2007年12月24日月曜日

南から登った塚本山

塚本山というのは,菅生川沿いの夢前町塚本にある山で,山頂には三角点があります。すぐ北にバーズタウンがあって,北側から遊歩道が造られていますが,これを南から尾根沿いに登ってみました。起点は夢前町菅生澗です。地形図で見ると,尾根の南端は緩やかに終わっています。しかし,行ってみるとこの付近には金属の柵があって,乗り越えるのはちょっと憚られます。また,柵の西側は道路沿いにコンクリートの崖になっていて,登るのは難しそうです。結局もっと西に歩いて,菅野公民館の前から登ることにしました。ここは雑木林の急斜面です。少し登ると養蜂のための木箱が置いてありますが,その先も木に掴まりながら雑木林を登っていくことができます。ある高さまで登るとシダが生えており,それを抜けると雑木林の尾根に到達します。尾根はなだらかに落ち葉で敷き詰められており,良い感じです。

ここから北へ尾根を進みますが,この山は典型的な里山です。通れないような藪はありませんし,倒木もないので良いのですが,小さなピークはどこもシダに覆われていて,歩きづらくなっています。ピークの間の尾根にはシダが無く,枯れ葉の上を歩くことができます。そんな状況が塚本山の頂上まで続きますが,237m地点に登る急坂には岩場があって,南側の展望が楽しめます。海まで見えました(写真)。

ところどころ切り開きかと思われるような道がありますが,単なる獣道かも知れません。シダが大きく育っている場所は迂回しました。藪は少なく,細い木の枝を押しのけたり枯れ枝を折ったりしながら進めます。道がないので,ハイキングというわけにはいきませんが,慣れた人には何の苦もないでしょう。

塚本山の山頂にはベンチがあり,その先の下山途中にも案内板やベンチがあって,良く整備されている印象でした。おそらくバーズタウンの方々の努力なのでしょう。私は山頂から第三展望台,第二展望台を経由して西登山口に降りて,道路を南に歩いて上り口に停めてあった車に戻りました。

北からの登山道はちょっと整備されすぎていて物足りないという方がおられれば,南側からの登山もお勧めできます。

展望 ★★☆
藪山度 ★☆☆

2007年12月16日日曜日

角亀トンネルから田幸山

播磨新宮から国道179号線を西に進むと,国道は相坂峠という峠を通りますが,これが栗栖川(揖保川の支流)と角亀川(千種川の支流)の分水嶺です。角亀トンネルはこの少し南の,栗町と角亀の間の分水嶺を通っているトンネルです。播磨科学公園都市の東側の入口となっています。科学公園都市の整備に伴って,旧来の角亀トンネルの他に,もっと真っ直ぐ走れる新角亀トンネルが造られました。この付近から東側の田幸山までは尾根がつながっており,これを登ってみました。

地形図を見ると,新角亀トンネルの西側から破線道が尾根に登っています。歩いてみると,これがこの峠の旧道であることが分かります。尾根を越えるところには切り開きがあり,両側には石垣があります。尾根の付近から北に分岐があり,これは貯水タンクに行っています。田幸山に向かう尾根に乗るには,峠の付近から植林を無理矢理登ることになります。どこから登るのが正解かは,よく分かりません。切り開きの所からでも登れますが,急斜面です。私は少し南に降りたところから登りましたが,伐採した細い木がたくさん転がっていて,登りやすかったとは言えません。

とにかく尾根に出ると,これは快適な道です。ところどころ尾根道は消えますし,踏み跡は植林に行きがちなので藪を通ることもありますが,大半は落ち葉のカーペットの敷き詰められた尾根道です。481m地点まで,時々迷いましたが,倒木が少ないのでストレスの少ない山登りでした。この後,田幸山の頂上までも,落ち葉の散歩道,というのは言い過ぎにしても,雰囲気の良い山です(写真)。ただし道は必ずしもはっきりしておらず,杭などの標識を頼りに歩くと山から降りそうになることもあります。

田幸山の頂上にある三角点は西栗栖(446.3m)です。ここにはNHKの大きなパラボラアンテナもあります。どうやって機材を運んだのでしょうか?さて,ここから下山するルートはいくつかあります。一つは北の田幸の砂防ダムに向かって山林を抜けて降りる激下り([1])で,以前に一度降りたことがありますが,木に掴まりながら降りるので腕が痛くなります。一方,南側の尾根を伝っても降りられそうですが([2]),田幸山の南の麓には播磨道が張り付くように走っており,下手な場所に降りると播磨道で行く手を遮られそうです。そこで,無理はせずに時間は掛かっても良いから地形図にある林道を降りようと思って東に進んでいると,いきなり地形図にはない新しい林道が現れました。しかも尾根を横切って南に進んでいます([2])。あまり何も考えずに,これで南側に降りられると信じて南に進むと,何やらハバタンの絵の描いてある看板が立っています。そうです,まだ工事中なのでした。

工事期間は平成20年2月29日までとなっているので,果たして山を降りるところまで工事が進むのかは定かではありませんが,とにかく現在はあまり工事は進んでいません。しかし,降りられると信じて山の南側まで来てしまったので,戻る気にはならず,林道の先を進んで南に降りることにしました。正面には三濃山の東にある防衛庁の赤白の高い塔が見えています。林道は尾根沿いに進んでいるのですが,道のできていない先の方はかなりの急斜面です。しかも岩が多く,一度は岩の上に出てしまい,降りられなくなってしまいました。結局大回りして林の中を木に掴まりながら降りました。降りた地点は,播磨道が三濃山トンネルの方に曲がる地点よりも東側で,水のない川を渡って道路に出ました。

林道ができれば山頂へのアクセスはとても良くなりますから,角亀トンネルからも安心して登ってこれるようになります。とにかく落ち葉の楽しめる山でした。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆

2007年12月9日日曜日

松之本三角点

馴染みのない名前の三角点だと思いますが,前之庄の東側にある三角点(225.5m)です。以前に更に東側の大倉山を歩いたときに,西に向かう尾根への分岐を見つけたので,今回は西側を歩こうと思ったのですが,なかなか難物でした。

登り口ですが,前之庄からみどり丘の前を過ぎて中国自動車道沿いに歩くと,北側に「売地」と書いた看板が立っています。ここがみどり丘と久畑の間にある低い尾根で,木が刈られているので容易に尾根の上まで登れます。

ここからは尾根伝いに北に歩けばよいのですが,道があるわけではありません。最初は切り開きのようなものがあり,尾根の上か北側を通っていますが,すぐに無くなってしまいます。その後は,少し西側に迂回して植林の中を登りました。かなりの急勾配です。地形図では250mの等高線から上は広い尾根になっていますが,ここは「松茸山に付き登山禁止 持主」という札が掛かっており,尾根の西側には荷造り用のビニール紐が張られています。しかし道はしっかりしており,少し歩くと今度は東側にもビニール紐が張られていて,回廊のようになります。

尾根を歩いてゆくと,ビニール紐は無くなり,植林に入ります。西へ向かう尾根に乗るなら,ここで植林を登らずに西へ曲がるのが正解のようですが,私は更に登って319mピークを確認しました。ここは以前に大倉山の帰りに通った場所です。松之本自治会の杭が打ってあります。そしてここから西に降りて尾根を探したのですが,広い尾根で非常に見つけにくくて苦労しました。

この先の,松之本三角点までの尾根は,勾配は余りありませんが,倒木が多くて歩きにくい場所でした。たまに北側に展望がありますが,視界は効きません。地形図で西の外れにある270m+のピークの付近は倒木が少なく,一面の落ち葉で良い感じでしたが,このような場所は稀で,藪と倒木と格闘しながら進みます。途中にYAESU製のトランシーバが落ちていましたが,こんな場所に登ってくるのは林業関係者でしょうか?

松之本三角点は,倒木に埋もれています。しかも倒木の間に棘のある木が生えているため,三角点へのアプローチは危険です。三角点は普通に上から見ていたのでは,ほとんど見えません。白い杭の頭が少し出ている程度でした。(写真)

あとは下山ですが,しつこく尾根を進みました。三角点の南には溜池があり,三角点の西の鞍部からは降りられそうでしたが,溜池の縁に降りて道がなかったら悲惨ですから,さらに200mまで登って南に尾根を進みました。187m地点を過ぎて,そのまま南へ降りるつもりでしたが,結局出てきたのは松之本の南にある神社でした。

このコースはとんでもなく大変な道です。倒木だらけですし,野バラか何か知りませんが棘の生えた草が多くて困りました。藪山というよりも,倒木山かも知れません。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★★

2007年12月1日土曜日

市川町の城山

城山という名前の山は余りにも多いので,説明を要します。この城山は,福崎から市川沿いに北上して東側,小畑川と岡部川に挟まれた山です。頂上には殿所という三等三角点(323.6m)があります。

さて登ろうと思っても,登り口が分かりません。とりあえず山の南側を歩いたのですが,はっきりした登り口は見つかりません。そこで,「山の入口は神社」という原則に従って,岡部神社(三角点の南南東あたりにある神社)の裏手から登ってみました。しかし,急勾配過ぎて登れず,少し東に進むとなだらかな谷があり,ここから尾根に向かって登りました。この谷は植林ですが,倒木が少ないので楽に進めます。ただし谷の奥はかなりの急勾配で,最後は藪になっています。この登り方は明らかに不正解です。

尾根に出れば切り開きがあります。東に向かって尾根を降りることもできますが,西向きに尾根を登ると,しっかりしたテレビアンテナが数本立っています。ここが頂上で,殿所三角点があります(写真)。2ヶ月ほど前の新聞紙が落ちており,登る人がいるということが分かりました。

頂上から西に向かう道もあり,南東に向かうかと思いきや北東に向かいます。途中に「松茸山につき入山禁止 自 九月二十日 至 十一月三十日 東川辺区長」という看板が出ていて,ここが松茸山だということが分かりました。私が登ったのは奇しくも12月1日,まさに登山解禁の日でした。単なる松茸山ではなく,「マツタケ増殖施業地」という兵庫県立林業試験場が出した看板もあります。松茸を育てているのです。

この道は良く整備されているのですが,倒木で通れなくなっている箇所もあり,迂回が必要となります。かなり降りたところで,NHKの「送信所へ 受信所へ」という立て札に出会います。頂上にあったのが受信所で,低い尾根の上に送信所があるのです。この送信所は,平地から見上げると見えました。送信所のアンテナから降りて行くと,途中に動物の白骨と毛皮があり,誰かが猟の後始末をしたような気配があります。最終的には,東川辺の南に出てきました。

松茸のシーズンを避けてちょっとした山登りを楽しむには手頃な山です。ただ,私が見つけ損なった登り口は,降りた地点とは山の正反対にありそうなので,降りてから出発点に戻るには大回りする必要があります。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆