2019年8月25日日曜日

一宮町三方の轆轤師山

一宮から揖保川を遡って、ちょっと北にそれて御形神社の方から北上すると、キャンプ場などのレジャー施設があり、最後は富山越で429号線に戻ることになります。この付近は轆轤師の森と呼ばれていますが、東側の山が轆轤師山のようです。低山ですが登ってみました。

本当なら案内板にあるハイキングコースで登れるはずなのですが([1])、山裾の小屋に行く道にははっきりDO NOT ENTERと表示してあり、ちょっと困って南の谷から登ることにしました。金網の扉を二回通って畑を抜けると山裾に墓地があり、地形図どうりに道が谷に向かっています。明らかに植林の作業道で、歩きやすくてぐいぐい登れます。谷は幅広く、両側が切り立っており、鉄を採取した跡と思われます。奥に行くと谷が広くなる感じです。植林は美しく手入れされています(写真)。問題は谷の奥で、周り中が急斜面ですが、探すと北の尾根に上がる作業道がありました。これで支尾根に出ると作業道があり、最後は斜面に付けられた細い作業道になりますが、それを辿って主尾根に出ました。

主尾根を北に歩き始めましたが、踏み跡があって問題なく歩けました。多少の藪や倒木はありますが、大したことはありません。東側は植林で、作業道が見えます。轆轤師山の山頂(552m)には図根点の標石があります。その北の鞍部は広くて風通しがよく、気分最高でした。その北には両木四等三角点(541.61m)があります。尾根は雑木林ですが、東斜面は植林です。その北で尾根は分かれて、富山越に向かうと共同アンテナの残骸がありました。そして植林の急斜面ですが、間伐した木がそのままなので歩きにくくて困りました。最後は山裾に林道があるので法面を飛び降りました。富山越には虚空蔵菩薩が置かれており、ちょっと上にあるは排水施設のようですが、鍵のかかった入り口には「松茸山につき入山禁止」という札が立っていました。あとは美しい林と鉄採取の跡を見ながら出発点まで戻りました。2時間も歩いてません。

展望 ★☆☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「神子畑」です。

2019年8月24日土曜日

氷上町井中から登る御水山


氷上町の安全山の北側の井中集落から、西側の山を一周しようという企画です。南側の安全山に連なる山に登ろうと井中をStreet Viewで調べてみると、害獣避けの金網にゲートを見つけました。ここから入ってみるといきなり藪でしたが、それを抜けると植林の斜面になりました。ヒカゲノカズラの間を縫って少し登ると作業道がありましたが、すぐに終わってしまったので尾根を真っ直ぐに登りました。植林で登りやすい尾根でした。標高330m+に平坦地があり、その下には大きな岩が聳えていましたが、ローブがあって助かりました。上りきると伐採され捨てられたたくさんの木を越えなければなりませんが、平坦地からは少し展望があります。さらに植林を登り続けて、南後山四等三角点(442.05m)に着きました。

ここからは2015/03/28の逆コースとなります。歩きやすい尾根ですが、たまにアシビの藪や倒木がありました。植林で「幸世村直営地界」の標石がたくさんありますが、幸世村が廃止されたのは1955年ですから、戦後すぐのものでしょうか。律儀に幸世村側の植林に背を向けて立てられています。なだらかに登っていく尾根ですが、標高差300mを登らねばなりません。展望所の470m+ピークは相変わらず木が茂りすぎてあまり展望はありません。穴地蔵への道標もありましたが、2015/03/28に行っているので寄らずに登り続けました。最後に標高700mまで上がるところは非常に急で、少し西側に寄って木に掴まって登りました。そして、「御水山730M」という札が立っている山頂に着きました(写真)。

下山は尾根をそのまま弓なりに東向きに曲がりました。675mピークから東に降りてどこかで北に曲がらねばと思っていたら、「幸世村直営地界」がこちらを向いて立っていました。つまりその先は植林なので、境界の尾根はここで曲がっているわけです。そこで、急斜面を北に降りました。急斜面を460m+鞍部まで一気に降りて、500m+ピークまで登り返しました。少しアップダウンすると、山田三等三角点(524.44m)に着きました。東に降りると地形図にある岩に出て、少し展望がありました。岩の北を巻いて歩きやすいが暗いなだらかな尾根を過ぎ、少し降りると350m+鞍部に出ました。南側が植林ですが、植林の一番上に地形図の破線道がありました。作業道ですが、386mピークには登らず、2つの小ピークを南側で巻いて進み、植林の尾根に出ました。この付近の植林はきれいに整備されていて、気持ちよく歩けました。途中に御油と井中の境界の標石がありました。南御油四等三角点(302.03m)は切り開かれたアシビの生えた場所にありました。そしてあとは一気に井中へ下山となりますが、最後は植林とは言え非常に急斜面でした。もう少し地形図をよく見るべきでした。ここにも金網がありましたが、扉がありました。

ゆっくり歩いて一周5時間ほどでした。幸世村の植林はきれいですが、戦後すぐに植えたものにしてはまだ若い感じがしました。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「黒井」です。

2019年8月18日日曜日

八頭町船岡の下野から登る朽谷三角点

朽谷三角点は、八頭町、鳥取市、智頭町の境界に位置しています。どう登るかは思案のしどころなのですが、とりあえずは北の下野から登ってみました。登り方もいろいろありますが、大江川と和見谷川に挟まれた長い尾根があり、登りやすそうだったので、その尾根先に行ってみました。案の定登れるようになっていて、すぐに尾根を登り始めました。ちょっと荒れた里山という感じで、しばらく登ると壊れた小屋がありました。ここへは東側から道が来ていました。東側斜面は植林で、もう少し登ると東から林道が来ていました。かなり古いらしく、林道にも木が生えています。小谷四等三角点(260.94m)は、そんな古い林道の脇の林にありました。ここからは林道を歩いたり尾根を歩いたりしたのですが、特に350m+の平坦な場所では東側に林道がありました。ただ、斜面を削ってあるので明らかに道なのですが木が生えており、最後は片隅に踏み跡があるだけになったので、尾根に上がりました。尾根にも踏み跡はあって問題なく歩けました。そのうちに周囲はきれいな植林になってきました。勾配は緩いのでゆっくり歩けば疲れません。標高が上がると邪魔なクモの巣も減ってきました。標高500mを越えたあたりの植林は素晴らしいものでした。ここはちょっと急斜面ですが、その上はさほどでもなく、主尾根に出られました。主尾根も歩きやすく、たまにアシビを避けて歩くくらいで、朽谷三等三角点(758.75m)に着きました(写真)。展望はありません。木のT字型の杭?が立木にくくりつけられていました。

三角点から南に尾根を降りると美しい植林になりました。まだ木が若く、間隔も狭いようです。その先の平坦な部分では青色のポールが何本かあって、ロープで繋いであります。鳥類捕獲の許可書があったので網をかけるためのものかも知れません。さらに、地形図で破線道が尾根を横切っている場所にはプレハブの小さな物置がありました。肝心の破線道は見当たらず、どうやってここまで材料を持ってきたのか不思議でしたが、西側は広く伐採されていますし、道もあるのでそちらから運んだのでしょう。道がないのでここからの下山は諦めて急斜面を760m+まで登りました。ここは2018/09/02に南から来ています。東に歩いて、八東大内線39鉄塔に出ました。周囲は広く伐採されています。暑いのですぐにシダ藪を突っ切って林に入りました。これは巡視路なのですが、次の八東大内線38鉄塔へは黒プラスチックの階段があるものの、一部ではシダに覆われて足元が見えず、鉄塔近くでは地面ともども階段が崩落していました。なんとか鉄塔に着くと、すぐにシダ藪を突っ切って林に戻りました。この先では鉄塔には寄らずに2019/08/10と同じように尾根を降りて行くつもりでした。下山なので適当に林を降りていけば良いかと思って歩いていると、自分が歩いているのは前回降りた尾根ではないことに気がつきました。西寄りの尾根なので、そのまま降りれば谷に向かってしまいます。そこで尾根の中央に向かおうとしたのですが、斜面を登らずに東にトラバースで突っ切ろうとしたところ、背の高い草の密集地に入ってしまいました。登るのも難しく困っていると、向こうに鉄塔が見えます。鉄塔まで行けば巡視路があるだろうと考えて、背丈くらいの草の生えた急斜面を斜めに突っ切りました。この八東大内線37鉄塔はGoogleの航空写真では切り開かれた場所の中に立っているのですが、その伐採地が数年たって大きな草で完全に埋め尽くされたようです。足元が見えないのですが、航空写真にもある丸太が斜面に横に置かれていて、それを使ってなんとか鉄塔に着きました。しかし巡視路は見当たらず、どちらも急斜面なので、結局草の茂った急斜面を登ることにしました。なんとか登りきって林に入ってもさらに急斜面が続き、疲労困憊しました。尾根の中央の636m地点近くから前回同様に下山しましたが、鉄塔の方向はなんとなく避けたため、途中で東に寄りすぎてしまいました。それでも最終的は無事下山できました。

下山はひどい目に会いましたが、最初から尾根の中央に行けばよかっただけです。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★★★
地形図は「郷原」です。

2019年8月17日土曜日

多可町八千代区の野間山城から観音山

2011/01/21にこの付近を歩いていて、野間山城跡も通りましたが、今回はちゃんと城跡への登山道で登ってみました。登り口は県道143号線が野間川を渡る所で、野間山城の説明板があります。野間山城は鶴が翼を広げた姿に似ているので「鶴琳城」と呼ばれたと説明があります。目の前に階段があって、少し登ると門下四等三角点(182.85m)がありました。あとは緩い登りになって、堀切があり、その先は尾根上に平坦地が作られています(写真)。平坦地は数段あって、かなりの広さです。道は南側に付けられています。主尾根まで来ると、その西側は堀切です。東の方に行くと、前回に通った「しょうどの丸」です。ここまでのところには石垣はなかったので、石垣が残っているのは「しょうどの丸」の方だけのようです。

今日は2011/01/21と同じく西に尾根を歩きました。割と平坦で、地籍図根三角点があります。踏み跡もあって、前回は北を巻いたらしい310m+の大岩は南を巻きました。そしてその先が急峻な岩場で、前回は巻いて登ったようですが、今回はまっすぐに岩の上を四つん這いで登りました。登ると展望があるのですが、さらに細い岩の上を登らねばならず、冷や汗をかきました。さらに急な坂を登って、無事にとんがり山(383m)に着きました。山頂は展望はありません。

とんがり山からは北に少し降りてから西向きの尾根に降りてなだらかな尾根を進み、急斜面を登って南北の尾根に上がりました。ちょっと寄り道して、南に歩いて案内板から植林を抜けて観音寺三等三角点(387.15m)に行きました。東屋があり、展望も良好です。引き返して北に歩きました。植林もあり、道もときどきはっきりしています。312mピークからは北に尾根を降りて尾根先まで歩きましたが、この付近も植林があり、シダが少し生えている程度で歩きやすい尾根でした。最後は共同アンテナの残骸があり、急斜面に階段があって助かりました。あとは野間川沿いに「ほたるの宿路」を歩いて戻りました。

展望 ★★☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「中村町」です。

2019年8月14日水曜日

智頭急行山郷駅の東の尾根

山の名前は分かりませんし、とんがった山でもないので名前がなくても不思議ではありません。とりあえずは山郷駅の東の尾根です。登り口は、山郷駅から鳥取自動車道をくぐった所にある中原神社です。裏手の斜面を登ったのですが、最初は滑りやすく、這いつくばって登りました。少し楽になってから自然林を登ると、植林の尾根に出ました。さすがに智頭町の植林だけあって、間伐不足の感じはしますが美しい植林です。緑という点では自然林の方が美しいのですが、木の下の方に葉のない幹だけの植林も美しいと思います。植林でも自然林でも木漏れ日が風で動くのが風情があります。植林の美しさ以外には特筆することはなく、なだらかな尾根です。風もあって快適に登り続け、特徴のない655mピークのあと、ちょっと急登して660m+に登り、それからも小さなアップダウンを繰り返して668mピークに着きました。

前回2017/07/02にはここまで降りてきて、南向きの美しい植林の尾根を降りていったのですが、ここで南に歩いて尾根を降りると出発点まで国道を歩かねばなりません。北側に下山するつもりだったので、前回の逆コースでさらに東に斜面を降りました。それからしばらくの急登の後で、林道に出ました。下りではどちらかというと邪魔だった林道も、登りでは助かります。細かくジグザグではなく、ゆったりと大きくジグザグに作られた道ですが、焦らずに歩きました。林道を歩きながら、下山に適した尾根を探しました。林道は北に登ってから南に折り返すような登り方をするので、北に行った先の尾根を降りられないか、ターンするたびに調べたのですが、最初の2回は外れで、3回目はこれ以上繰り返しても前回の経験からあまり得はなさそうだと判断して、斜面をよじ登りました。今日2回めの這い登りで植林の尾根に出ました。前回シュモクザメの頭と形容した尾根の北の端です。ここからは素直な下山で、方向を間違わないように降りました。ほとんどは植林ですが、時々植林されていない所もありました。急斜面は木に掴まりながら降りていき、最後は川沿いの林道に飛び降りました。この林道は地形図にはありませんが横瀬川の南側に作られており、発電所のところで道路と合流しました。2018/07/14に来た時にはこの道路は一部崩落していましたが、鉄板で補強してありました。Google Street Viewはずいぶん頑張ってこの道を山奥まで辿っていますが、2014年の写真で発電所も写っていません。

今日の目的は植林で涼しい風にあたることだったのですが、予想に違わない美しい植林と台風前の風でした。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「坂根」です。

2019年8月12日月曜日

岩屋観音から西ヶ嶽

2019/05/25に盃ヶ岳から岩屋観音まで歩いた時に、三岳への道標がありました。そこで、そのコースを歩いてみることにしました。矢代から歩くと大変なので、岩屋観音からはじめました。東窟寺から登り始めましると、途中で般若心経塔の裏のあたりが尾根先となっており、地形図の破線道がそのへんから分岐しているので、そこを登りました。ということで、実は今回は岩屋観音には行っていません。この尾根はひどく急で倒木もあって荒れていましたが、石の階段の名残があって、おそらく道だったのだと思います。途中にも、何かがあったかも知れない平坦地がありました。しばらく登ると水平道があって、これは2019/05/25に通った地形図にある道です。右の岩屋観音の方向にも行っていたので、そちらからも道があるのかも知れません。

最初はこの水平道で縦走路まで行こうかと思ったのですが、行っても山頂までは急斜面だったことを思い出して、途中で山頂目指して登りました。ここもかなり急斜面でしたが、割と楽に尾根に上がれて、「三岳(4時間30分)」を過ぎて、岩谷山の山頂に着きました。藤岡奥村三等三角点(589.21m)があります。

ここから縦走となります。重要な分岐には「三岳」の道標がありますが、迷いやすい所すべてにある訳ではありません。階段も所々に作られていますが、なぜそこだけなのか、理解に苦しみます。もっとたくさんあったのが、落ち葉に埋まったのかも知れません。いずれにしても現在歩きやすい場所は階段とは限りません。地形図で破線道が尾根を横切っている場所には確かに道があり、ここは「三岳(3時間20分)」でした(写真)。この尾根は植林ではなく、全体に荒れた里山という感じで、倒木がたくさんありますが、木の間隔が広くて藪という感じではありません。ただ、歩く楽しみがあるかと言われると、あまりに普通の山でした。特筆するものはなく、展望も得られず、道標のおかげで迷うこともなく歩き続けて、「三岳(2時間20分)」を過ぎ、尾根伝いの登山道とどこで合流したのかも気づかず、登りになってきたなと思うと栗柄への分岐があり、急階段を登ると、2019/06/26に来た主尾根の分岐に出ました。ここから西ヶ嶽までは縦走で標高差は150mほどですが、急勾配と短い平坦地の繰り返しで、意外と厳しい行程でした。途中に「西ヶ岳 l=380m 時間50分」という道標がありましたが、380mに50分かかるほどの厳しい登りということでしょうか?暑さのせいもありますが、疲労困憊して展望抜群の西ヶ嶽山頂に着きました。「三岳(4時間30分)」から2時間20分でした。

三岳まで行く元気はなかったので、西ヶ嶽から下山しました。登ってきた尾根を少し戻ると、「藤岡 l=1,450m 時間40分」の分岐があります。これは非常に急な斜面に作られた階段で、段の上面が板になっているタイプを使っています。落ち葉や小石で覆われていると滑りやすいので要注意です。この階段は長く、登りには厳しいでしょう。階段が終わった所で道は水平に移り(気づかずに真っ直ぐ降りると大問題)、しばらくは尾根を降ります。良い道です。次は谷に入り、谷沿いですが少し斜面に登った林の中を道があります。そして溜池に降りてきますが、この南もまだ渓流沿いの道で、ガレ岩の多い沢もありますので気をつけて降りる必要があります。ちょっと開けた所に出てくると「この先藤岡ダム」というゲートが出迎えてくれました。藤岡ダムまで良い道を降き、ダム周囲の舗装道路は照り返しがきつそうだったので東岸の破線道に入りました。ときどき大きな草が伸びていて避けるのが大変ですが、それ以外は問題なく歩けました。手すりがあるので安心して歩けます。堰堤に出ると日差しが強烈でしたが、この堰堤は珍しく両側が植栽されています。

暑さもあって、正直楽しい山歩きとは言い難かったのですが、長距離を歩きたければ丸一日かけて矢代から歩くこともできると思います。

展望 ★☆☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「宮田」です。

2019年8月11日日曜日

東から登る若桜のくらます

前回くらますに登ったのは5年前の夏(2014/08/19)で、その記憶も薄れてきて、東の林道から登ることを思い立ちました。若桜の加地から林道を入ると、発電所に向かって道があります。これは県境の大通峠にも繋がっている主要林道ですが、発電所の手前に分岐があります。この林道は長く標高900m付近まで伸びており、航空写真で見ると他にも林道がありそうなので、うまく利用できないかと思いました。

行ってみると、この林道は「立入禁止」でチェーンがかかっていますが、脇から入れます。すぐに建物あり、「清流遊山荘」という名前がついていますが、使われている気配はありません。ここからは長い林道歩きで、舗装はすぐに切れて、だんだんガレ石が増えてきます。しかし、しっかりした林道なので楽に登れます。古い林道ですが、途中に小屋があってそこに張られている許可証は新しいものでした(産廃業者ですが?)。が、そのすぐ上では林道が崩落しており、橋も流されていました。目的は林道の南の尾根に上がることだったのですが、斜面はあまりにも急峻で取り付く島もないという感じでした。結局林道を1時間近く登ると、南の尾根に曲がる林道がありました。ここも沢にかかる橋は流されていましたが、渡るには問題ありません。渡ってすぐに沢の南側を遡る道もありましたが、それは無視して尾根に延びる林道を歩きました。この林道の終点は、まさしく私が望んでいた尾根の真ん中で、ここから尾根登りを開始しました。

この尾根は植林が主なので歩きやすく、勾配も大したことはありません。予想していたことですがしばらくすると北側下には林道がありました。ちょっと厳しい登りで994mピークに出ましたが、付近は植林です。ちょっと降りて鞍部に出ると、北にも南にも林道が見えました。しかし林道からこの鞍部に登って来るのは大変でしょう。再び登りになり、すこし平坦な所を歩いてから、最後の標高差200mくらいは急斜面となります。この付近は植林ではなく、笹の多い自然林です。特に標高1100m付近からは笹薮となります。チシマザサが混ざっており、時々竹槍で刺されるような目にあいました。林なのですが笹が生い茂っており、急斜面でもあって登るのは疲れます。ブナが増えてきて良い雰囲気ですが、笹を押し分けて登るのは腕力がいります。のけてものけても笹、という状況は30分以上続き、少しならだかになってきたと思ったら、そこが主尾根でした。主尾根も笹が茂っており、その間を歩いてくらますの山頂に着きました。天狗岩三等三角点(1282.13m)が目印です。周囲はススキの藪で、岩がひとつあります。木がないので夏は大変です。

下山は悩みましたが、登っている途中に北正面に草原があって、その下すぐまで林道が行っていたので、そこへ行ってみようと思いました。山頂から北の1260m+のピークまで笹薮を歩きました。この付近でも踏み跡を見つけるのは困難です。少しは木があるので、木の下で風にあたって休んでから、下山をはじめました。1260m+から東に延びる広い尾根は、地形図でも草原となっています。一面の笹原で、たまに木が生えています(写真)。展望は良好です。日差しがきついので中央は歩きたくなく、木の生えている北の端を歩こうとしたのですが、なぜか笹原の端に行くとチシマザサが生き残っていて、いきなり歩きにくくなります。結局なるべく中央を歩かねばならないのですが、笹と言っても背丈より高く伸びており、斜面が急になってくると足元も危うくなってきます。地面が見える場所はほとんどありません。こんな所で遭難したら、10年は見つけてもらえないでしょう。結局笹薮の上から下まで、1時間近くかかりました。下まで来ると、地面が見えたので林道かと思ったら、斜面が小さく崩落した場所らしく、ここからは笹薮ではありませんが急斜面の小さな谷を笹に掴まって降りることになりました。非常に急なので気を付けて降りると、下に林道がありました。途中にも林道の終点があったのですが、谷の反対側なので行けず、下まで降りました。ここは林道の折り返し地点でした。

あとは林道を歩きましたが、いかにも雑に作った林道で、当然崩落が進んでいました。この林道は谷を渡って登ってきた尾根の北側を降りて行くようになっていました。つまり、最初に谷を渡った時に無視した林道の続きのようでした。じっさい谷沿いに林道は降りて行きました。谷に降りる場所があって、谷の北側に渡っているようでしたが、そこを無視して歩いていくと、林道が終わってしまいました。戻るのも面倒だったので斜面を降りましたが、下には最初に無視した林道があって、無事に谷を渡って主林道に戻れました。あとはガレ石で捻挫しないように気を付けて下山しました。

登りはまぁ正解ルートだと思うのですが、下山は危険すぎです。1146m地点まで行って、北東の尾根から東に降りるルートはありますが、それも以前の経験から笹薮が多そうです。なかなか一筋縄ではいかない山のようです。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★★
地形図は「岩屋堂」です。

2019年8月10日土曜日

八頭町から登る八頭町智頭町境界の下奥三角点

しばらく前に鳥取の八頭町と智頭町の境界の尾根を歩いていたことがありました。同じ尾根に、北の八頭町から登ってみました。登り口は船岡から大江川を南に遡った大江で、ここまではとても良い道があります。まずここで,
集落の中の三角点のある山に登ろうと思いました。ところがこの山はがけ崩れ対策のコンクリートの壁に囲まれており、壁の隙間からアクセスできる斜面は非常に急峻でした。そこで少し南に行って、鞍部へ登ろうとしました。ここには墓地があるので楽に行けそうなのですが、この墓地に行くには民家の庭を通る必要がありました。鞍部に上がってから北に戻ると、山頂には紙屋谷四等三角点(215.73m)と神社がありました。神社といっても小さな建物があるだけですが、中には祠がありました。展望は良好です。

神社から北に戻り、登山を開始しました。すぐに東側から林道が来ていました。この尾根の東側には林道がたくさん作られているようです。ただし林道の入り口はかなり南なので、ここに出てくるにも大回りしなければなりません。尾根は自然林が多いのですが、林道があるくらいなので植林もあります。急ではありますが木に掴まらなくても登れます。少し登ると再び林道が尾根に達しており、その上には石垣がありました。ここはかつて送電線の鉄塔があった場所ですが、今は撤去されています。コンクリートの基石もありません。現在の鉄塔(八東大内線30)はもっと南にありました。ここは切り開かれて良い眺めでした。この先は少し厳しい登りが続き、標高500m付近からは少し楽になりました。544m地点には特に何もありません。このへんは緩い登りですが、東側には林道が見えていました。そして尾根が細くなり岩も少しあって、最後は少し急な斜面を登ると、町境の尾根に出ました。ここへは2018/09/23に来ています。金属プレートの下奥四等三角点(771.47m)があります。伐採されているので展望があり、八河谷付近が見えます。

2018/09/23とは逆コースに南に歩き、広々した場所から少し急な斜面を登って786mピークに出ると、南側は伐採地で、芦津や斜面の崩れた大呂山(2018/10/28に登った)が見えます(写真)。西に尾根を歩いて地形図で破線道が南北に尾根を横切っている場所は、南に行けば虫谷三角点のある尾根ですが、北側は谷で、尾根付近は歩けそうでしたが、先に行ってどうなるかは分からないので、ここからは降りないで更に西に歩きました。こちらは2018/09/02の逆コースとなります。少し歩くと木のない場所に出て、北は日本海まで見えます。ここにはお地蔵様がありますが、このお地蔵様、北を向いているのですが、字を見ると「右あさみ」と書かれているように見えます(2018/09/02に写真あり)。左がどこかは読めないのですが(「おをえ」?)、右が浅見ということは西を向いて置かれていたはずです。峠で右左というのも不思議ですし、尾根伝いに西から来る道があったということでしょうか?

ここの北斜面は降りられないので、少し藪を登り、シダの原っぱの西側から斜面を降りました。急斜面の後は植林で、降りるのには何も問題はありません。すぐ左手下に鉄塔がありました。尾根を降りていくと、自然林になって、少しアシビの藪もありますが、再び植林となって、また西側に鉄塔が見えました。鉄塔付近は伐採されており、八東大内線35鉄塔でした。地形図ではこの付近の西側に破線道があるのですが、ちょっと見てもみつからないので、結局巡視路で降りることにしました。巡視路に従って八東大内線34鉄塔に降り、さらに巡視路を降りました。34の次は32で、33が省略されたようです。32は谷の北側です。巡視路は急な斜面を降りて行き、岩もありますが道があれば安心です。最後は堰堤があり、橋を渡って道路に出ました。西側の谷はかなり荒れているようで、この下山は正解でしょう。

登りの尾根は2キロそこそこしかありませんが、標高差550mありますので、結局登りだけで2時間以上、全部で4時間半もかかってしまいました。

展望 ★☆☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「郷原」です。

2019年8月6日火曜日

古市から松尾山

白髭岳と松尾山には古市駅から住山の方を回って登るのが普通だと思いますが、このコースは古市の北の山から尾根伝いに松尾山に登ろうというものです。登り口は駅の北東にある二村神社にしました。神社の近くの尾根先に赤い「火の用心」があり、小道を上がると丹南線三二鉄塔がありました。下半分は樹木や竹に覆われていて、見上げても先端が見えません。巡視路はここで終わりなので、尾根の中央に戻って登りました。道は不明瞭ですが下草がなく、木もまばらなので問題なく登れました。典型的な里山で倒木がありますが、適当に歩いていくと、倉谷山への小さな道標があって、これが登山ルートだということが分かりました。さらに歩くと、地形図で古市駅裏からの破線道と合流する所では、駅からは明確な道が来ており、こちらで登るのが正解かも知れません。この道のおかげで歩きやすくなり、倉谷三等三角点(366.69m)に着きました。道の脇にポールが立っています。展望はありません。

この先は北に向かってひたすら尾根歩きとなります。特に面白いものがあるわけでもなく、景色もあまり見えませんが、グループでワイワイ言いながら歩くのなら楽しいのではないでしょうか。1時間ほど歩いて、登山道と合流しました。顔にはまったく凹凸がありませんが可愛らしいお地蔵様があり、その先には石垣があって、その上の平坦地にはおそらく塔頭があったのでしょう。道はこの先西に水平に進んで卵塔群へ行くのですが、まっすぐに登ってみようと思って北側の尾根に上がるとここも平坦地で、かなり大きな建物がいくつもあったような感じです。登っていくと水平道があり、ここにもお地蔵様がありましたが、これは松尾山の東側を南北に通る道です。ここからさらに尾根を登りました。木に掴まらなくても登れるくらいの斜面ですが、途中で北側斜面に作業道を見つけて北寄りに登りました。距離が延びた分だけ少し楽に主尾根に上れました。松尾山山頂(687m)はすぐでした。ここは酒井城跡として知られています。

下山は以前に篠山口駅から松尾山に登った時の逆コースで北東の尾根を下りました。それから道を歩いて「肩越の辻」に着きました。ここは地形図では破線道が4本集まっていますが、実際には道が5本あります。以前に登ってきた道である、赤い「火の用心」のある道に進みました。関電の巡視路と言っても鉄塔までは遠く、509mピークをはじめ、いくつかのアップダウンのあと、地形図で南の尾根への分岐のあるところまで来ました。何の道標もありませんが、何本か黄色いテープが巻いてある木の所から南に降りる道がありました。最初は急勾配で道もちょっと怪しいのですが、あとは里山らしい道になりました。440m+ピークは地形図では東に巻道がありますが見つからず、ピークを越えて南に降りると、幅広い林道が尾根を横切っていました。さらに林道は尾根の東側を南に伸びていましたが、これはすぐに終わってしまうので、最初から尾根に上がって尾根上を歩きました。これも長い尾根で、特に面白いものはありませんが、たまに植林がある他にも植生が目まぐるしく変わるという印象を持ちました。途中に尾根を横切る道があり、下っていくと共同アンテナの残骸があり、その南の300m+ピークから少し下った所には小さな平坦地が作られていました。最後は赤い「火の用心」が2つあって巡視路となりましたが、この地点には鉄塔の跡と思われる四角いコンクリートがありました。しかし2つしかなく、間隔も狭いので、何か違うものだったのかも知れません。巡視路で丹南線三三鉄塔に出て、そのまま道路に降りられました。最初と最後は巡視路というのは正解と思います。

行きも帰りも長い尾根歩きで、5時間もかかってしまいましたが、道路よりも山道が好きな方にはお薦めです。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「篠山」です。

2019年8月4日日曜日

八東町の西谷川から登る鉢伏城跡

この付近の山は最近よく登っています。今回はいちおう登山コースとなっている、西谷川から半柵城跡から登るルートで尾根に上がって、南の尾根に回ろうというコースです。登り口は先週に下山してから通った西谷川沿いで、赤い上向きの→本と、「半柵城跡へ2.960m 金鉱跡第1鉱道へ600m」と書かれた札が立っています。道路は川の反対側で、川にはH鋼の梁が2本渡してありますが、これを歩くのはかなりスリルがあります。川に降りて渡ることも勿論できます。金鉱山は興味があったので探したのですが、[1]にある山道がうまく探せず、よく分かりませんでした。目的は登山なので、あまり時間を使わずに目の前にある尾根を登り始めました。

これはとても急勾配の尾根ですが、下草がないので登るのに支障はありません。問題は暑さで、最初は風もなくて辛かったのですが、少し登ると風が出てきました。それでも急斜面と暑さには変わりなく、足元は砂地が多く滑りやすく、主尾根に着くのに1時間半近くかかりました。主尾根に上がっても何の標識もありませんが、半柵城跡は北です。ここは2019/06/09同様に南に歩いて、頑張って斜面を登り、下野二等三角点(595.95m)に着きました。前回は見落としたと思われる「城社山596m」という札が掛かっていました。さらに南に歩いて、鉢伏城跡(574m)に着きました(写真)。このピークは写真の通り何もありませんが、周囲全方向が急斜面で、砦にはうってつけの山です。その急斜面を、南に下りました。2019/07/28には登るのを断念した斜面ですが、木に掴まれば降りられました。この後は2019/07/28の逆コースで、633mピークへ急斜面を登り、東に653mピークまで行きました。ここから北へ伸びる尾根を降りました。この尾根も下草はなく、倒木や藪も少なくて、楽に降りられました。最後は小川を渡って林道(作業道 金山谷線)に出て、すぐに橋を渡って西谷川沿いの道に出られました。

こう書くと簡単に歩けたようですが、何度も休んだために距離の割には4時間以上かかっており、暑さに負けた一日でした。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「因幡郡家」です。