2018年5月27日日曜日

佐用の蓑畑の北の山

これは地図で探すのは困難な地名です。佐用川の支流でである庵川の最上流です。県道443号線の寺坂峠の西の分岐を北へ、海内へと進み、そのまま上土居の八幡神社の前を過ぎて舗装道路を走りました。道路の舗装が終わった付近で車を降りて、さらに北に歩くと、蓑畑です。家が数件あり少なくとも一軒は住めそうな状態でしたが、人が住んでいる様子はありません。電気と電話は来ているようです。さらに谷を北上しましたが、地形図の破線道はすぐに荒れた作業道になります。それでも石積みがあって人手が掛かっているようです。谷の分岐を北に進むと倒木が増えてきて歩きづらくなったので、東側の支尾根に上がることにしました。しかしこの位置で尾根に登るには非常に急な木の少ない斜面を斜めに登る必要があって危険でした。尾根先から登るべきでした。

支尾根は倒木があり急峻ですが、谷よりは楽に歩けました。しばらく登り続けると主尾根に出ました。この稜線は2014/03/29に東の瑠璃寺から歩いています。奥海から瑠璃寺への参道だったらしく、石の道標が所々にあります(写真)。まず東に歩いて684mピークに行きました。前回見つけた変な物体はよく探さなかったので、確認していません。西に引き返して、参拝路どうりに680m+ピークは南に巻いて、北に曲がると倒木があり、その先は北に行けば722mピーク経由での桑村への分岐となります。この場所には以前はお地蔵様が立っていたかも知れません。前回は北に歩きましたが、今回は西に歩きました。こちらも歩き易い尾根で、「海内 分収造林地」の紙が木に貼り付けてありました。

徐々にコースを南に取って、やや藪っぽくなった尾根を歩いて、地形図で蓑畑と下村をつないでいる地形図の破線道を探しました。北の下村に続く谷は倒木の海で、かつては道があったかも知れませんが、今はとても通れません。南側はかろうじて道の跡があり、かなり崩落していますがジグザグに斜面を降りていきました。しかししばらくして現在地を確認するとこの道は南の谷へと降りていっており、蓑畑に向かう地形図の破線道とは違うルートを取っていました。それでも崩落箇所は多いもののなんとなく道は明確で、最後は谷に出ました。倒木が多く谷に沿った道は無いので、渓流をしばらく降りました。水量は少ないのでなんとか降りられました。とは言うものに、とても勧められるルートではありません。しばらく降りると地形図の破線道に出ましたが、ここも道は壊れている個所が多く、倒木で塞がれている場所もいくつかありました。また、川には護岸が作られていても、道路の川と反対側が流されて水路になっており、護岸壁だけ残っているような場所もありました。ちゃんと歩けるようになったのは、車を停めた道路に出る直前の100mくらいでした。

尾根は割と歩き易いのですが、谷は倒木が多いので避けたほうが良いでしょう。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★★★
地形図は「千草}です。

2018年5月12日土曜日

若桜森林鉄道を歩く

先週のリベンジは、[1][2]を十分に参考にしました。先週と同じように県道103号線から林道を歩き、今回は道標の石がある所から登り始めました。同じ場所でも下りと登りでは受ける印象は違います。最初の登りはとてもきつく、尾根に上がって一息つきました。その後も岩場の登りはかなりの急斜面でしたが、それを過ぎると気持ちの良い尾根歩きになりました。先週やっとのことでたどり着いた860mピークを過ぎ、さらに北に歩きました。ときどき標石があります。勾配は少なく、木の間隔が広いので広々しています。周囲はほぼ自然林ですが、笹が生えており、これがはびこると歩きにくくなりそうです。標高900m付近はちょっと登りで、944mピークまで来て、東の尾根に降りました。しばらく歩いて尾根を降りると、道がありました。これが森林鉄道(正確には沢川林道線というらしい)です。

まずは森林鉄道を北に歩いてみました。すぐに切通しがあり、両側はしっかりした石積みで抑えられています。地面には落ち葉や植林の枝の下にレールがありますが、水が溜まっている部分もありました。切通しを抜けると林道が分岐しており、北へ行くのは森林鉄道のルートですが、北西にも林道がありました。森林鉄道を歩くと、レールが道の端に積み上げてありましたが、鉄道を林道に拡張した時に打ち捨てたものと思われます(レールと言っても遊園地の乗り物用みたいなレールです)。あまり急な登りはなく(鉄道なので当然なのですが)、東因幡林道に着きました。これは若桜氷ノ山から続く長い林道ですが、この部分は未舗装です。しかもちょうど森林鉄道の起点となる部分で道路が崩落していました。バイクはともかく自動車で通るのは厳しいと思います。東因幡林道の下にも別の林道があったようですが、これは完全に流されていました。ここまで、県道103号線から2時間以上かかりました。

東因幡林道を起点として、沢川林道線全線制覇を目指しました。まずさっきの切通しまで戻り、その先を歩きました。ほぼ地形図どおりで、東に斜面を進んで行きます。小さな谷は石積みで補強してありますし、カーブは内側のレールを二本にするなど、しっかり作られています。斜面の崩落で埋まってしまった場所もあります。谷に降りて行くのですが、勾配を付けられないので大きくUターンを繰り返します。レールの間に太さ30cmほどの木が生えていて、歴史を感じさせます。最初の谷は橋が落ちており、レールだけが中に浮いていました。橋がどう作られていたのかは分かりませんが、下に特に大きな人工物が落ちているわけではないので、木造の橋だったのかも知れません。この先しばらくは真っすぐの幅の広い道で、ここはレールがほとんど見えなかったのですが、林道用に道を拡張した時に埋めたようです。

尾根先をターンして、次の谷にはコンクリートの橋が残っていました。両端に石を積んで段を作り、そこに二本のコンクリートブロックを載せるという形ですが、この大きなブロックをここまで運ぶのは、鉄道があったとは言え大変だったと思います。鉄道はこの東で切通しを抜けて、次の谷に入りますが、ここには小さなコンクリートの橋が二つ掛かっています。この付近には後から林道が作られていて鉄道のトラックを追えないのですが、標高の高い位置で谷の奥に入った鉄道が谷を東に一度渡り、Uターンして谷の手前でもう一度谷を渡って標高の低い位置で折り返す、という設計のようでした(写真は上流側から見たもの)。なんとも手の混んだ作りですが、この谷を下るにはこうせざるを得なかったのでしょうか。ここでは鉄道は地形図の破線道(林道)よりも下に作られており、分岐があって引き込み線が作られていました。すれ違い用かも知れません。ポイントの動作はよく分かりませんが、特に切り替えるような仕様は見られませんでした。

鉄道は支尾根をぐるっと廻って先程の最初のコンクリート橋の下流に戻ってきます。林道はここで最初の橋まで行ってしまうのですが、鉄道は下流側で再び谷を渡ります。ただしこの橋は落ちています。下にコンクリートブロックが落ちていないので、木製の橋だったのでしょうか?この付近でも鉄道は林道よりも下を通って尾根裾を廻ります。林道は斜面を削って作ってあるのに対して、鉄道は溝の中を走っています。これも勾配を避けるためと思われます。尾根を廻った先には小さな沢がいくつかあって、現存のコンクリート橋が一つ、それから落ちた橋が二つありました(もっとあったかも)。そして少し開けた場所で谷を渡りますが、渡った西側の少し上がった所に建物の基礎が残っていました。レンガやタイルもあり、地中にケーブルも見えました。

鉄道はさらに南に谷を下っていきます。広い谷ですが鉄道は斜面のやや上に作らてています。小さな谷には石積みで道を作り、出っ張った斜面は掘り込んで水平道になるように工夫されていますが、この付近にはレールは残っていません。尾根先を廻って谷が西に、さらに南に向かうと、山側が険しくなってきて、見上げると断崖があったりします。谷が再び西に曲がる付近では鉄道はかなり高い位置になっており、岩を削って作られています。この付近の岩は板状節理がきれいに入っています。尾根先を廻るとガードレールが作られていますが、見た所レールを組み合わせて作ったような感じもします。山側は節理の入った岩が続き、楽しめる道ですが、しばらく行くと終点に着きました。ここには大きなコンクリートのブロックがあって、ウィンチか何かが設置されて木材を谷に下ろしたのだろうと思います。GPSでは鉄道路を歩き始めて6kmほど、標高差150mほどになっています。Mirindaの瓶が落ちていました。

問題は森林鉄道の終点からどうやって下山するかです。斜面を100mほど登れば平らな尾根に出られますが、また860mピークに戻って帰ることになるので時間がかかります。降りる方は急勾配ですが、先週登った沢からは300mほどしか離れていないので、そちらを目指して降り始めました。最初は道らしいものがあって、斜めに西に下っていくとレールのようなものが落ちていました。しかしその先はガレ石(板状節理のかけら)の急斜面となりました。崩れやすい土の斜面よりは降りやすいのですが、その先は土なので枝や草に掴まって斜めに降りて行きました。斜面をトラバースして先週登った沢に着きましたが、沢の斜面は掴まるものがなくて、降りて沢を渡るのにはかなり時間がかかりました。今から考えると、最初から斜めに降りるのではなく、材木と同じようにまっすぐ谷に向かって降りて、[2]のように標高の低い位置で谷沿いに歩いたほうが、この沢の下の方に出てくるので楽だったと思われます。沢を渡ると先週歩いた作業道があり、さらにもう一つの沢を渡ってからも作業道を見つけて、無事に林道まで降りることができました。

姫路からは車で2時間かかりますし、決して行きやすい場所ではありませんが、森林鉄道だけでなく、周囲の自然まで含めて楽しめる山歩きでした。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「若桜」です

2018年5月5日土曜日

若桜森林鉄道を探す

これは次回のリベンジと一緒に読んでいただく必要があります。

若桜森林鉄道(正確には沢川林道線というらしい)は、若桜町の諸鹿の東にあります。この日は偵察という感じで、地形図の破線道がどこまで存在するのかを調べてみました。県道103号線は諸鹿のところで「落石のため通行止」となっていますが、森林鉄道につながる林道の入口までは舗装道路で問題なく行けます。途中で見上げると屏風岩が上の方に聳えています。来見野川に石楠花橋という立派な橋がかかっています。林道は整備されていますが雨上がりはぬかるみ気味で、車で入るのは勇気がいります。とりあえずは歩くことにして綺麗な植林を進むと、道は支流へと入っていきます。そしてかなり長く歩いて、地形図で破線道が谷に降りている地点に着きました。ちょっと広々しています。破線道はこの地点から北側の斜面に描かれています。林道はこの先も南の谷に続いていますが、この林道を横切って沢の水が流れています。

まずは破線道を辿ろうと北斜面を歩いてみましたが、倒木だらけの急斜面の植林で歩けません。そこで林道に戻って沢の水を駆け抜けて渡り、沢の南側を登りました。しばらく歩いて、地形図で破線道が斜面を登り始める付近で北側に移ろうとしました。しかし水量が多くて飛び越えるのは無理で、結局靴を脱いで歩いて渡りましたが、水が冷たく、たった数歩ですが渡り終わった時には足が凍えていました。北斜面は植林の急斜面です。木につかまって登ると、水平道を見つけました(写真)。破線道のように斜面を垂直に登る道はあるのかと探しましたが、結局ありません。そもそもこの急斜面に垂直に登る道を作るのは不可能でしょう。仕方なしに少し水平道を東に歩きましたが、地形図の破線道とはどんどん離れていきます。しばらく行くと沢がありました。破線道はこの上を通っているので、この沢を登ることにしました。ガレ石の多い非常に急峻な沢で、そのうちに疲れてきて西側の斜面を登り始めました。ところが下から見上げるよりも実際の斜面はずっと急で、四つんばいで這って登るしかありません。それでも木の枝や根など掴まるものがあれば良いのですが、それがないと登れません。何度か途方に暮れて進路を変えつつ、キャラボクの茂みを抜けて、やっと立てる支尾根まで上がりました。ここでGPSを見ると、既に破線道の上に来ていました。ということは、破線道に相当する道はなかったということになります。這って登ったくらいですから、道が崩落したとも思えません。

これで調査は終わりですが、ここからどうするかが問題で、結局主尾根の860mピークまで登ることにしました。支尾根なので最初は歩けましたが、そのうち尾根上に大きな岩が現れました。これを苦労して迂回して登ると、地形図どうりに標高750m付近は非常に急で、また四つんばいを余儀なくされました。疲労困憊して標高800mをクリアし、平らな尾根に出てきました。この後は楽に歩けて、860mピークに着きました。広々とした気持ちの良い尾根です。

この先更に森林鉄道を見に行く元気はなかったので、ここから尾根伝いに戻りました。この主尾根ルートは登る時にはあまり迷わないと思いますが、下りではかなり複雑です。まず最初に860mピークから方向を間違えました。途中は標高700mから750mの間は岩場の急斜面です。その下はやや藪っぽくなりますが、藪漕ぎと言うほどではありません。最後は調子に乗って標高600mより下まで降りてしまいましたが、林道に降りるには少し戻って支尾根を降りる必要がありました。やや急な支尾根を降りて、林道に降り立ちました。ここには古い石の道標があり、[2]によると「右・山ミち 左・おじろ」と書かれているようですが、おじろとは何処でしょうか?

今回はとにかく地形図の破線道が存在しないことを確認しました。林道までの行程の半分ほどしか行っていないので、次はちゃんとインターネットの情報([1][2])を使って鉄道を見たいと思います。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★★★
地形図は「若桜」です

2018年5月3日木曜日

福知から登る岡ノ上三角点

2009/07/04に福知から林道小の倉線で福地三角点経由で岡ノ上三角点へ歩いたことがあります。この時はとても長いルートだったのですが、もっと短縮してダイレクトに登れないか試してみました。

前回と同様に棚田から林道小の倉線を歩いて行ったのですが、害獣避けの扉に鍵が掛かっており、先に進めません。付近に扉を探したのですが、小さな扉も固定されていて通れません。結局少し戻って堰堤の下の所から登って行くと別の扉があって、これは通れました。この扉は小の倉線にも通じていましたが、今日はこの付近から植林に入って登り始めました。幅の広い尾根で、そこそこ急斜面ですが木に掴まらずに登れます。伐採された木や枝打ちされた枝がありますが、あまり障害にはなりません。そのうちに自然林や岩も多少増えてきます。そして標高700m付近まで登ると左手(東側)が伐採地となりました。さらに登ると、東四等三角点(829.83m)がありましたが、この付近だけ藪でした。さらに植林を抜け、伐採地を抜けて、主尾根に出ました。ここは2009/07/04に通っています。東に930m+ピークまで歩いて南東に曲がりましたが、この付近はまず藪、それから倒木だらけでした。2009年にはこんなに倒木はなかっただろうと思います。倒木地帯を避けて少し東に寄りつつ鞍部を抜けて、ゆるやかに登っていくとアセビの藪の山頂に着きました。藪の中に岡ノ上四等三角点(949.07m)がありました。ここは最近では2015/06/20にも暁晴山から来ていますが、新たに「宍粟別選5名山 岡ノ上三山 岡ノ上(949m)」というプレートが立っていて、見つけやすくなっていました。

下山は来た道(道はありませんが)を引き返し、930m+ピークをそのまま北に歩きました。周囲の雰囲気はここまでと変わらず、アセビを主体とした藪です。マーキングがあり道もかつてはあったようですが、かなり障害物が多く迂回する場所が多かったと思います。894mピーク付近には植林もありますが、尾根の上は藪です。ここで西に尾根を折れて、さらに藪を下りました。結局標高800mを切る付近になって、やっと植林を降りられるようになりました。長い尾根を下り、566m地点の手前まで来ると眼の前は伐採地でいきなり視界が広がりました(写真)。眼下に集落が見えますが、高峰も見えましたし、遠くの山々まで見渡せました。伐採地の下には林道があり、ジグザグに降りていく作業道がありましたが、ガレ石が多そうだったので西に尾根を歩いて植林を降りました。最後はちょっと急勾配でしたが、無事に林道小の倉線に降りられました。

ダイレクトと言っても標高差は700m近くあるので、お気楽登山ではありません。アセビだらけで鹿の食害がひどいようです。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「長谷」です。