2010年7月31日土曜日

南から登る生栖の行者山


昨年5月に一宮町生栖の行者山に生栖から登ったときに、付近の方に行者山は南からも登れると教わりました。どこから登れるのか教わらなかったのが失敗ですが、適当に見当を付けて登ってみました。

とりあえず一宮町上野田の庭田神社に車をとめて、北の林道に向かいました。村から出るとすぐに動物避けの扉があり、それを通ると突き当たりは伐採地です。ここはよく見ると木を切った跡に何段もの石積みが見えており、植林地というよりは棚田だったようです。林道は大きく迂回して登って行きますが、小さな大日如来像を過ぎてからだんだん道が怪しくなります。最初の予定では谷を西に渡って、地形図の498mピークのある鞍部に出ようと思っていたのですが、谷を渡る道はありません。付近は草が茂っており、このコースは断念して林道の終点まで行きました。動物捕獲用の檻が置いてあり、さらに少し草だらけの林道が延びていますが、歩きにくいので尾根に登りました。

ここからは尾根を一直線に登ったのですが、笹の多い急斜面で楽ではありません。暑い中を登り続けて、稜線に出てきました。509m地点を通って南のピークに通じる尾根です。これを北に登りましたが、尾根には金網が張ってあります。周囲は雑木林です。金網の両側を行ったり来たりしながら登って行くと、金網が東に曲がりました。東には地形図では別の林道が能倉から登ってきています。金網に沿って歩くと、結局この林道に出てきました。ここまで標高で300m近くを登ってきていますが、どうせなら最初からこちらの林道を歩けば、ずっと楽だったことは間違いありません。

しかしこちらの林道の荒れ方も相当で、地形図でもすぐに終点です。あとは小道を伝って登って行くと、また金網がありました。これも途中で左に折れていましたが、そのまま急斜面を登り続けると、頂上に出ました。上に行くほど岩の増える山で、この登りはかなり疲れました。頂上は行者山の西に位置する740m+ピークで、石が祭られています(写真)。なにやら彫られているようですが、ほとんど判読不能でした。行者山ですので、ここにも何か建っていたのかも知れません。

切り開かれた尾根を行者山へ歩きました。生栖の側は植林です。「生栖行者山約10分」の標識があり、ここからも急な尾根ですが、途中で行者堂に行きました。前回見落とした岩の上に置かれた石仏も見つけました。この岩は、登って苔や土を落とせばもっと何かありそうですが、そこまでする元気はなく、また急な尾根に戻って、行者山山頂に着きました。登り始めて2時間以上かかりました。曇ってはいましたが、暑いのでバテました。

ここからは前回と同じように尾根伝いに植林の中をユリ三角点の方へ歩きました。下山は能倉に向かって南南西に延びる長い尾根にしようと思っていたのですが、降り始めた尾根はもっと東を向いていたようでした。赤いマーキングもあって、降りられると信じて急勾配の尾根を木に捕まりながら端まで行くと、沢になっていました。幸いにこの沢は幅が広く、倒木も無いので、岩の上を歩いて下山できました。出てきたのは、平成14年建設の「ぶり谷堰堤」でした。

さすがは行者山で、尾根へのアプローチは非常に急勾配でした。登山道らしいものは無いので適当に歩くしかないのですが、林道を活用するのが正解だと悟りました。

展望 ★★☆
藪山度 ★★☆
地形図は「安積」です。

2010年7月18日日曜日

生野の朝日山

生野駅西口前の大歳神社に行くと「朝日山いわくら この宮の背後の山は朝日山といいますが、この山道を約300メートル登りますと大きな洞穴があります。」と書いてあります。見に行くついでに、背後の山を歩きました。

大歳神社の前には「不浄輩登山無用」と掘られた石があり、身を清めてから登山する必要があるようです。神社の神殿の脇から山道が続いており、良い道です。少し登ると磐座がありました。大社神社と書かれており、洞穴の中に御神体が置かれています。しっかりと拝んでから、さらに登山を続けました。ここからの道は幅が狭く、笹や草が茂っていますが、2箇所にはベンチが転がっていましたし、登山道として整備されているようです。最後は急な坂を登ると、幅広く切り開かれた尾根に出てきました。これも最後は急坂ですが、登り切るとNHKの生野テレビ中継放送所があって、この切り開きが何のためのものかが分かりました。建物の屋根には単純なアンテナが立っているだけですが、眺望はなかなか良く、西側の栃原川の流域が見えます。ここは、地形図では552mピークの一つ手前の550m+ピークです。NHKの「火の用心」はピークの北側から東に降りるようになっていましたが、そのまま進んで552mピークに達しました。展望はありません。

いったん下ってからまた尾根を登ると、大きな送電線の鉄塔がありました。小河内線20です。この場所も展望があります。ただ、周囲の木の背が高く、全方向とはいかず、西方面だけです。ここからはしばらく登りです。送電線の巡視路は西側から登ってきていました。やや急な坂を登ると、丸山三等三角点(649.13m)に出てきました。地名は円山ですが、三角点は丸山です。周囲は木が切ってありますが、その分だけシダが伸びていて藪っぽい感じです。東に見えるのは釜床山でしょうか。

三角点から北に降りる尾根には倒木がありますが、尾根から降りなくても歩けました。あとはまた切り開きのある尾根になります。次の640m+ピーク、そして降りてから登り返す630m+ピークも雑木林の藪ですが、下草が少ないので歩くのは楽です。ここで悩んだのは、この山からの降り方です。まだ歩き始めて2時間しか経っていませんが、この先で北東に降りないと、北西の尾根はどこまでも延びていて、900m+のピークを経て、最後はフトウガ峰まで行ってしまいます。それは行き過ぎにしても、900m+ピークを過ぎてから旧生野町と旧朝来町の境界の尾根で円山の北に降りるというのが魅力的なコースです。しかしそれにはあと3時間はかかりそうです。900m+ピークに向かう途中でも東側に降りられそうですが、登りの途中で降りるというのも面白くないので、結局ここで降りることにしました。

地形図にある600m+の小さなピークから素直に尾根伝いに東の植林に曲がりました。この先もしばらくは切り開きがあり、ピンクのマーキングがあります。しかし尾根の分岐が多く、分岐点に来るたびに地形図を見て悩みました。3番目の分岐でマーキングは無くなりましたが、ここを東に進んで尾根を降りれば出発点にかなり近い点で降りられます。特に、谷を渡っている送電線の、一番低い位置にある鉄塔(ヘリコプター対策なのか赤白に塗られており、てっぺんで常に明かりが点灯している)までたどり着けば、後は保守路で降りられるはずです。しかし、東向きの尾根は草が茂っていて藪っぽいので、北東の長い尾根に向かいました。こちらの尾根もこの先はしばらくシダが膝丈以上に育っており、切り開きもありません。しばらく我慢して歩くと、植林に入って一息つきました。あとは植林の尾根を先端まで辿って、鉄条網のある尾根を北に降りました。降りたところは道路でしたが、やや落差があるため、降りる場所を探すのに時間が懸かりました。ここから312号線に出ましたが、途中に播但線の陸橋がありました。実にシンプルなもので、走る列車を真下から線路の間を通して見られるのが鉄道ファンには魅力でしょう。あとはなるべく312号線は使わず、旧道で生野まで帰りました。生野北峠になぜ歩道橋が架かっているのか、歩いてみてよく分かりました。

すべて半袖で歩けましたから、歩きやすい尾根と言えると思います。下山は長い尾根を通ったので1時間掛かりましたが、他にもルートがありそうです。

展望 ★☆☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「但馬新井」です。

2010年7月17日土曜日

三日月の平松三角点


2007/11/10に、三日月から御殿山を経由して北の尾根を歩き、金山と平松をつなぐ京坂まで達しました。今回はその続きを歩いてみました。

「けんこうの里三日月」に車を止めて、志文川の西側の墓地脇の道を登りました。これは地形図上は京坂に続いているはずです。鹿・猪避けの扉を通ってすぐに堰堤があり、右(北)に関電の赤い「火の用心」が立っており、脇には金属製の橋が流れを跨いでいます。北の尾根には高圧線の鉄塔が立っています。堰堤付近は倒木などでかなり荒れており、そちらに行っても道はなさそうだったので、橋を渡って堰堤の北側を通り、堰堤の上流に出ました。これが実は大きな間違いで、地形図をよく見ると道は堰堤の南側の尾根に向かっています。これに気がつかなかったため、倒木だらけの谷を登る羽目になりました。堰堤の上で谷は二つに分かれますが、北側の谷にはほぼ原形を留めた炭焼き窯が残っています(写真)。しかしこちらは登りにくそうだったため、もう一つの谷に向かいましたが、こちらも倒木が多くて登りにくそうでした。結局二つの谷の間の小さな尾根に取り付きました。急な尾根で、途中は小さな石が多くて足場の悪い場所もありましたが、15分も登ると少しなだらかになりました。そのまま主尾根まで登りました。

主尾根は切り開かれており、赤やピンクのマーキングがあります。そのため歩くのは容易です。まず400m+のピークまで登りましたが、展望はありません。そこから少し下ると道がありますが、次の尾根は巻いて行きそうだったので、真っ直ぐに440m+ピークを目指して登りました。ピークは雑木林ですが、登っている途中で消えてしまったピンクのマーキングが復活しています。正しい登山ルートがあるのかも知れません。ここからは平坦な尾根となり、平松三等三角点(453.22m)に出てきます。標石はやや草に隠されています。

さらに北に尾根を進むと、尾根は西に曲がりますが、そちらは大きな草が茂っています。ここはピンクのマーキングに従って北東に降りると、さらに北に進めます。この後は真宗に降りるつもりなら東の方の尾根に進まなければならないのですが、ピンクのマーキングに従って降りていったところ、尾根はどんどん西向きになり、最後は段の溜池の南付近、谷が合流する地点に出てきました。峠よりはかなり西で、もう平地に近い場所です。ここから真宗へは峠越えですが、地形図の破線道が無くて沢の登るのだと大変だと思っていたところ、意外と良い道がありました。最初は車でも上れる道です。峠近くになると踏み跡になってしまいましたが、それでも問題無く峠に出られました。峠の東側は、これまた車でも通れそうな道が登ってきており、これを下って真宗に降りました。峠のすぐ東に、お地蔵さんがあります。最後は食品会社の敷地の中に出てきました。

とても地味な尾根歩きです。おそらく逆向きに歩いた方が、道は分かりやすいと思います。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★☆☆

地形図は「土万」です。