木ダム近くまで行って福知渓谷の北尾根(草木川の南尾根)に登り、尾根沿いに帰ってくるというコースにしました。もし草木川沿いが歩けなければ、尾根に登ってしまおうという計画です。

出発点は一宮町福中です。揖保川沿いに北は福野、南は福知となっています。草木川沿いの道は舗装されており、まずは楽に歩けます。途中に横住川キャンプ場がありました。一泊3000円だそうですが、特に施設がある訳ではありません。この川は横住川という名前でしょうか?その先は新しく護岸が設けられている場所がいくつかあり、護岸工事の工事現場に出ました。シャベルカーの脇を通してもらって山側に行くと、旧道がありました。これは歩きやすい道ですが、土石流で橋が流されている場所もありました。地形図の431mピークは奇岩で、道は切通になっています。その先は、破線道が実線道に出会うところまで歩き通せました。福知渓谷ほど荒れていないのは、上流にダムがあったためでしょうか?

この先は東に谷を登る林道を歩きました。これはかなり荒れています。小さな谷を横切る所では道の下に土管を埋めて水を流すようになっているのですが、大水で道の土が流されて、土管がむき出しになっている場所がいくつかもありました。林道の終点から少しツヅラに道がありましたが、すぐに終わって、ここから急斜面を登りました。尾根筋を登りましたが、灌木が多く、枝をかき分けながら登らねばなりません。踏み跡もほとんどなく、藪漕ぎ状態でした。これが標高600mから800m付近まで続き、疲れ果てました。しかし800mを越すと多少緩やかになり、景色も良くなります。850m付近からは遠くは氷ノ山(写真)、手前に藤無山や銅山、もちろん三久安山、東山、千町ヶ峰、段ヶ峰などなど、見晴らしは最高です。自然林の幅広い尾根で、気持ちよく登ると植林の尾根に突き当たりました。これが宍粟市一宮町と神河町の境の尾根かと思ったのですが、実はそれはもう一つ先でした。尾根を歩いて境の尾根に出て、白口三等三角点(941.87m)を見てきました。藤ヶ峰([1])で、植林の中です。ここから引き返し、やっと北尾根の縦走になりました。

登ってきた地点まで戻り、さらに西に尾根を降りましたが、気をつけないと白口の北の谷に降りてしまいます。北側は自然林、南側は植林の細い尾根になります。ネットが張ってある所もあって、どちら側を歩くか少し悩みました。北側の展望が時々あります。長い長い尾根を下って、いったん620m+まで南に下り、登り返すと、大柿さんの赤いプラスチック板(09.5.2)と田ノ小屋四等三角点(671.43m)がありました。この付近までは植林が多いのですが、だんだんと尾根は荒れてきます。切り開きが無く、枝を押し分けて歩かねばならない場所も多く、だんだん疲れてきました。時々南と北と両方の谷から工事の音が聞こえてきました。625mピークも、特に何もない藪っぽい尾根だったと思います。

582mピークの前で、荒れ気味の尾根に道が現れました。北側から道が登ってきており、稜線に乗っています。そのまま583mピークを過ぎて、その先550mを切ったあたりでまた北に降りていってしまいました。このピークで何かすることがあったのでしょうか?この先も藪っぽい尾根が続き、608mピークでは福知方面が見えるようになりました。この先は歩き易くなり、植林に入って、少し稜線を行きすぎると高取四等三角点(609.86m)がありました。ここにも大柿さんのプラスチック板が残っていました。下山は尾根を北に降りました。真っ直ぐ降りずに、共同アンテナの残骸の付近から西に曲がりましたが、これが正解だったと思います。倒木の多い急斜面の植林でしたが、無事に林道に降りられました。林道を北に歩いて、鹿避け扉から出ました。

福知渓谷の北尾根は、正直なところ長いだけで楽しみはあまりありません。展望は多少ありますが、全体の行程から見れば僅かです。コースとしては、草木川沿いが歩けることがわかったので逆コースが良さそうですが、今日登った尾根を下るのは相当に気力が必要です。最も展望が良かったのが藪の尾根の上でしたから、もっと良い降り方を見つける必要があります。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「神子畑」「長谷」「音水湖」です。

2011年5月5日木曜日

倉床川水源地を一周


一昨日に藤無山を歩いた時に、東に見えた山並みが気になりました。帰ってから調べてみると倉床川の上流で、素晴らしいコースのようだったので、また出かけてみました。

山崎から県道6号線でひたすら揖保川を遡ると、倉床の「ふれあいの森」を過ぎて、県道は富土野トンネルを目指して山に登り始めます。この手前に分岐があって、「銅山」と書いてあります。こちらの細い道を走り、人気のない富土野の集落を通り抜けて、すれ違い不可能の林道に入るとログハウスや作業所があります。その先は未舗装になって荒れ気味なので、車を降りて歩き始めました。

深い谷ですが、林道は歩くには十分です。橋があって分岐があり、右が「銅山」になっています。少し曲がった谷を歩くと左手(西側)に墓地がありました。明治時代の墓石が多いようです。ずいぶんと山奥に墓地を作ったものですが、廃村となった大路集落のものかも知れません。また橋があり、分岐点に「銅山登山口」の道標があります。ここを右に曲がり、そのまま歩けば大路峠に行けますが、富土野山(古屋山三角点)に行きたかったので、東側の植林を登りました。地形図で見るとこの付近の斜面が一番勾配が緩いのですが、それでも標高差200m以上を登らねばなりません。休み休み30分近くかけて、やっと頂上に出ました。「界」と書かれた標石がありました。ここから北東に向かう自然林の尾根は広々していて気持ちが良く、たちまち富土野山山頂に着きました。古屋山三等三角点(759.91m)がありました。

ここからは稜線を縦走です。宍粟市と養父市の市境であるだけでなく、日本分水嶺でもあります。植林と自然林が混ざっていますが、快適な細尾根が続きます。「界」の標石も続きます。ちょっとした登りの後、大路四等三角点(822.34m)に着きました。ただし三角点を過ぎて真っ直ぐ進むと西に降りてしまいます。北に尾根を歩き、西に曲がって斜面を降りました。ここが大路峠(大路越)で、案内板が立っています。この先は標高差150mを登らねばなりません。北側の展望があり、木々も素晴らしいので、ここも休みながらゆっくりと登りました。まだ木は芽が出たくらいで葉は少ないのですが、葉が無くても木のプロファイルが美しくて楽しめました。大屋川の北側の山並みや、まだ雪をかぶった氷ノ山が見えました。そして気持の良い稜線を歩いて「銅山(どうやま)もしくは古屋山」山頂に着きました。筏三等三角点(953.68m)があります。

銅山から西も気持の良い稜線が続きます。しかし下山路への分岐([1])を過ぎると辺りは手入れの悪い植林になります。枝打ちしていないため顔の高さに枝が出ており、木の密度も高く、伐採した枝や木もあって、歩きにくくなりました。手入れが悪い植林と書きましたが、北側には稜線近くまで林道が来ているので、手入れしていないわけではなさそうです。植林を抜けて、また広々した尾根に出ましたが、ここでまた標高差100mを登らねばなりません。ここも気持ちが良いので楽しみながら登れました。頂上は一昨日にも訪れた946mピークです。

ここからは一昨日と同じ縦走となります。植林を過ぎて、896mピーク付近からは尾根に階段があり、まるで遊歩道です。黄砂の多かった一昨日と違って遠くまで見渡せて、西側は阿舎利や一山、東側はこれまで歩いてきた稜線の山々や大路峠、その向こうには須留ヶ峰(写真)などが見えました。もちろん藤無山も雄大でした。877mピークの南の展望の良い点を過ぎると尾根に伐採した木が放置されており、歩きにくくなりました。そして一昨日は西に曲がった46番標石のところを東に曲がりましたが、ここは降りるべき尾根が見えず、やや迷いました。しかし尾根に乗れば植林で快適です。今日歩いた尾根にはずっと「界標第百いくつ」と書かれた赤い大きな標石が埋められており、裏側は「字銅山」となっていました(土に埋まっていて先は読めません)。この付近にもこの標石がありました。844mピークを過ぎてしばらく東に進みました。下山には694mピークのある長い尾根を使おうと思っていたので、810mピークの手前の820m+の広いピークから北東に降りる必要がありました。ここは迷いそうだと思っていたのですが、赤い標石があって、その上に直角に曲がった筋が描かれており、ここを曲がれば良いのだと分かりました。じっさい赤いテープの目印もあったので、やや急な斜面でしたが真っ直ぐ降りると、目的の尾根に乗れました。

この尾根も植林が多く気持ちよく歩けました。694mピークの付近は植林ですが、北側には平坦地が多く、広々しています。難関はその東の標高が650mを切る付近で、東にまっすぐ尾根を降りたのですが、降りた先の平坦な尾根は灌木が茂っており、ネットもあって、今日の全コース中では最悪の場所でした。時々北の展望があるので我慢して歩くと、600m付近からはまた植林になりました。赤い標石もあって、これが下山に適した尾根であることを予感させました。じっさいそのまま植林の尾根を降りると、「銅山登山口」のある橋の南側に降りられました。大正解でした。

この日本分水嶺の稜線は確かにこの付近でも屈指の美しさで、全6時間のコースでしたが飽きずに歩けました。

展望 ★★☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「大屋市場」「戸倉峠」です。

2011年5月3日火曜日

藤無山ダイレクト


ダイレクトと言ってもいろいろな方向がありそうですが、これは南からダイレクトです。地形図で藤無山を見ると、南に延びた尾根は小原の集落近くに達しています。ここから登ろうという計画です。直線で3km、標高差は700mほどです。

兵庫県道521号道谷三方線を三方町から公文川沿いに北上し、小原を過ぎると分岐があります。右は志倉に行く林道で、左は「この先通行止め」の看板が出ている道谷三方線です。この分岐点に空き家になっている人家があり、その裏手から尾根に登りました。最初は非常に急勾配で、ちょっと無理な登山です。少し西に行くと小さな尾根があるので、そこから登るのが正解かも知れません。頑張って10分ほど登ると、やや勾配が楽になって、木に赤いペンキが塗られています。ここが標高500mくらいで、さらに登ると600mのピークに達しました。ここからが本格的な尾根歩きとなります。この先560m+の鞍部まで降りますが、この付近はネットがあります。時々道がありますが、全体に藪っぽくて歩き易い尾根ではありません。とは言え枝をかき分けて歩かねばならないのは一部だけで、落ち葉を踏んで木の間を楽に歩ける部分の方が多かったと思います。倒木は多少あります。岩場は少ないようです。

それにしてもずっと登りですから、気を抜けません。標高が900mくらいになると、植生が変わってアシビが増えてきます。そして950m付近で南東からの尾根と合流しますが、この尾根は伐採してあり、合流点では展望が得られます。この先は気持の良い幅広くなだらかな尾根となります。最後は笹が茂っていますが、道が通っており、藤無山頂上に出ました。2時間20分かかりました。黄砂で展望が悪かったのが残念でした。三本杉二等三角点(1139.24m)があります。

下山は東の尾根伝いにしました。まず急斜面を東に降り、宍粟市と養父市の市境の尾根を歩きました。途中に岩場があり、その先に「志倉川源流登山口方面下山道」という標識があります。これは志倉に向かって伐採された尾根を降りるコースで、一般的にはこれが正解でしょう。この分岐点の東は倒木でやや荒れていますが、すぐに尾根は広々してきます。防火帯かも知れません。展望も良好です。これから歩く尾根が目の前に見えていました。気持ちよく946mピークまでアップダウンを歩き、南に尾根を曲がりました。ここから再び長い尾根歩きです。

最初は植林ですが、930mピークを過ぎると尾根に灌木が増えてきます。ちょうど芽が出てきたところで、枝を折らないように気を遣って歩いていたので、時間がかかりました。896mピーク付近からは、植林活動(伐採活動)の後なので尾根に道が付けられていました。「近畿中国森林管理局」のピンクのbiodegradableテープが木に付けられています。877mピーク付近まで、尾根にはずっと道があり、東に西に展望がありました。藤無山も見えますが、東側も高い山がないため遠くまで見渡せます(写真)。黄砂がなければ、もっと遠くが見えたでしょう。お勧めの尾根です。

この後は、再び藪っぽくなります。しかし尾根が西に曲がる付近は植林です。ここから少し西に進んで、藪っぽいピークからまた南に細い尾根を歩きましたが、この付近は再び植林になります。防火帯のように尾根が広く伐採されているため、落ち葉を踏んで良い気分で歩けました。そして、由宇屋三等三角点(799.58m)に着きました。ほとんど埋まっておらず、地面に置いてある状態でした。ここからは真っ直ぐ南に小原の集落に降りる尾根もありますが、地形図では破線道が出発点の分岐点に降りるようになっています。この道があるか探してみようと、破線道の方向に尾根を降りました。あまり期待していなかったのですが、やはり道と呼べるものは無く、ただ尾根が続くだけでした。木にピンクのテープが付いているので一応はルートなのでしょうが、最後は非常に急峻になって、木に掴まりながら降りました。確かに出発点には出られました。

全行程5時間ですが、距離も標高差もかなりあります。部分的には気持の良い尾根が何ヵ所かあるので、あとは我慢して歩くしかありません。標石やマーキングは多く、登山ルートでないにしても決して未踏の尾根ではありません。

展望 ★★☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「戸倉峠」です。