2009年8月29日土曜日

明延から登る水剣山

再度西から登る水剣山です。明延から水剣山に向う道は地形図では二股に分かれています。北側は沢沿いの実線道で、すぐに建物のマークのところで終わっています。南の破線道は延々と1キロ近く延びています。登りは最短の尾根コースである、この二つの道の間の尾根を登り、帰りは前回2009/08/20に道がありそうだった南の破線道で戻ることにしました。

都多小学校の前で伊沢川を渡り、明延を遡って、道が分かれる付近に車をとめました。「水剣山の名水」があります。標高304mとも書いてあります。水剣山まで568mを登るわけです。鹿除けの扉を開けて実線道を歩き始めました。すぐに右手に明延配水池(と言ってもコンクリートの箱)があり、そこで舗装道が終わっています。この先も沢沿いに道がありますが、いずれ終わってしまうことは自明なので、配水池の下から植林に入って尾根を目指しました。急勾配ですが、植林で下草がなく歩きやすく、すぐに尾根に着きました。尾根は木が切ってあります。

ここから水剣山を目指して歩きました。切り開きのある場所が多く、わりと歩きやすい尾根です。地形図からも分かるように急勾配の場所が何箇所かあって、木に掴まらないと登れません。雑木林の場所が多く、植林の倒木はありませんが、雑木林の倒木でも急斜面にあると、どう登ったらよいのか思案することもありました。

最初の急勾配を登った後の500m+の平らな場所は植林で、気持ち良い場所なのでしばらく休みました。その後は雑木林を手で枝を払いながら歩きました。急勾配では木に掴まりましたが、腐っている木も多く、足元は崩れやすい土で、軽快な登山とはいきません。最後は急勾配の植林を登り、水剣山北西ピーク(870m)に出てきました。すぐ隣が蔦沢三角点のあるピークです。宍粟50名山の標識が立っています。

下りは破線道のある沢と決めていたのですが、降り方が問題でした。水剣山から西尾根に下りると、まず西側に谷が見えますが、周囲は急勾配の植林で、谷の様子もよくわかりません。尾根を歩いてひとピーク越えると、また西側に谷が見え、ここは谷底が見えます。なんとなく道のようなものが見えます。しかし真っすぐにそこに植林を降りるのは急すぎるので、前回歩いたルートを戻って、766mピークの手前の36と番号の書いてある標石まで登り、ここから西に尾根を下りました。最初は植林ですが、雑木林になる手前に30番の標石があり、赤いテープが木に巻きつけられています。ここで植林を下りる道を探したのですが、見つかりません。しかたがないので作業道を辿って降りてみました。下の方は藪です。しかも地面は岩盤です。上から見て道のように見えたのは、実は岩盤でした。岩盤は急すぎて降りられないので、岩盤の上に生えた藪の間を抜けて沢に降りて行きました。岩は板状に崩れており、危険な場所です。

写真は沢から見た、降りてきた付近の岩盤です。このような雨が降れば水路となる急勾配の岩盤がいくつもありました。沢は幅の広い岩盤ですが、水が流れているので歩けば滑って転ぶことは明らかです。倒木もあるので、北側の植林の斜面に登り、沢に沿って斜面を歩いて行きました。かなりの急斜面です。この谷は地形図で破線道が描かれている谷ではなく、破線道はこの尾根の北側にあるはずです。そこで破線道を目指して尾根を登って北側の谷に降りました。急斜面の雑木林でした。

北側の谷は南側に比べると少し幅が広く、流れに沿って歩けそうでしたが、すぐに倒木が増えて歩けなくなりました。先日の台風の大雨で流されてきたらしい木の枝などが積みあがっており、沢歩きは断念して北側の植林に登りました。この後は1キロ近く倒木と岩の多い植林の斜面を歩くことになりました。枝の付いた倒木も多いので、それを避けて斜面を上がったり降りたりしながら歩かねばなりません。疲労困憊しました。

かなり歩いたところで斜面に藪が増えて歩きにくくなったため、一度谷に降りました。ここで南側を見ると少し高い所に道がありました。道と言っても荒れ放題で、倒木や岩が多く、歩き易くはありません。それでも斜面を歩くよりは楽ですので、あとは道沿いに降りました。ここで初めてゆっくり観察できたのですが、この沢の岩盤は青みを帯びたものが多く、この付近特有の岩のようでした。

この道は最後は沢から離れて鹿除けの金網に突き当たっていました。金網沿いに歩いて、結局最初に開けたのと同じ扉を開けて外に出ました

登り2時間、下り3時間弱で、下りの方が時間がかかってしまいました。この付近では谷を歩いてはいけない、という鉄則を忘れていたのがあさはかでした。登りの尾根は、多少の藪を厭わなければ正解だと思います。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★★

2009年8月22日土曜日

板坂から登るそうびろ山

福崎から七種山方面へ行く途中に、板坂という集落があります。この北側から尾根が延びており、そうびろ山を経由して七種薬師へ行くことができます。この尾根を歩いてみました。

尾根の先端は歩きにくそうなので、一之宮神社から右手の尾根に上がりました。ここから主尾根まではすぐで、板坂四等三角点(205.36m)を見つけました。長細い尾根を西に歩き、北に降りましたが、この付近は倒木が多く、藪漕ぎとなりました。鞍部の藪を抜けて、318mピークを目指して登りましたが、途中で東側から道が上がってきているようで、マーキングが現れました。それに従って、318mに達しました。さらに次は北の340m+ピークにある鉄塔です。この付近は雑木林で道もマーキングもあり、楽に歩けます。鉄塔は鶴居支線16です。

今度は北西に少し降りてから400m+ピークに登りました。いきなりシダ藪となり、足元が見えませんが、マーキングのおかげで踏み跡を辿ることができました。急斜面ですがトラロープが張ってあるところもあり、登山道として整備されていることが実感できました。400m+ピークには地形図にもあるように岩場があって、展望が楽しめました。特に、帰りに通ろうと思っていた南側の尾根をよく観察しましたが、斜面の倒木はかなり片付いているようでした。肝心の尾根は、植林が立っているので少し安心しました。

400m+ピークから北への下りは更に背の高いシダ藪でしたが、マーキングのおかげで無事に鞍部に降りられて、そうびろ山目指して登り始めました。ここも急斜面ですが、岩場があって展望も得られます。そうびろ山(538m)山頂まで、マーキングに沿って登山道を上りました。そうびろ山からは野外センターに降りたことがありますが(2009/03/31)、その時には板坂に降りるルートがあるとは全く気がつきませんでした。

そうびろ山からは西に尾根を歩いて主尾根に出ました。南下して436mピークを通り、素晴らしい景色を眺めながら足のすくむ岩場を通り抜けて、三谷奥三角点(397.32m)に出ました。ここから東に尾根を降りました。この尾根はかなり荒れてはいますが、マーキングがしっかりとあって助かりました。雑木林と植林と両方がありますが、倒木が若干ある程度で歩くには困りません。最後はシダの中を通って鶴居支線14鉄塔に出てきました。さらに良い道を降りると尾根の外れの墓地の脇に出てきました。

このコースの登りは、200m、300m、400m、500mと段階的にピークがあるのが特徴です。区切りごとに休んで登れば、気持ちの良い登山ができます。さすがに七種山に連なる尾根だけあって登山道も整備されていますから、道に迷う心配も少なく、お勧めのコースです。

展望 ★★☆
藪山度 ★☆☆

2009年8月20日木曜日

西から登る水剣山

宍粟50名山の一つ水剣山は、南の大谷から登るのが普通です。以前に梯から北に歩いて北東から登ったこともありましたが(2008/08/09)、今回は西から登ってみました。

水剣山の西には伊沢川が流れています。山崎町中野の付近から水剣山に向かって谷があり、明延という集落があります。ここを通っているのが明延林道で、これを遡れば水剣山の近くには行けますが、深い谷底で終わってしまうので、伊沢川沿いの林道の起点近くから南側の尾根に登ることにしました。この付近は丈夫な鹿避けの金網が建てられており、簡単には山に入れません。林道沿いに歩いて金網を観察し、扉を見つけて急斜面を登り始めました。これは尾根の端の北向きの幅広い尾根でした。最初は急勾配の植林で木に掴まらなければ登れませんが、尾根に出れば楽になります。

444mピークは雑木林、時々南側の展望がありますが、後は長い尾根歩きです。水剣山までは標高差650m以上ありますので、尾根が長いほうが登山としては楽なはずです。しかし標高600mを越した辺りで異変が起きます。背の高い草が生い茂っています。これは植林が台風で倒れた跡らしく、足元には倒木が転がっていますが、草で隠れてよく見えません。危険とは知りつつ倒木の上を歩いて通り抜けました。

650m付近に来ると植林が復活します。北側の谷から道が上がってきて、赤いテープのマーキングが目立つようになります。この先は急斜面になり、750mの主尾根に達します。これは水剣山の西尾根で、すぐ南に766mピークがあります。水剣山に向って、北に尾根を辿りました。

小さなピークに登って降りた後、山頂に向かっての急登になりました。以前に東尾根から水剣山に登って西尾根経由で下山したときに、逆コースは大変だろうなと思った覚えがあるのですが、そのコースですから楽ではありません。何度か休んで、ようやく蔦沢三角点のある山頂に着きました。登山開始から3時間でした。

下山は北側の尾根を通ることにしました。北西ピーク(870m)を過ぎて、真っ直ぐに北に向かいました。まずまず歩きやすい雑木林の尾根でしたが、降りて行くと最後に藪に突き当たりました。藪をくぐり抜けて降りて行くと、視界が開けて正面に黒尾山が見えました。さらにもう少し降りてから、これが東に向かう尾根であることに気がつきました。結局登り返して、北に向かう尾根を見つけ、759mピークに向かいました。この部分は非常に分かりにくいと思います。

759mピークからは北西に尾根を降りました。この尾根の先にある740m+ピークまでは、雑木林です。この740m+ピーク付近で、非常に大きなキノコを見ました(写真)。40x30cmくらいの大きさだと思います。この地点からは西に延びる尾根を降りましたが、途中で尾根がはっきりしなくなりました。最後は植林になったので、適当に降りて行きましたが、谷に降りると倒木で埋まっていて進めなくなる可能性があるので、明延の集落に降りる尾根に乗るように斜面を横切りました。最後は落枝で埋まった歩きにくい植林の中を通って、明延に出てきました。下山も3時間近くかかりました。

あとは林道を歩いて下まで降りましたが、道沿いに加圧ポンプ場が二つあり、どちらも別荘か教会のような建物なのが印象的でした。

水剣山はどこから登っても険しい山だというのが感想です。しかし、だからこそ登り甲斐のある山だと思いました。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★★

2009年8月18日火曜日

一宮の高畑山

伊和三山の一つと言われる高畑山は、一宮の伊和神社の西側にある山です。南北に長い尾根にあるため、周回コースが組みにくいのですが、北から南に尾根を歩いて、バスで戻ろうと考えました。

尾根まで登る道は、楽な林道にしようと思いました。台風による水害の後片付け中の閏賀の集落を北に歩くと、学校給食センターの北に「妙見宮参道」と書かれた石碑があり、林道の入口がありました。妙見宮は見つけられなかったのですが、稲荷奥宮となっているところを見ると、閏賀の川崎稲荷の奥の宮でしょうか。「林道溝谷線竣工記念碑」も立っており、これがこの林道の名前のようです。

鹿避けの扉を開けて林道を登りました。未舗装の歩きやすい道ですが、日差しが強いので夏の林道歩きは疲れます。250mほどの標高差を3kmほどの道のりで登ります。尾根に近づくと、大規模に伐採された谷にジグザグに道が付いているのが見えてきます。これが目指す峠の北東側の谷です。この伐採跡は花咲山からよく見えました。見た感じでは、閏賀の集落から真っ直ぐ西に入って、植林を抜けてこの伐採地を登れそうでした。日差しを考えるとあまり取りたいコースではありませんが、近道ではあります。

峠に出て西側を見ると、道と呼べるものはありません。峠には関電によると思われる火の用心の札が二つ立っていますが、この付近に送電線はありません。この峠から北に尾根を辿れば黒尾山に登れますが、標高差が600mもあります。高畑山は尾根を南東に辿ればよいのですが、峠から見るとこの尾根は背の高い草に覆われており、とても歩ける状態ではありません。しかたなしに伐採跡のジグザグ道を少し登り、なるべく尾根に近づいてから、峠から少し南東寄りの尾根に上がりました。この場所も伐採の跡で、背の高い草が生えており、足元には伐採された倒木もあって、日差しが強いこともあり歩くのは大変でした。この付近から、この尾根に異変が起きていることに気が付き始めました。

伐採跡を抜けると、あとは植林です。ここも急斜面なので大変ですが、下草がないだけ歩くのは楽でした。休みながら山頂に着くと、閏賀四等三角点(562.01m)がありました。この山は閏賀山と言うようです(というプレートが下がっていました)。

一休みして、南に尾根を辿りました。最初は植林の歩きやすい尾根でした。しかし、500m付近まで降りて南向き斜面になると灌木が増えてきました。あやうく西に向かう尾根に乗りそうになり、慌てて東寄りの尾根に移りましたが、少し降りると尾根は背の高い草に覆われています。足元には倒木が転がっています。倒木の幹はは切ってありますが、取り除かれていません。

この状態は、次の519mピーク(つまり高畑山)まで断続的に続きました。2003年にこの尾根を歩いた記録によると、この付近は歩きやすい植林だったようです([1])。そのことから想像すると、2004年の台風で尾根の木が広範囲に渡って倒れたようです。その後、倒れた植林の幹を切る作業は行われたようですが、取り除くまでには至らなかったのでしょう。植林が無くなったために陽当たりが良くなり、何年かするうちに草が育ち、今では背の高さを越える草が密集した藪になってしまったようです。写真はその証拠です。

幸いにして尾根は平坦なので、とりあえず地面の見える場所を選んで歩き続けることができました。何度も休憩しながら気力を振り絞って歩き、やっと高畑山に着きました。閏賀山から2時間近くかかりました。

高畑山から後は、比較的楽になりました。疲れていて楽しむ余裕はありませんでしたが、清野三等三角点(470.68m)までは30分でした。2003年と変わらず、測量用赤白棒が標石の上に組まれていました。これは台風を生き延びたのでしょうか?ここには山崎智頭線7の鉄塔があり、この後は関電の巡視路を降りました。次の鉄塔は山崎智頭線6外1です。不思議な番号ですが、6と8を建てた後で間にもう一つ建てないと危ないという事が分かって追加した、というのは深読みでしょうか?7と6外1はどちらも平成13年6月建設となっていますが、次の山崎智頭線6は平成9年9月建設となっています。この巡視路は安積神野線19の鉄塔(昭和14年4月となっていますが、建設は昭和56年4月なのでおそらく立て直した)も経由し、さらに山崎智頭線5と安積神野線18の鉄塔にも行きますが、最後の2本へ行く途中は斜面が崩落している場所がありました。

ようやく清野の集落に出てきて、橋を渡ってバスに乗ろうとしましたが、ちょうど行ったばかりで次のバスまで1時間もあったので歩き始めました。途中で道の駅で休んでいたら、次のバスに追い越されました。1時間待つのが正解だったようです。

楽な尾根歩きを予想していたら、とんでもない倒木地帯を歩く羽目になりました。とてもお勧めできる山ではありません。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★★

2009年8月16日日曜日

福崎の北浦谷三角点から日光寺へ

北浦谷三角点があるのは、福崎町の北東側、岡部川の南に位置する山並みです。播但道の播但第一トンネルが通っている山でもあります。目立つ割りには長細くてループ状のルートが作りにくいのですが、帰りは平地を歩くのを覚悟で行ってみました。

市川沿い井口の恵美須神社から登りました。神社の本殿の後ろに小道があります、この道は地形図の破線道そのままに尾根の北側を進みます。かなり荒れており、倒木も多く草も生え放題ですが、ゴミだけはちゃんと落ちています。尾根に出てすぐの190m+ピークには共同アンテナの残骸がありました。

このあと、尾根には荷造りテープが張られています。この山も松茸山なのです。240m+ピークで尾根道は保喜の方へ降りて行ってしまいますが、尾根をたどりました。荷造りテープのおかげで尾根を見失う可能性はありませんが、倒木も多く、かなり荒れた里山という印象です。

雑木林の藪尾根を歩きましたが、250mの尾根に登る手前は倒木が多くて困りました。この尾根に上がって少し歩くと北浦谷三等三角点(322.01m)に出ました。ここには保喜から道が上がってきているようです。ここまで展望は全く無かったのですが、三角点(写真)も藪と草むらの中で展望も全くありません。この先も雑木林の倒木の多い尾根が続きました。310m+ピーク付近はやや広く、不思議な雰囲気の林ですが、ここにもビニールテープが張り巡らしてありました。「松茸山につき入山禁止 日本文華山盛会」という張り紙がたくさんありました。謎です。その先を下りると、下から幅の広い道が上がってきています。これは地形図にもある道です。

この先に300m+のピークがありますが、この手前が大問題でした。尾根に大きな岩があり、片側が切り立っているためにこれを越えて進めないのです。幸い岩に沿って古いロープが張ってあり、これを伝って岩から降りて巻いて進むことができました。ここは道なのだということを、このロープで認識しました。地形図でもこの尾根には破線道がありますが、他の部分ではほとんど道と言えるものはなかったので、なおさらこのロープは意外でした

このあと荒れた尾根のアップダウンを進むと、いきなり正面に赤い標識が立っています。関電の巡視路です。高圧線の鉄塔は尾根の北側に立っているのでこのルートでは出会いませんが、巡視路は尾根経由のようです。この三叉路が108、109、110の三本の鉄塔へのルートの分岐となっています。ここからは日光寺の方向に尾根を進みましたが、巡視路がどうなったのかは分りません。すぐに藪っぽい道になりました。

山頂にはアンテナ群が立っており、それが木立の間から見えると少し元気が出ましたが、その前には登り斜面があります。予想していたよりは緩やかでしたが、やや長い登りでした。そしてツーカーの鉄塔の下に出てきました。日光寺四等三角点(408.62m)があります。この付近からは北側の展望が楽しめます。

この後は、日光寺にちょっと寄ってから尾根伝いの舗装道で加治谷に降りました。この道は近畿自然歩道となっていますが、舗装道路なのであまり歩きたい道ではありません。

全行程4時間ほどで出発点に戻れました。真夏の日差しの中、車を取りに平地を歩いて戻るのは、やっぱり楽とは言えません。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆

2009年8月15日土曜日

新宮町福栖の北の山

これはとても地味な山です。たつの市新宮町福栖は、新宮と千本の間にある集落です。その裏山は以前(2006/03/21)に登った千本の裏山と繋がっていますが、西側にも同じような枝尾根があるので、一周して帰って来られそうです。ショートコースとして面白そうなので、歩いてみました。

登り口はいろいろ探したのですが、尾根の先端にある福栖西中山霊苑の西端に小道を見つけました。すぐに消えてしまいましたが、急斜面の雑木林を尾根まで歩くのには良いとっかかりでした。やや灌木が多い斜面ですが、さほどの苦労はせずに尾根に上がれました。尾根の雰囲気は、典型的な里山です。落ち葉を踏んで、踏み跡を辿りました。

231mピークは気持ちの良い雑木林で、急斜面を降りて再び登って300m+ピークに着きました。さほどの急斜面ではありませんが、暑いので一気にというわけにはいかず、何度か休みました。ピークから北に降りると、播磨線40の鉄塔があります。この北は植林になっており、巡視路は東に降りていますが、進路を少し西寄りにとって、北向きの尾根に上がりました。ここからは主尾根の451mピークまで登りです。

木の間隔も広く、意外と楽な登りでした。この付近から小雨が降ってきたので傘をさして登ったのですが、それでも登れましたから、藪ではありません。451mピークまで登り、南西に尾根を降りました。この先の尾根は前に歩いています。楽に歩けますが、枝尾根もあるので迷う可能性もあります。

小雨の中を傘をさして東河内(とのごうち)四等三角点(339.7m)に着きました。写真は東河内三角点付近から見た千本の集落です。この先の尾根を千本方面に降りると倒木地帯があるのですが、今回は東に向かう尾根を降りました。この尾根は歩きやすく、切れ切れに道らしきものもあります。一旦300m+のピークに登り、さらに尾根を降りて行くと藪がありましたが、これが播磨線38の鉄塔です。どこでも鉄塔の周囲には草が茂っています。

さらに進むと植林になりますが、急勾配で、降りやすい方に行くと清水の方に行ってしまったので、進路変更して更に尾根を辿りました。しかし、おそらく清水の方に降りた方が楽だったと思います。尾根を降りると180m+の鞍部から、意外なほどの急斜面を210m+ピークに登りになります。この付近から藪っぽくなりました。最後は尾根の先端に出ようと、尾根の少し南側の藪を降りましたが、最後に標高90m-まで笹藪を降りてから、そこが姫新線の土手の真上だということに気がつきました。土手を降りるのは嫌ですし、線路を歩くのはもっと嫌です。結局少し尾根を戻り、北側の植林の中を降りました。こちらは問題なく降りられました。

最初は暑く、その後は雨も降りましたが、全般に歩きやすい尾根でした。この付近の尾根は、植林の倒木さえなければ楽しめると思います。

展望 ★☆☆
藪山度 ★☆☆

2009年8月14日金曜日

新宮町篠首の滝谷三角点

播磨新宮と山崎の間、揖保川西岸の山の上に滝谷三角点があります。この三角点の北の町境の尾根や、南の高倉山に繋がる尾根は歩いたことがあるのですが、その間の尾根だけは歩く機会が無かったので、ショートコースとして登ってみました。

登り口は新宮町篠首の坊垣内の北、尾根の麓にある墓地にしました。ネットがあるので扉を開けて登り始めました。いきなり石積みがあり、小さな祠があります。中を見ると大きなコオロギがうようよいましたが、祭ってあるのはどう見ても石にしか見えません。不思議なものでした。

あとは尾根を登りましたが、最初は植林、それから雑木林で、歩きやすかったと思います。360m+の広いピークに出て、それをまず南東に歩き、尾根を通って北東に進路を変えました。北に進路を取るようになってからは倒木が増えて歩きにくくなりますが、平らな尾根の雑木林の倒木ですから、大したことはありません。暑いので休みながら歩いていると、滝谷四等三角点(375.99m)に着きました。標石しかありません。

この先は北に斜面を降りました。地形図で見るよりは分かりやすい尾根でした。急斜面ですが、木に掴まって降りられます。鞍部に出てくると、ネットが張られていて、東側に展望があります。写真は揖保川方面、家氏、宇原を見たところです。家氏から見ると滝谷三角点北側の斜面は広く伐採されているのですが、それを近くで見ることができました。鞍部から先は登りで、310m+ピークまで登り、いったん降りてから348mピークへと登りました。この付近は道のようなものがあり、それを辿ると348mピークは北側を巻くことになります。そして北に進むと、播磨線46の鉄塔があります。

鉄塔の北には、真北に進む道と西寄りに進む道があり、西寄りに尾根の方に進むと、左に降りる道がありました。ピンクのマーキングがあったので気がつきましたが、見落としやすい道です。これを降りると沢伝いに溜池の下に降りることができました。送電線の保守路のようです。溜池から滝谷の集落に向かう道は植林の中の林道です。途中に溜池紀念碑が立っています(地形図の141mの記念碑です)。

このコースは逆に歩くこともできると思います。非常にゆっくりと歩いて3時間でした。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★☆☆

地形図は「安志」です。

2009年8月8日土曜日

一宮の花咲山

一宮の北に聳えるアンテナ山花咲山ですが、頂上までアンテナの保守道路が通っているので登る気がしませんでした。しかし、それを使わずに登る登山道があることを知って([1])登ってみました。

三軒屋にあるセンター一宮の西側駐車場の西の端に登り口があります。宍粟50山に選ばれたので、登山道が整備されたようです。しかし整備されたと言っても植林の中の作業道です。ところどころ不明瞭な場所もあり、ピンクのマーキングに従って登るようになりました。登り口には60分と書いてあったのですが、少し登ったところの案内板は70分となっていました。植林の急勾配を登っていくと、岩場があって磐座と書いてあります。「三仙祭61年に1回」と書いてあるようなのですが、本当だとしたら気の長い話です。

この岩場を上に出ると、三軒屋に降りる尾根の400mくらいの地点に出てきます。ここから尾根を登ると500mの標識がある地点で尾根は少し左手に曲がり、さらに登るとNHKのアンテナ群があります。一宮安積デジタルテレビ中継放送所という新しい設備もあります。ここからは西の正面に黒尾山が見えました(写真)。

ここから頂上まではNHKの作った良い道があります。しかし周囲の木が切ってあるため日差しが強く、日陰を選んで歩きました。この日の一宮の最高気温は35度でした。休みながら登っていたため、山頂まで100分近くかかりました。頂上には兵庫県嵯峨山中継所があります。この山の名前は嵯峨山なのかも知れませんが、宍粟50名山では花咲山となっています。三角点の名前は下野田(三等三角点、637.71m)です。

この先は尾根伝いに上野田四等三角点(標高616.8m)まで歩きました。倒木が少なく歩きやすい雑木林の尾根道でした。最後に急勾配を登ると、いきなり目の前に三角点の標石がありました。

下山は、北に真っ直ぐ尾根を歩き、尾根伝いに西寄りに進路を取り、林道に降りました。この付近は手入れの良い植林なので、正解のコースでした。ただし林道の山側は崖になっているため、林道に降りるのに苦労しました。さらにこの林道を降りてゆくと荒れ果てた別荘地帯に入り込みます。別荘地帯の道は行き止まりが多く、出口への正しい道を見つけるために行ったり来たりしました。さらに、別荘地を抜けた後で出発点に戻るには交通量が多く歩道のない道を炎天下に延々と歩かねばならず、参りました。

展望 ★☆☆
藪山度 ☆☆☆

地形図は「安積」です。

2009年8月7日金曜日

生野の釜床山

生野の銀山湖の西に位置する釜床山に関しては、いくつかのレポートがあります([1][2][3])。古城山からの尾根を歩きたかったのですが、途中の採掘場がすでに尾根まで及んでおり、危険そうなので奥銀谷から登りました。

生野銀山へ橋を渡る付近の山側に天満宮があります。民家の間の狭い路地を通って神社の前に出て、扉を開けてお参りをして、参道の階段の途中から北に向かいました。この付近はじめじめした植林です。道はしっかりしており、ところどころに石仏があります。地形図では441mピークの西側を破線道が通っていますが、この付近には池が二つあります。島もあるのでため池にしては変だと思って近づくと、「向山寺遺跡」という石碑が立っていました(写真)。ただし裏面の説明を読むと、「松瀧山内山寺」となっています。池の周囲を歩くと土手に上がっていた蛙が池に飛び込むので、まさに「古池や」という風情です。雰囲気は良いのですが、とにかく湿っぽい!耐えられない湿度でした。これでは蛭がいても不思議ではありません([1])。冬の乾燥した時期の登山をお勧めします。

参道が終わってしまうと破線道はとたんに怪しくなり、この先は適当に植林の中を歩きました。まず斜面を西に登って、結局580m+くらいの主尾根まで登りました。それから北に歩いて、藪に突入する手前(500m付近?)で右手に折れました。これで破線道に合流したはずですが、道らしきものは無く、適当に尾根を歩いて北を目指しました。

523mピークを過ぎると送電線が通っていますが、この尾根上には鉄塔はありません。この辺から鹿除けの金網が尾根に設置されていました。送電線をくぐって、かなり急勾配を登ると後はなだらかな尾根伝いです。釜床山の山頂は木が切ってあり広場になっていますが、展望はありません。釜床山三等三角点(648.83m)があります。

山頂からさらに北に尾根を歩きました。歩きやすい尾根です。地形図では川沿いを通る429号線のヘアピンカーブの先から破線道が尾根まで延びているのでこれを探したのですが、見つかりません。鞍部付近から破線道の方向に植林の中を下りてみましたが、途中で狭い谷になって歩けないので、結局南側の尾根に登って尾根沿いに降りました。最後は谷に出て、ヘアピンカーブに西側の谷から出てきました。ヘアピンカーブには確かに北の谷を遡る道がありましたが、尾根には道と呼べるものはなかったので、どこかで消失している可能性が大です。

湿気には参りました。それがなければ参道は楽しめるでしょう。このコースを辿るなら、下山は素直に尾根を降りればよいと思います。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★★☆

地形図は「但馬新井」です。