2009年5月31日日曜日

安富町の奥中山三角点

姫路市安富町安志から北に林田川を遡ると、安富ダムの手前に安富北小学校があり、そこで東に川を渡ると栃原川を遡ることになります。栃原川と林田川に挟まれた山並みは南北に延びる長い尾根を持ち、北の端には鎌倉岳(725.5m)があります。今回はこの尾根を南から奥中山三角点まで歩いてみました。

登り口は地形図で小学校の北に描かれている林道にしました。鹿避けの扉を通って登っていくと、舗装道路は墓地で終わり、林道はそこで大きく曲がって北に延びています。その後尾根に突き当たって林道は東に曲がりますが、曲がらずにまっすぐ尾根に登りました。植林の作業道があります。あとは主尾根を目指してひたすら登りました。最初は歩きやすかったのですが、途中から倒木が増えて、南側の植林に降りて歩くことが増えました。かなりの急坂です。そして最後は大きな岩が立ちはだかっており、これを巻いて主尾根を目指すと、460m+のピークに出てきました。

ここからは割と歩きやすい尾根で、ときどき西側に展望があります。写真は494m地点から見たもので、手前に518mピークと550m+ピーク、その背後に野々上三角点のある597.7mピークが見えます。この先は倒木が増えてペースが落ちました。西側の斜面に降りて巻けば歩けましたが、あまり楽しめる尾根歩きではありません。倒木を乗り越えて奥中山四等三角点(530.8m)に着きました。三角点付近は展望がありませんが、少し手前からは黒尾山が見えていました。

下山は西へ神社に向かって降りる尾根を予定していましたが、主尾根からこの尾根に降りようとしても倒木だらけで、尾根がどこにあるのかよく分かりません。結局断念して、南側に降りることにしました。南には杤原水尾神社があり、この神社の裏手に延びる尾根にはほとんど倒木がなく、大正解でした。最後は少し藪っぽくなり、鹿避けの金網にぶちあたったので、神社の裏手まで回って出入り口を見つけて神社に出てきました。あとは栃原川から林田川へ歩いて出発点に戻りました。この時に小学校の北で人家が途切れた付近に、鹿避けの金網に出入り口を見つけました。この地点も見上げるとかなりの急斜面ですが、ここから登るのが正解ではないかと思います。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★★

地形図は「山崎」です。

2009年5月30日土曜日

生栖の行者山とユリ三角点

生栖の行者山は、宍粟50山に入ったために道が整備されたようです。登山道は二つあります。一宮から生栖へ揖保川を遡ると、生栖に「行者山登山道」と書いた石碑と杭が立っていますが、石碑の方は村の南の林道から、杭は北の林道から登る道です。今回は南の登山道を使ってみました([1][2])。

赤い扉を開けて林道を登ると、「5合目」と書いた標識が立っており(いきなり五合目?)、ここに「第二一番霊場」と書いた札の下がったお堂があります。この横に新しい木の建物があり、その奥から登山道が始まっています。この道は急斜面の植林の中をジグザグに登っていき、標高が上がると6合目、7合目と標識があります。付近はさすがに宍粟杉の産地だけあって、美しい植林です。

1時間ほど登ると、左手に行者堂があります。中には登頂記念の板がたくさん掛かっていました。これに気を取られて、行者堂の上の岩にあるという「役の行者」は見損なってしまいました。頂上はすぐそこで、角の取れた生栖三等三角点(787.19m)の標石がありました。。ここからは南の東河内と染河内川の展望があります。少し北に行くと、三角点よりも高い地点があり、こちらは北の揖保川沿いの展望があります。

目的はユリ三角点まで歩くことだったので、さらに北東に尾根を降りました。暁晴山が正面に見えます。途中に登山道の標識がありましたが、これが北側の林道から登ってくる登山道です。この標識に従って下山はせず、尾根をまっすぐに降りて、650m-の広い鞍部を通って、東に尾根を歩きました。この付近は植林が多く、歩きやすい尾根です。このままユリ三角点まで、藪はほとんどなく、楽に歩けました。ただし尾根の分岐が何ヶ所かあり、間違えるととんでもない方向に行ってしまうので、ピークに出るたびに方位を確認しました。

間伐された木の幹が転がっている植林を抜け、急斜面を登ると、平らで長細いピークに出て、ここにユリ四等三角点(760.28m)がありました。この先は下山ですが、生栖から東に長く延びている林道を使うつもりでした。まず尾根をさらに東北東に進みました。この付近から、やや藪っぽくなりました。笹が茂っています。鹿避けのネットも張られていますが、すぐに無くなりました。一度鞍部に降りて、770m付近まで登ると、西から南に展望が開ける地点がありました。写真はここから南の染河内川方面を見たものです。

この後は810m+まで尾根を登り、ここから林道のある谷を降りようと思ったら、尾根のすぐ北に林道を見つけました。地形図の林道がここまで延びており、さらに北に延びていました。ラッキー!というわけで、あとは70分かけて生栖まで林道を降りました。最初は石が多くてやや歩きにくかったのですが、すぐにコンクリート舗装になって、歩きやすくなりました。この林道には鹿避けのゲートがありますが、鍵は掛かっていません。

登りは登山道、歩きやすい尾根道を歩き、下りは林道という理想的な山歩きでした。

展望 ★★☆
藪山度 ★☆☆

地形図は「安積」です。

2009年5月23日土曜日

生野の白岩山

生野の八幡山に登った時に、東にそびえていたのが白岩山です。登り方はいろいろあるようですが、尾根を歩きたかったので、東の白口から登ることにしました([1])。

生野の町から銀山の方向に東に行き、川を渡って白口川を遡りました。対向車が来たら困るような断崖と川に挟まれた一車線の舗装道を進み、白口の集落の手前にある墓地(三十三体観音もあります)の所で右に曲がって川を渡りました。この先も車で行けますが、未舗装なのでここで車をとめて、歩き始めました。少し歩くと道が分かれて白綾滝の標識があります。ここでまず滝を見て、それから少し戻って尾根に向う地形図の破線道を登り始めました。急な道ですが、尾根はさほど遠くありません。ただしこの道は作業道のようで、そのまま歩いていると尾根には達しないので、適当なところで尾根に上がりました。

この付近はだいたい植林ですが、尾根は低木が生えている所が多く、尾根をはずれたほうが歩きやすい場合もあります。しかし、藪はわずかでほとんどは道があります。途中で赤いプラスチックの「白綾滝」「高畑山」と表裏に書いた板を見ました。面白いのは尾根に点々とあるプラスチックの杭に三菱のマークがあることで、この山も鉱山と関係があるのでしょう。確かに下には銀が埋まっている可能性があるのですから、誰の土地かは重要です。ずっとこんな調子で尾根を歩きましたが、827m地点を過ぎてきつい登りが続いて疲れてきた頃に、反射板のある高畑山山頂に着きました。本谷三等三角点(983.83m)があります。北方面は展望があります。標高にすると500mも登っていませんが、長い尾根でした。

高畑山から白岩山までは縦走です。植林の中を少し下り、また登りますが、尾根に出ると低木が茂っています。不思議な植生です。981mピークの付近は植林の伐採の後なので広々としています。南側の展望が広がります。さらに少し下ってから970m+のピークに登り、注意深く南の尾根を探して尾根伝いに進むと白岩山山頂(973m)に出てきます。大きな岩がたくさんあり、南の展望が開けている素晴らしい山頂です。写真は白岩山山頂から南方、猪篠川流域を見たものです。岩に座ってゆっくり休みました。

下山は地形図に白岩山山頂から真南に書いてある破線道を降りようと思いました。しかしこの道が見つかりません。真南には岩の多い尾根が伸びていますが、非常に急峻でした。道が見つからず、低い笹の生えている急斜面を下り、植林を降りました。少し東に行くと鹿除けの金網があって、これを伝って下りると、破線道と思われる水平道にでてきました。この道には「白岩登山道」と書いた札が立っており、山頂に達する道があるようですが、戻って確認する元気はありませんでした。

この水平道は南の猪篠から登ってきているもので、白岩山に登るにはこれが一番楽な登山道でしょう。とは言うものの古い林道で、草が生え放題ですし、石がたくさん転がっているために足が痛くて決して歩きやすい道ではありません。しかも派手な崩落もあって、荒れ放題です。このまま歩いて行くと出発点に戻れないので、地形図上で破線道がヘアピンに曲がっている地点で正面の鞍部に向かって歩き出しました。

鞍部までの距離は大したことがないのですが、急斜面を横切る必要があります。この付近は伐採地で、植林してありますが、白いプラスチックの筒の中は雑草で、木はまったく育っていません。急斜面ですが、植林の時に使ったと思われる作業道がかろうじて残っている所もあり、なんとか鞍部まで歩けました。急斜面を斜めに歩くと足首に負担がかかり、靴も足も悲鳴を上げていました。

ここの鞍部も気持ちの良い場所です。この付近の山は尾根が広々しているのが特徴です。鞍部を少し南東に進むと地形図では破線道がありますが、確かに道らしきものがありました。これを確認して900m+のピークに登ってみました。遠くから見ると形の良いピークです。この付近は北東に展望があります。

破線道が見つかったので、これを歩いて降りればよいと考えたのですが、この道は倒木だらけですし、道の真ん中に木が生えていたりします。しかも歩いて行くと次の886mピークのほうへ水平に向かってしまい、下山道にはなりません。そこで破線道の方向に降りることにしました。

この破線道は谷道で、降りてゆくと倒木の多い湿った谷になってきました。これは最悪のパターンで、両側は切り立っており、斜面を歩くのも楽ではありません。またしても急斜面を横切るはめになりました。しばらく我慢して斜面を下りていくと、下山道らしきものが見つかりました。ときどき消えかかりますが、この付近は沢の両側が急斜面なので、この道にはとても助かりました。まともな道が現れたのは671m地点を過ぎてからで、その先も幅は広いのですが荒れた石だらけの道なのでまた足が痛くなりました。

山頂からの展望は捨てがたいものです。下山さえ楽ならば、お勧めの山です。猪篠から登るとどんな感じか、興味があります。

展望 ★★★
藪山度 ★★☆~★★★

地形図は「生野」です。

2009年5月16日土曜日

大谷・仁豊野三角点

この日は天気予報では午後から小雨だったので、近場に行こうと思って広嶺山の北の尾根を歩くことにしました。雨が強くなったら即刻山を下りるつもりでしたが、結局あまり降らず、最後まで歩いてしまいました。

まず書写ゴルフ場から氷室池まで歩いて、橋を渡って北にある西尾根に向かいました。いつもは池の北側の道を歩き、橋のない溝を渡り、その東の枝尾根を伝って登っていたのですが、今日はその溝(沢です)の北の木に赤いテープで「371.8M or ヤマサかまぼこ」と書いてあることに気がつきました。この新しい(?)道で赤いテープを頼りに沢伝いで西尾根に登りました。トラロープもあり、枝尾根伝いよりも楽でした。

尾根に出た地点の標高は180m程度なので、頂上を目指して西に進みました。尾根にも赤いテープのマーキングがあり、224mピークではテープに224mと書いてありました。この付近には「キルナ」と赤ペンキで書いてある木が何本かありましたが、何があったのでしょうか?さらに西に少し歩きましたが、そのまま降りると夢前川に戻ることは明らかで、まだ雨も降ってこないので東にとって返しました。南の眺望のある地点を通り、少し尾根を降りると、ヤマサの工場に出る道への分岐がある鞍部に出ます。ここから更に東に登りました。

ここはよく来ている山ですが、今回は赤いテープが増えていました。いつものように氷室岳を目指して歩きました。氷室岳(狼谷三等三角点、371.77m)まで来ましたが、まだ雨はたまにぱらつく程度なので、尾根をもっと東に歩きました。これもおなじみのルートですが、今回は広峰神社への分岐の前に、南に「氷室池まで1.5H」の赤テープを見つけました。そういえば氷室池からここに出てきたことがあったかも知れません。

広嶺方面には行かず、さらに尾根を東に進んで、そうめん滝や須加院へ降りる鞍部も過ぎて、送電線の鉄塔に行ってみました。溝口線22です。昭和51年に建てたというわりには小振りの鉄塔でした。この先は尾根に道がありませんが、大谷三角点を目指しました。歩いてきた尾根は、昔の姫路市と香寺町の境界にあたりますが(最近の地形図には描いてありません)、三角点に行くにはこの尾根から東にはずれなければなりません。東の尾根を進んで最初のピークまではよかったのですが、ここで目的の尾根が見えないために南の谷に降りてしまいました。結局一度ピーク近くまで登り直して、東に行く尾根を見つけて、三角点に向かいました。

三角点のあるピークのてっぺんにはテレビの共同アンテナの残骸がありました。大谷四等三角点(295.43m)は、その少し東にありました。大柿さんのピンクのプラスチック板があり、2006/1/28となっていました([1])。随願寺と広嶺を経由して歩かれたようです。主尾根に戻って南東に進みましたが、藪がきつくなります。一部にはシダも生い茂っています。この先下山するまで、まともな道にはほとんどお目に掛かっていません。尾根にも灌木が茂っており、ちょうど顔くらいの高さに枝がたくさん伸びているので、それをかき分けて歩くのが大変でした。しかも灌木のせいで尾根を下るときに方向が見極められず、何度も間違った方向に降りて斜面をトラバースして戻ったので、大変疲れました。唯一の道しるべは町界を示していたと思われるプラスチックの杭でしたが、そんなに多くはないので、しばしば見失いました。261mピークも通っていますが、藪だったことしか記憶がありません。これほど疲れる尾根歩きは久しぶりでした。

この先も藪尾根が続きました。次の目的は仁豊野三角点だったので、244mピークの方には行かないように気を付けましたが、ここでも間違えて南に行きそうになったので戻って東に向かい直しました。藪が長く続きます。「鳥獣保護区」の赤い看板が立っていました。次は、南北に走る尾根に乗る必要があります。この尾根は、244mピークのある尾根の東側に、この尾根と平行して走っています。この尾根は慎重に探しました。尾根の分岐付近から南に降りると展望の良い場所がありました(写真)。ただしこの付近は背の低い松が多く、シャツの上から腕にチクチクと刺さります。

慎重に探した割には南に進む尾根にうまく乗れず、谷に降りてしまいました。降りると小道があるので少し南に歩きました。楽なのでそのままそうめん滝に降りて帰ろうかと思いましたが、初心貫徹と思い直して東の尾根に再び登りました。230m+のピークまで南下し、東に折れて190m+まで降りてからまた登り返し、藪を抜けて仁豊野四等三角点(215.30m)に出てきました。三角点付近の尾根には、ちょっとだけ道がありました。

後は下山でしたが、もう疲れ気味で思考停止していたので、そのまま尾根を東にすすみ、南東に藪を降りました。シダの少ない方向に降りて行くと、土砂置き場のような場所に出てきて、橋もあり、仁豊野の駅まではすぐでした。山の中では木があるので雨を余り感じなかったのですが、山から下りると結構降っていました。

このルートはちょっと歩きすぎです。それに最後の二つの三角点付近の尾根は厳しい藪が続くので、歩いて楽しい山ではありません。西尾根から氷室岳、あとは素直に広嶺かそうめん滝に降りるのが正解でしょう。

展望 ★★☆
藪山度 ★★★

地形図は「姫路北部」です。

2009年5月10日日曜日

高長の峠三角点

菅生川を遡り、寺村の付近で坪川へと分岐し北上すると、中国自動車道に出る峠の手前に高長という村があります(「たかなが」だと思っていましたが、電信柱には「コウチョウ」と書いてありました)。この村の西側の山頂にはNTTの通信塔が建てられています。さして高くはないのですが、あちこちの山から見えるので、一度登ってみたいと思っていました。

高長の少し南の資材置き場付近に車をとめて、歩き始めました。すぐに通信塔への分岐があり、無断立入禁止の札の掛かったゲートがありますが、自動車のことだと勝手に判断して、登り始めました。さすがに立派な塔への保守路だけあって、頂上まで舗装されています。草が生えてはいますが、大きな倒木はありません。

通信塔の手前で、北側に大きく展望が開けるところがあります(写真)。明神山が正面に見えます。手前の山が、峠三角点のあるピークです。通信塔は330m+に立っています。ゲートに掛かっている札のNTTの文字とロゴの塗料が溶けて、ホラーっぽくなっているのには笑えました。

次は尾根沿いに歩いて、北のピークの三角点に行きました。まず保守路から北の谷側に降りて、尾根に乗りましたが、この付近は植林が伐採されているため、滑り落ちると危ない場所です。その後は伐採後の尾根を少し歩き(消火器が転がっていました)、藪を抜けて登りになります。東側の斜面は伐採された後ですが、尾根は藪です。枝が少し邪魔な程度で歩きやすく、すぐに峠四等三角点(306.97m)に着きました。金属のプレートなので、落ち葉で完全に埋まっており、周囲の4つの石がなければ見つからなかったでしょう。三角点はなぜかピークにはなく、少し北に降りた所にあります。

もう少し北に行くと、神野溝口線74の鉄塔があります。この付近ではおなじみのこの路線は、昭和14年に建てられたものです。よく見ると碍子が4つしかなく、電圧も低いのでしょうが、現役のようです。関電の巡視路に従って東の尾根に進むと、次は75の鉄塔があります。その後巡視路は尾根から南に降りて、76の鉄塔を経て林道に降りてきました。

1時間半で一周できるショートコースでした。歩きやすく、展望が楽しめるコースです。

展望 ★★☆
藪山度 ★☆☆

地形図は「前之庄」です。

2009年5月9日土曜日

若狭野の八洞三角点

国道2号線を相生の西のほうに走ると、北に禿げ山っぽいピークが見えます。若狭野の西後明付近の山ですが、名前は下タ山(しもたやま)、地元では、後明富士(ごみょうふじ)と呼ぶようです。見かけからは山火事の跡のような感じがします。隣のピークには八洞(はっとう)三角点があります。

最初は送電線の保守路を見つけて登ろうと思ったのですが、ちょっと道を走った程度では見つかりません。それを諦めて尾根に登る道を考えました。相生の竜泉から県道44号相生宍粟線(播磨テクノライン)を北上すると、左手にその山が見えてきて、西後明に入ります。この後県道が山を東西に分断していますが、八洞三角点などはその西側の山の連なりにあります。切り通しの部分は登りにくいので、北の神社から尾根の裾を登るのが正解のようですが、帰りは南に降りるつもりだったので、西後明に近い西後明北小公園に車を止めました。

最初はこの公園の西側から尾根に上がろうとしたのですが、余りに急勾配ですし、斜面にネットが張ってありその上を歩くのは躊躇したので、少し北に県道を歩きました。すると、山沿いに旧道があり、その左手が斜面でしたので、そこから尾根に上がりました。ここは地形図の175m地点よりは南の尾根です。尾根はシダに覆われており、道も途切れ途切れですが、背の高いシダは無いので歩くのは楽でした。ただ、シダの下にマムシがいないかだけが気がかりでした。

ひたすら膝くらいの高さのシダの間を歩くと、主尾根に出てきました。ここから南西に向かって尾根を歩きました。やがて石積みがあり、赤い横長の「火の用心」が現れます。そして送電線の鉄塔です。西播龍野線11です。この先の尾根もずっとシダで覆われています。西や東に展望が開けてきて、うれしくなりました。そして、八洞三等三角点(210.37m)に着きました。三角点の付近だけはシダが刈ってあります。兵庫県の資源調査の金属板が一緒に置いてありました。

この先南東に少し下り、また登ると、禿げ山です。禿げ山と言っても、かなりシダや松が生えており、むき出しの地面は意外と少ないという印象でした。写真は山頂近くから西後明、緑ヶ丘、相生市街を望んだものです。桶居山を思えばシダや灌木があるだけましなので、斜面を南東に降りてみました。途中には焼けこげた木の枝があり、やはり山火事の跡のようです。途中まで降りると斜面はさらに急になり、しかもシダが生い茂っていて地面が見えなくなりました。こうなると危険すぎて歩けないので、引き返しました。

結局山頂まで戻って、三角点ピークへの鞍部まで降りて、東に谷を降りました。最初はシダの中を降りましたが、すぐに作業道が見つかり、植林の中を降りました。さらに鉄塔の保守路に出てきて、西播龍野線13の鉄塔経由で道に出てきました。この道は、地形図で西後明の神社から北に延びている道ですが、じっさいは道というよりは土砂捨て場になっているようで、道路には出られません。こんな所にあるのですから、保守路を見つけて楽に登ろうというのは無理です。結局また少し藪を抜けて、コンクリートの神社(?)に出てきて、道路に出られました。

海に近い山にありがちな、シダの多い山ですが、倒木はありません。三角点の南側の斜面は灌木の藪でしたが、こちらに行かずに尾根を歩けば大きな障害はありません。

山の上から地形と地形図を見比べて思ったのですが、分水嶺はどこでしょうか?西後明の溜池の水は苧谷川を経て相生湾に注ぎます。しかし少し西には矢野川があります。この二つの川の間の土地には山陽本線と国道2号線が走っていますが、ほとんど真っ平らです。地形図を見ると水路が何本か矢野川に繋がっていますが、元はどうなっていたのでしょう?人間がさんざん土地をいじってしまっているので、今となってはどうでも良いのかも知れません。

展望 ★★☆
藪山度 ★☆☆

地形図は「二木」です。

2009年5月2日土曜日

生野の八幡山

朝来町と神河町の境界にある山ですが、とりあえず生野の八幡山としておきます。ピラミッド山として有名です([1])が、登山道がないことでも知られています([2])。

北から延びる長い尾根を歩こうと、生野峠に向かいました。峠は切り通しになっていますが、南側に一段高くなっているところがあり、建物の跡があります。そこから植林の中を尾根を目指して登りました。作業道を見つけながら急斜面をジグザグに登っていくと尾根に出ました。ここからいくつかアップダウンがあり、藤ノ棚三等三角点(460.81m)に着きました。三角点の手前には切り通しがありましたが、南側は道が崩落していました。この辺にはピンクのマーキングがやたらとありますが、道を示したものではなさそうです。

この先の490m+ピークは尾根の十字路で、進むべき方向は真南です。山林の中で南への尾根は見えないので、方角を信じて降りるしかありません。見えている尾根はどれも間違いです。あとはほとんどアップダウンのない尾根道で、時々展望もあり、気持ち良く歩けます。500mを越えた辺りから植生が変わってきて、灌木が増えてきますが、道はあります。600m付近になると激登りとなりますが、植林の中にしっかりと道があるので足元が崩れることはありません。ピンクのマーキングが役に立ちます。

倒木を避けながら登り続けると、頂上です。八幡山三等三角点(775.42m)があります。展望があります。頂上の岩は人工物では?という説もあるのですが、播磨の山としては普通の頂上です。方位磁石が狂うかどうか調べてみましたが、正常でした。とりあえず景色を堪能してから、さらに倒木だらけの尾根を進んで西側の770m+ピークにも行きましたが、周囲は藪でした。

この山頂付近で一番面白いのは、南西の谷です。植林が無く、岩がまとまって転がっています。写真は、山頂から谷を見たところです。これが拝殿跡かどうかはともかくとして、広々として気持ちの良い場所です。これらの岩がなぜできたかについては、解説([3])があります。私の最大の疑問は、なぜここには植林をしなかったのか、なぜ雑木が生えてこないのか、です。生えている木から見ると、植林を伐採した跡だと思うのですが、えらく綺麗に片付いているのが不思議です。

尾根の植林も気持ちが良く、南に尾根を歩いて762mピークまで行ってきました。途中からやや倒木が増えますが、気持ち良く森林浴を楽しめました。このような美しい植林を見ていると、植林は人間と自然の共同作業だということをひしひしと感じます。

問題は例によって下山です。生野峠の方に帰りたいので、頂上の南から北東に延びる一番長い尾根を降りることにしました。頂上付近で尾根を探して降りて行きましたが、700m付近で倒木地帯になりました。木が北から南に向かってなぎ倒されています。楽そうだったので右手(南側)に尾根を巻いて進みましたが、少し行くと南に展望の広がるところがあり、そこで自分が南寄りの尾根にいることに気がつきました。倒木は多くても、北寄りに巻くべきだったのです。しかたなしに倒木だらけの尾根を北に渡り、斜面を歩いて北東に延びる尾根まで歩きました。650m付近ですが、この付近の谷は地形図で見るよりも急峻でした。そして目的の尾根に着くと、ここも倒木に覆われていました。

ここからは1時間以上、倒木だらけの尾根を降りました。こんなに長く倒木地帯の続く尾根は珍しいと思います。巨木ではないのですが、古い倒木が多く、おそらく2004年の台風で倒れたものが大半と思われます。岩の多い尾根で、灌木もあるので、くぐるにしても乗り越えるにしても大変でした。両側は急なので、斜面に降りて歩くこともできません。主尾根の楽な道と手入れされた植林を考えると、この尾根の荒れっぷりには驚きます。

倒木が少なくなってくると、尾根には深い溝があり、これを伝って降りました。その先は雑木林ですが、じきに美しい植林に出てきました。手入れが行き届いており、伐採された丸太が積んでありました。尾根の終端は降りにくそうだったので、谷に降りて、播但自動車道の側道を歩き、トンネルを通って自動車道をくぐって大歳神社に出てきました。

主尾根は文句なしです。下山に関しては、主尾根を南に歩いて送電線の巡視路で下山するのが正解と言えそうです([4][5])。出発点まではヒッチハイクをするか、銀の馬車道を歩くしかありませんが。

展望 ★★☆
藪山度 ★☆☆~★★★

地形図は「生野」です。

2009年5月1日金曜日

寺前城趾と深谷三角点

播但線寺前駅を出ると、北側に山があります。標高570m程度ですが、標高150mの寺前からは手頃そうな山なので、登ってみることにしました。

登山口は例によって神社にしました。駅から北に歩くと山裾に金森神社があります。この裏手から登ると、石組みがあります。なにやら溝があり、その真ん中に獣避けの電線が通っていますが、これを飛び越えて登り始めました。すぐに右手に地形図にはない溜池がありましたが、これが北の方から延びている林道の終点のような気がします。

道はありませんが登りやすい急斜面を上がっていき、尾根に出ました。ほぼ北西に斜面を登ったことになります。ここから尾根伝いに登ると、440m+の平坦地に出てきて「寺前城趾」という標識が立っていました。確かにこの上は何段か平坦な場所がありますが、石垣のようなものは見あたりません。城趾というなら登山道がありそうだと思って探したのですが、これも見あたりません。すっかり忘れ去られているようです([1])。もう少し登ると、470m+のピークに大柿さんのピンクのプラスチック板がありました。城山(470M)となっています。'05.11.13に北から歩いてこられたようで([2])「サワヤカな山アルキデシタ」とあるのでちょっとほっとしました。

この後は尾根にネットが張られていて歩きづらくなりました。497mピーク付近では東側が植林なので、こちら側を歩くと展望がありました。足元は切り株が多くて、気を付けないと足を取られます。このあと、三角形の広い斜面を持った山が北側に見えたので、どこの山かと調べたら、これがこの先の572mピークでした。まず斜面を降りてから、南西に延びる尾根をネット沿いに登りました。572mピークは藪ですが、この尾根の途中には岩場があって、大きな岩に乗ると南に展望があります。

この後はダウンとアップを繰り返しますが、展望のある地点がいくつかあり、暁晴山が見えていました。深谷三等三角点(543.97m)の北側は伐採してあり、北側の展望が得られますが、周囲の木が高いので、大展望というわけにはいきません。

三角点の先の尾根で南に折れて、西側の尾根を南下しました。この尾根の東側は最近植林したようで、こちら側を切り株に気を付けながら歩きました。西側は雑木林ですが、かなりの藪でした。この先、適当にネットに沿って歩いたら、溜池に向かう尾根に乗ってしまい、慌てて戻りました。南西に向かう尾根にもネットがあります。とにかくネットの多い山です。この付近から見ると、先ほど通った497mピークは綺麗に尖った形をしています(写真)。

西側の山を見ながら歩いていると、500mピークに着きました。この付近は松茸が採れるようで、入山禁止の注意を書いた紙がたくさん落ちていました。問題はこの後で、ネット沿いに西の尾根に降りれば上岩三角点(395.60m)に行けますが、駅からは遠くなります。最初は409mピークを経由して降りるつもりでしたが、どこで斜面を下ったらよいのか分からず、結局東に延びる尾根を降りました。最後は広い尾根になり、南側の谷を降りて溜池に出ました。最初は溜池の周囲に道が無さそうであせったのですが、北に向かう道があり、事なきを得ました。あとは城山川を下って駅に向かいました。

ネットか倒木かと聞かれれば、私は迷わずネットを選びますが、ちょっとうんざりもしました。下山は例によってちょっと問題でした。

展望 ★★☆
藪山度 ★★☆

地形図は「寺前」です。