2023年7月2日日曜日

斉木から内海へ

 


国道429号線の鳥ヶ乢トンネルは、東の波賀町、西の千種町をつなぐトンネルですが、東と西では200mほどの標高差があります。峠越えの旧道もありますが、歩いて東西を行き来していた時代には峠があったはずです。一つは北の峠で西は荒尾に抜けますが、地形図を見るともう一つ、南の内海に抜ける道があります。これを確認しようと行ってみました。


前地から国道429号線の坂を登り、旧道に入りました。すぐに大きくUターンしますが、ここに南向きに草の生えた道があります。少し登ると空き地があり、すぐに大きく崩落した斜面の下に出てきました。ここは国道からもよく見える斜面です。ここから谷沿いに背の高いススキの茂った道があり、植林に入るところで終わっていました。地形図の破線道は西側斜面に描いてありますが、東側のほうが緩やかなので、まず谷を渡って東側に行きました。この日は雨の後でしたが、この谷の水量は少なく、楽に渡れました。この付近はおそらくカンナ流しの跡で、段々畑に変えられ、いまは植林です。少し東側を歩くと西側に渡れる所があったので西側に移ってしばらく登りました。岩と間伐材が転がったジメジメした谷です。地形は登るにつれてますますカンナ流しの跡らしくなり、周囲は起伏が増えましたが、地形図の破線道に沿って谷の奥に進みました。道があるわけではありませんが、植林なので谷も登りやすく、大きな水流もありません。最後は地形図で見ると非常に急な斜面ですが、そんな感じはしませんでした。


登り切ると複雑な地形の植林で、破線道どおりに西に歩きました。破線道に相当する道はありませんが、そのまま西に降りようと思ったら、斜面に水平に作られた道があり、水が流れていました。雨の後なので道に水が流れているのは不思議ではありませんが、道の谷側が上がっていて形は水路です(写真)。コンクリートなどを使わない水路とは珍しいものです。どこへ行くのか興味があったのでそのまま水路に沿って北西に歩くと、最後は鳥ヶ乢越の旧道に出て、水はその下を通って西側の田んぼに流れているようでした。こうなると水源を確認したくなり、旧道を少し南に歩いてから地形図の破線道に入りました。すぐに植林に入って消えて今いましたが、そのまま谷を登ると先程水路に出会った付近に着きました。ここから水路を上流に向かってたどりました。植林の山裾を少しずつ標高を上げながら続いていましたが、700m+のピークの西側の谷で曲がるところで土砂崩れで止まっていました。現在この水路を流れている水は、この谷を北から流れ落ちて来ている水です。水路はここからさらに谷沿いに東に続いていますが、水はありません。もともとの水の取り入れ口は、さらに東に行った、谷の水が大きく曲がりながら流れている付近でした。


水路の源流はわかりましたが、さらに谷を東に歩きました。谷を挟んで南側には2022/04/09に内海から登ってきた林道が走っています。林道は使わず、谷の奥から南の植林を登りました。美しい植林を登ると710m+の鞍部付近に出てきて、東側の谷では林道がUターンしていました。ここから東に尾根を歩き、2017/08/20と2022/04/09にも来た流田四等三角点(731.06m)に着きました。シダが茂っていて標石を見落とすところでした。ここからは引き返し、10m+鞍部の手前で南の尾根に進み、植林を曲がりながら歩いて2つの690m+ピークを過ぎて北に降りました。この付近は地形図では等高線の間隔が広く緩やかですが、カンナ流しの跡の植林です。少し降りると自然林もありますが、等高線の間隔が広くなるとまたカンナ流し跡の植林です。カンナ流しの跡は起伏が多く、迂闊に歩いていると急斜面の上に出てしまうこともあるので、そうならないように事前に谷に降りたこともありました。植林なので下草もないのですが、急斜面だらけでした。急斜面をなるべく避けて降りていると、徐々に西寄りに降りてしまいました。こちらは地形図では谷に破線道が描かれていますが、谷は湿地で道はなく、山裾を東に歩くと金網のフェンスがありました。抜けられるか心配でしたが、ちゃんと扉があり、それを出ると七社神社でした。


展望 ☆☆☆

藪山度 ★☆☆

地形図は「安積」です。



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