2017年10月31日火曜日

天橋立を見下ろす宮の谷三角点

天橋立は船で水面から見ても綺麗ですが、山の上から全貌を見る方が印象的です。天橋立の南北の山の上にはリフトで上がれる展望台がありますが、他の眺めはないものかと南側の山に登ってみました。出発点は西寄りの桜山です。ここは江戸時代からある展望台のようですが、今は登る人も少なく荒れた感じです。しかし低いながらも天橋立が斜めに見渡せます。ここは第一展望所となっているので、第二を目指してさらに登りました。

ここからの道は地形図どうりですが、木の階段があるもののかなり荒れています。倒木を避けて道から外れないと歩けない場所もいくつかあり、観光というよりは登山向きの道です。標高は大したことはないので、すぐに宮の谷四等三角点(179.14m)に着きました。三角点はシダに埋まっていますし、展望はありません。なので、本投稿のタイトルの「天橋立を見下ろす」は実は嘘です。道はここからも東に向かって続いており、木の階段が整備されています。ちょっと下ると道標があり、来た方向が文殊、北は「元十一面観音堂 吉野神社方面」南は「須津方面」向かっている方向は「須津峠」です。このルートは「須津峠園地散策路」だそうです。肝心の天橋立は木立の間で見え隠れしていてイライラしましたが、道から外れて展望の得られる場所がありました。写真はここで撮影したものですが、リフトで登るビューランドからの展望と比べると斜めに見えているのが特徴です。

ここが第二展望所なのかどうかは、しっかり確認しなかったので分かりません。実はこの時はこの先の標高200m+ピークに展望台があると思っていたのです。しかしそのピークまで登っても周囲は藪っぽい林です。東向きには黄色い「この先通り抜けできません 京都府丹後土木事務所」という看板があって、道標は須津峠0.3kmを指しています。通り抜けできないというだけで進入禁止ではないので、もう少し東に歩きました。荒れてはいますが地形図どうりに道がありました。ビューランドの方向に降りていくとシダが茂っていて歩きにくくなりますが、道はあります。シダの間を北側に少し出れば、ビューランド越しに天橋立を見ることもできました。ビューランドよりも標高が高いので、少し遠くはなりますが景観は良好でした。しかしビューランドに降りることは憚られたので、引き返して須津峠へ下山しました。

須津峠は深い切通になっていますが、その斜面に大きな木が生えているのは長い歴史を示しているということでしょう。東の西宮津公園の方へ降りましたが(この峠道は近畿自然歩道です)、途中は荒れた竹林で抜けるのに苦労しました。さらには道が川と化している場所もありました。降りてきた地点は宮津トンネルの出口ですが、ここから歩道橋で北側の山裾に渡るとロードパークと呼ばれているらしい竹林の中の遊歩道があります。工事現場の足組のような道ですが、それよりも周囲の竹林の荒れ様は見ものでした、それを抜けると展望台があるのですが、木が茂っていて見渡せません。しかも道路に降りるには鉄道を横切る必要があり、踏切を探して西宮津大橋をくぐって南に歩く必要がありました。とにかく、あとは海岸沿いを歩いて天橋立に戻りました。

展望 ★★☆
藪山度 ★★☆
地形図は「宮津」です。

2017年10月9日月曜日

山崎の生谷から長水山

長水山は何度も登っています。今回のコースはいわばフルコースです。登り口は山崎町生谷です。地形図にはクリーンセンターの裏から登る破線道があり、付近の登山地図にも描かれていますが、何の標識もなく見つけにくいので、谷奥の溜池(法師ヶ谷池、新池)まで行って、堤防の脇から登り始めました。「夢を育む森」だそうです。この道は生谷霊園(官弦寺墓地を昭和61年に移設)へ上がる道ですが、登山道の標識があります。少し左右から木の枝が出ている程度で歩き易く、登っていくと、まず展望台そして東屋があります。東屋には「やまさき町並み鳥瞰図」がありますが、残念ながら木が伸びすぎてどちらからも山崎町はほとんど見えません。しかし少し登ると岩場の展望台があって、揖保川沿いに南の方角が望めます。下三津四等三角点(223.98m)もあります。ここを過ぎると尾根歩きですが、三津への道標はあるものの道はほぼ消えています。木の階段が作られているのですが、正直なところ歩幅が制限される階段は苦手です。尾根の東側には荷造り用のビニール紐が張られており、松茸山のようです。「入山禁止」で「罰金10万円」だそうです。途中の道標で長水山への距離が∞になっていたのには笑えました。

あまり起伏のない尾根ですが、最後は急登となります。ここには階段があるので木に掴まらずに登れました。西に林道で迂回して登っても良いと思うのですが。山頂には五十渡四等三角点(412.47m)があります。周囲は静かな植林です。ここからは長水山まで一本の尾根歩きです。階段が多いのには辟易しました。生谷の案内板には「木の階段3250段」とありましたが、なくても登れるところにまで作られている感じがします。途中に東屋があって望遠鏡が設置されていますが、見えるのは木だけです。この登山道は手入れがされていない印象があります。2kmほどの尾根歩きですが、さすがに整備された道なので、登り始めてから2時間弱で長水山山頂に着きました。長水城本丸跡があり、この付近の山城には珍しく石垣がかなり残っています。山頂には信徳寺というお寺がありますが、車が登れない山頂によく作ったと関心します。本丸跡から南に行った所は城跡の平地で、山崎一帯が見渡せます。写真は揖保川沿いです。蔦沢2三等三角点(584.16m)はお寺の裏側にあります。

下山は山頂近くで分岐する宇野からの登山道を降りました。かなり荒れており、斜面が崩れて道が埋まっている所もあって、道を見失いそうになりました。途中に「危険 この先道ほそい」という平成26年度の卒業生(伊水小学校の?)の作った板が落ちており、これを過ぎると少し道が広くなり、木の階段もありますが、それでもガレ石で埋まっている所がたくさんあります。さらに下っていくと、草の間を抜けるのは良いとしても、谷に入ると土石流で木の階段が完全に流されて石で埋まっている場所もあって、登山道とは言い難いと思います。案内板ではこのコースは家族向きなのですが、かなり疲れる道でした。最後には平成28年に完成した巨大な堰堤がありました。堰堤があればその下は安全なのでその上はどうなっても良いというのでしょうか?途中の「是ヨリ○○丁」の標石の字も読めなくなりつつあります。宇野に降り立って、県道429で出発点に戻りました。

このルートは10年ほど前に逆向きに歩いたことがあります。その時は宇野からの登山道は階段の整備された良い道でした。全体に放置されて朽ちつつある登山道という感じがしました。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆ 下山以外は★ゼロです
地形図は「山崎」です。

2017年10月7日土曜日

大屋町の加保坂峠から大杉三角点

地形図を見ると、養父市大屋町の加保坂峠から西側は、比較的平坦な地形をしています。特に何もありそうもないのですが、のんびり森を歩くつもりで、どんな所か見に行ってきました。

加保から加保坂峠まで登る途中にはヒスイの原石が露出している所があります。ちょっと見学してから、峠のミズバショウ公園に車をとめました。この季節には公園は閉まっています。公園の金網の北側を金網沿いに登りました。最初は草が邪魔ですが、金網から離れて登るようになると低くアシビが生えている森になります。草が茂っている所は避けて登って、金属プレートの加保坂峠四等三角点(644.84m)に着きました。周囲はちょっと伐採してあります。

ここから西に尾根を歩きましたが、起伏が少ないのでいささか迷いました。植林が歩きやすいのですが、間伐していない細い木ばかりでした。自然林もありますが、地上のアシビが気になります。日当たりが悪いせいかあまり背は高くないのですが、歩くには邪魔です。しばらく登ると南側に林道の終点がありました。地形図でも南の林道から道が登ってきている付近です。次の広い720m+ピーク付近は小さく割れた岩が多く、氷河期に山頂の岩が割れた跡でしょうか?ピークから南西に降りると、鞍部では南に向かって水が流れていました。その先には大屋中瀬線一六鉄塔がありました。こんな山のてっぺんにある割には小ぶり鉄塔なので拍子抜けしました。1回線しかないので、北の中瀬の発電所の電気を山を越して南の加保の変電所に送るだけの送電線のようです。鉄塔の西側の植林は藪化しているので、南側の植林を巻いて742mピークに登りました。ここもアシビの生えた植林です。この西の鞍部は北側に湿地があり、そこから水が南に流れていました。平らな山頂ですので湿地があるのは分かりますが、植林を免れたのは喜ばしいことです。ここにはミズバショウは生えていないのでしょうか?そこまでの水はなさそうです。ここからは緩い登りですが、いきなり林道が横切っていました。先程の林道の続きでしょうか。面白い模様の入った岩の多い斜面を登ると平坦な自然林となりますが、アシビが邪魔です。山頂の平坦地はアシビや背の高い草が茂っていて抜けられないので南を巻いて進んで、大杉三等三角点(794.27m)を見つけました。アシビに半分覆われています(写真)。

三角点の西は下り気味ですが、途中でまた湿地を見つけました。この付近は痩せた木の植林ですが、林道がありました。付近を間伐したのか、あちこちにぬかるんだ林道があります。おかげで方向が分からなくなり、720mピークを目指していたのに逆に東を向いて750m+の細尾根を歩いていました。逆方向なのに気づかないで東に歩くと、また湿地がありました。さっきの湿地の下にあたります。ここで間違いに気付いたのですが、わざわざ泥だらけの林道に戻る気もしなかったので、ここから尾根を降りました。ここも間伐されていない植林ですが、歩き易く、問題なく南の林道に降りられました。北の林道(相地轟線)は舗装されておりGoogle Street Viewで見られますが、こちらは未舗装でところどころ水が流れて川になっています。南の林道の名前はこの付近では天谷線で、東に行くと加保坂線です。法面はコンクリートで補強されている場所も多いようでした。林道の起点は、南北の林道が西側で一緒になる所にあるようです。また、大屋町筏から峠を越えて轟に至る道は、相地轟線と合流する地点から筏側は通行止めになっていました。

一般的な意味での登山でもハイキングでもありませんが、森林浴は楽しめました。

展望 ★☆☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「関宮」です。

2017年10月1日日曜日

千種町の宗山

この山の名前は知りません。宗山というのは三角点の名前です。この山はきれいに丸くて地形図では目立ちます。上谷山に登った時に近くまで来たので、その続きとして歩きました。黒土滝近くの県道154から、上谷山から下山してきた道を逆に北に歩きました。地形図で見るよりはずっと深い感じの谷に沿って登ります。この谷は昔は奥まで畑が作られていたようですが、今は倒木とシダで覆われています。消えかかった道を辿って東の谷に沿って登り、ススキをかき分けて林道に出ました。ここの正面の尾根に、ススキをかき分け急斜面を登って上がりました。かなり荒れた尾根で、倒木がたくさんあります。シダが茂っている所がありますが、シダに隠れた倒木がたくさんあるので、地面を探しながら歩きました。

しばらく荒れた尾根を歩くと、南側が開けた鞍部がありました。ここは北側も谷になっているのですが、鞍部に溝が掘られており、南北に何かを運んだのかも知れません。南側はシダやススキで覆われていて地形が分からないのですが、北側は砂鉄を掘った跡だろうと思います。この北は溝口という地名で、かんな流しで行われたようです。とにかくこの付近の地形は複雑で、地形図を見て尾根を辿るのは難解です。この付近の尾根には、枝に番号の書かれた荷札が付けられていることが多く、何かの調査が行われたのかも知れません。617mピークも倒木だらけです。大きく弓形になった藪っぽい尾根をぐるっと南に回り、そのままシダと倒木を抜けて小さな580m+ピークの藪に出て、尾根を南に辿りました。かなり削られたようでとても複雑な地形ですが、シダの生えた植林に出てきて、その南には地形図どうりに林道がありました。これを跨いでさらに南の斜面を登ったのですが、下を見ると林道があります。地形図では林道の南側の尾根を東に歩くことになっているので、林道から離れるように歩くと、南に行ってしまいました。あちこち歩いて場所をGPSで確認してみると、実は地形図にはない林道がありました。進路を取り直して尾根に登ると、東に向かう尾根は植林で歩き易く、しばらく歩くと砂鉄を掘った跡らしい入り組んだ地形の場所に出ました。ここには北から古い林道があるようで東の方へ向かっており、南からは別の林道の終点となっています。ここから斜面を登って尾根を歩くと、東側には谷があって尾根は南に曲がっていきました。結局かなり南に行ってから地形図にもある林道に出ましたが、尾根と林道の間の谷は意外と深く、ススキが茂っているので渡るのは難しそうでした。谷の上流で渡ってしまえばよかったのですが、付近の地形が複雑で惑わされました。

ここからが宗山登山となります。斜面はススキが茂っているので、まずは林道で登りました。その先も地形図にはない林道がジグザグに斜面を登っていますが、宗山の西側の尾根の先(小屋があります)まで来た所で尾根に取り付きました。かなりの急斜面ですが、踏み跡らしきものを辿って登りました。途中に岩も少しありますが、徐々に勾配が緩くなりました。ただし山の上もかなり荒れていますし、シダも茂っています。なるべく植林を通って、山頂に出ました。宗山四等三角点(783.97m)は草に隠れていました(写真)。周囲は伐採されていますが、そのために草が茂っています(大半は枯れていましたが)。展望は全くありません。

下山は南に降りました。こちらは美しい植林で、森林セラピーにはぴったりです。シダなどは全くなく、気持ち良く降りていくと、山を巻くように石積みがありました。この付近もかんな流しが行われたのかも知れません。少し東の尾根を降りていくと、地形図では分かりませんが尾根の両側はかなり深い谷で、特に西側は削られた跡がありました。尾根の先はよく整備された林道で切られていました。この林道で下山する前に、その南の650m+ピークを見に行きました。ちょっと藪を抜けて山頂まで行きましたが、植林でした。ここから西に尾根を降りて、林道に出ました。林道沿いに金網がありましたが、扉がありました。あとは県道で戻りました。

前から気になっているのは、林道沿いにある「棟山 天空広場」という看板です。降りてきた林道を登って1.5kmで山頂絶景となっています。「計画中」というシールが貼られていますが、この北で山頂というと宗山しか思いつきません。「宗」と「棟」はどちらも「むね」ですから、同じ山のような気がしますが、しかし宗山山頂の現状を見ると、植林に囲まれていて360度の展望はどう見ても無理です。

この付近はかんな流しで地形が変わっていて、それも北と南と両側から山が削られているようです。そもそも黒土川という名前からして、砂鉄が採れたとしか思えません。農地もありますから、おそらく冬の農閑期に山を削って砂鉄を採ったのではないでしょうか。南側では削られた土地は畑になっているかススキが茂っているようでした。削られる前の地形を想像しながら歩くのは楽しいものがあります。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「千草」です。