2009年10月3日土曜日

猪篠から登る白岩山

2009/05/23に白岩山に登った時に、眼下に猪篠の集落が見え、正面には林道や送電線が通っている山波が見えて、そちらから登ってみたくなりました。

出発点は猪篠の八幡神社にしました。神社の前から道が東に延びています。少し登った所に古い道標があり、右は越知坂道となっています。これは地形図で谷沿いに東に延びて720m+付近で尾根を越している道と思われますので、まずはこれを目指しました。すぐ南に越知ケ峰線という林道が通っており、これは越知につながっています。果樹園の中を歩いて、小ぶりな送電線の鉄塔に寄り道しました。生野支線38です。建設は昭和8年11月となっていますが、そのままなのでしょうか?高圧電線が3本しか掛けられておらず、確かに古そうではあります。

林道があるので古道は消えているのではないかと心配していましたが、鹿避けの扉があって、それを抜けると案の定倒木だらけの荒れた道になりました。しかし少し歩くとまた良い道が現れました。この道は地形図で川が終わる付近で終点になっており、その先は道が見つかりません。とりあえず地形図の破線道と同じような方向に進みました。沢沿いに道があるような気がしたのですが、結局道はなくなりました。見上げると林道のガードレールが見えたので、林道に登り、ここからは林道を歩きました。最初から林道を歩けば早かったのですが、古道が消えてしまったことを確認したかったのです。

林道は舗装されていますから、何の問題もなく歩けます。幅員4mなので自動車のすれ違いはちょっと難しいかもしれませんし、道の脇の灌木や草がせり出してきている部分もあります。しかし沢沿いの藪こぎと比べたら天地の差です。しばしば道沿いに高圧線の鉄塔があり、巡視路が延びていますが、まだ歩き始めで道草を食っている場合ではないので、ひたすら峠まで登りました。生野支線は鉄塔が低いため、電線の下の木は切ってあります。

峠には「越知ケ峰林道要録」という碑があります。昭和61年度完成、延長8070mで総工費50086万円となっています。ここで南の尾根に登って三角点を見に行ったのですが、峠は林道で切り通しになっており三角点を見に行くには崖を登らなければなりません。この尾根は地形図では破線道が通っているのですから、崖にするのはやりすぎではないでしょうか。木につかまって崖を登ると、猪篠四等三角点(659.36 m)がありました。植林の中ですが、なぜか尾根の中央から少し南に外れた位置にありました。

峠に降りて、東側は関電がプラ階段を付けてくれていました。これを登ると大きな鉄塔があります。播磨中央線44です。付近は木が刈られているので東西に展望があります。東の飯森山と西の八幡山が見えますが、なによりもこの鉄塔の大きさに圧倒されました。播磨中央線は新しいだけあって(この鉄塔は平成13年建設)どの鉄塔も大きなものです。

ここからは833mピークを目指して尾根沿いに北上しました。最初はススキや背の高い笹が茂っていて、踏み跡も見つけにくい場所が続きました。笹藪の中で動物の動く音がして、近づくと笹が固まって倒れており、どうやら鹿か猪がその上で寝ていたようでした。笹を避けるには尾根の北側の植林を歩けばよいのですが、尾根にはネットの残骸があって足を取られました。その後はかなり急な植林の中を登ってゆき、尾根に出ると木に白ペンキで「宝寿寺」と書いてありました。道標かと思ったのですが、他の木に書いてあるものを見ると地権者を示しているようでした。833mピーク付近は植林です。

ここからは北に植林の中を歩きました。暗い植林ですが、下草がなく倒木も少ないので歩きやすかったと思います。ときどき東側に展望が開けました。地権者の名前が越知に変った後、不動野三等三角点(902.92 m)に着きました。大柿さんのピンク札がありました。'04.7.4です([1])。ここは桧和田山というようです。

さらに北に歩くと、尾根の植林は尾根が分岐する地点で終わって、その先は灌木が生えています。地形図には尾根の西側に破線道があるので、尾根を少し北東に行ってから北側に藪の間を下りて道に出ました。前回にも通っていますが、倒木あり草ぼうぼうで場所によっては道を外れたほうが歩きやすい道です。北西に尾根を進むとどんどん藪がひどくなり、シダの背が高くなってきました。前に来たのは5月なので、夏の間に茂ったようです。たまに北東の白口方面が見えます。地面の見える場所を探して歩き、900m+のピークは破線道のとおりに北を巻きました。その先の鞍部はさらにシダが茂っており、西側の植林に逃げ出しました。この先では町境は少し北側の谷を通っているようですが、植林の尾根を981mピーク目指して登りました。長くて急な坂でした。

981mピークから白岩山までは前回歩いています。南側は伐採されて展望があります。植林の形跡もありますが、まったく木は育っていません。白岩山は展望も開け風も日差しも心地よく、岩の上でしばらく休みました。

下山は白岩山から西に延びる尾根にしました。ここには確かに道がありました。ちょっと降りると尾根から南にはずれる分岐があってちょっとそそられましたが、そのまま尾根を辿りました。白岩会の登山ルートの標識があり、間違いなく尾根伝いに降りられることを確信しました。かなり降りると、尾根にネットがあり、それが尾根を横切っています。おやおやと思うと、その脇に「白岩山 下山方向です」という標識がありました。これに従うと、植林の中をつづら折りの道で降りることができました。この道は地形図の破線道とは少し場所が違いますが、降りてきた地点は同じかもしれません。降りてきたところの扉には、「山頂では南の方向に姫路港が見えます。南東方向に明石海峡大橋が・・・運がよければ見えます」とありましたが、どちらもまだ見たことはありません。運の修行が足りないようです。なお、この下山道がなければ尾根を西の端まで歩いて高圧線の鉄塔の巡視路で降りようと思っていたのですが、それも面白そうな気がします。

長丁場のようですが4時間しかかかっていません。途中多少の藪はありますが、展望もあるのでお勧めです。

展望 ★★★
藪山度 ★★☆

地形図は「生野」です。

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