2008年12月29日月曜日

杉ヶ瀬から野々上三角点

山崎町の北東にある野々上三角点には、2008/08/31に登っています。この時は三谷から谷を遡って登ったのですが、あまり楽な登山ではありませんでした。野々上三角点のあるピークからは、北西に長い尾根が延びており、杉ヶ瀬に達しています。そこで今回はこの尾根を登ることにしました。

尾根の外れには山神社があります。この神社の裏に回って尾根に取り付きましたが、この付近は岩が多く、神社の御神体も岩のようです。尾根に登ってからも岩の多い急斜面で、木に掴まって登っていきました。巨岩があったりして、結構楽しめます。シダは生えていませんし、木の間隔も広いので、急勾配であるという以外は問題なく登れます。

少し登って336mピークまで来ると、落ち葉の雑木林で、木々の間から少し展望がありますが、まだ序の口です。尾根の一本道(はっきりした道はほとんどありませんが)を登っていきます。数日前に雪が降ったので、残雪がかなりありました。三角点までの登りは三段階で、336mまで登り、430mピークに登り、最後の597.7mの三角点に達します。長い尾根ですが、長いおかげで急勾配は数カ所だけです。430mピーク付近からは植林が増えます。倒木も増えますが、乗り越えられないようなものはありません。雪がなければ、快適な登山だと思います。ほぼ1時間半の登りでした。

野々上四等三角点(597.65m)は、以前に来たときと同様に探すのに苦労しました。頂上付近は歩くには差し支えないのですが、倒木だらけです。前回とは逆に頂上を東に歩き、東の端から北の尾根に乗りました。この辺りは広い尾根ですが、目指す北に繋がる尾根は倒木で埋まっています。しかも地面には低い木が生えているため、雪が無くても歩くのは困難でしょう。倒木が綺麗にアーチしていました(写真)。しかたなく西側の斜面を歩きましたが、あまり急斜面ではなかったので助かりました。

この先の尾根には金属の網が張られています。ところどころ倒木で潰されているのがご愛敬ですが、歩きにくくてしかたありません。しかし、ここから北の尾根は、岩場あり、細い尾根あり、アップダウン有り、落ち葉あり、少し倒木あり、展望ありで、登山として楽しめる要素が全て揃っています。素晴らしい尾根だと思います。今回は雪が若干残っていて、だんだんに安物の登山靴に染み込んできたので、あまり快適ではありませんでしたが、季候の良いときに来れば気持ちよい尾根歩きが楽しめるはずです。展望は、遠目に黒尾山の通信塔や与位の反射板など、いろいろ見えます。

ずんずん歩いて552mピークの北で右に曲がり、その先のピークで左に曲がりました。この尾根は姫路市と宍粟市の市境だと思うのですが、その割りには標識はたまにプラスチックの黄色い杭がうってあるだけです。この先は一度鞍部に降りますが、ここは東は安富町皆河に、西は母栖(もす)に降りる鞍部になっています。どちらも植林ですが、東側の暗さが印象的でした。

ここからまた尾根に登ると、これが母栖山に繋がる尾根です。残雪が滑りやすく登りにくかったので、西側の雪のない場所を通って登りました。尾根を東に行けば母栖三角点がありますが、今日は悪条件なのでそちらには行かず、西に尾根を進んで、送電線の鉄塔に向かいました。母栖三角点の点の記には、安富町の皆河から母栖に延びる道が描かれており、文章の説明とは合わないのですが、興味を引かれます。また、この尾根には「武庫ノ台」と刻まれた石標がいくつもありましたが、ゴルフ場を作る計画でもあったのでしょうか?

この鉄塔は巨大なものです。番号は読めなかったのですが、播磨西線でしょう。この鉄塔の建っている場所からの展望は素晴らしく、鉄塔の巨大さともども圧倒されます。北には氷ノ山が見えました。眼下には関西電力山崎実験センターがありますが、木に隠れがちです。

下山ルートを考えました。鉄塔の巡視路は実験センターに直滑降で降りているようですが、尾根歩きを完結するために西に尾根を降りることにしました。これは歩きやすい尾根です。途中に「モス山45分先」とか「急登おつかれさま 母栖山へ」という標識があり、これが登山道だと分かります。しかし、尾根の外れは実験センターのゲートの内側で、ゲートは閉まっています。平日はインターホンで開けてもらえるようですが、この日は休日だったので、斜面に出て柵の下を潜って外に出ました。

下山は舗装道路を降りましたが、途中でツーカーとDocomoの通信塔と杉ヶ瀬四等三角点(511.99m)を見ました。尾根歩きを貫徹するために、この先も尾根を降りたかったのですが、残雪でコンディションが悪かったので諦めました。少し舗装道路を下ると、母栖山登山口の標識がありました。ここからなら関電のゲートに引っかからずに登れそうです。

幾つか問題はあるにしても、このコースの尾根はお勧めできるものです。季候の良いときに歩きたいものです。

展望 ★★★
藪山度 ★☆☆

2008年12月28日日曜日

鯰尾の東の山と清水谷の西の山

この日は書写山を西から登ったのですが、書写吹の方に行こうとして北の斜面を降りたら間違って西の新在家方面に降りてしまいました。そこで、書写吹の方に戻ることにしました。地形図の上では新在家から東に谷を進めば173m鞍部を通って東に抜けられそうです。しかし実際には実線で描いてある道の東端には建物があり、谷を塞いでいます。無理に抜けるのも気が引けますし、ネットもあったと思います。そこで今回は建物の前で北に進んで尾根に登ることにしました。

最初はやや不明確ですが、建物の北東の尾根を、北に向かって登りました。シダが生えていますが、背が低いので楽です。少し登ると歩きやすくなり、ちょっと岩の多い尾根に出ます。これを東に落ち葉を踏んで歩くと、226mピークに出ました。このピークは完全に藪に覆われています。ここで間違えずに右に曲がって、南東に延びる尾根を歩きました。これは歩きやすい尾根でした。途中岩場で少し道が分からなくなりましたが、尾根伝いに173m鞍部の北まで降りられました。

この先は鞍部からの谷を歩かずに、北の尾根上の道を歩きました。2005/09/10に歩いた道ですが、相変わらず草ひとつ生えていません。さすがに木の階段は朽ちているところもありましたが、何の不満もない道です。幾つかのピークを越して、最後は尾根の東端の平地に降りてきました。この付近には木が少なく、地面は落ち葉に覆われていて、とても気持ちの良い場所です。尾根の道と同じく、ウェルサンピアと関連して一時期は開発が行われていましたが、今は放置されているようです。

今日の目的の一つは、ここから北の山に登ることです。この山は清水谷の西に位置しますが、夢前川に沿って67号線をドライブすると、この山がせり出している場所を通ります。かなり急勾配の山だということが、道から見ただけで分かります。以前は登山道は無いだろうと思っていたのですが、ある日Google Earthを見ていたら、尾根に道があることに気がつきました。ということは単なる藪山ではないらしいのです。そこで、まず川を渡って北に行き、清水谷の山の南の麓に出ました。ここには小さな池があります。この周辺も以前は開発が行われていましたが、今は静かです。

Google Earthには登山道も見えていたので、探しても良かったのですが、面倒なのでまずは尾根まで登ることにしました。この付近の斜面は南向きですがシダが少なく、細い木の藪なので登るのは楽です。しばらく急勾配を登ると、左から道が上がってきていました。すぐに尾根です。尾根にも良い道があります(写真)。木の階段があるところを見ると、これもウェルサンピアと関連があるようです。東の端は最初のピークの手前で道は終わっていますが、上手に降りれば東側に降りられるかも知れません。西には168mピークを通り、最後はウェルサンピアが見える地点で終わっていました。尾根に出る道は、168mピークへ出る道(Google Earthで見えている道)と、もう少し東側の、池に流れ込んでいる川の上流から登る道の二本がありました。

ここから書写吹までは、また川を渡り、笹の草原を抜けて実線道に出る必要があります。ウェルサンピア経由の方が楽です。

書写山の北の山は、ウェルサンピアと関連した開発が行われていたようですが、今は静かな山に戻っています。落ち葉が気持ちよい山ですし、道もできています。展望はせいぜい書写ゴルフ場くらいなので今ひとつですが、ピクニックには最適だと思います。

展望 ★☆☆
藪山度 ★☆☆

西の尾根から登る書写山

書写山には参道が6本もあります。そのため徒歩でも参拝は容易ですが、山として書写山を見ると、これらの参道は必ずしも典型的な登山コースではありません。というわけで、書写山を好みのコースで登ってみようと思いつきました。以前に書写三角点を訪れたことがありますが(2007/01/21)、あれは書写山そのものではありません。今回は圓教寺を目指しました。

尾根歩きが好きなので、六角の大年神社からの尾根を登りコースに選びました。この神社の周囲は手入れが行き届いています。尾根は細い木がまばらに生えている程度で、簡単に登れます。ちょっと登ると少し平らな場所があって一息つけますが、この後は若干シダが増えます。井戸の跡らしきものがありますが、人工物はこの辺りまでしか見あたりません。シダで足元が見えませんし、勾配が急ですが、南斜面にしては登りやすいと思います。しばらく登ると岩場があり、松が生えています。この付近からは六角や南の展望が広がります(写真)。海まで見えます。正面に建設中の白鳥城がありますが、木が邪魔でよく見えません。

250m付近からは勾配もなだらかで、落ち葉の雑木林となります。なかなか良い感じです。307mピークは木の少ない雑木林ですが、ここから番号をタイルで入れた赤い石標が現れます。これはずっと続きますが、この山の持ち主が圓教寺だとすると、境界をこまめに表示する必要も無いと思うのですが。

次の320m+ピークまでは一度下って鞍部を通ります。ここには南へ下る道らしきものがありました。320m+ピークは、ただの雑木林です。ここからは北に向かって刀出に出る参道に行くつもりだったのが、気がつくと東の鞍部に降りていました。ここも道が横切っています。そしてやや倒木の多い斜面を登っていくと、上に石垣が現れました。ここは書写山の展望台の西の端でした。西から尾根伝いに登ると、このようになります。

参道でないルートで登ったので、下山も参道でないルートにしようと思いました。修復中の奥の院を過ぎて、鯰尾に降りる参道を進みました。そして、行者堂の方に進みました。ここからは登りで、350m+を過ぎてやや下った所で少し道を外れると、書写山三角点(349.9m)がありました。この先も行者堂へ向かい、最後に道が右に下る地点を真っ直ぐ進んで、尾根を降りました。

この付近の尾根も雑木林で、気持ちよく歩けます。しかし、尾根の外れまで来ると、斜面はシダ藪に覆われており、最後にそれに突入してしまいました。シダは背丈ほどあり、足元は全く見えません。下の方のシダは枯れているので、無理やり体を押し出せばシダを切り開いて進むことは可能ですが、かなりの力がいります。それに下りの急斜面で、足元が見えないのは非常に危険です。できるだけ木に掴まって降りましたが、木はあまり多くはありません。

しかも尾根を間違えました。この尾根の北には173mの鞍部があり、それを目指していたのですが、西にルートが寄っていきました。最後は谷が見えたので降りました。沢は右に流れていたので、173m鞍部の東に出るかと期待したのですが、(書写吹に降りることにしていました)、谷は西へ向いていってしまいます。しかも沢沿いの道は時々なくなり、沢を歩かざるを得ない部分もありました。倒木は余りなかったのですが、何度か藪も突破しました。最後は新在家の東にある堰堤の上流に出てきたので、沢を北に渡って、道に出ました。

この下山は最悪でした。もっと東側の尾根を降りるべきでした。しかし、それでもシダ藪を避けられたかどうかは分かりません。以前に行者堂から沢を降りたことがありましたが、そのほうがましでした。書写山は南斜面よりも北斜面のほうが藪がきつく、特に北斜面のシダは強敵です。

西からの登りは、良いコースだと思います。夏は照りつけられて暑いかも知れませんが、登山をしたという満足感が得られるコースだと思います。

展望 ★☆☆
藪山度 ★☆☆ 下山は無視です

2008年12月27日土曜日

北から登る高山

高山は桶居山や高御鞍山の北に位置する山です。姫路市と加古川市の市境にあります。これまでの登山記録をインターネットで調べると、壮絶な闘藪記ばかりで、西の馬山に匹敵する姫路の東の代表的藪山と言えるでしょう。いずれは挑戦しようと思いつつ機会をうかがっていたのですが、冬になって少しは歩きやすくなったことを期待して、行ってみました。

これまでの登山記録は、どれも南から登っています。確かに南には送電線が通っており、巡視路が使えるのですが、南斜面の藪はたいてい手強いものです。そこで、北から登ってみることにしました。地形図とGoogle Earthを見ると、飾東町大釜新の南の尾根は岩場が多いようで地肌が見えています。そこで、この尾根から257mピークを経由して高山まで歩くことにしました。

尾根から登るわけですから、尾根の突端から登るのがベストなのですが、あいにくこの尾根の北端には山陽自動車道が通っており、その南で尾根に登らなければなりません。明らかに一番楽なのは、257mピーク近くの送電線の鉄塔めがけて保守路を登ることですが、これでは尾根歩きが楽しめないので、地形図にある清住の北の墓地の、さらに少し北から農地を通ってアプローチしました。

道はありません。急斜面で、しかもすぐに藪になりました。最初は灌木で間が少しあいていますが、すぐにシダ藪になります。密集したシダで、胸の辺りまでの高さがあるので、なかなか登れません。無理やり体で押しのけて進むしかないのですが、かなり力が必要です。しばらくシダが薄そうなところを選んで歩いているうちに、自分が歩いているところが道なのだという気がしてきました。地面にはシダは生えておらず、両側からシダが倒れこんでいるのです。しかし、道は地面からやや掘られており、その分だけシダが高いところにくるので歩きにくく、結局道の脇に出て登りました。

しばらくの藪漕ぎの後、やや開けたところに出てきました。この付近は下から見ると木が少なくなっていますが、山火事の跡かも知れません。2007/05/12の山火事でしょうか?Google EarthやYahooの航空写真は、山火事以前のもののようです。ただ、昨年の山火事にしては木が多いような気もします。ここまで来ても尾根はまだで、やや薄くなった藪を抜けて、ようやく尾根に達しました。尾根には赤いマーキングがあります。展望は良好です。北に遠く見えている反射板は、畑山でしょうか。まず182mピークまで歩き、一度下がって登りますが、ここはちょっと岩場になっています。

この先はそれほど歩きにくい場所はなく、230m+ピークに登ります。この付近には明瞭な尾根道があります。隣の218mピークも眺めの良い場所です。しかし、ここで尾根道は東に降りて行ってしまうので、再び藪を歩きました。まず、低木の生えた岩場を南に降りました。そして送電線の鉄塔を目指して240m+ピークを登りました。ここはかなり厳しいシダ藪でした。ピーク付近も藪で、鉄塔まで降りる途中も藪でした。しかしこの付近の藪には明らかに道があります。手入れがされていないためシダがかぶさったり木の枝が張り出しており、道としては使えなくなっているだけです。

小振りの鉄塔は、「姫路支線三」と書いてあります。建設は昭和29年4月です。ここからは257mピークを目指して登りますが、最初は落ち葉を踏みしめて歩けます。北斜面で木が生えていると日照が少なくてシダは育たないのでしょう。しかしだんだんとシダが増え、低木の藪になります。257mピークは藪の中です。

257mピークまで行くのは実は行きすぎで、少し戻って西に市境を辿りました。辿ると言っても道はなく、ときどき赤いマーキングがあるだけです。西側の斜面は灌木の藪ですが、この先の鞍部は3mくらいの崖になっており、気を付けないと転落します。人工的な切り通しではなく、こんな崖があるのは予想外でした。

この後も赤いマーキングがありますが、藪漕ぎに変わりはありません。しかし、青いマーキングが入ってくるあたりから様子が少し変わり、木の間隔が少し開き、シダも背が低くて歩きやすくなります。240m+ピーク付近では展望は南北に開けており、明石海峡大橋が見えます。そして、次の260m+ピークには「高山」と書かれた金属の赤い道しるべがあります。ここには南から道が上がってきており、登山ルートのようです。この下には送電線の鉄塔があるので、それを経由してくるのでしょう。

ここからは、ほぼ快適な尾根歩きです。展望も素晴らしく、瀬戸内海も明神山も見えます。その西の、251mピークの北にある240m+くらいの地点には、「山中1.4km」と書かれた赤い道しるべもあり、ここに登ってくるルートもあるようです。こうなると気楽な尾根歩きで、高山まで100メートルごとに赤い金属の標識があります。これらの金属の標識は、字を金属板をへこませて描いた手の要ったものです。

そして、いよいよ高山山頂です。298.3mの、これも金属の標識があります(写真)。上の眼鏡はどなたかの忘れ物でしょうか。川北三等三角点もあります。

下りは北に降りなければなりません。西に尾根を行く道は、まだはっきりしています。この付近は落ち葉の雑木林です。下山ルートは清住の大歳神社のある尾根です。しかし、この尾根に向かう道は無いので、適当に藪を抜けました。落ち葉の雑木林には変わりありませんが、降りてゆくとだんだん灌木が増えてきます。また、シダが密集して生えている場所があり、それを避けていたところ、目指す尾根をはずれてしまいました。目指す尾根は230m+くらいのところで少し西に進んでから北に降りるのですが、真っ直ぐ北に降りてしまったため、いきなり急斜面となり、小さな溜池(天井谷池)の裏に出てきました。このルートはやや急ですが、シダ藪がないので意外と良いかも知れません。

やはり聞きしにまさる藪山でした。尾根に登るところを除けば、送電線に向かって降りるところと、257mピーク付近の藪が最悪でした。しかし高山の南東の尾根は見晴らしも良く歩きやすいので、南から正しい道で登れば良い登山コースでしょう。

展望 ★★★
藪山度 ★★★

2008年12月23日火曜日

北から登る七種山

七種山は南の青少年野外活動センターから七種滝経由で登るのが普通ですが、北から登れないものかとかねてから考えており、今回はそれを実行しました。

起点は前之庄の北の河原口(こうらぐち)です。ここから河原谷林道で河原川を遡っていきました。これは亀ヶ壺へのコースです。鮎釣りの小屋がいくつかあり、その先は植林の中を通りますが、電信柱がずっとあり、光ファイバーまで通っているので、先に何かあることが分かります。河原川は途中で水があったと思えば無くなってしまう不思議な川です。

光ファイバーの行き着く先は、地形図で432mピークをぐるっと廻った先にあるコテージです。数軒が並んでおり、車が停まっていて人が来ているようでした。登りに使おうと思っていた道は、このコテージ群の先にある東に向かう破線道なのですが、この場所には橋がありません。さらに上流では何やら工事をしているようなので、そちらには行かずに川を渡って破線道を探しました。この場所では川に水がありますが、渡るには支障ありません。

川を渡ると植林ですが、道らしきものがあるので辿っていきます。谷に入るといきなり谷は倒木でふさがれています。無理やり右手の尾根に登ろうかとも思ったのですが、よく探すと左手に道がありました。道を辿って登ることができます。周囲は倒木が多く、湿気の多い谷です。しばらく登ると倒木処理の跡に出てきます。ネットが張られています。処理と言っても切った木は寝かせたままですが、歩くには好都合です。丸太の上で滑らないように気を付けて、ネットに沿って谷を登っていきました。

倒木処理のネットが途切れると、尾根に向かうネットがあり、それを辿ることもできましたが、取りあえず初心に帰って地形図の破線道を辿ることにしました。とは言え、道はありません。谷には水はなく、植林になっています。足元は柔らかく、倒木もありますが、越えられないようなものではありません。最後は非常に急峻になり、岩場が聳えています。ここを木に掴まりながら登り、尾根に出ました。しかし、実は岩場の右手を登った所が鞍部なので、岩場を登る必要はありません。この谷登りは、約1時間かかりました。地形図の破線道は、存在しないと断言できます。

ここからは軽快な尾根歩きです。少し歩くと南に七種鎗が見えます。北に禿の行者山の岩場がよく見えます。その背景に紅白に塗られた鉄塔が見えますが、雪彦山の北を通る送電線でしょう。河原川をはさんだ北側の斜面は、大規模な伐採が行われたようで、裸の山肌が見えている場所が沢山あります。少し登りがあって、河原谷(「かわはらだに」と点の記にはあります)四等三角点(559.7m)があります。大柿さんのピンクのプラスチック板が下がっていました。'08.3.12ですが、鶴居城趾から来られたということで、朝何時に起きればこんなことができるのでしょうか?

この後も気持ちの良い尾根歩きです。かなり大きなアップダウンがあります。552m地点まで来ると、目の前にバッテンに木が組まれています。七種山から七種鎗に縦走するときに間違えて北の尾根に入り込まないようにという配慮でしょうが、北の尾根も捨てたものではありません。ここからは案内板やマーキングが増えます。急な坂を登って、案内どうりに400mを15分かかって倒木の中を歩くと、七種山(683m)の頂上です。さすがに展望は最高です。ここからも禿の行者山が見えます。

問題は下山です。河原林道を歩きながら見ていましたが、七種山の北側の山は急勾配で、降りやすそうな所はありません。しかもあまり西側で降りると河原川を渡れない可能性があります。尾根に沿って降りるのが一番楽そうなので、北側斜面にある496m地点を通る尾根で降りることにしました。まず倒木地帯を戻って尾根に出て、そこから「危険 この先は道がわかりにくい」と書いてある西方向へ歩きました。

496m地点に降りる尾根は、割と簡単に見つかります。最初は勾配もそれほど急ではありません。周囲は雑木林で、木の間隔も広いので、歩きやすい尾根です。しばらく降りると、眼下に先ほどのコテージが見えるようになります。向かいの裸の山肌も見えます。そして、大きな岩場にさしかかります。この岩場はかなり本格的なものです。両側が切り立っており、岩の上には松が生えています。高所恐怖症気味の私にはここを通るのはかなりの試練なので、おとなしく西側の斜面に降りて通り過ぎました。斜面もかなりの急勾配で、歩くのは楽ではありません。上を通った方が楽だったかも知れません。写真は、この岩を斜面から見上げたものです。後で河原川沿いに歩きながら見上げると、この岩場が見えました。この岩場が地形図における496m地点です。

この先も尾根は歩きやすいのですが、ときどき尾根に岩があって迂回せざるを得ません。どの岩場でも展望が開けるので、向かいの山の岩場とか河原口の人家とか、景色を楽しむには良い尾根です。しかし、だんだんと勾配が急になります。予定では450m付近で少し北に折れて、一番長い、川に飛び出している尾根に行くつもりだったのですが、勾配の緩い方向に歩いていたら尾根を真っ直ぐに北西の方向に降りていました。戻るのも面倒なのでそのまま進みましたが、勾配は急です。尾根を降りていて岩場があるとその先が降りられないので、迂回して斜面を歩かねばなりません。雑木林で乾いているのが良いのですが、足元は土が軟らかくて簡単に崩れます。木に掴まりながらなので、腕も疲れました。途中には道かと思うような部分もありましたが、マーキングは一切無く、倒木も伐採したものは皆無でした。

最後は右手に植林が現れ、雑木林と植林の境界付近に沿って降りると、水のない河原川に出てきました。反対側の植林を抜けて林道に出ました。尾根で降り始めてから、約1時間20分かかりました。

この496m地点のある尾根は、登りも楽しめると思います。一番長い尾根から登り始めると、勾配は急ですが、展望を楽しみながら七種山に登れるかも知れません。

展望 ★★★
藪山度 ★★☆

2008年12月21日日曜日

番城山から氷室山

番城山は置塩城の南の山城で、置塩の町村に登り口があります([1])。「史跡 番城山城跡」と書かれた姫路市の建てた標識には、「頂上には三か所の城跡があり・・・石垣の一部や瓦片も出土している」とのことです。登山道は急勾配で息が切れますが、分かり易い道です。頂上に出ると広めの尾根ですが、どこが城跡か分かりません。少し西に行くと藪に覆われたピークがあり、古い共同アンテナが藪の中にあります。南山四等三角点(214.07m)も藪の中で、頭が少し出ているだけです(写真)。

今日の目的は番城山ではなく、ここから氷室山まで歩くことです。頂上を東に歩くと、すぐに藪っぽくなりますが、三角点付近に比べればずっと木の密度は低く、顔に小枝が当たるのを気にしなければ、さほどの苦労もなく尾根を歩けました。この付近の山に多い、シダと低木で覆われた尾根で、切り開きはあまりはっきりしません。シダが尾根を覆っている部分では少し降りて歩きましたが、問題なく歩けました。場所によっては南側は植林です。落ち葉を踏みしめて歩くのは気持ちの良いものです。しばらく歩くと北側のゴミ処理場が良く見えます。

少し登りがきついなと思うと274mピークに出ますが、ここはシダに覆われていました。次のピーク280m+には「播磨空港2級基準点」のプレートがありました。この付近は切り開きがあり、足元にはシダが茂っていますが歩きやすくなっています。さらに歩くと、いよいよ氷室山に登ることになります。どこに出てくるのかよく分からず道なりに歩きましたが、最後の急な登りでは道が無くなり、とにかく尾根を目指して登ると、尾根には道がありました。左手にピークが見えたので行ってみたら、そこが氷室山の頂上でした。狼谷三等三角点(371.77m)ですが、これは標石が地面から出過ぎていて、どこがこの標高に相当するのか気になります。

広嶺の方から氷室山に向かって歩くと、頂上に出る前に道が左右に分かれ、右手が山頂ですが、ここを真っ直ぐに北に斜面を降りると番城山に行けるわけです。ただし、全く何の標識もありませんので、この急斜面を降りてみようという人はいないでしょう。

帰りは西に普通のルートを歩いて鞍部まで降りて、蒲鉾工場の裏手に出ましたが、この下山ルートも灌木やシダが多く、番城山からのルートと大差ないと思いました。眺望も大差なく、番城山への下山ルートもお勧めできます。実は番城山から歩いてみたのは、最近この付近で大規模な開発が行われているからなのですが、尾根まで達するような工事は行われていないようでした。

展望 ★☆☆
藪山度 ★☆☆

2008年12月20日土曜日

北から登る多賀登山

多賀登山は播磨科学公園都市の西側にそびえる山です。頂上近くで尾根を林道が越えており、ここからだと山頂は間近です([1])。もしくは南の神社から登るのが一般的と思います([2])。しかし今回は[2]にもある北からのルートで登ってみました。

弦谷から登りました。この付近では工事をしており、弦谷から真南に延びる谷には道路ができていましたが、登山には向かないので尾根の先端にある兵隊さんのお墓の裏手を登りました。急斜面をしばらく木に掴まりながら登ると、やや平坦になってきます。ここからは尾根歩きです。

しばらくは落ち葉を踏みしめて気持ちよく歩けました。倒木も若干ありますが、歩くのに困るほどではありません。しかし、東側の展望が開けた後、ネットが現れるととたんに藪っぽくなりました。おそらく陽当たりが良いためだと思いますが、灌木が多くなります。東側はネットで遮られているため、時々西側の谷に少し降りて歩きました。

この後は316mピークで一息つき、さらに尾根を登ると、多賀登山から東に延びる尾根に出ました。ここはネットが張られていますが、西に歩くとネットは終わりました。どうもこの山のネットの張り方は不思議です。尾根にある頭を赤く塗ったコンクリートの石標は新しげですが、その脇に「東急」と彫ってあるコンクリートの杭が倒れていることが多く、地権者が変わったのかも知れません。このまま西に歩くと、多賀登山の山頂に出ました。三原山三角点(441.7m)がありますが、その脇に大きな木の杭があり、「平成二十年二月十一日 第一回多賀登山ハイキング登頂記念」「三日月地区地域づくり協議会西部多賀登山部会」とあります。多賀登山に登ると多賀登山登山だなぁと馬鹿なことを考えました。山頂付近の木が切られており、南に大型放射光施設スプリング8が見えます。

ここからは南に下山しました。東に尾根を進み、南に折れますが、気持ちの良い植林の鞍部を通って、その南で一度ピークを登り返し、440mを越えたピークの所で迷いました。東向きに道がありますが、その先は急勾配の植林です。南側は藪ですが、結局はここを降りて南に延びる尾根に乗りました。南の神社から登る時には迷うことはないのですが、降りる時には迷いやすい地点です。この先、神社の真北の340m+付近にやや平坦地がありますが、その南ではシャベルカーが工事をしていたので、少し戻って東に進路を取り、結局ひょうご環境体験館の奇妙な建物の道路を挟んで向かい側に出てきました。

この工事は、この山にゴミ処理場を作るための土地造成工事だと思われます。山頂の杭も、ゴミ処理場と無関係とは思われません。環境体験館がここに建てられたのも、ゴミ処理場と無関係とは考えにくいのです。今回北から多賀登山に登ったのは、工事のために南からは登りにくくなっているためでした。これからこの山がどのように変わっていくのか、時々北から見に行きたいと思います。近くには作りかけで放置されている金出地ダムもあります。こちらも最近行ってみましたが、一年経っても水位を示す標識が新設されているだけでした。

展望 ★☆☆
藪山度 ★☆☆