2016年8月27日土曜日

大路山ダイレクト

大路山というのは、宍粟市と養父市の境界のいわゆる日本分水嶺にある山で、大路三角点があるので大路山と呼んでおきます。何度か行ったことがありますが、南の倉床川から真っ直ぐに登ってみることにしました。この日は天気が悪く、ショートコースを選んだのです。

宍粟50名山の銅山登山口の標識が立っている、倉床川が3つの支流に別れる地点で、北向きに「作業道 大路線」があります。これを歩いてヘアピンターンすると大路線は尾根を横切りますが、この尾根が登るべき尾根です。大路線は切通で尾根を横切っているため、切通の法面を登らねばなりませんが、これはかなりの難題でした。木の根に掴まって尾根に上がると、歩きやすそうな植林の尾根道となりました。道と呼ぶほどのものではありませんが、切り開きがあります。そのうちにブナやコナラの自然林になりますが、小雨の中とはいえ、気持よく歩けました。途中には広々とした平らな場所もあるのですが、岩場の細尾根もあって悪天候向きではありませんでした(写真)。そして少し藪っぽくなってきた尾根の地形図通りの最後の急斜面を上がると、大路四等三角点(822.47m)がありました。8月だというのに気温は20度以下だったと思います。一面の霧でした。

悪天候なので下山は無難なルートにしました。北に分水嶺を歩いて大路峠に降りました。ここまで登ってきて西に歩くのが推奨の銅山登山ルートのようです。ここからはその登山ルートで下山しましたが、よく整備されていました。植林の中の作業道を降りて大路線で下山するのですが、大路線が崩落している場所にはちゃんと迂回路が作られていました。

2時間ほどしか歩いていませんが、この天候では適当だったでしょう。姫路からの往復にかかった時間のほうが長いのですが。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「大屋市場」です。

2016年8月21日日曜日

白毫寺から登る丹波の五大山

以前は西から登った丹波の五大山ですが、山頂に行くと東の市島町からの登山道があったので、そちらで登ってみました。道標には白毫寺と書かれていたので、白毫寺に行きました。「丹波高原アルペンルート登山道」案内板には「兵庫ランドスケープ五大山」という五大山に行くルートがありました。しかし近くにあった案内板は白毫寺の境内から登るように示しているようでした。境内に入るには300円必用なようなので、入らずに道を奥に歩いて、墓地の方から白毫寺の北に廻りました。熊野神社の方に行くと、「丹波森の径」の道しるべがありました。すぐ上の金網に扉があって、そこから植林に入りました。

植林の作業道を登って行きますが、かなり荒れています。テープのマーキングがありますが、時々どっちへ行ったらよいのか分からなくなりました。しかし上を目指して歩けば良いので、困りはしません。周囲は自然林になりますが、道は続きます。ただし道標はありません。それでもほぼ地形図の破線どうりに標高250mまで登って西に折れました。そして少し登ると標高300m付近に伐採地があり、陽射しが強いので急いで通り過ぎましたが、南側が少し見渡せました。330mピークの手前に、はじめての道標がありました。来た方向が白毫寺、行く方向が五大山、北に降りる方向は芝生広場となっていました。この先は道標が増えて、芝生広場への道がもう一つありました。主な登山道は北のエルム市島の方向から登るのかも知れません。尾根道は整備されていますが、暑くて疲れました。五大山に近づくと急な坂や岩場が増えてきて、五大山まではピークを三つ登る必要があります。一番急な五大山目直前の斜面にはトラロープがありました。

ここまでにも展望のある場所はありましたが、五大山山頂はさすがに最も良い展望がありました。ベンチと白毫寺三等三角点(569.09m)がありましたが、暑いので早々に南の尾根へ降りました。植林は涼しくて助かりました。ここは2015/12/26に逆向きに歩いています。540m+に登ると分岐がありました。ここは2015/12/26に天王坂から登ってきた場所で、三日月山(541m)となっています。天王坂方面が分水嶺ですが、今日は分水嶺から離れて黒井城址の方向に歩きました。この辺からはちょっと藪っぽくなりましたが、マーキングはしっかりしています。ずっと下りで、地形図では迷いそうな場所も問題なく降りられました。そして300m+の鞍部まで降りると道があって道標があり、降りてきた方向は「横峰」、道の先は「水源」とありました。この付近は2015/5/6に黒井城址から千丈寺山経由で来ました。その時通った荒れた尾根を登って、稲塚四等三角点(363.74m)に出ました。ここはヨコガワ峰というようです。

三角点からは黒井城址への尾根を離れて北東に下山しました。こちらもマーキングがあり、途中に共同アンテナの残骸があって、そこからは太いケーブルが這っていました。330m+地点で尾根は別れます。地形図にはその手前に東斜面を降りる破線道があるのですが、これには気が付きませんでした。東の溜池の方に降りる尾根が安全そうでしたが、北向きの尾根には地形図では破線道が描いてあります。マーキングのテープもあって魅力的だったので北に向かいました。こちらは岩場で、すぐに東側の眺めが良い場所に出ました。更に藪の尾根を進むと、眼下に白毫寺が見えました。しかし、この先の尾根は崖で降りられません。マーキングもここで終わりで、地形図の破線道もこの付近で終わっています。

引き返すことも考えましたが、よく見下ろすと西側の谷には岩がなさそうなので、岩場をトラバースして、谷に降りました。自然林の急峻な谷ですが、問題なく降りられました。地形図ではこの谷の途中まで破線道がありますが、道と呼べるものは最後のちょっとだけしかありません。戸坂川に降りると、そこは堰堤工事の上流側でした。中央に太いパイプを組み合わせてある巨大なものです。少し上流の斜面には比較的最近の土砂崩れの跡がありますから、これは白毫寺を土石流から守るために緊急に必要と思われます。堰堤を越えて、工事用の舗装道路で白毫寺に戻りました。

4時間ほどのコースでしたが、最後は時間はかかっても安全な道を探すべきでした。

展望 ★★☆
藪山度 ★★☆
地形図は「黒井」です。

2016年8月18日木曜日

真南から登る氷ノ山

氷ノ山は兵庫県一の山ですから、登山コースも幾つもあります。しかしいつも地図を見て不思議に思うのは、真南の戸倉峠へ延びる県境の尾根を通る道が無いことです。非常になだらかな尾根で歩きやすそうなので、道がないというのは不思議です。そこで、様子を見に行ってみました。戸倉峠から登るのは距離がありすぎるし戻ってくるのも大変そうなので、広域基幹林道を使うことにしました。

閉店中のヤマメ小屋から林道に入ると、木材積み出し中の掲示が幾つもあります。トラックで道が荒れているかの心配しましたが、積み出しは舗装が終わってすぐの付近で行っていたので、ひどい荒れ方はしていません。林道を登って行き、橋を渡ってヘアピンターンする手前の小さな広場に車を停めました。林野庁兵庫県森林管理署の「国有林からのお願い」が掲示されており、「登山は自己責任が原則です」と書かれていましたが、まったくその通りの登山になりました。

広場の少し下に最近木材の積み出しを行った場所があり、斜面に道が付けられていました。シャベルカーが上下した後のダートですが、取り掛かりとしては楽なので、靴が汚れるのを覚悟で登って行きました。真っ直ぐに登ると植林の中で行き止まりだったので、ここから植林を登りました。地形図で見ると楽そうな斜面ですが、意外と急勾配でした。間伐した木や枝が地面を埋めていて、足を取られます。しかし平坦な場所もあって、一息つきながら登って行くと、30分ほどで尾根に出ました。尾根は広く、道らしきものもあり、ほっとしました。ここからは長い稜線歩きです。

植生は入り乱れており、シダの草原もあればコナラの林もあります。木があるので太陽に炙られることはあまりありません。しかし、徐々にネマガリタケが増えてきました。竹なのでまとまって生えていますが、密度が低ければ手でかきわけて通れます。密度が上がってきて、さらに茎が曲がっているものが増えてくると、突破するのは難しくなりますが、尾根は広く、探すとネマガリタケの生えていない場所もあるので、歩きやすい場所を探しながら進みました。勾配はずっと大したことはなく、登山という雰囲気ではありません。氷ノ山によく見られるブナの大木が多く見られます。しかし、徐々にネマガリタケが増えてくると、むしろ植林の方が有難くなってきます。どうやらネマガリタケは木の多い所は苦手らしく、植林だけでなくコナラでも密度が高いと下草はありません。1182m地点あたりにもそのような気分の良い林がありましたが、林を抜けると密集したネマガリタケの藪をどうやって抜けるか、悩まねばなりません。結局広い尾根を右往左往して歩きやすい場所を探したのですが、はたして自分が歩いた場所が最も良かったのか、確信はありません。どこかに道があるのではないかと密かに期待していたのですが、かつて道があったという形跡する見つけるのは困難でした。なお、1183m地点には「?戸倉コース 28 サンヨートランジスタラジオ」という板が落ちていました。氷ノ山でよく見る、かつてのスキーコースの表示ですね。1292m地点付近には、大きなブナがまとまって生えていました。

大きな木の周囲にはネマガリタケが生えていないので一息つけますが、それ以外はずっと藪となりました。どんどん背丈が高く、強力になっていきました。緑色の茎(稈というようです)で葉をつけているものはまだ弾力性があるので押しのけられますが、枯れたものは固く、折れていればその先は竹槍のようです。気をつけないと怪我をします。経験的には、進行方向に倒れている場合には左右に押し広げて通り抜けられることもありますが、進行方向に直角方向に倒れている茎を跨いで進むのは非常に困難です。地面を見ると他に下草などはなく(陽が当たらないので当然ですが)スカスカなのですが、前進するにはかなりの腕力が必要でした。GPSの記録を見ると、このあたりでは時速0.2kmほどの速度になっており、これが2時間近く続きました。かなり県境から東に離れた場所を登っていたので、最初は県境の稜線に戻ることを考えましたが、トラバースが困難なので、結局真っ直ぐに登って行きました。この付近は地形図では畑になっていますが、じっさいは背丈より高いネマガリタケの草原です。途中に写真のような面白い石がありましたが、面白がっている余裕はありません。また山頂に近づくと岩だらけの谷があり、それに沿って登ってもみましたが、すぐにまた藪になりました。標高1400mから上は、忍耐だけでネマガリタケの藪を抜けたという感じでした。最後は岩があったので登って周囲を見渡すと(藪の中では全く外が見えません)、目の前に東屋があってびっくりしました。急いでネマガリタケの上を滑るような感じで歩いて行って、やっと登山道に出て、東屋で休めました。

この登山道は三ノ丸コースでした。東屋で休憩して三ノ丸の方向に歩き始めましたが、途中に下山道があったので三ノ丸には行かずに下山しました。避難小屋に行っても特に何もありませんし、周囲は霧で展望がほとんどありません。疲れ果てていたので坂ノ谷コースで下山しました。登山道の両側のネマガリタケを見て、よくこの中を抜けられたものだと我ながら関心しました。あの広大な笹薮には、白骨死体がいくつかあってもおかしくないという気がします。

こんな無茶な登山はしてはいけません。この尾根は冬季限定と考えるべきでしょう。それにしても、県境だというのに道も杭も無いのはなぜなのでしょうか?早く地籍調査が入って道を作って欲しいものです。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★★★
地形図は「戸倉峠」です。

2016年8月16日火曜日

西粟倉の木地山

この木地山は、鳥取自動車道の西粟倉ICで降りて、北の塩谷川を遡った谷の奥にあります。実はもっと北の、美作市と智頭町の境の東西に延びる尾根を歩きたかったのですが、最近稜線沿いに林道が作られていて、ちょっと興ざめなので、木地山だけのショートコースにしました。

塩谷川沿いには、あわくら温泉があります。これを過ぎて、塩谷新田に入るあたりで車を停めました。目指すは川の南に延びる尾根です。尾根先の急斜面は草が生えていて登れそうもないので、尾根裾の林道を少し南に入ってから、植林の急斜面を登りはじめました。とんでもなく急な斜面ですが、作業道が残っていて、ジグザグに登って行けました。途中で一息つきましたが、尾根の上に登れば、あとは緩やかな尾根歩きです。ずっと植林が続き、倒木でちょっと藪化している場所もありますが、ほとんど問題なく快適に歩けました。途中で南にツズラ山が見えたり、林道が尾根近くまで延びて来たりしていましたが、下草もほとんどなく、標高差250m程度を登れば戸川四等三角点(767.90m)のある主尾根に到着です。ここもきれいな植林で、西側すぐ下には林道が見えました。

北に尾根を歩くと、木地山峠です。峠を横切る舗装道路の他、北西に向かう舗装道路、南西と南東に向かう未舗装の林道があります。峠のお地蔵様もありました。切通しは両側法面をコンクリートブロックで補強してあるため、降りるのには苦労しました。北に登り返す方は、北西に向かう道を少し行くと尾根に登る道があって、尾根歩きを再開しました。ここからは標高差140mで木地山です。ここもほとんど植林でした。最後に木地山頂上に登るところは、かなりの急登でした。登ってしまうと、杉谷三等三角点(907.64m)がありました(写真)。周囲は少し藪っぽいのですが、木地山という山名はどこにも書かれていません。地形図に載っている割には、地味な感じでした。西側遠景は木の間から覗けますが、展望というほどではありません。

木地山から北へはなだらかな尾根が続きますが、下山することにして東の尾根を降りました。こちらも植林が多いのですが、真っ直ぐ降りるのではなく、途中で少し南に曲がらないと東に延びる尾根に乗れないので、GPSがないと難しいでしょう。791m少ピークを過ぎて、尾根には平たい岩があったり、自然林もあります。最後は植林ですが、未舗装の林道(私の林道の定義は、「自動車で走ることを前提として作られた作業道」です)があったので、楽に降りられました。この付近の山には害獣よけの金網やネットは無いようでした。

3時間半ほどのショートコースで、展望はありませんが、植林を気持よく歩けました。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「坂根」です。

2016年8月14日日曜日

篠山の波賀尾山

波賀尾山は篠山盆地の西を流れている大山川の西、篠山川の北に位置する山です。標高392mと低めの山で、標高差200m弱も登れば山頂なので、暑い日でしたが登ってみました。

地形図を見ると、東の大山新の付近から破線道があるので、探してみました。新しい家が6軒ほど立っている道の奥に入ると、平成13年の「波賀尾山登山口」という杭がありました。ここから植林の中に登山道がありました。しかし少し奥に入ると、赤いマーキングが見当たらなくなりました。真っ直ぐ谷を登る道があるのですが、谷の奥を詰める気にはならなかったので、いつもの流儀で左手の尾根に上がりました。急斜面をトラバース気味に登って尾根に出ると、ここも特に整備された道はありません。倒木の多い尾根を真っ直ぐ登りました。東から来る尾根と合流し、急斜面を登ると山頂でした。ここまでの登りは急勾配で、足元は砂地に落ち葉という滑りやすいもので、暑さもあって、何度も途中で休みました。山頂には、大山郷づくり協議会が建てた波賀尾山の由緒書きと、大山小学校の校歌があり、山名を書いた杭がありました。どれも平成13年のものです。展望はゼロです。

山頂からは西に尾根を歩くことにしていましたが、山頂付近をぐるっと見渡しても、道らしきものは登って来た方向を含めて見あたりません。しかし藪の中を注意して調べると、西に道がありました。急斜面を降りて行くと藪から抜けられて、植林の尾根になりました。北側少し下に林道が見えたので、これがいちばん楽な登山道だと思います。尾根は間伐材や枝が多くて思うように歩けない場所もありますが、特に障害物があるわけではなく、無難に歩くことができました。「昭44大山」という杭が随所にあります。北の二宮神社に降りられそうな枝尾根を過ぎて、植林を歩き続けると、尾根の分岐に出ました。ここから南に一周する予定でしたが、まだ歩き始めて1時間もたっていないので、もっと西に歩いてみました。

次の371mピークには井谷山という札がかかっていました。この附近も植林が多いのですが、荒れ気味です。次の鞍部には地形図では破線道が尾根を南北に横切っていますが 、道標があって、歩いてきた東の方向は「井谷山山頂」これから行く西の方向は「秋葉神社跡」そして南向きは「川代公園」となっていました(写真)。さらに荒れた尾根を西に歩くと、井谷四等三角点(347.18M)に着きました。ここには「井谷坪」という札がありました。この西はわりと手入れの良い植林となりますが、秋葉神社は気になるもののキリがないので、ここで引き返すことにしました。

尾根の分岐まで戻って南の尾根に向かいましたが、ここには「立入禁止」の標識がありました。なぜ立入禁止なのか分かりませんので、こちらは波賀尾山に行く道ではないという親切な標識ということにして、歩き続けました。こちらの尾根も他と状況は似ており、間伐された木が邪魔な所はありますが、それほど歩くのには邪魔ではありません。いったん260m+のピークに降りると、作業道が尾根を横切っていました。確かにここは大山から谷川方面への近道です。ぐるっと回って篠山川沿いでも行けますが、ここを通ると篠山川の渓谷の一番道の狭い所(いまトンネルを掘っているようです)を避けることができます。ここで谷に下山という手もありましたが、さらに尾根を登って325mピークに行きました。この付近は藪っぽくなりましたが、登ってしまえばあとはまた植林の尾根となりました。自然林でも、道がありました。しかし、尾根が北に曲がって下りになると、また藪っぽくなりました。そしてそのまま北に降りようとすると、厳しい藪に行く手を阻まれました。無理やり突破するのは避けて、東側の植林を降りることにしました。こちらも急斜面で間伐された木が転がっており、決して歩きやすくはありませんが、とにかく谷に降りて、道に出ることができました。尾根をそのまま降りると道に出る所をトタン板などでブロックされていた可能性もあるので、これが正解だったと思います。あとはきれいな未舗装道路を歩いて、溜池の脇を抜けて大山に戻りました。


後から調べてみると、大山小学校の一年生が波賀尾山に登っていました。脱帽です。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「宮田」です。

2016年8月13日土曜日

糸白見渓谷から登る若桜の弁天山

2016/07/23に鬼ヶ城から登った若桜の弁天山で見たブナの原生林が忘れられず、もう一度見に行くことにしました。先週(2016/08/05)東山と鳴滝山に登るのに通った糸白見渓谷から登ることにしました。

先週と同じ、「東山」と書かれた丸い標識のある林道への分岐の北側から登ることにしました。北側は急斜面ですが、少し西に行って楽そうな所から登ると、斜面の上は広い平坦地で昔は畑だったようで、下から見える岩は石積みのようでした。ちょっと登ると尾根先に乗れたので、ここから三倉富士に向かって真っ直ぐに尾根を登りました。予想してはいましたが、かなりの急斜面で、しかも藪っぽいときています。木や岩を避けて回りこまねばならない場所もあり、砂で足場の悪い斜面もあって、かなり疲れました。結局1時間半近く登って、やっと860m+の平坦地に出ました。コナラの林で気持ちの良い場所です。ここからは勾配は楽になりましたが、アセビの藪を抜けねばならず、腕力が必要でした。30分ほどかかって、やっと三倉富士(949m)に着きました。若桜の街や氷ノ山が見えます。

ここからは2016/07/23に歩いた稜線の道を西に歩きました。途中には登山道の標識もあります。ほぼずっと美しい植林です。徐々にブナが増えてきますが、かなり急斜面もあり、ジグザグに道が付けられています。弁天山(1017m)は美しいブナの林ですが、北側は植林です。小さな祠と、大きなトチの木を見てから、さらに西に歩きました。ここは前回は来なかった場所ですが、ここも美しいブナ林が続きます(写真)。南側斜面もブナとコナラの林です。しかし次の1000m+の小ピークを過ぎると植林となります。この付近は南側に少ピークが2つありますが、やや間伐材の多い北側の植林を抜けて、植林の中の西浦三等三角点(972.99m)に着きました。この付近は枝打ちの枝で埋まっています。ここから南に植林の斜面を降りて、林道の切通に降りました。地形図では分かりにくいのですが、900mの等高線の間は切通になっています。あとは先週と同じように、糸白見川に沿って車まで戻りました。

植林も美しいのですが、ブナの林は自然な味わいがあります。木の間を通ってくる風が涼しくて夏には最適ですが、登りに使ったルートはお勧めしません。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「岩屋堂」「郷原」です。

2016年8月11日木曜日

山南町青田から登る丹波の天狗山

丹波の天狗山には、2015/10/12に谷川の方から城跡経由で登りましたが、今度はもっと東の青田から登ってみました。青田の付近では県道77号線が山沿いを走っているので、そこから植林に入りました。ちょっと登るとしっかりした金網があって入れません。幸い少し東に回ると谷あいに扉があったので、そこから山に入りました。谷を少し登ってから、東側の尾根先に取り付いて、一気に登りました。息切れするような急斜面ですが、長くは続きません。標高400mを越えて平らになると、共同アンテナの残骸がありました。その先に学所四等三角点(424.73m)があり、ちょっと下って播磨中央線103鉄塔がありました。この付近からは谷川駅方面が望めますが、巨大な鉄塔の下は藪化しており、、抜けるのにちょっと苦労しました。北に降りると次の鉄塔への巡視路は東側の斜面につけられていますが、真っ直ぐ尾根を登る道もあって、そちらを歩きました(巡視路から104鉄塔経由でも天狗山に行けるはずです)。493mピークまで来ると、前回歩いた主尾根となります。前回同様に落ち葉で滑りやすい岩場を登って、奥山三等三角点(557.69m)のある天狗山に着きました。特に天狗山と書いてあるわけではないのですが、おそらく間違いないでしょう。

前回はここから南にけやき峠へ歩きましたが、今回は東に歩きました。最初は急勾配を降りますが、送電線の巡視路なので歩きやすく、標高510m+付近には天狗山への標識と天狗岩がありました(写真)。天狗岩はおむすびか桃太郎の桃のような形でした。さらに巡視路を東に歩くと、105鉄塔への分岐があり、その先の460m+ピークを巡視路は南に巻いていきます。そのままピークを過ぎると、播磨中央線106鉄塔がありました。ここから460m+ピークへ引き返し、北に急斜面を降りました。最初は急ですが、すぐに植林の尾根歩きとなり、東側斜面には林道が見えました。そのまま尾根を歩くと、斜面ではやや藪っぽい所がありましたが、ほぼ切り開きがありました。黄色いマーキングがどうやら道を示しているようでした。初原四等三角点(451.34m)の周囲は植林でした。さらに尾根を北にも歩けましたが、出発点に早く戻ることを考えて(暑いので県道をなるべく歩きたくありません)、西側の植林を降りました。最初はちょっと迷いましたが、少し降りるとはっきりとした道が現れて、最後は植林の伐採用と思われる道が縦横に走っていました。林道に出れば扉があるので、無事に山から出られました。

下山中の山には黄色いネットが何ヶ所かありましたが、歩くには差し支えはありません。しかし、ネットに引っかかって死んだ鹿と、たぬきくらいの動物の白骨死体を見ました。気分の良い山歩き中にはあまり見たくないものです。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「谷川」です。

2016年8月8日月曜日

西粟倉の道の駅から登る黒岩山

黒岩山は駒の尾山と林道ダルガ峰線を挟んで西側に位置する山です。標高は1000m超ですが、鳥取自動車道の道の駅から歩けそうなので、試してみました。

西粟倉ICの横に道の駅「あわくらんど」があります。国道373を渡った東側にドッグランと公園がありますが、その東側の道沿いに墓地があり、その裏手から尾根の端に取り付きました。この尾根先は智頭急行がトンネルで抜けています。しかし、こんな登り方をしなくても、この尾根先には携帯のアンテナが二つ立っていて、そこに登る道が少し北の「あわくら旬の里」の前から登ってきています。この道は2つのアンテナの間を抜けてさらに延びていますが、山に上がる気配はないので、上のアンテナ(中国セルラー電話株式会社西粟倉局無線鉄塔)の上から登りました。あとは尾根沿いに登りましたが、ほぼ植林です。標高はまだ400mほどですが、日陰で風があると真夏でも爽快です。とはいえ、登りは疲れます。ときどき平坦地があるので救われました。
影石三等三角点(630.22m)は植林の中です。三角点の後に急勾配の斜面があって、ゆっくりペースで登ると、西側から来た林道が尾根に到達していました。この林道は北に向きを変えて尾根を登って行きました。少し行くと東側からも林道が来ていて([1])、尾根をまたいで繋がっていました。その後もさらに林道は北に延びていますが、林道と分かれて斜面を登ると、またしても林道が尾根を横切っていました。これは東側の林道の続きのような感じですが、西側の林道とも繋がっていそうです。さらにのぼると平らな植林に出ました。それを抜けて北西の猪之部四等三角点(801.71m)に行きました。周囲は枝打ちも間伐もしていなさそうな植林ですが、三角点のピークの少し下の周囲をぐるりと林道が巻いていました。

三角点から東に植林を引き返して黒岩山を目指します。まだ標高200mを登らねばなりません。「おかやま森づくり県民税事業」と書かれた倒れた杭の横を通ると、この付近は地形図で見るよりもずっと急斜面で、しかもシダ藪です。南側を林道が巻いて行っており、歩きたい誘惑にかられましたが、作業道の名残らしきものを見つけたので斜面を登ることにしました。非常に急で、足元も不安定でした。ようやく標高差100mほど登るとシダが減って、歩きやすくなりました。木が少ないので暑さに参りましたが、細尾根に乗ることができました。木陰を選んで歩くと、東の960m+の細いピークの手前は腰くらいの高さのシダの草原でした。木がないので一気に抜けると、北から東に展望が広がります。写真中央はダルガ峰です。しかし暑いので急いで黒岩山に向かいました。黒岩山の山頂には何の標識もなく、どこが山頂か悩んだのですが、一番高いところが1006mの山頂なのだろうと思います。一つ東の990m+にはベンチがあって、東に降りる砂利道がありました。降りると駐車場、それにトイレがありました。ここは駒の尾山の登山口です。屋根付きのベンチがあるのはとても助かりました。「0.6km黒岩山 三段の大岩有り」という標識がありましたが、大岩は見落としたようです。

下山はちょっと林道ダルガ峰線を下ってから影石谷遊歩道に入りました。整備され遊歩道で自然林の雰囲気は良いのですが、大雨でかなり崩れており、道に水が流れていました。少し降りると分岐があって、ここは遊歩道の中間点のようでした。下山口に向かって歩きましたが、植林の中の道であまりおもしろくはありません。下山口は未舗装の林道で、これを下って行くと野鳥苑と呼ばれているらしい「年金積立還元融資休養休憩施設(宿泊研修施設)」がありました。閉鎖されて久しいようですが、バンダリズムの被害にあっていないようで安心しました。ここからは舗装された道を降りましたが、途中で付近のきれいな植林のが魅力的だったので、植林の中の道に移りました。植林の中の道は途中で大規模林道粟倉・木屋原線を横切って、かなり下まで続いていました。おかげで舗装道路で炙られるのは、最後の1km程度ですみました。

森の中をずっと歩いて、5時間ほどで道の駅に帰ってきてソフトクリームを食べられたので、暑い夏の日に向いたコースだったと言えます。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「坂根」です。

2016年8月5日金曜日

糸白見渓谷から登る東山と鳴滝山

2016/5/7に岩屋堂から苦労して登った若狭町の東山ですが、今回はもっと山頂に近い糸白見渓谷から登ってみました。糸白見から糸白見林道に入ってしばらく棚田を抜けて走ると害獣避けの扉があります。Googleストリートビューはここで終わっており、閉まっている写真と開いている写真の両方が載っていますが、大きいながら簡単に開閉できました。さらに林道を走ると舗装が切れて石だらけの道になりました。パンクを心配しながらしばらく走って、南に林道が分岐する付近の手前に車を停めて、歩き始めました。

南に川を渡る橋の脇の木に「東山」という札が架かっていて、どうやら林道を入っていく登山道のようでした。しかしそのまま行っても道標がある保証はないので、目の前の尾根の端に取り付きました。この付近も昔は段々畑だったようで石積みがありますが、大きな石が使ってあるのが特徴的です。ちょっと登ると古い道が水平に走っており、あとは尾根登りとなりました。最初は植林ですが、すぐに自然林となります。標高700m付近まで登ると東側からの尾根と合流し、「東山」という道標がありました。林道経由の登山道はここに出てくるようです。ということで、あとは登山道を登りました。

いちおう登山道として一度は整備されたらしいので、特別に道があるわけではないにしても、切り開きがあって登りやすい尾根でした。ただし急勾配が続きます。標高差900mを登らなければなりません。途中で尾根を林道(これも糸白見林道)が横切っていますが、この手前は非常に急で、カーブミラーの所に出てきました。目の前は尾根が削られていますが、ちょっと東にまわるとまた登山道がありました。この先も単調な尾根上りですが、周囲の雰囲気は悪くありません。倒木も少なく、登りやすい道でした。しかし暑さもあって、だいぶ疲れました。しだいに笹が増えてきて、最後は笹の中を歩くようになりました。ここには「糸白見」の道標があり、2016/5/7にも歩いたチシマザサの草原を登り始めました。ここから標高差はさらに200m近くあって、炎天下では炙られて非常に疲れましたが、日陰を作ってくれる木がところどころあります。そして、やっとこさ東山山頂に着きました。藤仙山三等三角点(1387.98m)があります。

東山からは鳴滝山へ縦走しました。これは若狭町と智頭町の町界です。枯れたネマガリタケの間を歩くので、地下茎や枯れた茎で足が滑って、とても疲れました。ネマガリタケのせいか、最初は植生が変わっているなと感じていたのですが、1204mピークを過ぎるとブナの自然林になり、美しい尾根になりました。太い木も細い木もありますが、見通しが良くて気持ち良い尾根です(写真)。しかし足元は相変わらずネマガリタケです。美しいブナ林と足元のネマガリタケに気を取られつつ稜線を歩いて行くと、鳴滝山に着きました。松尾三等三角点(1287.29m)があります。この付近からは、木々の間から北は弁天山を越えて若桜鉄道の方向が見えますし、南に沖ノ山も見えます。

鳴滝山からは北に下山しました。ここもネマガリタケが生えています。しかし植林もあって、西に曲がると南から林道が来ていました。八河谷川の方から延びてきていると思われますが、この付近で終わっていました。この先も枯れたネマガリタケが残っており、これが枯れていなかったら踏破不可能と思われます。そして尾根を北に降りました。もうネマガリタケはなくて、気持よく広がった尾根を北に歩きました。そして広い1053mピークの先を降りると林道に出会いました。968mピークは西に巻いて林道を降りて行くと、峠越しの林道に出ました。この峠付近はやや複雑で、北に向かう林道もありますので、ちゃんと東に向かう道を見つけて糸白見川へ降りなければなりません。糸白見渓谷の道は歩きやすく、ところどころ舗装されています。しかし、木材の切り出しがあちこちで行われているため、大型トラックが頻繁に通るようになると路面が荒れる可能性があります。途中に「百万弗の森」と書かれた杭が立っていましたが、この広さですと確かにそのくらいの値打ちはありそうです。

炎天下をゆっくり歩いたので、6時間近くかかりました。渓谷はあまり日が差さないので助かりました。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「岩屋堂」「郷原」です。