2011年1月29日土曜日

佐用の南の山


佐用駅の南に、千種川まで広がる山並みがあります。南に行けば高倉山に繋がっていますが、駅の裏を歩いてみました。

駅の裏の秀谷から山を見上げるとお堂があります。行ってみると観音堂と書かれた新しいものです。この裏手の斜面を登って、尾根に出ました。木々の間から眼下に佐用駅が見えます。と思ったら、目の前を鹿が二頭走っていきました。柵などはありませんから、鹿で列車が止まるのもしかたないでしょう。お堂の跡のような場所を過ぎて尾根を登ると、共同アンテナの残骸があり、佐用配水場がありました。ここには良い道が来ているので、これを使うのが正解でしょう。尾根は雑木林ですが、切り開かれており、楽に歩けます。

しばらく歩くと関電の保守路と合流しました。佐用線十八鉄塔が立っています。この先も時々枯れ枝が邪魔なくらいで歩き易く、しばし歩いて茗荷谷三等三角点(292.1m)に着きました。この辺から植林になりますが、枝打ちが全くされていません。この先は旧町界(佐用町と南光町)の尾根を歩こうと思ったのですが、三角点から南東に植林を降りると、目の前に平地が見えました。どうやらゴミ処理場らしく、Google Earthでもよく見ることができます。柵はないのですが、入りたくないので迂回しようとしました。しかし地形図よりはずっと拡張されていて大回りになりました。しかもゴミ処理上の西の端を南下すると、いきなり尾根を道路が横切っていました。どうやらゴミ処理場から秀谷の方の谷に抜ける道が作られているようです。道を横切って、更にゴミ処理場の西側を歩いて、ようやく目的の尾根に達しました。

旧町界の尾根からは、千種川方面が望めます。この尾根も切り開きがあって歩き易く、そのままずっと南西に歩くこともできそうでしたが、駅に戻るために途中から北に尾根を逸れました。この先は少し下りになりますが、ここで目的の尾根を見つけるのに手こずりました。降りてみれば細い尾根で、すぐに道がありました。真っ直ぐ歩いて行くと、道が左右に分かれており、関西電力の赤い「火の用心」が立っていました。右(東)に行くとNo.17となっています。そちらに行ってしばらく歩くと、佐用線十七鉄塔がありました。この鉄塔は地形図とは違って289mピークの北に立っています。展望もあり、遠くの雪山が見えました。

三叉路に戻って西に行きました。道がありますが、尾根の西側を通ってだんだん下っていくので、尾根に登って尾根伝いに歩きました。踏み跡程度ですが道があり、アップダウンもない楽な尾根です。途中で作業道が東西に尾根を横切っていました。そして、山平四等三角点(222.3m)に着きました。展望はありません。更に尾根を北西に進むと、だんだん藪っぽくなりました。この付近は下から見上げてもひょろっと伸びた木が何本か見えるのですが、これらの木を近くで見ることが出来ました。写真の木は、松だと思いますが、下の方には枝が全くありません。なぜ数本の高い木だけが残ったのか不思議です。昔は植林で、伐採しなかった木なのかも知れませんが、周囲は雑木林です。この先、駅の裏から見るとこの尾根からは降りられそうもなかったので不安でした。しかし、いきなり切り開かれた場所に出ました。周囲の木も切られており、視界が広がりました。もう駅のすぐ裏で、佐用の市街と駅、遠くには利神城などが見えました。ここからは荒れ気味ですが道があり、西側に降りられました。

軽く散歩のつもりだったのですが、結局3時間半もかかりました。低山の割にはシダ藪もなく、ゴミ処理場を除けば歩き易い尾根ばかりでした。下山途中の尾根は少し整備すれば展望台になると思います。ちょっと困ったのは、地形図がちょうどこの付近で「佐用」「上月」「三日月」に分かれていることで、ゴミ処理場の付近では地形が変わっていることもあって、方向が分からなくなりました。

展望 ★★☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「佐用」「上月」「三日月」です。

2011年1月23日日曜日

上郡の岩木山


上郡の西、岩木川の南にある344mピークを岩木山と呼ぶようです([1])。北からも登れそうですが、南から登ってみました。登り口は安室川沿いの名村です。地形図では南に突き出した尾根に記念碑のマークがあり、破線道が書いてあります。実際にはこの尾根の南端はコンクリートで固められていますが、その脇に手すりの付いた急な階段があります。登ってみると水天宮と書かれた碑と祠があり、そこから道があります。登って行くと、忠魂碑が立っています。これが地形図の記念碑です。記念碑の先には建物の基礎のような石積みがあり、昔はこれが水天宮だったかも知れません(勝手な推測)。

さらに尾根を進むと、一旦降りて鞍部に出ますが、ここには西側から道が来ています。さらに北に登ると鉄塔の基礎のコンクリートが残っています。古い地形図には送電線が書いてありますが、だいぶ前に撤去されています。この先の登りは結構きつく、シダが生えていますが、あまり背が高くありません。岩場が多いので眺めが良く、気持ち良く登れました。しかし場所によってはシダを避けるために尾根からはずれて歩かなければならない場所もありました。踏み跡はあるので、見失わずにそれに従えば問題無く登れます。この状況は主尾根にでても変わりません。岩木山三等三角点(344.5m)はシダに埋もれかかっていました(写真)。

ここから尾根を東に歩きました。まず東に行って、南東に降りて290m+の次の尾根に乗らねばなりませんが、シダ藪で見通しも効かず、正しい尾根に乗るまでにだいぶ時間を使いました。この付近には赤いテープのマーキングがあり、踏み跡もあります。はっきりと古い道だと分かる場所もありますが、くぼんだ道にシダが生い茂っているので、なんとなく怪しい感じです。しかしマーキングに従って進めば、目的の尾根に乗れるようです。この尾根も藪ですが、踏み跡はあります。次の難関は310m+ピークから北東に降りるところで、これもだいたい方角を決めて降りてみるしかありません。この後もずっと藪の尾根で、とても疲れました。膝や腰までのシダを押して歩くので、プールで水の中を歩くような感じです。192mピークにはシダはなく、落ち葉でした。次の210m+ピークとの間の鞍部には[1]にあるように北から道が上がってきており、胴と頭部の離れたお地蔵さんがありました。210m+ピークへの登りもシダが多くて疲れましたが、岩場で展望もありました。そして最後の割と緩い登りの後に、鍛冶四等三角点(277.2m)がありました。岩木山三角点から2時間近くかかっています。

下りは三角点から西南西に延びる尾根にしました。これも踏み跡があり、岩場があって展望が得られます。シダが生い茂っている場所があるのも同じです。そしてシダの生えていない小さなピークがあって安心して、そこからは勾配の緩そうな南向きに降りましたが、この付近は再びシダが生い茂っており、踏み跡もなく、厳しいシダ藪踏破となりました。勾配が急なので足もとが見えないと危険です。だいぶ苦労しましたが、シダの少ないところを選んで降りると、平らな植林に降りてきました。この谷には川がありますが、水は流れていません。植林を抜けて南に歩くと、道に出ました。道の両脇に鳳張古墳がありました。中に入って立って歩けます。長さは10m近く、高さは2m以上あって、屋根部分の石は巨大です。道のほうはまっすぐ船坂に出ました。

3時間半ほどの行程でした。展望もあるし古墳のおまけもあって、楽しみも多いのですが、藪を歩くのは疲れます。

展望 ★★☆
藪山度 ★★☆
地形図は「上郡」です。

2011年1月15日土曜日

上郡の倉尾愛宕山


上郡の岩木川の南には、二つの大きな尾根がせり出しています。これらを歩いてみました。登り口は岩木の鍛冶にしました。鍛冶地蔵像板碑を見てから西蓮寺の裏から登ろうとしましたが、この山は動物避けの柵で囲まれています。寺の裏こにはいくつか墓地がありますが、その背後をよく探すと山側に小道のある所があり、そこの柵を開けて山に入りました。針金をいくつもはずす必要がありましたが、道があるので通路に間違いないと思います。

シダの生えた尾根ですが、踏み跡があって問題無く登れます。少し登るとブロックで作られた祠がありましたが、中には何もありません。お賽銭が何枚かあり、その中に寛永通宝があったのが気になりました。この先は雑木林で、シダが膝くらいまで生えているのと灌木の枝が邪魔ですが、歩くには支障ありません。踏み跡はずっと続きました。高度が上がると千種川方面が見えてきます。238mピークは典型的な藪です。この山の名前は分かりませんが、西蓮寺の名前が船谷山西蓮寺だったので、船谷山かも知れません。尾根がやや西に曲がる付近では松の木が増えてきます。270mピークの先で一旦下りますが、この付近は岩場で展望良好です。この先は遠くからは岩場の斜面も見えていましたが、踏み跡はシダの中を登って行きます。300mを越して稜線に出ましたが、この付近は広い尾根で方向が分からず、しばらく東へ歩いていました。大きなシダが茂っている場所もあるので、慎重に方向を見定めなければなりません。この付近では道ははっきりしません。

この後は北西に稜線に沿って歩きました。意外と細い尾根もありますが、見回してもほとんど高低差の無い場所もあって、方角が分からなくなります。下草が無いので歩くのは楽です。374mピーク付近も道は無かったと思いますが、落ち葉を踏んで気持ちよく歩けました。その北ではなんとなく切り開きがあり、どうも西側から上がってきているような感じです。尾根が尖っているところでは細い道になり、広いところでは逆に窪んでいます。古い道なので草が生えていたり倒木があったりしますが、道に間違いありません。この道を歩いて行くと、東西に走る尾根に出てきました。この地点は道の分岐点に四角い標石が埋めてありますが、三角点ではありません。この尾根にも道があるので、西にある小屋尾三角点まで行ってみることにしました。小屋尾四等三角点(404.94m)まで往復30分とかかりませんでした。三角点の周囲は藪で展望はありません。

東向きにも尾根に道があります。これは尾根の南側に付いているので、394mピークには行けません。道から外れて行ってみましたが、植林なだけで特に何もありません。尾根に戻ると東に下りとなり、かなり荒れて歩きにくくなります。切り開きはありますが、尾根が北東に曲がる辺りは藪漕ぎになりました。しかしすぐに南側が植林になり、290m+の細長いピークに登る付近には南北に切通がありました。少し藪を抜けて300m+の細長いピークは歩きやすく、次のピークに細念四等三角点(305.82m)がありました。この付近もシダが元気です。ここからは下りですが、270m付近には祠があって、お地蔵様(お不動さん)がありました(写真)。この山の名前は、倉尾愛宕山と言うようです([1])。この後の下りはシダが膝くらいまでありますが、展望の良い岩場も多く、楽しめました。最後は柵に出てきましたが、ちょうど直角に曲がっているところで、扉があったのでそこから出ました。さらに柵に沿って降りると、畑の奥に出ました。

このルートは4時間半ほどかかりましたが、展望もあり、ほとんどは踏み跡があるので、歩きやすいコースだったと思います。ただし道を見失いそうな所も多いので、地図をしっかり見ながら歩く必要がありました。

展望 ★★☆
藪山度 ★★☆
地形図は「上郡」です。

2011年1月3日月曜日

奥小屋の奥を一周


たつの市新宮町の栗栖川を遡った地域は奥小屋と呼ばれ、上所と下所という二つの集落があります。この地域は何度か歩いていますが、今回は栗栖川の源流に当たる谷の周囲を一周してみました。登り口は上所にしました。川に沿って舗装道路を走っていくと、最後は行き止まりになります。この道路は県道44号相生宍粟線で、いわゆる播磨テクノラインなのですが、ここから山崎町までは通行不能区間になっています。通行不能と言うよりも、道がないと言った方が正確です。

この付近で東側の山に登り口を探しましたが、斜面は倒木が多く、また麓には畑が多く、入っていくのは容易ではありません。結局県道のどん詰まりから452mピークを目指して登ることにしました。最初は作業道があるものの、その先は非常な急斜面で、木や木の根に掴まらないと登れません。残雪が少し落ち葉の上に積もっており、滑りやすいので注意して登りました。しばらく登ると少し勾配が楽になり、落ち葉を踏みながら気持ちよく歩けるようになりました。多少の倒木はありますが、最初の急斜面以外は適当な登山コースと言えます。452mピークには、「3級基準点 兵庫県土地開発公社 新宮 No.3-4」と彫られた金属プレートがありました。この先は宍粟市とたつの市の境界を目指しましたが、残雪も倒木も増えました。尾根をはずれた所に道が付けられている場所もありました。何度も尾根筋に出ましたが、なかなか市境には出ません。

と思っていると、いきなり視界が開けました。出てきた市境のピークは柏原城趾だそうで、東側と北側が伐採されており、正面に国見山の展望台が見えています。写真はここから見た水剣山です。手前に長水山、後ろに黒尾山も見えています。登りはじめから、70分くらいでした。ちょっと休んでから「スギ木立休憩所」と書かれた道しるべの方向(北向き)に市境を歩き始めました。この付近は国見山として整備された登山道ですから、どんどん歩けます。ただし目的の尾根に行くには461mピークの北で東に曲がる登山道を離れて、西に行く尾根に乗る必要があります。この分岐には何のマーキングもありませんが、西の尾根の北側には東から道が来ていたので、国見山の方から来れば分かりやすいのかも知れません。

この先の尾根には下草が無くて歩き易いのですが、倒木はたくさんあります。道がはっきりしている所も多く、細い尾根道になっている場所もいくつかありました。逆に道が凹んでいる場所もありました。どちらも倒木があると歩くのは大変なので、道を逸れて歩いた場所もありました。倒木を跨いだり潜ったりするのが苦でなければ、気持良い山歩きでした。松茸山の名残の荷造りテープもあります。尾根の分岐は多く、三箇所で間違った方向に行ってしまいました。405mピークは登らずに南側を巻いた方が簡単です。この付近からは2008/10/13に来た尾根を反対側から歩きましたが、記憶よりも倒木が多いと感じました。そして前と同じ尾根で下山しました。稜線からこの尾根を見つけるのは容易ではありませんが、よく見ると下の方にやや平らな場所が見えたので、意を決して急斜面を降りました。幸いにこれが目指す尾根で、あとは尾根伝いに上所に下山しました。最後は植林の作業道を降りましたが、これもかなり急勾配でした。

残雪があって、あまり良いコンディションとは言えなかったのですが、3時間ちょっとで一周できました。展望のあるのは柏原城趾だけでしたが、倒木にいらつかない向きにはお勧めできます。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「三日月」「安志」「山崎」「土万」です。