2011年7月23日土曜日

日名倉山ダイレクト


岡山県と兵庫県の県境にある日名倉山にはいくつか登山コースがあります。兵庫県から登るには千種から奥海越を経由するのが一般的ですが、地形図を見るとそんなに急峻な山でもないので、素直に千種から尾根を伝って登ってみました。

登り口は、千種から西山川沿いに429号線を西に行った土井です。人家が途切れて道が狭くなると日名倉山の裾が道路に迫っていますが、ここは登りにくそうなので少し西に行き過ぎると、山裾に畑があり山に入る道がありました。扉が開いていたので登り始めました。429号線には大きな木の幹が何本か置いてあり、伐採中だと分かりました。この道は非常に急な斜面を登って行きます。これが無かったら、とても登りにくかったでしょう。轍から、今朝も何かが登って行ったことが分かりました。終点に近づくと予想どうり重機を使って作業が行われていたので、そちらには近付かずに尾根を登り始めました。

まずは植林の斜面を登りました。伐採した木が邪魔ですが、下草が無いのでそれ以外には問題はありません。この付近は岩塊流が多く、岩の間に木が植えられている感じです。ただし岩は小さく、1m以下のものがほとんどです。谷が岩で埋まっている場所もあります(写真)。この付近の地形は地形図で見るよりもはるかに複雑で、細い尾根が斜めにたくさん走っています。全体になだらかで、面白い地形です。ひょっとするとたたら製鉄の跡かもしれません。標高650m付近には作業道があり、その先の690m+ピークを西側で巻いていました。付近は美しい植林です。710m+ピークは自然林です。この後はしばらく自然林が続きます。820mの登りの手前は木があまり無く、シダが茂っていますが、背の低いシダで範囲も狭いので邪魔にはなりません。これを過ぎると再び植林となり、900m付近は間伐した木とシダが密集していて、一番歩きにくい場所でした。そして1040m+の稜線に出ました。「一の丸」と書かれた標石が立っている場所です。

ここは日名倉山のいちばん南のピークで、陽ざしに焙られながら稜線を歩いて山頂に到達しました。途中で各方面の展望がありました。登山開始から2時間でした。雛倉山一等三角点(1047.38m)と小さな祠、ベンチが5つあります。付近はススキが茂っています。しばらく休んでから、奥海越経由で下山しました。奥海越までは植林で、30分で着きました。奥海越には太い林道が来ていますが、千種の方向に歩くと谷に出てきて、あとは谷沿いの登山道になります。この谷は最近登山道と反対側(東側)の倒木処理が終わったばかりのようです。倒木処理が終わって木の無い斜面を猪の一家が登って行くのが見えました。登山道はまだ荒れており、倒木もありますし、川を渡るにも橋が無かったり、疲れる下山でした。最後は植林の中の林道に出て、雛倉に降りました。

日名倉山の東側は植林と自然林が混在しており、傾斜も緩やかですので、意外と楽しめました。ただし地形が複雑なのでこのルートは下山には向かないと思いますし、展望もほとんどありません。

展望 ★★☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「千草」です。

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