2011年5月7日土曜日

福知渓谷北の尾根


2009年の台風でひどいダメージを受けた福知渓谷ですが、白口までは道路が通ったようです。福知渓谷の北の東西に走る長い尾根は前から気になっていたのですが、台風の被害から周囲が回復してきたこともあって、そろそろ歩いてみる気になりました。問題はコースで、福知から北の尾根に登って白口まで歩き、福知渓谷沿いに歩いて帰ってくるのは景色は良さそうですが、細い自動車道を歩くことになるので危険そうです。その点、北尾根の更に北側の草木川沿いの道は地形図では破線道なので、こちら側に降りて戻ってくる手はありそうです。しかし草木川の破線道が台風で通行不能になっていると、谷筋で行き止まりになり、帰って来るのが大変そうです。そこで一計を案じて、まず草木川を歩いて遡り、草木ダム近くまで行って福知渓谷の北尾根(草木川の南尾根)に登り、尾根沿いに帰ってくるというコースにしました。もし草木川沿いが歩けなければ、尾根に登ってしまおうという計画です。

出発点は一宮町福中です。揖保川沿いに北は福野、南は福知となっています。草木川沿いの道は舗装されており、まずは楽に歩けます。途中に横住川キャンプ場がありました。一泊3000円だそうですが、特に施設がある訳ではありません。この川は横住川という名前でしょうか?その先は新しく護岸が設けられている場所がいくつかあり、護岸工事の工事現場に出ました。シャベルカーの脇を通してもらって山側に行くと、旧道がありました。これは歩きやすい道ですが、土石流で橋が流されている場所もありました。地形図の431mピークは奇岩で、道は切通になっています。その先は、破線道が実線道に出会うところまで歩き通せました。福知渓谷ほど荒れていないのは、上流にダムがあったためでしょうか?

この先は東に谷を登る林道を歩きました。これはかなり荒れています。小さな谷を横切る所では道の下に土管を埋めて水を流すようになっているのですが、大水で道の土が流されて、土管がむき出しになっている場所がいくつかもありました。林道の終点から少しツヅラに道がありましたが、すぐに終わって、ここから急斜面を登りました。尾根筋を登りましたが、灌木が多く、枝をかき分けながら登らねばなりません。踏み跡もほとんどなく、藪漕ぎ状態でした。これが標高600mから800m付近まで続き、疲れ果てました。しかし800mを越すと多少緩やかになり、景色も良くなります。850m付近からは遠くは氷ノ山(写真)、手前に藤無山や銅山、もちろん三久安山、東山、千町ヶ峰、段ヶ峰などなど、見晴らしは最高です。自然林の幅広い尾根で、気持ちよく登ると植林の尾根に突き当たりました。これが宍粟市一宮町と神河町の境の尾根かと思ったのですが、実はそれはもう一つ先でした。尾根を歩いて境の尾根に出て、白口三等三角点(941.87m)を見てきました。藤ヶ峰([1])で、植林の中です。ここから引き返し、やっと北尾根の縦走になりました。

登ってきた地点まで戻り、さらに西に尾根を降りましたが、気をつけないと白口の北の谷に降りてしまいます。北側は自然林、南側は植林の細い尾根になります。ネットが張ってある所もあって、どちら側を歩くか少し悩みました。北側の展望が時々あります。長い長い尾根を下って、いったん620m+まで南に下り、登り返すと、大柿さんの赤いプラスチック板(09.5.2)と田ノ小屋四等三角点(671.43m)がありました。この付近までは植林が多いのですが、だんだんと尾根は荒れてきます。切り開きが無く、枝を押し分けて歩かねばならない場所も多く、だんだん疲れてきました。時々南と北と両方の谷から工事の音が聞こえてきました。625mピークも、特に何もない藪っぽい尾根だったと思います。

582mピークの前で、荒れ気味の尾根に道が現れました。北側から道が登ってきており、稜線に乗っています。そのまま583mピークを過ぎて、その先550mを切ったあたりでまた北に降りていってしまいました。このピークで何かすることがあったのでしょうか?この先も藪っぽい尾根が続き、608mピークでは福知方面が見えるようになりました。この先は歩き易くなり、植林に入って、少し稜線を行きすぎると高取四等三角点(609.86m)がありました。ここにも大柿さんのプラスチック板が残っていました。下山は尾根を北に降りました。真っ直ぐ降りずに、共同アンテナの残骸の付近から西に曲がりましたが、これが正解だったと思います。倒木の多い急斜面の植林でしたが、無事に林道に降りられました。林道を北に歩いて、鹿避け扉から出ました。

福知渓谷の北尾根は、正直なところ長いだけで楽しみはあまりありません。展望は多少ありますが、全体の行程から見れば僅かです。コースとしては、草木川沿いが歩けることがわかったので逆コースが良さそうですが、今日登った尾根を下るのは相当に気力が必要です。最も展望が良かったのが藪の尾根の上でしたから、もっと良い降り方を見つける必要があります。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「神子畑」「長谷」「音水湖」です。

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