2008年2月23日土曜日

黒鉄山と仮称百間山

黒鉄山は,赤穂市の北西にある山です。よく知られた山で赤穂市の最高峰と思われがちですが,本当の最高峰はその西にあるピークで,名前がありませんが,ここでは百間山としておきます。これらのピークは尾根で繋がっており,縦走してみました。この縦走の記録はネット上にあります([1])が,かなり手強そうなことが書いてあります。

まず黒鉄山に登ります。登り口は南側の湯の内近くで,これについてもネット上に多くの情報があります。よく整備された道を登っていくと,なにやら作業をしているシャベルカーがあります。どうやら登山道を整備しているらしく,階段がかなりできていました。休憩用のベンチもあります。この新しい登山道は尾根まで続いており,急勾配ですが登りやすくなりました。気がついたのは,登山道は上から作るということです。シャベルカーは階段を登れませんから。

尾根に登ると北に降りる分岐がありますが,頂上を目指します。関西電力のマイクロ波反射板があり,西有年三角点(430.9m)のあるピークは切り開かれています。しかしこの日は晴れ時々吹雪で,頂上に着いたときはちょうど吹雪だったため,まったく視界がありません。すぐに西の尾根へ降りました。天気も良くなってきて,次のピークに登る途中で赤穂と海がよく見えました。この辺りからは赤穂の市街や工場を一望できて,素晴らしいものです(写真)。このあたり,道はあるような無いようなですが,マーキングが時々あります。しかし,420m+のピークは完全な藪で,それも灌木の藪なので,枝をかき分けて進みます。訳が分からずだいたい北西へと進むと,北側の展望の良い岩場に出ました。上郡方面が見えます。しかしこの先しばらくも藪で,やっと道のようなものが現れてもシダで覆われてしまいます。切り開きらしい跡を辿ると地形図の410m+のピークの東側を巻いていけますが,これも最終目的である435mピークに近づくと斜面で終わってしまいます。しかたないので尾根に戻って,尾根を辿りました。道は無く,だんだんにシダが増えてきます。最後はシダと灌木の中を進むことになりますが,地面は全く見えません。木のない方向に登り続け,シダ地獄を抜けると,山頂に出ました。木は切ってあり,「仮名百間山」と書いたテープが木に巻いてありました。ケルンを作った人がおり,かなり登山者がいるようです。このピークだけなら,北の長谷川の方から登るのが楽です。ちょっと吹雪いていましたが,展望は良くて北も南も遠くまで見えました。

この山頂からどうやって降りるかが難題でした。吹雪いてきたし,最短距離で降りたかったのですが,車は湯の内に停めたので,北には降りられません。結局黒鉄山に戻ることにしました。ところが戻ろうとしても来た道が見つかりません。というよりも,もともと道など無いのです。とにかくひどいシダ藪を再び抜けて,黒鉄山に向かいました。そして,黒鉄山の頂上に登る手前の鞍部から北に降りました。北には破線道があり,これで帰るつもりでした。迷い込んだのは黒鉄山の西側に真北から入り込んでいる沢に降りる道で,この沢は石が多いのを除けば木の密度は低いので歩けます。かなり長く降りました(直線距離では1キロ)。途中には大きな炭焼き釜があったりして,最後は黒鉄山の北の破線道が沢を南に大きく迂回して渡っている地点に出ました。この地点の橋は石橋で,立派なものなので破線道も良く使われていると思ったのですが,大きな間違いでした。

ここから破線道を東に戻りました。ここまで全く地形図にない道を来ただけに破線道への期待は大きかったのですが,倒木やシダが多く,だんだん心許なくなります。そして地形図上で大きく道が曲がっている場所で道は消えてしまいました。この地点には大きな石垣があって,土管もあり人の手が入っているのですが,この尾根を東に越える道はありません。地形図では北に寄ったところで尾根をよぎっているので北側の斜面を探したのですが,おかげで北の280m+のピークを登る羽目になりました。ここはシダと灌木がぎっしりと生えて地面の見えない山でした。幸い膝までくらいのシダなので山頂を東に越えて無理矢理斜面を降りることができました。しばらくシダの中を歩くと,シダはなくなり,そのうちに湿地になり,沢沿いを下り,沢を何度も渡って,最後は道に出ました。

この最後の破線道歩きは完全な蛇足です。素直に黒鉄山に戻るべきでした。しかしそれがなくても,かなり強烈な藪に溢れた山歩きでした。

展望 ★★☆
藪山度 ★★★

2008年2月17日日曜日

桜山貯水池西側の山

姫路の西にある桜山貯水池から城山へは,2006年の11月に歩きました。その時に貯水池の西側にある山にも登ってみようと思いつき,今回やっと登る機会がありました。登り口は,貯水池の西側堤防の下にある桜山公園です。大きな円形の公園で,特に何か珍しいものがあるわけではありませんが,開放感一杯の公園です。この公園の南側に,竹林に入っていく道があります。これは地形図では南に大きく50mの等高線が入り込んでいる所です。竹林は良く手入れされていますが,道は竹林が終わると無くなって,あとは藪を登って尾根に出ました。これは尾根に出るには余り良いルートではなく,むしろ貯水池沿いの道に出て,地形図の町界の二点鎖線付近を登っていく方が,きっと楽です。しかしとにかく尾根に出ると,木の間隔が広く,倒木も少なく,歩きやすくなりました。

尾根と言っても一番高いところが140m+です。北西に118mのピークがありますが,地形図で見ると間は崖のようなので行くのをやめました。尾根伝いに町界を南下しました。途中からは尾根道があり,これに従って歩くと町界をはずれて,100m等高線に挟まれた鞍部に降りてきました。町界を進むと西には110m+の小高いピークがあるのですが,行き損ないました。

鞍部に降りると,迷彩服を着て自動小銃を持った人が歩いていました。自衛隊の訓練とは思われず,趣味のようでした。ここからは真っ直ぐ南の188mピークに登りました。かなりの急勾配ですが,藪はたいしたことがなく,しばらく頑張れば登れます。頂上からは桜山貯水池が一望できます(写真)。さらにピークには石垣があり,砦のようなものがあったのかも知れません。

この先は東に進みます。150m-の鞍部に出ると,貯水池の方から道が登ってきていました。ここは峠ですが,峠の西側には道が見あたりません。東側の150m+のピークへは道があります。途中には低い石積みがたくさんあり,溜池を作るときの工事の跡のような感じです。桜山貯水池が作られる前にあった溜池の工事かも知れません。この付近は以前に城山に行ったときにも来ましたが,とにかく岩が多く,人工物のような感じの岩もたくさんあります。ただしバサッと綺麗に割れた石が多いので人工物のような感じがするのですが,割れかかっている部分を見ると石が直線的に割れることは珍しいことではないらしく,人が切ったとは断言できません。

150m+ピークからは北に尾根を進んで,貯水池に降りました。ここは岩が多くて面白いのですが,尾根は幅広くて迷いました。とは言え,どう進んでも貯水池には降りられます。貯水池には一周する道がありますので,それを桜山公園まで戻りました。なお,堤防は立入禁止となっています。

歩きやすい里山で,展望もあり人工物もありで,ちょっと楽しめる短い山歩きです。

展望 ★★☆
藪山度 ★☆☆