2008年4月29日火曜日

三森の3三角点歴訪

姫路市安富町三森の少し東側に,北に入り込む沢があります。この周囲をぐるりと取り巻いている山並には,3つの三角点があります。「三ツ森(468.08 m)」「大谷山(510.72 m)」「大東山(207.03 m)」です。このぐるっと一周は周遊コースとして手頃なので,三つを廻ってみることにしました。ちょっとコースが長めなのと倒木が心配でしたが,疲れたら途中で下山することにして,とりあえず全周遊を目指しました。

起点はうすづくの,中国自動車道のすぐ北にある神社です。春神社という名前の小さな神社で,その裏から山に上がると,すぐに送電線の鉄塔があります。神野溝口線56号です。この鉄塔の巡視路は東西両側から上がってきているので,それを利用して尾根に上がるのが正解のようです。ただし西側は人家の庭を通る必要がありそうです。鉄塔から尾根沿いに主尾根まで100mほど登りますが,踏み跡があって楽な登りでした。主尾根に出ると植林で,気持ちの良い道になります。343mピークに登って降りると,播磨線69の鉄塔があります。安志がよく見えます。この先も植林で,420m+まで登って降りなければなりません。さらに登り返して,三ツ森三等三角点に到着です。ここは展望はありませんが,少し北に歩くとマイクロ波の反射板があり,ここでは明神山を望む素晴らしい展望が得られます(写真)。この反射板は関電のものではなく,中播磨県民局が建てたもので,平成19年3月完成という真新しいものです。標高460mとなっています。この位置から考えると菅生ダムとの通信用ではないかと思います。

余りに良い眺めなのでしばらく休憩していましたが,まだ道のりは1/4程度です。先を急ぎます。この先は比較的なだらかで,植林が多いのですが倒木は少なく,歩きやすい尾根です。おかげで意外と早く尾根の北端に到達しました。ここには510m+のピークがありますが,その周辺には大規模な倒木処理と思われる作業の跡が見られます。北側には末広から林道が上がってきていますが,それが延長されて作業道になっています。植林が伐採された後なので,北側の展望は素晴らしく,近くでは淡路ヶ丸などがよく見えます。伐採された樹木が転がっているため,地面は歩きやすくありません。数本残された木の造形が美しく目を引きます。さらに尾根を西に進むと,なだらかな斜面の植林が広く伐採されています。この斜面は末広から見上げると目に留まります。青いネットが張られ,まさに作業中という感じです。大谷山三角点はそのネットの脇にあり,三角点自身はネットの外,赤白の棒は内に立っています。この付近の眺望もすばらしく,末広の村がよく見えます。ネットの内側は倒木だらけで踏み込む気にはなりませんが,処理の終わった付近は植林の断面が見えて綺麗です。

ここから尾根は南向きになります。雑木林が多いので若干藪っぽくなりますが,快調に歩けました。木立の間から安志側が見えてきます。植林もありますがひどい倒木地帯はありません。421mピークを過ぎ,さらに標高を下げて,最後は尾根を間違わないように南に進むと,神野溝口線と再会です。51鉄塔で,昭和14年のものです。若干レトロ(?)な形をしています。送電線からさらに南に進みましたが,そのまま尾根を進むと南西の三森の村に行ってしまうので,東に進路を取り,藪を抜けると大東山三角点です。これは金属のプレートでした。あとは南斜面の植林を降りて,街道沿いの畑に出てきましたが,ここでは獣避けのネットを抜けるのにちょっと苦労しました。この辺が最大の難所でしたので,送電線の巡視路を降りるのが正解かも知れません。

このコースは長丁場ですが意外と歩きやすく,展望もあるのでお勧めできます。アップダウンがありますので,足腰のトレーニングに向いているでしょう。2004年の台風のせいでしょうか,2001年の頃([1])と山の状況が大きく変わっているのにも驚きます。

展望 ★★★
藪山度 ★☆☆

2008年4月12日土曜日

末広から淡路ヶ丸

淡路ヶ丸は,安志の北の山です。インターネットでも登山記録がいくつも見つかります([1],[2],[3])。登り口は東側の末広にしました。最初は神社の裏から登ろうと思ったのですが,標識があり「見晴らしの丘へ」とあるのでそちらに行ってみました。この道は山を降りてしまい,見晴らしの丘は別の尾根にあるようなのですが,降りたところに沢の方に「滝谷」という標識があったのでそちらに行ってみました。ここには大きな堰堤があり,すぐに道は終わりです。しかし右手の尾根に登るのが目的だったので,堰堤の右手を登ると植林に出てきました。植林の中の作業道を登り,時には木に掴まって急斜面を登って尾根に出ました。これは正しい登り方のようです([1])。この後は植林の尾根を登り続けるだけです。

アンテナの残骸があり,2001年には地面に転がっていたキティーちゃんのイラスト入り水筒([1])が木に掛かっていました。この付近で軽装で作業をしている方がおられたので,ひょっとするともっと楽に登れるルートがあるのかも知れません。この付近の植林は比較的良く手入れがされています。下草がほとんど生えていないので歩くのは楽です。杉の植林の中に時々杉以外の大木が混ざっていることがあります。杉を植えるときに切らなかったのだと思います。今では高さは杉とほとんど同じですが,ずっと幹が太くて貫禄があります。新参者の杉が古株の大木に遠慮して生えているように見えました。

尾根近くの平坦地には井戸がありますが,事情はこちら([1])をお読み下さい。ずっときつい登りですが,頂上には50分ほどで着きました。富栖四等三角点(533.62m)です(写真)。淡路ヶ丸という名前は淡路島が見えるからということですが,現在は見通しが悪くて向かいの山も良く見えません。しかし,木が無くても淡路島は無理のような気がしますが・・・

頂上からは北にも歩けそうでしたが,尾根沿いに南下しました。この尾根は展望は全くありません。しばらくは開けた植林でしたが,479mピーク付近は倒木で埋まっていました。なんとか乗り越えると,またしばらく良い道になります。524mピークまで来ると,尾根にネットが張られています。なぜこんな場所にネットが必要なのか分からないのですが,かなり長く続きます。ネットを抜けずに歩いていくと,ネットは終わりますが,また倒木が増えます。結局西側斜面に林道があることに気が付きました([2])。この林道で,三谷峠まで降ります。ここには小さめの送電鉄塔が立っています。神野溝口線39です。昭和14年3月となっていますが,建設は昭和40年なので,建て替えたのでしょう。

ここから下河に降りたのですが,歩きやすい道を通っていたらそれは関電の巡視路で,40の鉄塔に行ってしまいました。三谷峠を通る破線道は県道522号名坂山崎線で,名坂側には「通行不能 幅員減少1.0Mこれより500M」という札が立っていますが,幅員減少と言うよりも道がほとんどありません。巡視路も鉄塔40は眺めが良くて良いのですが,次の鉄塔には行く気にならなかったので沢に降りました。

ぐるっと一周して3時間弱のコースでした。思いっきり急斜面を登ってみた人にはお勧めです。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★☆☆