2017年10月1日日曜日

千種町の宗山

この山の名前は知りません。宗山というのは三角点の名前です。この山はきれいに丸くて地形図では目立ちます。上谷山に登った時に近くまで来たので、その続きとして歩きました。黒土滝近くの県道154から、上谷山から下山してきた道を逆に北に歩きました。地形図で見るよりはずっと深い感じの谷に沿って登ります。この谷は昔は奥まで畑が作られていたようですが、今は倒木とシダで覆われています。消えかかった道を辿って東の谷に沿って登り、ススキをかき分けて林道に出ました。ここの正面の尾根に、ススキをかき分け急斜面を登って上がりました。かなり荒れた尾根で、倒木がたくさんあります。シダが茂っている所がありますが、シダに隠れた倒木がたくさんあるので、地面を探しながら歩きました。

しばらく荒れた尾根を歩くと、南側が開けた鞍部がありました。ここは北側も谷になっているのですが、鞍部に溝が掘られており、南北に何かを運んだのかも知れません。南側はシダやススキで覆われていて地形が分からないのですが、北側は砂鉄を掘った跡だろうと思います。この北は溝口という地名で、かんな流しで行われたようです。とにかくこの付近の地形は複雑で、地形図を見て尾根を辿るのは難解です。この付近の尾根には、枝に番号の書かれた荷札が付けられていることが多く、何かの調査が行われたのかも知れません。617mピークも倒木だらけです。大きく弓形になった藪っぽい尾根をぐるっと南に回り、そのままシダと倒木を抜けて小さな580m+ピークの藪に出て、尾根を南に辿りました。かなり削られたようでとても複雑な地形ですが、シダの生えた植林に出てきて、その南には地形図どうりに林道がありました。これを跨いでさらに南の斜面を登ったのですが、下を見ると林道があります。地形図では林道の南側の尾根を東に歩くことになっているので、林道から離れるように歩くと、南に行ってしまいました。あちこち歩いて場所をGPSで確認してみると、実は地形図にはない林道がありました。進路を取り直して尾根に登ると、東に向かう尾根は植林で歩き易く、しばらく歩くと砂鉄を掘った跡らしい入り組んだ地形の場所に出ました。ここには北から古い林道があるようで東の方へ向かっており、南からは別の林道の終点となっています。ここから斜面を登って尾根を歩くと、東側には谷があって尾根は南に曲がっていきました。結局かなり南に行ってから地形図にもある林道に出ましたが、尾根と林道の間の谷は意外と深く、ススキが茂っているので渡るのは難しそうでした。谷の上流で渡ってしまえばよかったのですが、付近の地形が複雑で惑わされました。

ここからが宗山登山となります。斜面はススキが茂っているので、まずは林道で登りました。その先も地形図にはない林道がジグザグに斜面を登っていますが、宗山の西側の尾根の先(小屋があります)まで来た所で尾根に取り付きました。かなりの急斜面ですが、踏み跡らしきものを辿って登りました。途中に岩も少しありますが、徐々に勾配が緩くなりました。ただし山の上もかなり荒れていますし、シダも茂っています。なるべく植林を通って、山頂に出ました。宗山四等三角点(783.97m)は草に隠れていました(写真)。周囲は伐採されていますが、そのために草が茂っています(大半は枯れていましたが)。展望は全くありません。

下山は南に降りました。こちらは美しい植林で、森林セラピーにはぴったりです。シダなどは全くなく、気持ち良く降りていくと、山を巻くように石積みがありました。この付近もかんな流しが行われたのかも知れません。少し東の尾根を降りていくと、地形図では分かりませんが尾根の両側はかなり深い谷で、特に西側は削られた跡がありました。尾根の先はよく整備された林道で切られていました。この林道で下山する前に、その南の650m+ピークを見に行きました。ちょっと藪を抜けて山頂まで行きましたが、植林でした。ここから西に尾根を降りて、林道に出ました。林道沿いに金網がありましたが、扉がありました。あとは県道で戻りました。

前から気になっているのは、林道沿いにある「棟山 天空広場」という看板です。降りてきた林道を登って1.5kmで山頂絶景となっています。「計画中」というシールが貼られていますが、この北で山頂というと宗山しか思いつきません。「宗」と「棟」はどちらも「むね」ですから、同じ山のような気がしますが、しかし宗山山頂の現状を見ると、植林に囲まれていて360度の展望はどう見ても無理です。

この付近はかんな流しで地形が変わっていて、それも北と南と両側から山が削られているようです。そもそも黒土川という名前からして、砂鉄が採れたとしか思えません。農地もありますから、おそらく冬の農閑期に山を削って砂鉄を採ったのではないでしょうか。南側では削られた土地は畑になっているかススキが茂っているようでした。削られる前の地形を想像しながら歩くのは楽しいものがあります。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「千草」です。

0 件のコメント: