2019年3月31日日曜日

岡山県側から登った美作・佐用境界の平谷深山

この山は2016/01/17に兵庫県側から登りましたが、今回は岡山県側から登ってみました。美作市と佐用町の境目ですので、県境の山です。登り口は吉野川沿いの立石です。地形図に山に入っていく破線道が描かれているので探すと、確かに道がありました。ちょっと登ると江戸時代の墓石がありましたが、そこで終わりではなく、だんだん荒れてきます。倒木を跨ぎながら登って行くと、300m+の頂上に出ました。ここにも墓石があるのには驚きました。この先は尾根の縦走で、踏み跡があって十分歩きやすい尾根です。少し下ってからもう一度標高300mに上がる付近は岩が多い急坂でした。しかしさほどの急勾配でもなく、その後も緩やかな登りが続きます。ただし尾根は真っ直ぐではないので、GPSをよく見ないと間違った支尾根に行きそうでした。倒木が多く、徐々に笹が増えて少し歩きづらくなりました。440m+ピークの南側には笹に覆われた平坦地があり、よく見ると鉄塔が撤去された跡でした。この付近は展望もあります。南側には植林の作業道が走っています。尾根には踏み跡がありますが、笹が邪魔です。作業道は使わずに、最後は急勾配を上がって、480m+の平坦地に出て、伐採木を跨いで県境の主尾根に出ました。

県境は広々して歩きやすい尾根でした。アップダウンはあまりありませんが、最後は急坂を登って、豊福二等三角点(492.93m)のあるピークに着きました。平谷深山というプレートが木に掛かっています。展望はありませんが、ちょっと広々として気持ちの良い場所です。ここからは「平谷」というプレートのある西の尾根を降りました。この尾根はそのまま行くと南に曲がってしまうので注意して県境を西に行きました。県境が南に折れる所の小さなピークはコナラに囲まれた印象的な場所でした。ここからは北に向かいました。こちらは尾根に破線道が描かれていますが、真っ直ぐ行くと白い荷造りテープが目の前に張られており、松茸山のようでした。ここは少し北に尾根を曲がり、また北西に歩くと道があり、ツツジも咲いていて気持ちよく歩けましたが、両側に張られた荷造りテープが切れかかって舞っていました。途中にトタン板で作られた小屋がありました。道は荒れていたり見晴らしがよかったりしますが、とにかく続きます。植林が増えてきました。立石四等三角点(329.84m)のあるピークを道は巻いて行きますが、飽きてきたのでここは一気に急斜面を登りました。標石は落ち葉に埋まりかけていました。その北で道は西の峠集落の方へ行ってしまうのですが、もう少し尾根を歩き続けました。植林や開けた自然林は良いのですが、徐々に笹が増えてきて、303mピーク付近では笹薮の中に踏み跡を探す状態になりました。結局道を見つけてそれを西に降りて、舗装道路に降りられました。

ひどい藪はなく、道のある所も多かったので、尾根歩きを楽しめました。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「佐用」です。

2019年3月27日水曜日

日出坂峠から虚空蔵山

三田の虚空蔵山は、実は篠山市と三田市の境界上にあります。そして篠山から三田に繋がる道では境界は日出坂峠です。昔で言えば丹波と摂津の境界と思われます。実際には武庫川沿いを通ればこの峠を越える必要はないので、国道176は峠を通っていませんが、今は舞鶴若狭自動車道が峠を越しており、福知山線(宝塚線)はトンネルで抜けています。今日はここから虚空蔵山に登ってみました。

国道176から、峠の東側に南から上がっていく道があります。途中に携帯の基地局があり、峠に着くと舞鶴若狭自動車道をトンネルで西側に抜けられます。ここから南に急な階段があり、高速道路を真横に見て、さらに登っていきます。先には黒いプラ階段があり、段が板ではなく棒の金属の階段があって、東播線四二鉄塔に着きました。この先も少し巡視路を歩きますが、送電線は南に向かうので途中で分かれて、北西に尾根を歩きました。踏み跡があるようですが、藪っぽい尾根です。それでもシダは少なく、枝を手でかき分ける程度で歩けました。道がはっきりしないので、支尾根に曲がらないように注意する必要があります。この尾根歩きはかなり長く、時々北に南に展望があります。最後に408mピークの先に岩場があって、ここから本格的な登りとなりました。少し岩がありますがシダはなく、途中には少し眺めの良い岩場もあり(写真)、主尾根に出ました。整備された道があって、登ってきた尾根には降りないように「クサノ駅」という道標がありました。

主尾根を南に歩き、ポケストップになっている虚空蔵山(592m)に着きました。この付近からの展望は抜群ですが、春は全体に景色が霞んでいて、景色を見るには向いていません。下山はピークから南に歩き、藍本駅への分岐を降りました。これは整備されていますが急勾配の道です。しばらく急勾配を降りると良い道になり、これもポケストップの虚空蔵堂に着きました。立派な本堂だけが建っていました。本堂のすぐ下には裏参道への分岐があり、こちらを降りてみましたが、よく整備されていました。北東に降りていって、最後は谷を降りて高速道路の下をくぐり、集落の中の道に出ました。ここにも「虚空蔵山登山口」という杭が立てられていました。

ずっと市境を歩くコースでした。

展望 ★☆☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「藍本」です。

2019年3月24日日曜日

備前の不老山から烏帽子岩

昨日に引き続いてこれも熊山に連なる山です。赤穂線の伊部駅から北に歩くと、天津神社、それに忌部神社があります。地形図では忌部神社は尾根上に描かれていますが、実際にはもっと下の伊部北大窯跡の付近にありました。忌部神社から少し上がると展望小屋があります。ここから尾根の藪に入りました。藪を少し抜けると尾根道があり、新幹線のトンネルの真上の鞍部に害獣避けの扉があります。この先の尾根道にはマーキングがあり、楽に歩けます。ちょっと展望もあり、ツツジも咲いていました。不老山の山頂(216m)は木のまばらな藪ですが、特に何もありません。北に向かうと西側の展望があり、その先は北峰に登れば東側にも展望があります。ここは巻道もあります。さらに西に尾根を歩くと、尾根上はシダ藪ですが南側に道があり、展望があります。膝から腰くらいのシダが生えている所もありますが、足元の道は見えています。そして北に曲がり、キリンビール岡山線5鉄塔に出ました。ここからは巡視路なのでますます道は良くなります。あちこちに巡視路の分岐があり、備前線48鉄塔に着きました。最初は手前の巡視路の分岐で東に降りて「下り松コース」で登り返す予定でしたが、ここまで来てしまうとさらに北に行きたくなりました。しかし北の242mピークへの道はマーキングはあるもののシダ藪化しており、諦めて戻りました。すると鉄塔の東に巡視路とは違う道があることに気づきました。そちらに降りてみると、巡視路並に整備された道でした。ただし熊山の地図([1])にないのでどこへ行くか分かりません。とにかく歩いて行くと、最初は山裾を北に水平に進み、242mピークの北東鞍部を抜けて谷を過ぎて、結局五差路に着きました。これが五差路で「不老山」として示されている道で、242mピークを巻いているのでした。

五差路からは昨日と同じように烏帽子山に向かい、途中で烏帽子岩への分岐を探しました。マーキングのある木の間から進めば良いのですが、その先はシダ藪です。道があるのかどうか分からないのですが、少し歩くと道もマーキングもはっきりしてきました。それでも巡視路に比べると荒れており、シダに侵食されていました。最後は烏帽子山山頂からの道と合流して、烏帽子岩に出ました。烏帽子岩と書いた札がないと、これがそうだとは確信できないでしょう(写真)。尾根を少し進むと下り松コースと合流し、展望の良い備前線51号鉄塔に着きました。片上湾はすぐそこという感じでした。ここからは52鉄塔の方には行かないようにして、尾根を南東に降りました(伊部越コース)。あちこちの方向に展望があって、キリンビール岡山線2鉄塔に着きました。さらに下っていくと、次の鉄塔は三石線3と備前伊部線3の両方のラベルが付いており、上半分の電線が三石線だそうです。北の備前変電所に向かう送電線がいくつもあり、地形図の配線は間違っています。この鉄塔からは南東に尾根を下りました。道は尾根の西側にありましたが、尾根上を歩いても問題なかったでしょう。次の小ピークの付近で荷造り紐で囲われた林がありましたが、松茸林ではなさそうです。ここから尾根に上がって歩いたら、次のピークの尾根はシダ藪で、腰くらいのシダを抜けて三石線と備前伊部線の第4鉄塔に着きました。片山四等三角点(134.19m)は鉄塔脇の藪の中にありました。あとは巡視路で国道374に降りました。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「片上」「和気」です。

2019年3月23日土曜日

備前の烏泊山から烏帽子山

熊山連山の烏泊山には2018/02/12に行きましたが、今回は東の畳谷から登って、南の尾根を戻るコースを考えました。例によって熊山登山の地図([1])を参考にしました。そこでは烏泊山北東尾根コースとなっています。しかし登り口が見つかりません。尾根の裾は灌木の藪で見通しは良いのですが、道らしきものはありません。もっとよくマーキングを探せばよかったのですが、まずは登ってみることにしました。最初は良いのですが、徐々にシダが増えてきます。しかもイバラが多く、なかなか登れません。斜面が急になると巨大なシダの塊が増えてきて、抜けられそうもなくなりました。しかたなく少し戻って斜面を横切って登山道を探すと、マーキングがありました。この付近には赤テープと青または白のビニールの紐のマーキングがあります。マーキングは明らかに作業道で、地面にはシダは生えていません。しかし両側のシダが伸びてきて、道を完全に塞いでいます。原理的には両側のシダを腕か体で押し分ければ良いのですが、絡み合っていて簡単ではありません。下の方のシダは枯れているので手で折ることもできますが、非常にたくさんの枝を折らねば進めません。顔にシダの葉があたるので困りました。標高210m付近からは少し平らですが、シダが茂っているので速度は上がりません。少し登ると岩があって展望がありますが、それを過ぎてもシダ藪が続きます。273mピークを過ぎて少し降りると砂地があります。ここから再び急斜面になりますが、一面のシダ藪です(写真)。赤テープのマーキングに従って作業道を登りましたが、背よりも高いシダ藪が続きます。腕も疲れてきました。それでも作業道で地面にシダが生えていないので、他の場所を歩くよりは楽です。ずっとシダの茂みの向こうに次のマーキングがあるという状態で登り続けました。マーキングがなければ諦めていたでしょう。登りはじめて砂地までが1時間、砂地から南に曲がる支尾根まで、30分かかりました。

支尾根に出ると少し楽になりました。シダ藪に違いはありませんが、腰くらいの高さになりました。340m+のピークに着いて、西に向かって歩きました。シダ藪がときどきありますが、だいぶ楽になり、いきなり良い作業道になってびっくりすると、その道は370m+ピークを南に巻いて、主尾根の縦走路に出ました。道標があり、登ってきた方向は「たたみ谷」となっていました。縦走路を歩いて、烏泊山に登りました。岩の多い山で、黒岩四等三角点(434.44m)があります。そのまま南に降りましたが、ここの下りは少しわかりにくかったと思います。縦走路を歩いて、「黒岩東の分岐」から、五差路の方向に降りました。ここは良い道で、五差路に着きました。五差路には反時計回りに、畳谷、熊山、鬼ヶ城池、不老山、烏帽子岩、への道があります。烏帽子岩の方向に歩きました。最初ちょっと不明瞭でしたが、すぐにマーキングのある登山道になり、低いシダの間や灌木の間を抜けて、烏帽子山の山頂に着きました。伊部上四等三角点(349.9m)があります。この山の名前は地形図にはないので、本当に烏帽子山なのか分かりませんが、山頂のプレートにはそう書いてありました。

烏帽子山からは尾根を北東に戻りました。すぐに烏帽子岩への分岐があります。行こうとしている尾根は「熊山アルプス」とも書いてありましたが、熊山からはだいぶ離れています。この尾根はマーキングがあり、展望も良いのですが、最初はシダ藪が続きます。最初に登った斜面ほどではありませんが、シダをかき分ける場所がかなりありました。それでもあまり悲惨なことにはならずにすみましたし、マーキングも新し目です。途中でマーキングがなくなったと思ったら、間違って支尾根を南東に歩いていました。マーキングに忠実に293mピークを越えると、中電の巡視路の「火の用心」がありました。ここからは巡視路なので、もっと良い道になりました。鉄塔は南津山線5から9まであります。どれも眺めの良い場所に立っており、ほぼ全方位が見渡せます。道もアップダウンはありますが尾根道で、楽に歩けました。展望の良さはさすがにアルプスです。八公口四等三角点(202.98m)という渋谷にあってもよさそうな名前の三角点を過ぎ、9号鉄塔からは初瀬池を目の前に見ながら急斜面を降りましたが、黒いプラ階段があって助かりました。最後はロープがありますが、これを使わずに飛び降りると国道374に飛び出して車にひかれる可能性があります。

最初の斜面のシダ藪は強烈でした。

展望 ★★☆
藪山度 ★★★
地形図は「和気」です。

2019年3月21日木曜日

備前の医王山

この山は熊山に連なる山の一つです。例によって熊山登山の情報([1])が参考になります。登り口は伊部西の墓地で、付近には備前焼の窯元がたくさんあります。墓地からは電柱で電線が上がっていっているので、これが登山道の目印となります。急斜面を登りますが、共同アンテナに着くと電柱は終わりになります。さらに登ると、見晴らしの良い岩がありました。片上大橋から岡山市まで見渡せます。もう少し登ると医王山三等三角点(300.97m)がありました。山頂からの眺望はありませんが、この後は南向きにずっと展望があります。道はよく整備されています。そのまま歩くと大ヶ池に降りそうになるので、北に向かうと、キリンビール岡山線8鉄塔があります。ここから下って登ると地形図の宮山(311m)です。この付近には巡視路の分岐がいくつかあります。北に向かうと、次は324mの地形図の宮山よりも高いピークがあります。その先は真っ直ぐ行くと7号鉄塔に行くので西に曲がって降りていきますが、この付近は倒木もあって荒れ気味です。そして熊山に登る舗装道路(林道大滝線)に出ました。ここは宮山北口となっていました。

舗装道路を少しだけ歩き、東へ親水の森の方へ曲がりました。ロープが掛かっていましたが車で通れそうでした。この道は舗装道路で気合の入った作りですが、崖の下を通るあたりは車ではちょっと不安かも知れません。谷に降りると車は通れず、小川を渡って少し歩くと「林道鬼ヶ城線」と「展望の森(見晴台)」へ分岐があります。見晴台まで延長1100m、最急勾配71%となっていましたが、行ってみることにしました。黒いプラ階段が急斜面に作られています。周囲はシダ藪なので階段がなければ登れませんが、たいへんな急斜面です。頑張って登ると備前線46鉄塔がありました。ここが見晴台ではなく、その先には見晴台まで880mの道標がありました。ここから北西に急斜面を登ります。階段があるのですが、かなり流されています。途中から主に東方面に展望が広がります。それを時々見ながら登り続けて、342mピークに出ました。ここが見晴台かと思うと見晴らしはなく、結局さらに一度下ってから登り返し、380m+のピークに東屋がありました。これが見晴台と思われます。東方面に片上大橋(写真)や小豆島が望めました。

帰りは見晴台から南に降りましたが、結局342mピークの前で登ってきた道に戻りました。そのまま戻って、林道鬼ヶ城線への分岐で曲がって東に降りました。こちらはあまり急ではなく、林道の終点に出てきました。ここから林道で戻りましたが、途中で高倉稲荷大明神に寄り道しました。山奥の神社はなにか共通の風情と言うか怪しさがあります。

展望 ★☆☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「片上」「和気」です。

2019年3月14日木曜日

坂根から熊山

熊山を南から登ってみました。このルートを含めて熊山の登山道は[1]に詳しく説明されています。登り口は坂根の二之樋の橋のところで、「従是熊山道」という標石があるのですぐわかります。固寧倉かと思うような倉庫の脇の扉を開けると、整備された登山道になります。ちょっと登ると「一丁」の道標があるので元気付けられますが、熊山はおそらく40丁くらいだと思いますので、先は長いのです。とてもよく整備されていて、吉井川を枝の間から見ながら軽快に歩けました。道は尾根の西側に作ってあるので、162mピークなどは巻いて進むことになります。最初に出会う送電線の鉄塔は備前線36です。次はキリンビール岡山線18で、ビール作りは意外と電気を使うようです。ここでは「山の神様」を経由して吉井川へ降りる道がありました。この付近から眺めも良くなります。その先の250mピークには坂嶺山という札が掛かっていました。さらに歩くとそのビール工場も見えるようになります(写真)。大谷山は登山道は巻いて行くので、途中から脇道に入りました。ちょっと岩場を登ると、かつてはお地蔵様の置かれていた(?)山頂に出て、大谷山四等三角点(400.64m)が道の脇にありました。鞍部まで降りて登山道と合流し、ちょっと登ると電源開発株式会社の巨大な本四連系線第二〇八号鉄塔に出ました。鞍部に降りるとそこは三十八丁石分岐だそうで、油滝神社への道、奥谷池への道があります。熊山への道は地形図ではここから急勾配になりますが、階段があります。途中に舗装道路がありますがそのまま真っ直ぐ登り続けて、霊仙寺山門跡を通って熊山の休憩所に着きました。展望台から瀬戸内海が望めます。

下山は本四連系線第二〇八号鉄塔まで来た道を戻り、中尾ルートを下りました。これも整備された道で、周囲は自然林が続きます。備前線39鉄塔を真っ直ぐに通り過ぎて、少し登って城山に着きました。ここは平坦でいかにも城跡風です。ここから南斜面の下りはかなり急ですが展望も良好です。ちょっと登り返すと城山四等三角点(242.12m)があり、この付近も平坦で城山に山城(香登城?)があったとしたら、ここにも何かがあったのでしょう。景色を見ながら降りていくと、キリンビール岡山線14鉄塔に出ました。巡視路は東から西に抜けているので、どちらでも下山できますが、ここは西の15鉄塔に向けて歩きました。意外と急な岩の上を降りて、西へ水平に近く山裾を歩くと、15鉄塔に着きました。さらに西に向かって歩いて16鉄塔を過ぎてから巡視路は南に下って、溜池(城山池)の堤防に降りました。

地図ではかなり長い登山道に見えますが、3時間半ほどのコースで、あまり登ったという実感の沸かないコースでした。整備された登山道なので藪山度は0ですが、落ち葉や砂で滑りやすい場所はあるのでご注意ください。

展望 ★★☆
藪山度 ☆☆☆
地形図は「備前瀬戸」「万富」です。

2019年3月9日土曜日

篠山の弥十郎ヶ嶽

弥十郎ヶ嶽は篠山の東南の山で、372号線からも見えます。四十九院と呼ばれる寺院の跡があるというので、県道12号線のピザ屋さんの所から弥十郎ヶ嶽の西の谷に入りました。植林の谷で、かつては段々畑だったような感じです。道(林道東山線)は軽トラックなら通れそうですが、木の橋が弱っていますし倒木もあるので今は無理でしょう。「弥十郎ヶ岳山頂まであと約90分」の道標があります。石垣は最初からありますが、谷を奥まで入ると道の左手に立派な石垣がたくさん見えてきます。谷を渡って見に行きましたが、確かに単に耕作地を作る目的にしては立派なもので、寺院跡というのも納得できます。戦国時代の石垣にしては保存が良すぎるので、後世に手入れされたのかも知れません。川沿いの石垣は明らかに新しいものですが、寺院跡付近では道の橋が落ちていました。寺院跡を抜けて登ると、道がなくなりますが、広くて見通しの良い谷を登ると、畑市へ降りる峠に出ました。畑市方面には道があります。ここの道標に従って弥十郎ヶ嶽へ向かいました。

しばらくは水平に尾根裾をまわる作業道を歩きますが、道標がないので少し不安になりました。途中で少し下りになる場所もあるので尚更ですが、最後は谷の奥への向かって行きます。足元に石が多くなるとトラロープが張られていました。谷を登りますが、水が少ないので濡れたり滑ったりすることはありませんでした。途中で岩場と迂回路に分かれるところも、迷わずトラロープのある岩場を登りました(写真)。途中に大きな洞窟がありましたが、奥には特に何も置かれていないようでした。この付近では木に名札が付いていたりして、よく整備された登山道という感じでした。さらに登ると尾根に出ました。ここには道標があり、「山頂 もうすぐ!」と書かれていますが、この先はけっこうな登りでした。山頂は切りひられており、篠山方面が見えますが、木が伸びてきてだいぶ妨げられています。弥十郎ヶ岳二等三角点(715.03m)があります。

下山は南に尾根を下りました。こちらは後川への下山道となりますが、そちらに降りると車に帰るのが大変になります。最初は古坂峠へ降りようと思ったのですが、ややこしいので城東トンネルの北側を目指しました。GPSを見ながら方向を定めて尾根を降りましたが、特に藪はありませんでした。何箇所かでネットに遭遇しましたが、尾根上の数本の松の周囲を取り囲むように設置されており、ひょっとして松茸の取れる松を保護しているのかも知れません。最後は急斜面になりましたが作業道に出ることができて、無事に県道12号線に降りられました。城東トンネルの北にはお地蔵様がありますが、工事の時に事故で亡くなった3人の作業員の方たちのためのものでした。

登山時間2時間半は姫路から行くには短すぎでしたが、花粉が飛び交う悪コンディションだったので短いコースを選びました。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「福住」です。

2019年3月2日土曜日

篠山の中尾の峰

まるで知られていない山ですが、2019/01/26に登った愛宕山の西の山です。龍蔵寺の入り口に「自然保護地「愛宕山」森林浴ルート」という案内板があります。男の子の絵が描いてあって、ハイキングコースの地図のように見えますが、この付近の荒れて厳しい山道の地図です。これに南ルートとして愛宕山の西の山への登山コースが描かれています。龍蔵寺の西側の山を歩く道で「森の散歩道」となっています。地形図にも破線道が描かれているので、歩いてみることにしました。

登り口は案内板では分からないのですが、少し北に戻ると「生死は因縁なり」と書いてあって、そこから道がありました。登って行くと、墓地でした。古いものは中央に集められていました。ここから斜面を登ると、上に道がありました。ということは、斜面を登らなくてもよかったということですが、とにかく地形図どおりの道に従って歩きました。軽トラでぎりぎりくらいの幅の道ですが、荒れていて倒木を避けて歩かねばなりません。しかし急勾配はなく、あまり疲れません。周囲は植林ですが、徐々に自然林も増えてきます。道は消えてしまうことはありませんが、555mピークは南に巻いていってしまいました。しかもこの付近では道というよりは踏み跡に近くなりました。しかしそれでも消えることはなく、555mピークの西の平地に出てきました。せっかくならと思って東へ歩いて555mピークに行ってみましたが、特に何もありません。この付近は平らなので僧坊の一つや二つ建っていてもよさそうですが、建物の跡は見当たりません。そのかわり、尾根には錆びた鉄のパイプが適当な間隔で立っていました。これはこの後ずっとあちこちで見ましたが、ネットを張るための杭には見えず、正体不明でした。

西の鞍部に戻って緩い斜面を登りました。この上は地形図では平坦地に破線道が描いてありますが、最初は道がはっきりせず、そのうちに幅広い道になりました。防火帯のような広い道で、尾根を登って稜線に出ました。篠山市と三田市の市境、昔なら丹波と摂津の境界でしょうか。稜線を西に登ると、650m+のピークに出ました。ここは案内板にあった奥山なのかも知れません。尾根が西と北に別れていますが、北に降りてみました。鞍部で登り返して、さらに西の鞍部に降りました。ここまでの稜線にも錆びた鉄パイプが立っていました。この鞍部の北の谷は植林でした。ここで、鞍部の両側に関電のプラ階段があることに気付きました。この付近の南にある鉄塔に行こうと思っていたので、巡視路を引き返すことも考えましたが、まずは南側の幅の広い谷を降りてみました。地形図では谷を降りると東向きに斜面を登る破線道があるのです。しかし探してもこれは見つからず、しかたなく急斜面を無理やり登って630m+の鉄塔に着きました。播磨中央線一三〇鉄塔で、太陽電池で航空障害灯を点けているようでした。

鉄塔からは北向きに良い道がありました。航空写真でも見える舗装道路です。あまりに楽なのでしばらく歩いていましたが、北側の稜線が下がってきて、鞍部で同じくらいの高さになったときにそちらに乗り換えました。ここは最初に北から登ってきた場所よりは既に東側です。相変わらず鉄パイプが立っています。緩やかに登ると平らになり、南に母子大池が見えました。しばらく歩いて城南村三等三角点(658.76m)に着きました。ここが中尾の峰ではないかと思います。標石の上には座りやすいように板が置いてありました(写真)。ここからの下りは、地形図には急斜面にジグザグの破線道が描かれています。案内板の地図は真東に降りるように描いてあるようにも見えますが、そうすると2019/01/26に降りた荒れた細い谷を降りなければなりません。ここは地形図の破線道に従って降りてみました。どんどん急斜面になりましたが、頭の赤いプラ杭が目印になりました。最初のうちは鉄パイプ(赤や白に塗られていたらしい)がありましたが、そのうちになくなりました。プラ杭は地形図の破線道とは違って北に延びた小さな尾根に沿っていたので、それに沿って比較的楽に降りていたのですが、ついにあまりに急な斜面に行ってしまったので、方向を変えて北の楽な方向に降りました。この先は非常に急でしたが、倒木は少なく、滑らないように気をつけて降りました。谷に出てきたのは、「水源かん養保安林」の黄色い標識の所でした。あとは谷を下って龍蔵寺に戻りました。この龍蔵寺川は武庫川の源流だそうです。確かにここより篠山に近づくと鍋塚池から先は篠山川に流れ込みますので、武庫川に流れ込むのはここが一番奥かも知れません。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「篠山」です。