2023年7月30日日曜日

国道29号線から大ボウシ直登

 


2023/7/15に波佐利山から下山するときに、大ボウシを通って国道29号線に降りるのは無理と諦めたのですが、地形図をよく見ると登りなら使えそうな尾根があることに気がつきました。いくつか候補があったのですが、とりあえずハサリ川から南に29号線を歩いてみました。すると谷があり、谷の西側は岩がそびえていますが、東側を登ってみるとすぐに植林に出ました。踏み跡かも知れないようなルートがありそれを登りましたが、木の根や草や岩に掴まらないと登れない急斜面でした。それでもなんとか植林までよじ登りましたが、登ってもまだまだ急斜面です。さらに少し登ると岩にワイヤーロープが巻き付けてあり、「国道29号若桜地区防災その2工事」と書いてありました。大岩が国道に落ちていかないよう縛ってあるようです。この大岩を登ると、少し楽になりました。この後は木に掴まって登るところは数か所だったと思います。巨大な岩が邪魔をするようなことはありません。藪もなく、ひたすら自然林の急斜面を登るので登山としては楽しめるのかも知れませんが、地形図で見ると1km以下の距離で標高差500m以上を登っています。標高900m付近で西寄りの尾根に合流するあたりは特に急斜面でした。とにかく2時間ほど休みながら登って、大ボウシの山頂に着きました。大宝三等三角点(1059.06m)があります。2015/05/27には北西の大野から登ってきましたが、自然林がとても気持ち良い山です。西隣のくらますも東隣りの赤谷山もネマガリタケで覆われていますが、この山にはなぜか全く生えていません。(写真)


気持ちの良い尾根を歩いて南に行きました。いくつか野生動物調査用のカメラを見ましたが、私も野生動物なので写っているのでしょう。標高差50m程度のアップダウンがあって、2023/7/15に来た1010m+付近に着きました。その時はここから下山しましたが、今回はもっと南から下山することにして、さらに南に歩きました。ちょっと尾根を行き過ぎてから戻って、974m地点を通り、長い登りの後で1090mピークに出ましたが、ここも気持ちの良い場所です。下山はその南から東に降りる尾根で、最初はとても急ですが、すぐに楽に降りられるようになりました。細尾根もありますが藪は皆無です。どんどん降りて行くと、最後はやや急斜面の植林になりましたが、すぐに林道があって、降りるとハサリ林道の小屋の南に出てきました。


展望 ☆☆☆

藪山度 ★★☆

地形図は「岩屋堂」です。



2023年7月24日月曜日

ちくさ高原を一周

 


梅雨があけて猛暑日が続くので、高原を散歩しようとちくさ高原に出かけました。鍋ケ谷渓谷の県道72号線を走って、道路が川を越える手前の駐車場に車をとめました。ここからススキの間を北に入る道があります。まっすぐ登っていきました。いちおう車の通れる林道で周囲は植林です。たたら製鉄で土を削り取ったあとの地形らしく、変な形に尖った小さなピークがたくさんあります。植林されているので見通しは悪いのですが、不思議な形に削り残されています。林道は東に歩くとススキが増えてきますが、問題なく歩けました。三角点を見に行くために林道から植林に入り、削り残しの尾根を歩きました。削った後なので急斜面が多く、登るとやせ細った尾根の上です。東に歩くと新口三等三角点(794.37m)がありました。


三角点から北に斜面を降りて林道に戻り、少し北に行くと舗装道路に出ました。天児屋のたたらの里につながる道ですが、植林の枝がかなり落ちていて、普通乗用車では走りたくない道です。しかし植林の中を軽快に歩けて、834mピークの西で南に曲がるところから北に一般車通行禁止の道に入りました。この付近も林道の分岐がたくさんありますが、地形図にある道を歩きました。地形も複雑ですがヒカゲノカズラの群生が見られます。915mピークの西では北の林道に向かいました。その後西に曲がった付近で地形図の北に延びる道は舗装道路となってさらに北に行っているようでしたが、西のピークに登りたかったので西向きの道を歩きました。ここにも地形図にない林道があり、それをちょっと南に行ってから西の斜面を登りました。この付近も地形は複雑です。急斜面を一生懸命登るとピークの向こうは繋がっておらず急斜面を下る羽目になったり、ピークを越えるとまた林道があったりと、元気の出ない山登りですが、地形は面白く、削り残した細い尾根がうねうねと続く上を歩くのは楽しいものです。1000m+ピークも、越えると西側は林道がターンしており、ちょっと北に歩けば今度は東から北に林道が通っていました。もっと登って1050m+の小ピークの下にも林道の終点があり、このピークを越えればまた林道が西側でターンしており、さらに1070m+でも南から来た林道の終点がありました。つまり、林道で登れる山です。1078m付近は木も少なく下草もなく、風の涼しい場所でした。


1078mピークからは東側下に林道があるのを見ながら尾根を降りましたが、林道が尾根をよぎる所まで来て、林道を降りることにしました。地形図にはありませんが、東の斜面を曲がりながら降りていき、ちくさ高原の北の実線道に繋がっています。この林道はちくさ高原に向かう舗装道路とクリンソウ群生地の付近で接しており、そこからは東側に林道が2本ありますが、ここは南の山に登りました。この付近も削られた跡らしく意外と急斜面で木に掴まって登りましたが、登れば削り残しの細尾根で西側は崖、東側下方には林道という感じで、植林を歩いて西河内四等三角点(921.59m)に着きました。そのまま尾根を歩いてやや急な斜面を降りていくと、地形図通りに北側に林道がありました。この付近は荒れ気味ですが谷には岩が転がっています。最終的には出発点に戻ろうと東に斜面を降りると、下に林道がありました。法面を降りるのに苦労しましたが、結局林道が東に折り返す地点で降りることができました。折り返したすぐ下が、登り始めた林道でした。


展望 ☆☆☆

藪山度 ★☆☆

地形図は「西河内」です。



2023年7月22日土曜日

美作市立木から県境の尾根

 


岡山県右手の梶並川沿いにはトムソーヤー冒険村とか、家族で楽しめるレクリエーショ施設がたくさんあります。そんな中を、北の鳥取県との県境の尾根に行ってみました。とりあえずは右手の立木付近から北に延びる道を歩き、東側の尾根に上がりました。ちょっと植林を登れば歩きやすい尾根に上がれます。あとはひたすら尾根歩きで、ときどき地面にいたセミが体当りしてくる以外は問題なく登って行けました。岩場がありますが、巻き道がちゃんとありました。これを過ぎれば津谷山四等三角点(572.01m)です。この先はコンクリートの杭に針金を5本通した境界が続きますが、針金が錆びているのであまり障害にはなりません。尾根はくねくねと曲がりますが、地形図を見て北に行きました。植林が多く歩きやすい尾根です。しばらく歩くと、巨大な関西電力の山崎智頭線七八鉄塔がありました。さらに北に歩くと、地籍図根三角点のある684mピークに着きました。ここからは東方向に歩きました。アップダウンはありますが、県境だけあって歩きやすい尾根です。地形図で破線道が尾根を横切っているところまで来ると、かなり深い切通しがありました。この切通しで切られている県境の尾根は両側で道があり、切通しでバッサリ切られていました。ですから、この切通しは比較的新しいものでしょう。切通しには古そうなお地蔵様がありましたが文字はほとんど読めません(写真)。切通しからは北に尾根の道を歩き、切開きに滑谷三等三角点(732.57m)を見つけました。Google Mapでは「山の神山」となっています(もうすこし北のピークのことかも知れません。


ここから引き返し、切通しを通って684mピークに戻りました。ここで西に進路を取って、県境を歩きました。ここも歩きやすい尾根で、踏み跡もあるようでした。多少のアップダウンはあり、地籍図根三角点も幾つかありました。657mピークを過ぎ、次のピーク付近からは植生が若干変わり、シダも生えています。ここの660m+ピークから南西に降りて640m-の鞍部に来ると、「草の原 古道谷 峠地蔵尊跡」と彫られて石がありました。ここが昔の峠ということで、下山してみようかとも思ったのですが、谷道なのでやめて、坂を登って山崎智頭線八〇鉄塔に行きました。ここからは鉄塔の建設に使ったと思われる道が西に延びていますが、道は歩かず久岳四等三角点(670.5m)に行きました。この付近もシダが茂っています。西に降りると林道津谷線に出ました。峠には宝暦時代の出逢い地蔵があり、これは先程通ってきた所にあったものを移設したようです。林道を降りて下山もできましたが、炎天下なので林を歩こうとさらに西に歩きました。ちょっと登りもありますが県境を歩いて660mピークから南に行き、本谷奥南四等を(682.52m)まで行きました。標石はシダに埋まっていました。


少し引き返して、鳥獣保護区の赤札が地面に落ちているところから東の尾根を下山しました。自然林や植林を歩いて、ちょっと登って636mピークに上がり、東に降りていくと、道を見つけました。これは遊歩道で、倒木などもありますが歩くには困らず、ジグザグに斜面を降りて行きました。階段が作られている所や案内板もあり、「秘密の冒険基地」もあるようで、最後は観察小屋にでてきました。地形図の破線道とは少し違いますが、とにかく同じ地点に降りてきました。あとはキャンプ場の脇を通って下山しました。


展望 ☆☆☆

藪山度 ★☆☆

地形図は「大背」です。



2023年7月15日土曜日

ハサリ川から波佐利山

 


この夏3回目のハサリ川ですが、今回は林道を終点まで歩いて波佐利山に登ってみました。おなじみになった林道を歩きました。分岐点を過ぎ、2023/6/20に赤谷山から降りてきた付近を過ぎると西側の植林がなだらかになり、この付近を下山点に決めました。鍵のかかった小屋があり、タイヤのしっかりした車ならこの付近まで登ってこれるようです。しかしこの先は倒木もあり、谷が分かれている付近では西からの谷の水が溢れて幅広く道路を流れていました。林道はさらに先があり、地形図通りに終わっていました。ここにはバイクがUターンしたらしき跡が残っていました。この先には堰堤があり、「平成14年度 ハサリ国有林 谷止」だそうです。付近を見渡すと、西側の斜面はあまりに急で登れそうもないので、谷を渡って東側の斜面を登りました。最初は木に掴まりながら這いつくばって登る急斜面でしたが、標高差100mほどを登るとやっと木に掴まらずに登れるようになりました。徐々に勾配は緩くなりましたが、県境の尾根までは標高差300mくらい残っています。きれいな自然林で、休みながら登っていき、国道29号線から登り始めて2時間ほどで県境に到達しました(林道歩きがほぼ半分)。ここも気持ちの良い自然林です。


県境の稜線を西に歩きました。少しチシマザサが生えていますが、歩く邪魔になるほどではありません。少し歩いて1087m地点付近に来ると、南の音水渓谷の奥の斜面には木が生えておらず、きれいな草地になっていました(写真)。稜線上も少し草が生えていますが、問題なく気持ちよく歩けました。ちょっと高山という感じの尾根です。アップダウンも少なく、1166mピークから歩いていくと「しそう天空回廊 三室山~戸倉峠ルート」の札があり、宍粟50名山波佐利山に着きました。波左利三等三角点(1191.68m)があります。展望はありません。


ここからは2015/05/27の逆コースで北に向かいました。一旦戻ってから西に分かれ、1100m+鞍部に降りて登り返し、1130m+ピークの「九九」の標石から北に向かいました。この尾根は2015/05/27に大ボウシから歩いて来ましたが、こちらも下草の無い歩きやすい尾根です。植林もありますが、きれいな自然林が続きます。1090mピークの付近もきれいな場所でした。このあと974m地点を過ぎ、ちょっと登って1010m+付近から東に降りました。大ボウシまで行ってしまうとハサリ川や国道29号線に安全に降りられそうな尾根は地形図では見つかりません。この尾根がこの付近では地形図で見ると一番緩やかだったのですが、そうは言っても標高900m付近は木に掴まって降りるような急勾配で、少し南寄りに降りすぎて方向を修正しました。この後は緩やかになり、ちょっとアシビの多い場所もありましたがヤブは全く無く、小屋のある付近に降りてきました。


展望 ★☆☆

藪山度 ★★☆

地形図は「岩屋堂」です。



2023年7月2日日曜日

斉木から内海へ

 


国道429号線の鳥ヶ乢トンネルは、東の波賀町、西の千種町をつなぐトンネルですが、東と西では200mほどの標高差があります。峠越えの旧道もありますが、歩いて東西を行き来していた時代には峠があったはずです。一つは北の峠で西は荒尾に抜けますが、地形図を見るともう一つ、南の内海に抜ける道があります。これを確認しようと行ってみました。


前地から国道429号線の坂を登り、旧道に入りました。すぐに大きくUターンしますが、ここに南向きに草の生えた道があります。少し登ると空き地があり、すぐに大きく崩落した斜面の下に出てきました。ここは国道からもよく見える斜面です。ここから谷沿いに背の高いススキの茂った道があり、植林に入るところで終わっていました。地形図の破線道は西側斜面に描いてありますが、東側のほうが緩やかなので、まず谷を渡って東側に行きました。この日は雨の後でしたが、この谷の水量は少なく、楽に渡れました。この付近はおそらくカンナ流しの跡で、段々畑に変えられ、いまは植林です。少し東側を歩くと西側に渡れる所があったので西側に移ってしばらく登りました。岩と間伐材が転がったジメジメした谷です。地形は登るにつれてますますカンナ流しの跡らしくなり、周囲は起伏が増えましたが、地形図の破線道に沿って谷の奥に進みました。道があるわけではありませんが、植林なので谷も登りやすく、大きな水流もありません。最後は地形図で見ると非常に急な斜面ですが、そんな感じはしませんでした。


登り切ると複雑な地形の植林で、破線道どおりに西に歩きました。破線道に相当する道はありませんが、そのまま西に降りようと思ったら、斜面に水平に作られた道があり、水が流れていました。雨の後なので道に水が流れているのは不思議ではありませんが、道の谷側が上がっていて形は水路です(写真)。コンクリートなどを使わない水路とは珍しいものです。どこへ行くのか興味があったのでそのまま水路に沿って北西に歩くと、最後は鳥ヶ乢越の旧道に出て、水はその下を通って西側の田んぼに流れているようでした。こうなると水源を確認したくなり、旧道を少し南に歩いてから地形図の破線道に入りました。すぐに植林に入って消えて今いましたが、そのまま谷を登ると先程水路に出会った付近に着きました。ここから水路を上流に向かってたどりました。植林の山裾を少しずつ標高を上げながら続いていましたが、700m+のピークの西側の谷で曲がるところで土砂崩れで止まっていました。現在この水路を流れている水は、この谷を北から流れ落ちて来ている水です。水路はここからさらに谷沿いに東に続いていますが、水はありません。もともとの水の取り入れ口は、さらに東に行った、谷の水が大きく曲がりながら流れている付近でした。


水路の源流はわかりましたが、さらに谷を東に歩きました。谷を挟んで南側には2022/04/09に内海から登ってきた林道が走っています。林道は使わず、谷の奥から南の植林を登りました。美しい植林を登ると710m+の鞍部付近に出てきて、東側の谷では林道がUターンしていました。ここから東に尾根を歩き、2017/08/20と2022/04/09にも来た流田四等三角点(731.06m)に着きました。シダが茂っていて標石を見落とすところでした。ここからは引き返し、10m+鞍部の手前で南の尾根に進み、植林を曲がりながら歩いて2つの690m+ピークを過ぎて北に降りました。この付近は地形図では等高線の間隔が広く緩やかですが、カンナ流しの跡の植林です。少し降りると自然林もありますが、等高線の間隔が広くなるとまたカンナ流し跡の植林です。カンナ流しの跡は起伏が多く、迂闊に歩いていると急斜面の上に出てしまうこともあるので、そうならないように事前に谷に降りたこともありました。植林なので下草もないのですが、急斜面だらけでした。急斜面をなるべく避けて降りていると、徐々に西寄りに降りてしまいました。こちらは地形図では谷に破線道が描かれていますが、谷は湿地で道はなく、山裾を東に歩くと金網のフェンスがありました。抜けられるか心配でしたが、ちゃんと扉があり、それを出ると七社神社でした。


展望 ☆☆☆

藪山度 ★☆☆

地形図は「安積」です。