2009年10月31日土曜日

播磨北線19:姫路市最高峰

日本のすべての登山愛好家が日本最高峰の富士山登頂を目指すなら、姫路市の登山愛好家は姫路市の最高峰を目指すのが当然でしょう。問題はそれがどこかなのですが、雪彦山の北の送電線の鉄塔が立っているピーク、というのが定説のようです。三角点も無く、地味なピークですが、地形図では雪彦山から北東に尾根を辿っていった先にある977mピークです。通称鉾立山の案内板に「無名」と書いてあるピークです。雪彦山からでも行けますが、ピストンになりそうです。近くに林道が通っていますが、これを利用するのは山歩き愛好家としては避けたいところです。というわけでルートを検討すると、北側から登れそうな気がしてきました。

車で県道8号線を走って寺前側から坂の辻峠に行き、西側に降りました。「坂ノ辻峠トンネルの早期実現」と書いた看板が出ているヘアピンを降りると、右手に地形図には描いてない山小屋があります。もっと西にある水道施設とは別のものです。この付近から登ろうと思っていたのですが、問題は道路の南側に川があることです。無理すればどこでも渡れるのですが、この地点に「ここまで東河内株山共有林」という標識があり、そこに赤い橋が架かっていました。橋を渡ると植林の中に道があります。すぐに行き止まりになり、右手の沢に丸太が一本架かっています。渡れる代物ではありませんし、渡ると目的とは別の山に行ってしまうので、少し戻って東側の尾根を目指して登り始めました。最初は非常に急勾配ですが、植林で意外と足元がしっかりしているので登れました。

尾根に出ると、意外と歩きやすくなります。手入れされている植林なので、尾根には下草がありません。かなりきつい登りですが、楽に歩けました。しかしそのうちに下草や灌木が増えてきました。伐採した木がそのままになっていて、枝が邪魔で歩きにくい場所もありました。とにかく我慢して障害物を避けながら歩きました。急勾配の斜面を登り続けると、尾根に出ました。これは北から774mピークにつながる尾根です。周囲はずっと植林で、急勾配であることを除けば問題なく歩けます。774mピークも、特に何もありません。

さらに尾根を登り、広葉樹が増えたと思ったら、林道に出ました。未舗装で山側はやや崩れています。崩れているところは避けて、登りやすそうな所から再び尾根に登って尾根歩きを続行しました。この先は伐採された木が邪魔で歩きにくくなっています。比較的細い木が多いので、枝を避けて乗り越えれば登れました。その上は笹が増えてきます。最後は笹藪ですが、頂上近くに来ると笹藪を切り開いた道がありました。左手から来ていたので、地形図にある破線道かも知れません。笹藪を切り開いた道が頂上に向かっていました。切り開いても笹の太い茎が残っているので、歩くのは楽ではありません。しかしこの道がなかったら歩けないくらいの笹藪です。北側に展望が開け、暁晴山や太田ダムが見えます。

977mピーク周辺は笹藪です。西側の巨大な送電線鉄塔(播磨北線19)の周囲にはしっかりした網が張り巡らされています。入口を探して網に沿って歩くと、977mピークとおぼしき付近に入口がありました。鉄塔付近からは西と南に展望があります。付近はススキが生い茂っています。肝心のピークには三角点のような標識がなく、笹藪がひどいのでどこなのか分かりません。姫路市最高峰は1000mには届きませんが、送電線のてっぺんを最高峰とすれば1000mを優に越えているはずです。

ここからは東に送電線の巡視路を伝って縦走です。関電が両側が笹藪の壁になっている道を作ってくれました。この付近の赤い「火の用心」の札にはNo.99とかNo.100とか書いてあり、送電線を建て直したようです。少し降りて、次の20番鉄塔の手前に、広葉樹が固まって生えている場所がありました(写真)。黄色く色づいて、地面は落葉で埋め尽くされており、不思議な場所でした。岩と一体になったような木も生えていたり、歩きながら楽しめます。次の21番鉄塔は三辻山から南に少し下がったところにあります。南の眺望は最高です。三辻山は姫路市夢前町、神埼郡神河町、宍粟市一宮町の交点ですが、宍粟50名山のプレートが立っていました。小原四等三角点(961.52m)があります。北側の展望もあります。

三辻山からは北西の尾根を下りました。植林の中を楽に歩けました。私は少し北に行きすぎましたが、赤い「火の用心」がある辺りから西に降りるのが正解のようです。舗装された林道に出てきました。普通林道雪彦・峰山線です。少し南に歩くと、三辻山の登山道の入口があり、その前に自転車が置いてありました。これは地形図の破線道のようです。ここで再び西側の尾根に乗り、西へ、さらに北に縦走しました。神埼郡と宍粟市の境界です。ここも歩きやすい植林です。ときどき木に赤い布が巻いてありました。

再び林道に出て、次も北に斜面を登りました。ここは地形図では破線道がありますが、道はありません。非常に急勾配ですが植林なので好きなところを登れます。尾根に出れば歩きやすく、坂の辻峠まで尾根を歩きました。この付近の東側には大規模な伐採地があります。最後は美しい植林を抜けて、「これより東河内株山共有林」という標識のある坂の辻峠に出ました。ここが「広域基幹林道 雪彦・峰山線(終点)」です。全長19.083mを走ると賀野神社に行けるはずです。自動車は自由に入れますが、朝はパトカーが止まっていました。あとは車のとめてある地点まで、県道8号線を西に降りましたが、少し降りた所には「広域基幹林道 峰山線」の入口があり、こちらも自動車が入れます。

登りは標高差500mを約1500mの距離で1時間半かからずに登っていますので、登山路としては正解という気がします。

展望 ★★★
藪山度 ★☆☆

地形図は「長谷」です。

2009年10月18日日曜日

山ノ内1三角点

山之内という三角点は二つあって、区別するために南にある方の三角点は「山ノ内1」となっています(北の方にあるのは「山の内」です)。かなり急峻な山の上にあり、なんとなく急斜面を登ってみたくなった日に行きました。

登り口は河原口にしました。ここは前之庄から夢前川を遡った所で、東から河原川が合流している地点です。河原川上流には有名な亀ヶ壺があり、標識も出ています。山ノ内1三角点へはここから斜面を登ればよいはずなのですが、地形図で見るとこの付近の山は非常に急峻です。しかし登れると信じで神社の裏を探すと、作業道らしきものがありました。鹿除けネットはありません。まっすぐに山に登っていっています。急勾配で岩だらけですが、木に掴まりながら登ることができました。道はそのうちになくなり、水のない谷を登りました。

見あげると、なんとなく明るいものが見えてきました。これは岩盤でした。かなり大きく、登れるようなものではないので、シダが少なそうな右手を巻いて登りました。大きな岩盤ですが、標高300m以下の地点にあり、地形図には書いてありません。この岩盤の上に出ると尾根がはっきりしてきましたが、尾根に岩がたくさんあります。とてもよじ登れない大きなものがどかんと尾根の真ん中にありましたが、幸いに左手から巻いて登れました。きれいに割れている大きな岩が多いようです。しかし周囲は非常に急峻で、足を滑らせたらかなり長距離を落ちることは間違いありません。木や岩に掴まって登りましたが、木は枯れていることがありますし、岩は割れていることがあって、どちらも頼りになりません。

岩場の多い尾根を登っていくと、上に大きな垂直の岩盤が見えてきました。地形図にある350mの岩場です。これが尾根の真ん中にあったら登れっこないので引き返そうと思ったのですが、地形図にもあるように尾根の右手にあり、左手を巻いて登ることができました。この岩の上からの眺望は素晴らしく、七種山や明神山、前之庄の市街が見えますが、高所恐怖症としては上だけ見ていたい気分でした。写真はこの岩と七種山(右端のピーク)です。

大きな岩場の上に出ると、岩は減ってきて、歩きやすい尾根になりました。499mピークは藪です。しかしこの付近には道らしきものがあります。その後やや長い尾根歩きの後に、山ノ内1三等三角点(570.04 m)に着きました。ここまで1時間半かかりました。この付近の尾根は両側が急斜面なので、尾根歩きの気分が味わえます。

目的の三角点を過ぎてからも尾根を歩きました。平らな頂上の北端は木が刈られており、共同アンテナの残骸がありました。ここから北東に延びる尾根も切り開きがあって歩きやすいものでした。その後は徐々に倒木や大きな草が増えてきます。北側が植林になり、さらには南側も植林になりました。登って520m+ピークに乗ると、倒木だらけの藪になりました。「境」と書いた標石がいくつか倒木の間に埋まっていました。そのうちに「川口」と書いた標石もありました。この付近は持主の名前を書いた標石が多いのを思い出しました。

590mピークの周囲は灌木が茂っていますが、道があります。これを南に歩きました。道はそのうち不明瞭になりました。570mピークがありますが、この手前は倒木が多く、藪になっていました。北側の谷は倒木処理の跡がありました。その南は道が不明瞭ですが、とにかく一番歩きやすい尾根を歩くと、ほぼ地形図の尾根沿いに南に行くことになりました。そのうちに、下の方が明るくなり、伐採地に近づいたことが分りました。この伐採地は、432mピークとの間の鞍部で、斜面にジグザグに道が残っていました。これは七種山からも見えていました。石だらけで歩きにくい道でしたが、鞍部まで降りました。この北側は大規模な伐採の跡です。倒木処理はあちこちで行われていますが、これだけ大規模なものは少ないでしょう。重機が通れるような道が作られていますが、岩や石が多くて歩きにくく、路肩が崩れて道になっていないところもありました。ここの伐採地は木も草も残っておらず、道は砂漠のような感じになっています。432mピークの東側も伐採されていましたが、こちらは緑が見えたので草が生えているようです。

降りてゆく途中で見上げると伐採地の真ん中に岩場があり、そこに木が一本だけ芸術的に残っていました。降りて来たのは、河原川が北向きに流れを変えた先、別荘地帯の北でした。以前にこの付近で東に道を探して七種山に登りました(2008/12/23)。あとは河原川を下って河原口に戻りました。この川は名前の通り場所によって流れが地下に潜って河原だけになってしまう面白い川です。川の南側でも、何箇所か伐採作業が行われていました。

岩場を登り、歩きやすい尾根と藪の尾根を通って、広大な伐採地を通って降りるという楽しめるコースでしたが、岩場は危ないので山登りにはお勧めできません。これらの岩場は下から見上げると見えますので、よく眺めてルートを選んだほうが良いでしょう。

展望 ★★☆
藪山度 ★★☆

地形図は「寺前」です。

2009年10月12日月曜日

相生市矢野町の荒神山

相生市矢野町の真広交差点(県道5号姫路上郡線と44号相生宍粟線の交差点)の北東に荒神山という山があります。標高はたったの147mですが、国土地理院地形図に名前が載っており、見た目にも目立つ山なので登ってみました。147mの山だけを登るのは簡単過ぎると思ったので、周回コースを設定しました。二木の村の北にある212mのピークに登り、そのまま尾根を北東に辿って主尾根に出て、西から南に尾根を歩いて反時計回りに荒神山にたどり着こうというものです。

まず二木の集落から北の溜池に向かって歩きました。溜池が二つあり、地形図ではその脇に破線道があって、瓜生の方に峠を越しています。この破線道を少し行って、すぐに東側の山に登ろうとしました。ところが少し登ると鉄製の柵がありました。それに沿って歩いて入口を探したのですが、結局南の人家の裏手に出入り口を見つけました。他の場所ではとても入れそうもないしっかりした柵でした。ここから森に入って急斜面を登りました。地形図で言うと212mピークから南西方向の谷を登ったことになります。谷に沿って斜面を登りました。地面には木の実がたくさん落ちていました。古い炭焼き窯がありました。下草はあまり無いので、登りやすい斜面です。15分ほど急斜面を登ると、212mピークに出ました。

ここからは尾根を東に向かいました。すぐにテレビのアンテナがあります。8本も並べてあります。NHKと書いてあるところを見ると、単なる共同アンテナではないのかも知れません。この付近はなるべく東に進路を取ります。尾根には道はありませんが、下草が少なくて歩きやすい尾根でした。

尾根の東に190m+のピークがあり、この先は間違えずに北に進まねばなりませんが、この付近はシダ藪です。道はあるのですが、シダが育ちすぎで足元は見えません。この先は倒木もありシダも生えている雑然とした尾根になります。ときどきシダが胸の高さになりますが、進めないほどではありません。尾根にシダが多いところは、少し西側斜面に降りて歩きました。193mピークには切り開きはなく、藪です。この北は一旦降りますが、この鞍部は道らしきものが横切っていました。そこから先は主尾根まで登りですが、シダは減って木の間隔も広くなってきて、歩きやすくなりました。急斜面もありますが、割と楽に250m+の尾根に到達しました。

この先は西向きに歩きました。この尾根も低木の枝が少し邪魔な程度で、枝を折りつつ進みました。小さな250m+ピークを越し、その先のピークにはアンテナの残骸がありました。ここで気楽に尾根を歩いていたら、北西に向かう尾根に行ってしまいました。よく方角を見極めて、西に延びる尾根に降りました。この付近も道はありませんが歩きやすい尾根です。この先も、尾根を辿ると南に行ってしまうので、曲がらず西に降りて進みました。さらに、尾根が200mを切る付近でも真っ直ぐ歩くと北の尾根に行ってしまうので、西に進路を取り直しました。なんとも迷いやすい尾根です。この付近からは、北の矢野川が木の間から見えます。

194mピークはやや開けていますが、周囲は広葉樹の雑木林です。ちょっと北に尾根を降りて、瓜生四等三角点(158.94 m)を見てきました。なぜかピークではなく少し下がった鞍部にあります。次は南に荒神山を目指しました。ここも尾根を歩くと南東に行ってしまうので、真っ直ぐに尾根を降りてから南東に曲がりました。またシダが増えてきました。破線道が横切る鞍部には、確かに道らしきものが通っていましたが、本当に両側が地形図どうりに下まで降りているかどうかは確認していません。

この先は150m+ピークに登り、少し降りてまた150m+ピークに出て西へ曲がります。雑然とした雑木林が続きます。切り開きがあるような気もしますが、手で枝を折りながら進んだ場所も多かったと思います。その南の鞍部には、切り通しらしいものがありました。北側の溜池の堤防付近から道が登ってきているような木がします。この先は狭い尾根です。ここまでもそうでしたが、狭い尾根は道を間違えないので良いのですが、シダが生えていると巻いて進めないので困ります。

そろそろ荒神山に向かって登りとなる神社付近で、尾根を鉄柵が横断していました。ちょうど南の溜池の堤防付近で、荒神山を取り囲む鉄柵のようです。出入り口とは書いてなかったのですが、よく見ると針金を二つほどくだけで中に入れる場所があったので、そこを通って荒神山を目指しました。ピークの手前はシダが元気ですが、膝くらいの高さです。

荒神山四等三角点(147.06 m)は、写真のように新しい石標でした。その上にはパラボラ型のアンテナが立っています。ちょっと箱を空けて中を見ると地デジ用の装置のようでした。ということは新しいもののようです。アンテナの方向は宝台山ではなく、南を向いていました。

これだけのものを作るには道が必要だろうと思って三角点付近を探すと、南に降りる道がありました。ただし直滑降で降りる道で、歩くには不適です。道の脇の林の中を木に掴まりながら降りました。最後はまた鉄柵とネットがありましたが、少し東に行くとネットだけになり、くぐることができました。竹藪に出てきて、さらにネットをもう一つくぐると人家の裏手に出ました。西に歩いて44号線脇のお地蔵さんのところに出てきました。

地形図をぱっと見て尾根がどこにあるのか分からないようなルートですが、ルートハンティングだと思えば面白い山歩きです。全行程3時間程度でした。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★★☆

地形図は「二木」です。

2009年10月4日日曜日

弥勒寺の周りの山を一周

夢前町の弥勒寺は由緒あるお寺です。その周囲はゆめさきの森公園として整備されています。弥勒寺は南北に走る二つの尾根に挟まれた谷に位置しており、この周囲の山を一周しようという企画です。

登り口は小坪の弥勒寺観光道路の入口にしました。開通記念碑が建っていますが、その後ろから笹藪に入りました。斜面を横切る道があり、かなり先まで進めます。しかし結局道は途中で消えてしまったので、尾根を目指して斜面を一気に登りました。背の高い笹が多少生えている程度で、問題なく登れます。この一帯は雑木林です。尾根は歩きやすく、振り返ると南に展望があったりして、楽しみながら登ることができました。しかし徐々に足元にシダが増えてきます。ところどころ松が生えて下草のない場所もあるのですが、地面がシダで覆われて踏み跡が見つけにくい場所がほとんどでした。250mを越すと尾根はシダが胸の高さまで茂っている場所があり、西側に少し降りて進みました。290m+のピークを過ぎると良い道が現れ、西から登って来られるようです。しかしすぐにまたシダが復活しました。写真は307mピークで、ピーク付近はシダが少ないのですが、この北の鞍部に下るあたりもシダが元気でした。331mピークに向かって登るようになると、ややシダも少なめになり、最後は「通宝寺池800m」の標識の所に出てきました。

この後はゆめさきの森公園ですので、尾根道は良く整備されています。アップダウンのある長丁場ですが、331mピークの南を通って339mピーク、糸田三角点、289mピーク、寺村三角点までは、2006/6/10に歩いています。ここを歩いていて思ったのですが、西の尾根でも東の尾根でも植生は同じですから、西の尾根の雰囲気は東の尾根で整備された遊歩道が無くなった状態を想像していただければよいと思います。今回はこの先を西に「古墳の道」に進みました。この道は小坪の南の尾根まで延びています。道の外れには小坪山古墳があります。この手前に下山できる道があったのですが、古墳の先の尾根をそのまま降りてみました。かなりの急斜面ですが、降りると竹林で、電気の通っている鹿避けの柵に出入り口があって、難なく出られました。

6kmほど歩きましたが、ゆめさきの森公園は道がよいので3時間ほどで歩けました。藪が苦手な方は通宝寺池から登るのが正解です。

展望 ★☆☆
藪山度 ☆☆☆

地形図は「前之庄」です。

2009年10月3日土曜日

猪篠から登る白岩山

2009/05/23に白岩山に登った時に、眼下に猪篠の集落が見え、正面には林道や送電線が通っている山波が見えて、そちらから登ってみたくなりました。

出発点は猪篠の八幡神社にしました。神社の前から道が東に延びています。少し登った所に古い道標があり、右は越知坂道となっています。これは地形図で谷沿いに東に延びて720m+付近で尾根を越している道と思われますので、まずはこれを目指しました。すぐ南に越知ケ峰線という林道が通っており、これは越知につながっています。果樹園の中を歩いて、小ぶりな送電線の鉄塔に寄り道しました。生野支線38です。建設は昭和8年11月となっていますが、そのままなのでしょうか?高圧電線が3本しか掛けられておらず、確かに古そうではあります。

林道があるので古道は消えているのではないかと心配していましたが、鹿避けの扉があって、それを抜けると案の定倒木だらけの荒れた道になりました。しかし少し歩くとまた良い道が現れました。この道は地形図で川が終わる付近で終点になっており、その先は道が見つかりません。とりあえず地形図の破線道と同じような方向に進みました。沢沿いに道があるような気がしたのですが、結局道はなくなりました。見上げると林道のガードレールが見えたので、林道に登り、ここからは林道を歩きました。最初から林道を歩けば早かったのですが、古道が消えてしまったことを確認したかったのです。

林道は舗装されていますから、何の問題もなく歩けます。幅員4mなので自動車のすれ違いはちょっと難しいかもしれませんし、道の脇の灌木や草がせり出してきている部分もあります。しかし沢沿いの藪こぎと比べたら天地の差です。しばしば道沿いに高圧線の鉄塔があり、巡視路が延びていますが、まだ歩き始めで道草を食っている場合ではないので、ひたすら峠まで登りました。生野支線は鉄塔が低いため、電線の下の木は切ってあります。

峠には「越知ケ峰林道要録」という碑があります。昭和61年度完成、延長8070mで総工費50086万円となっています。ここで南の尾根に登って三角点を見に行ったのですが、峠は林道で切り通しになっており三角点を見に行くには崖を登らなければなりません。この尾根は地形図では破線道が通っているのですから、崖にするのはやりすぎではないでしょうか。木につかまって崖を登ると、猪篠四等三角点(659.36 m)がありました。植林の中ですが、なぜか尾根の中央から少し南に外れた位置にありました。

峠に降りて、東側は関電がプラ階段を付けてくれていました。これを登ると大きな鉄塔があります。播磨中央線44です。付近は木が刈られているので東西に展望があります。東の飯森山と西の八幡山が見えますが、なによりもこの鉄塔の大きさに圧倒されました。播磨中央線は新しいだけあって(この鉄塔は平成13年建設)どの鉄塔も大きなものです。

ここからは833mピークを目指して尾根沿いに北上しました。最初はススキや背の高い笹が茂っていて、踏み跡も見つけにくい場所が続きました。笹藪の中で動物の動く音がして、近づくと笹が固まって倒れており、どうやら鹿か猪がその上で寝ていたようでした。笹を避けるには尾根の北側の植林を歩けばよいのですが、尾根にはネットの残骸があって足を取られました。その後はかなり急な植林の中を登ってゆき、尾根に出ると木に白ペンキで「宝寿寺」と書いてありました。道標かと思ったのですが、他の木に書いてあるものを見ると地権者を示しているようでした。833mピーク付近は植林です。

ここからは北に植林の中を歩きました。暗い植林ですが、下草がなく倒木も少ないので歩きやすかったと思います。ときどき東側に展望が開けました。地権者の名前が越知に変った後、不動野三等三角点(902.92 m)に着きました。大柿さんのピンク札がありました。'04.7.4です([1])。ここは桧和田山というようです。

さらに北に歩くと、尾根の植林は尾根が分岐する地点で終わって、その先は灌木が生えています。地形図には尾根の西側に破線道があるので、尾根を少し北東に行ってから北側に藪の間を下りて道に出ました。前回にも通っていますが、倒木あり草ぼうぼうで場所によっては道を外れたほうが歩きやすい道です。北西に尾根を進むとどんどん藪がひどくなり、シダの背が高くなってきました。前に来たのは5月なので、夏の間に茂ったようです。たまに北東の白口方面が見えます。地面の見える場所を探して歩き、900m+のピークは破線道のとおりに北を巻きました。その先の鞍部はさらにシダが茂っており、西側の植林に逃げ出しました。この先では町境は少し北側の谷を通っているようですが、植林の尾根を981mピーク目指して登りました。長くて急な坂でした。

981mピークから白岩山までは前回歩いています。南側は伐採されて展望があります。植林の形跡もありますが、まったく木は育っていません。白岩山は展望も開け風も日差しも心地よく、岩の上でしばらく休みました。

下山は白岩山から西に延びる尾根にしました。ここには確かに道がありました。ちょっと降りると尾根から南にはずれる分岐があってちょっとそそられましたが、そのまま尾根を辿りました。白岩会の登山ルートの標識があり、間違いなく尾根伝いに降りられることを確信しました。かなり降りると、尾根にネットがあり、それが尾根を横切っています。おやおやと思うと、その脇に「白岩山 下山方向です」という標識がありました。これに従うと、植林の中をつづら折りの道で降りることができました。この道は地形図の破線道とは少し場所が違いますが、降りてきた地点は同じかもしれません。降りてきたところの扉には、「山頂では南の方向に姫路港が見えます。南東方向に明石海峡大橋が・・・運がよければ見えます」とありましたが、どちらもまだ見たことはありません。運の修行が足りないようです。なお、この下山道がなければ尾根を西の端まで歩いて高圧線の鉄塔の巡視路で降りようと思っていたのですが、それも面白そうな気がします。

長丁場のようですが4時間しかかかっていません。途中多少の藪はありますが、展望もあるのでお勧めです。

展望 ★★★
藪山度 ★★☆

地形図は「生野」です。