2011年4月29日金曜日

越知から登る多可の天空


ちょっと足慣らしに、急勾配を登ってみました。場所は粟賀町の東、越知で、ここから東の主尾根、別名「多可の天空」まで登ろうというものです。自動販売機しかない越知の「川の駅」に車をとめて、正面の尾根に登る方法を探しました。しかし植林の下にフェンスが見えて、簡単には登れそうもありません。よく見ると民家の裏に小道があるのに気が付いたので、それを登ると案の定扉がありました。いかにも不法侵入的な入り方でしたが。

ここは谷なので、真っ直ぐに登って行けば尾根に出られそうでしたが、右手を見ると岩場があって、洞窟が見えたので、そちらに行って少し洞窟を覗いてから、その上の尾根を登りました。地形図では岩場マークの上になりますが、岩っぽいけれども歩き易い、急な尾根でした。ちょっと疲れた頃に平らなところに出ると、向野四等三角点(475.37m)がありました。周囲は伐採してあります。

ここからはひたすら林の中の急斜面を登りました。単調なようですが、意外と飽きません。650m付近で左手からの尾根と出会うところには、大きな岩がたくさんありました(写真)。この付近の岩は節理が発達しており、きれいに板状に割れています。そのため風化して丸くなった岩よりは鋭角に尖った岩が多いようです。そんな岩を見ながら登ると、700m付近の展望の良い付近で「地籍図根三角点」と書かれた金属のプレートを見つけました。ここからは越知川の反対側の山並みが展望できます。その上の750m付近はミツマタの花が咲いており、南に越知川沿いが望めました。ここは伐採した木を降ろす作業の跡地のようです。810mまで登ると尾根はやや平らになり、植林の中を楽しんで歩きました。この付近に東別四等三角点(842.69m)があるはずですが、持っていた地形図には無かったので見落としました。そして、主尾根に出てきました。「多可の天空を歩く 仙人ハイク縦走コース」の札が立っており、多可町仙人ハイキングの紙に、ここが飯森山南であると書いてありました。

飯森山まで往復しても良かったのですが、標高は飯森山南と同じくらいなので行かず、予定どうり南に歩きました。尾根道はよく整備されており、植林も綺麗です。あちこちの石に赤いペンキで矢印が書いてありますが、すべて南を向いています。北に歩く人はいないのか、気になりました。多可側の展望が得られる場所もあり、巨石やミツマタの花もありますが、上り下りも結構ありました。しばし歩いて次の「多可の天空を歩く 仙人ハイク縦走コース」の札は、奥山四等三角点(731.41)にありました。これは金属プレートです。ここからは西に尾根を降りて下山しました。

この尾根も歩き易く、まったく苦労はありません。岩の形を楽しみながら歩いて、650m付近の分岐を南に進むと、600m付近でちょっと藪っぽくなりましたが、すぐに高圧線の鉄塔に出てきました。生野支線21です。昭和8年建設となっています。この鉄塔はきれいに石を積んだ石垣で囲まれていましたが、この付近の石は四角いので、石垣には向いていそうです。鉄塔から少し藪を進むと、共同アンテナの下に種林四等三角点(593.43m)がありました。ここから下山することもできそうでしたが、林道に出るとかえって大回りになるので、送電線の巡視路で降りることにしました。まず北にまっすぐ22鉄塔まで降りました。ここからは林の中の作業道を降りて、23鉄塔に出ました。この先は巡視路を見失って、石と灌木の多い尾根を降りましたが、間違いに気付いて北の谷にトラバースすると、道がありました。降りてきたところに赤い「火の用心」が立っていましたが、ここにはちょっと面白いものがありました。この山は周囲を飛び越せるくらいのコンクリートの溝で囲まれているのですが、山から流れてきた水がこの溝をコンクリートの橋で越えていました。周囲には垣根のような石積みがあり、牧畜にでも使われていたのかも知れません。

3時間ほどで一周できる短いコースでしたが、節理の多い岩のおかげで結構楽しめました。

展望 ★★☆ 
藪山度 ★☆☆
地形図は「生野」です。

2011年4月24日日曜日

山崎町塩山から塩地峠まで


志文川沿いの山崎町塩山の南西には、携帯基地局のアンテナが二本立っている山があります。この山の東側は自然公園に整備されているようですが、この付近から北の塩地峠までの尾根を歩いてみました。

塩山から細い舗装道路が村の中を通って西に延びています。軽四以外では登りたくない細い道ですし、斜面の崩落箇所もあります。稜線まで登ると切り通しがあり、西側から北の稜線に登る踏み跡があります。最初は稜線沿いに切り開きがありますが、すぐに西側に降りてしまうので、千種川の展望をちょっと見てから尾根に登りました。ここからは縦走です。ここは宍粟市山崎町と佐用郡佐用町の境です。

歩きやすい、何の変哲もない尾根です。アップダウンは地形図どうりにありますし、尾根を間違いやすいところもあります。しかし、大体は木の間隔が広い雑木林でした。東に志文川、西に千種川の風景が見えることもありますが、岩場が少なく木が茂っているため、一般的に展望はあまりありません。コバノミツバツツジが咲いていました。加賀須四等三角点(480.30m)(写真)の周囲にも咲いていました。

特筆することの少ない尾根ですが、最大の難所は次の三角点の手前の鞍部でした。ここは倒木地帯となっています。稜線からはずれても倒木があり、結局少し東に降りてから尾根の中央に戻って乗り切りました。その後、三角点までは急斜面で、倒木後なので疲れました。倒木地帯からは展望が得られましたが、小河内四等三角点(548.28m)は森の中でした。この山は「豆腐ヶ市」と言うようです([1])。

この後は、やや植林が増えてきた感じでしたが、歩きやすいのは変わりません。最後は塩地峠三等三角点(529.01m)に寄り道しましたが、ここも気持ちの良い森の中です。三角点から東に降りると切り通しがあって、ここが塩地峠でした。特に何もありません。東側も伐採されてかなり荒れている感じでした。

塩地峠からは南に下山しましたが、道は狭い林道で、地形図の破線道とは違った場所を通っています。分岐も多くて迷いましたが、結局地形図よりはかなり南で実線道に出てきました。ここにはお地蔵さんがありました。試しに実線道を突き当たりまで北に歩いてみましたが、破線道との分岐付近には歩けそうな道がありましたが、はっきりしません。その先の実線道は倒木が多くて通れませんが、周囲はミツマタが群生していました。南に歩いて県道154号線に戻りましたが、途中の道の脇に四角い石があるのでよく見ると道標のようでした。字は判別できませんでした。県道には「史跡 千種鉄の道 塩地峠」という碑が立っていますが、史跡がどこにあるのか気がつきませんでした。

尾根は3時間も歩いてませんが、気持ちの良い尾根なので、ゆっくりと落ち葉を踏みつつ、きれいな空気を歩きながら歩きたいものです。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「土万」「千種」です。

2011年4月17日日曜日

川上から砥峰高原


先週は川上から平石山方面に歩きましたが、今回は西に砥峰の方に歩いてみました。まず林三角点に登ったのですが、今回は東側から行ってみました。川上小学校のところで道を東に折れて坂を登り、村はずれにある鹿避けの扉を抜けると、いきなり植林の中に出ました。この谷はナメラ谷と言うようです。手入れのよい植林に簡易舗装の道が延びていますが、だんだん荒れてきます。地形図にある堰堤のところでは道が一度大きくターンしています。分岐も多く、東側の山では植林活動が盛んなようです。

谷を進むと舗装道も終わってしまい、歩きにくい植林の作業道になります。どこが道なのか分からない所がほとんどです。西側に登りやすそうな場所もありましたが、ずっと東側を歩きました。岩塊流とでも言うのでしょうか、大きな岩が広い谷を埋め尽くしています。谷は徐々に狭くなります。谷が分岐している所もあり、地形図ではそこで破線道が西の谷に行っていますが、そちらの谷を歩くのは無理そうなので、そのまま東の谷を歩いていると、はっきりした作業道が現れました。それを登ると峠に出て、「ナガソウ」「川上」「桑ノ木谷」の道標がありました。先週林三角点からヒシロガ峰へ行く途中に通った地点です。ここから先週は下った急斜面を逆に登ると、広々した頂上に出て、林四等三角点(914.81m)に再会しました。砥峰高原と暁晴山が良く見えます(写真)。山頂付近の広い谷の風景は、八幡山と似ていました。

ここからは尾根歩きと思っていたのですが、西に尾根を降りると地形図の破線道の峠のところを林道が通っていました。「川上」「川上」「ナガソウ」の道標が立っていました。林道は南側では東に曲がっているのですが、こちらも「川上」です。破線道は地形図どうりで、お地蔵様がありました。つまり、この三角点に登りたければ、川上から砥峰高原に向かう道路を歩いて、「トノム子」「川上」「ナガソウ」という道標のあるところから破線道を登るのが正解ということになります。ただしこの付近は現在大規模な土木工事が行われているので、今はあまり近寄りたくありません。

お地蔵さんの上から尾根に上がって、縦走の始まりです。とても気持ちの良い尾根でした。まだ木に葉が付いていないので、展望もありました。ただし植林の木が束になって倒れている場所もあって、巻いて歩いたりもしました。この付近は展望も良いのですが、谷が美しい場所も多く、植林も手入れが良くてきれいです。最後は急斜面を登ると、砥峰の頂上です。川上三等三角点(972.15m)がありました。周囲は伐採してありますが、その割には展望はあまり良くありません。

砥峰からの下山は西の尾根を歩きました。すぐに南側に土手が続くようになりましたが、これは砥峰高原が馬の放牧場だった頃の名残のようです。土手に沿って尾根を降りると、送電線の鉄塔がありました。草木南小田第一線55号鉄塔(昭和11年建設)は少しは鉄塔らしいのですが、そこから降りた所にある54号鉄塔は電信柱と大差ありません。この送電線は地形図では砥峰高原を横断していますが、現在は東側に迂回するようになっています。そのため、迂回している部分の鉄塔(というよりは電柱)の番号は、56外なんとか、という変則的な番号になっています。景観はともかく、送電線が横断していたら山焼きは困るでしょう。送電線沿いに急斜面を降りて、舗装道路に出ました。目の前に砥峰高原が広がります。山焼きの後なので山火事後のような風景ですが、木がないので日本の山地では見られない不思議な風景になっています。

砥峰高原を散策してから、帰りは旧道を使いました。地形図では866mピークの南を通っている破線道です。整備された舗装道路なのですが、荒れ果てており、入口に「この先路肩崩壊通行できません」という標識が立っています。これで下山するのは正解だったと思うのですが、南の三角点を見たくなって、途中で尾根に乗りました。これは植林の尾根で、「NHKケーブル埋設」と書いた杭が立っていました。片角四等三角点(775.07m)も植林の中で、あやうく見落とすところでした。この先は植林の中を尾根を降り続けました。最後はかなりの急斜面を木に掴まりながら降りましたが、木がまばらで困りました。畑があるため鹿避けの金網が張ってあって出られず、かなり西に歩いて出入口を見つけて、やっと川上に戻れました。

最初と最後はかなり変則的な道を歩きましたが、ここをもっと楽な道で歩けば、初心者にも歩ける良いコースだと思います。

展望 ★★☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「神子畑」「長谷」です。

2011年4月10日日曜日

川上から登る平石山


そろそろ雪もなくなる季節なので、久しぶりに神河町の山を歩いてみました。犬見川を遡り、巨大な長谷ダムを過ぎて、川上の集落に入りました。ここに車をとめて、まず大歳神社を見に行きました。神社の裏から尾根に上がろうと思ったのですが、鹿避けの柵があってうまく入れません。結局神社の西側の道を谷沿いに登りました。鹿避けの扉を通って、まずは地形図にある道を登りましたが、これは地形図通りに終わっていたので、そこから東に谷を登って、目的の尾根に出ました。やや平らな部分に出ましたが、ここには以前に何かがあったかのごとく、石が山積みになっていました。

ここからは植林の倒木の多い尾根を登りました。かなり傾斜がきつくなってきたところで、地形図にある林道に出ました。実は林道にネットがあったらどうしようかと心配だったのですが、ネットもなく、林道の下側に捨てられた倒木が溜まっていることもありません。とりあえずはしばらく林道を北に歩きました。途中に、林道に沿って北に向いた「ナガソウ」という道標がありました。しかし林道歩きは飽きるのと、左手には登りやすそうな尾根があったので、尾根を登ることにしました。するとちょっと登ると860m付近に地形図にはない林道がありました(航空写真にはあります)。この二つの林道は、東側で繋がっています(Google Earthによる)。そして再び尾根に取り付いて登ると、林四等三角点(914.81m)がありました。付近は広々しており、気持ちの良い場所でした。

三角点から西へ行けば砥峰に行けますが、今回は北東に尾根を降りました。地形図では途中で破線道が横切っていますが、これは無かったと思います。その北東はピークまで行くと行きすぎで、手前を東に降りると鞍部に出てきます。ここには、北向きに「ナガソウ」、南向きに「川上」、東向きに「桑ノ木谷」と書かれた道標が立っています。「ナガソウ」も「桑ノ木谷」もどこのことか不明ですが、とにかく東に尾根を登りました。長い登りですが、勾配は緩やかです。1000m超の稜線に出ると、気持ちの良い尾根歩きが楽しめます。南側は植林、北側は自然林で目の前に千町ヶ峰が見えます。しばらく歩くと神河町と朝来市の境になっている尾根に出ました。ここがヒシロガ峰で、段ヶ峰やフトウガ峰が見えます。

ここからは稜線沿いの尾根歩きです。とても気持ちが良く歩き易い尾根でした。1040mピークで南に折れて、東側の展望を楽しみながら歩くと、平石山に出ました。栃原三等三角点(1061.22m)がありました。付近は広く平ですが、アセビが生い茂っており、歩き易くはありません。ここからは南西に尾根を進み、1051m地点と1067m地点を通りました。地積調査のテープが目印になります。1067m地点の先は東に進みますが、ここはアセビの茂みになっており、抜けるのに苦労しました。尾根から北か南に降りて歩いた方が楽だと思います。この先もアセビをかき分けながら歩くところが多いのですが、踏み跡があります。高星山もアセビに覆われており、新田三等三角点(1016.39m)もアセビに囲まれています(写真)。この付近の地形については、[1]に解説があります。

あとは下山ですが、高星山の北の1000m+ピークまで戻って、西に尾根を降りました。最初は気持ちの良い尾根ですが、だんだんと倒木が増えてきて、藪っぽくなります。850mを切ると今日始めてお目に掛かるネットが現れました。このネットは北西の尾根に降りて行くので、西へ下る尾根に移りましたが、ここにもネットがありました。しかもネットが現れるのと同時に尾根は藪になり、歩きにくくなりました。しばらく我慢して歩くと、725m地点の少し上で広々した場所に出てきました。この先は南西に降りて県道39号線に出る予定でしたが、県道を歩くのは嫌だったので、ミツマタの花が綺麗な北西の植林を降りました。ここは作業道しか無く、斜面は急ですが、ミツマタの群生が花を付けており、見事な眺めでした。最後は普通林道南山線に出ましたが、ここでもミツマタの花に圧倒されました。

5時間近くかかりましたが、歩き易いルートだったと思います。アセビの藪というのは珍しく、この付近には鹿が多いことを暗示しています。

展望 ★★☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「神子畑」「長谷」です。

2011年4月3日日曜日

山崎町西の外れの下河野三角点


先日志文川上流から東側の山並を歩いたときに、西側の山が気になりました。そこで今回はその志文川西側の山に登ってみました。県道154号線を北上し、車を谷の集落の北にある林道ツヅラ線の分岐付近にとめて、北側の山に登りました。これが道路からよく見える山です。南西の斜面を無理やり登ると、作業道がありました。斜面を横に走っていて、頂上に登るには向いていなさそうだったので、しばらくは斜面を真っ直ぐ登りました。しかしそのうちに疲れてきて作業道を北に歩きました。何度か折り返して、最後は稜線の鞍部に出てきました。ここは切通になっています。南東の尾根を登って、407mピークに行って、引き返して北に急な尾根を登りました。葛篭谷四等三角点(517.15m)は先が数cmだけ落ち葉から出ていました。

あとは快調な尾根歩きです。迷い易いところはありません。倒木や潅木がありますが、藪というほどでもなく、650m+ピーク、630m+ピーク、650m+ピークと、どれも落ち葉と倒木と灌木でした。これはこの先も続き、680m+ピークは倒木が多かったと思いますが、それでも歩くにはあまり支障はありません。ただし、ここから何度か尾根を乗り換えねばならず、よく現在位置を確認しないと迷います。次の680m+ピークからは西側の尾根に乗り換えましたが、この鞍部の北側にはネットが張られ、良い道が見えていました。それを無視して尾根を乗り換えて、真っすぐ北に歩いて、下河野四等三角点(720.90m)に着きました。倒木の間から北側の展望があり、ゴルフ場が見えました。

三角点の東側には地形図では破線道がありますが、これはよく整備された道のようです。三角点の南東側、破線道の東側斜面は倒木処理が進んでいました。当然のことですが、この付近に来るなら北から来るのが早いと思います。帰りは南に旧町境を歩きました。こちらも雑木林の尾根ですが、登りに歩いた尾根よりも若干歩きにくかったと思います。650mを切るあたりから東側に谷が見えて、最後は尾根とほとんど同じ高さになります。この谷に降りて林道に出て下山することもできたと思いますが、谷筋は倒木があると歩けないので、尾根を進みました。この尾根からは、木々の間に千種川流域が見えることがありましたが、夏は葉が茂って見えないかも知れません。

630m+ピークへの登りは急ですが、ここは少し登ったところで西にそれて、西の尾根に乗るのが正解です。この先はツヅラ林道の谷のどん詰まりに相当する鞍部を通って、倒木の多い急斜面を登って646mピークに出ました。町境はここで西に行きますが、そのまま南東に進んでから南に降りて、さらに少し西側の尾根に乗って、579mピークへ進みました。この付近は、意外と分かりやすかったと思います。578mピークは倒木だらけでした。この付近の尾根の倒木は切ってあることが多いのですが、切った木を片付けてないので結局は幹を乗り越えて歩くことになります。

578mピークからは、倒木が多いのを我慢して東に尾根を降りて、500m付近から南に降りました。この付近はかなり急でしたが、掴まれるくらいの間隔で植林した木が生えているので、さほど苦労なしに降りられました。足元の落ち葉は滑りやすくて困りました。この尾根には道はありませんが、歩くのはさほど大変ではなく、最後は植林の中の作業道に出ました。ただ、それを歩くと大回りになりそうなので結局最後まで斜面を降りました。出てきたところはちょうど太い作業道が川沿いの道に出てくるところでした。

往復で4時間のコースでした。はっきりとした道のあるところは少ないのですが、歩くのに困るような所は少なく、典型的な山歩きコースだと思います。

展望 ★☆☆
藪山度 ★☆☆ 下山は特に注意
地形図は「千草」です。

2011年4月2日土曜日

高尾川から登る黒尾山


黒尾山には何回か登っていますが、高尾川からは初めてです。高尾川の南にある送電線の走っている山を最近登りましたが(2011/03/12)、その時に高尾川を挟んで北に雄大な山並みが見えて、登りたくなりました。そこで高尾川からその山並みを経て黒尾山に歩きました。

与位から高尾川沿いの林道高尾線を走りました。舗装が切れてからしばらく走ると、川に橋が架かっています。ここが地形図で閏賀に峠越えの破線道が延びている地点です。この付近は倒木処理と思われる作業が行われており、川を渡ると重機が何台かありました。そして地形図の実線道から破線道まで、林道というか作業道が延びていました。最終点は峠のすぐ下ですが、林道の終点から峠の鞍部までは道が無く、倒木も多い急斜面なので、ちょっと大変でした。峠の閏賀側は作業道が登ってきており、さらに東に延びていました。高畑山を歩いた時(2009/08/18)より、もっと道が延びているようでした。

ここからは黒尾山を目指して尾根歩きです。全標高差600mです。最初は倒木が多い急斜面です。我慢して登って、550m付近に来るとだいぶ楽になりました。そして、600mを越すと関西電力の閏賀反射板(海抜高631m)がありました。高さ15m、反射板の大きさは4m角で、のっぼの反射板です。これで峠にあった矢印の形の火の用心の意味が分かりました。関電は鉄塔には縦長長方形、反射板には横長矢印の「火の用心」を使っているようです。

尾根はやや南向きに曲がって、高尾川流域が見えるようになると、河原山四等三角点(798.34m)がありました。落ち葉の間で4枚の石に囲まれています(写真)。この先も尾根に道がありますが、大きな岩があって巻いて歩いた所もありました。ところどころ北や南の展望があります。893m地点を過ぎると、灌木が増えてきて、ネットもあるので歩きにくくなりますが、切り開きがあります。最後は黒尾山の南の鞍部に出て来ました。ここは地形図では一宮町杉田から谷沿いに破線道が登ってきているはずですが、見あたりません。ここから笹藪っぽい尾根を登ると、登山道に出てきました。真っ直ぐ登って黒尾山に着きました。荒れ果てたアンテナ塔と黒尾山二等三角点(1024.67m)があり、展望抜群ですが、この日は春霞なのか、遠くの山は山水画のようでした。

下山はまず登山道を野々隅方面に降りて、東に折り返して登ってきた時に通った鞍部を過ぎ、南に歩いて適当なところで林道に降りました。そして林道の終点まで南へ歩き、送電線を見に登りました。山崎智頭線16号です。ここから巡視路を伝って下山する予定でした。しかし赤い「火の用心」は、そんなにたくさんある訳ではありません。すぐに道に迷って、870mピークの方に降りそうになりました。少し戻って、慎重に東に尾根を降りると、植林の中の作業道に黒いプラ階段があって、巡視路であることが分かりました。少し尾根を降りると、左黒尾山、右水剣山と与位、下関電15経由与位、と書かれた分かりやすい道しるべがあって、ここから東に尾根を降りました。巡視路なので歩き易く、ネットの入口を開けて、15号鉄塔に降りることが出来ました。

問題は鉄塔から下で、巡視路はありません。とりあえず尾根の中心部を笹をかき分けて降りるとネットがあり、出られません。周囲を見渡してネットが倒れている場所から出て、さらに尾根を降りました。道があるところと無いところがあって、どうにも歩きにくい尾根です。ところどころ木や草が生えていない展望の良い場所もありますが、倒木処理の跡もあり、切り開きがあるとは言え気楽に降りられる尾根ではありません。最後も中途半端な倒木処理後の急斜面に出て、倒木の少ないところを探しながら降りると、林道高尾線に出ることができました。巡視路は降りた尾根の南の谷を通っているようですが([1])、鉄塔の周囲を見た限りでは降りる道は見つけることができませんでした。あとは林道高尾線を歩いて車に戻りました。

全部で5時間かかりました。標高差800mを登りましたが、それよりも倒木や藪を抜ける方が疲れました。

展望 ★★★
藪山度 ★★☆
地形図は「安積」です。