2007年10月28日日曜日

三日月の大乗山から上本郷への林道

三日月の大乗山の林道のことは,前にも書きました。今回は,この林道を歩くときに迷い込んだ東向きの林道がどうなっているのかを調べてみました。

出発点は,三日月の茶屋です。少し南の交番の裏から,大乗山の頂上近くに登る林道があります。これは良く整備された道で,部分的には簡易舗装されています。じっさい,登っている途中に降りてくる軽トラックに会いました。

水平な尾根に沿った林道に出たら,東に進路を取ります。大乗山の三角点(300.3m)もすぐそこです。この道も良く整備されていますが,それだけでなく,尾根からあちこちに分岐があり,良く整備された里山という感じです。茸や栗を取りに来るのでしょう。ただし,東に歩いて行くと途中から崖の赤い土砂が崩れている場所があり,ここは自動車で抜けるのは大変でしょう。

東に向かう林道への分岐に出ます。ここまで歩いてきた大乗山へ向かう道よりも,東に向かう道の方がずっと良い道です。この林道は基本的には尾根に沿っていますが,尾根の北側の斜面につけられています。自動車のすれ違いの場所が設けられていますが,小型乗用車ならどこでもすれ違えるでしょう。ガードレールも随所に設けられています。

北側の谷を見ながらしばらく行くと,道が大きく北に曲がってゆきます。ここから尾根は北向きになりますが,その前に近くの大山三角点(368.6m)を見に行きました。林道からは100mも離れていませんが,一番近いところで林道からアプローチすると非常に急なので,少し北に行ってから植林の間を登って尾根に出て,そこから南に歩きました。よく手入れされた植林です。三角点近くは雑木林で,茸狩りの人に会いました。松茸を探しているそうですが,見つかったのは1本だけで,あとは普通の茸(おいしいのだそうですが)だそうです。この付近は山崎の近くとは違って,松茸山とはみなされていないようです。

さてその三角点ですが,見事に壊れています(写真)。国土地理院に知らせるべきでしょうか?(三角点と彫ってある面を上にしたのは私です)この付近は,南向きに若干展望があります。

林道に戻って北に歩きます。良い道なのですが,砂利道で足が痛くなってきます。道の脇に小屋があり,地主の方の道具などが置かれています。また,「アオラ」という仏花を育てておられるそうです。林道は尾根の西側の斜面につけられており,西側の御殿山方面の展望が開けます。近くの高丸山や栗栖池の付近は倒木がひどいのですが,この林道に沿った地域には大規模な倒木は見られません。手入れがよいのかも知れません。

それにしても長い林道です。ここまで延びているとは予想外でした。この林道は25000分の1の地形図にもゼンリンの地図にも載っておらず,Google Earthでは分解能が低すぎて見えず,唯一Yahooの地図の航空写真に写っていますが,それも大山三角点の北で終わっています。最近作られた林道に違いありません。正直言って,これだけ長いと飽きてきます。東側が見える場所がたまにありますが,目下にあるはずの栗栖池は植林が高すぎて見えません。424m地点は,400m+くらいの西側斜面を巻いて進みます。このあと,町界(現在はたつの市と佐用郡の境)は375m地点の方に向かいますが,林道は424mピークの北で北西に延びている尾根の北側を進みます。北側に展望が開け,大内谷の民家が見えます。しかし林道はこのあと西に進み,次のピークの南側を通って,372mピークの手前の大きな切り通しを経て尾根の北側斜面を降りていきます。

大きなカーブをいくつも経て,かなり標高が下がって大内谷の南の250m付近まで降りてくると,工事用のシャベルカーが何台か休んでいます(この日は日曜日でした)。そして,「林道工事中 林道三日月本郷線開設公示 期間平成19年7月3日~平成20年2月28日 佐用町役場 農林振興課」ということで,まだ工事中ということが分かります。え?工事中?降りられないの?と戸惑っていると,林道は見事に終わってしまいました。この林道の工事は三日月側からのみ行われているようで,まだ北の降り口まで達していないのでした。

まさかここまで来て引き返す気もしないので,尾根と思われる付近から降りることにしました。最後になって,やっぱり藪漕ぎです。急斜面ですが,樹木の密度は高くなく,途中には切り開きのような場所もあり,墓地の裏手に出てきました。あとは本郷川に沿って歩いて三日月に戻りました。

林道歩きのお好きな方がおられれば,お勧めです。夏は暑そうですが,冬は気持ちがよいかも知れません。完成すれば,砂利道のドライブルートとしてもお勧めです。

展望 ★★☆
藪山度 ★☆☆ 林道が完成すれば皆無です

2007年10月21日日曜日

莇野から登る神種三角点

夢前町莇野は,菅生川の上流,中国自動車道の北側です。この東側,中国自動車道のすぐ北側に東西に走る尾根があります。ちょっと下がって東側の山には,神種の三角点があります。明神山の南に広がる山並みです。これを縦走したら面白そうだと思ったのですが,バスの便が悪い場所なので,車を莇野側にとめて,三角点まで往復しようと考えました。四辻と前之庄はバスが来ていますから,早起きすればバスを使っても歩けるルートだと思います。

この山の西側は送電線がありますから,巡視路を探すのが早道と思いました。そこで送電線の下付近を探したのですが,見つかりません。そこで,少し南下して,「やくしの森」と書いてあるところから登りました。麓には薬師堂がありますが,登っても木のベンチがあるだけです。登山口は見あたりません。脇に墓地があったので,そちらに行ってみると,山林に上がっていく道がありました。ここから登りました。

最初は植林ですが,そのうちに雑木林になります。尾根に出ると,北側の植林の木が切られており,尾根は歩けません。しかし,南側の雑木林の中を歩いて登れます。そのうちに送電線の鉄塔に出ます。309m地点に立っている,播磨線73鉄塔です。この付近は開けた平坦地で,西や北の展望が開けています。明神山も見えます。ここから東へ次の鉄塔までは尾根の巡視路ですから,ルンルンで歩けます。とは言え,倒木を避けなければならない場所もあります。時々南や北の展望が開けます。次は紅白に塗られた74号鉄塔となります。この後も,しばらくは巡視路歩きとなりますが,広い尾根で巡視路もはっきりしません。巡視路は385mピークには行かないので,ここで巡視路から外れます。巡視路からピークまではすぐです。

この後,神種三角点に行く道は,地形図から見て予想していた通り,非常に分かりにくいものでした。地形図から見て明らかなのは,真っ直ぐ東に行くと行き止まりの尾根に出るということです。そこで,北東に歩きますが,北に寄りすぎると鉄塔に出てきます。これは播磨線76です。385mピークからほぼ真北に延びる尾根で,神種三角点に行くにはこれと谷を隔てた東側の尾根を降りていく必要があります。うまくこの尾根に出られれば,割とはっきりした踏み跡があります。さらに,両側が下り急斜面になっている植林の尾根に出てくれば正解です。

神種三角点までは,雑木林の中を抜ける踏み跡があります。写真は,この付近から見た明神山です。明神山は木々の合間から常に見えていました。倒木もありますし,ルンルンでは歩けませんが,枯れ枝を折りながら進むと,三角点に到達します。テレビの中継アンテナが立っています。三角点から東に降りる明瞭な道がありますから,神種に降りるのは容易と思われます。私は385mピーク近くまで引き返し,76号鉄塔まで降りて,そこから更に北側の鞍部(明神峠)まで降りて,西の馬谷に行く林道を歩きました。山の北側でじめじめしていますが,気持ちの良い林道でした。

思ったほど倒木が無く,歩きやすいルートだと思います。385mピークから神種三角点までは,かなり迷いやすいと思いますが,ルートハンティングだと思って楽しむのが正解と思います。

展望 ★☆☆
藪山度 ★☆☆

2007年10月14日日曜日

中村・前之庄三角点

塩田温泉から林道塩田線を登って坂地峠から棚原山に登るルートは,よく知られています。このルートを通ると,当然「この峠の北の山はどうなっているんだろう?」という疑問が湧きます。この疑問に答えるべく,北側の山に登ってきました。

塩田温泉から峠に行くと,棚原山への道よりも少し手前の北側に,コンクリートの壁があります。この壁の端は段になっていて,ちょうど階段のように見えるので,ここを登り口にしました。もちろんこれは階段ではありませんが,テープのマーキングがいくつもあります。そして,すぐに尾根に出るのですが,驚くほどたくさんのマーキングがあります。地面には木の標識もありますし,ここから中村三角点までは,迷うことはまずありません。勾配は急ですが,振り返れば木々の間から棚原山が見えます。

293.9mの中村三角点は,特に特徴のある場所ではありません。驚いたのはここに大柿さんの赤いプラスチック板が下がっていたことです。このルートを歩かれていたとは知りませんでした。家に帰ってから調べたのですが,確かに2002/11/10に記録があります。ただし詳しいことは書いてなくて,「大藪覚悟で突入したが小藪程度で縦走完了」とあるだけです。小藪と言えるかどうかは,この後を読んでください。

中村三角点で尾根は少し折れ曲がります。ここからは古知之庄が望めます。この先の尾根にはマーキングは全くありません。雑木林の間を進みます。尾根道はありませんが,雑木林なので倒木があっても問題はありません。小さなピークを一つ過ぎると,東から送電線の巡視路が上がってきます。ここからは関電のおかげで歩きやすい尾根道になります。この道は次の250mの小さなピークを西側からぐるっと巻きます。登ることもできますが,かなり藪っぽいと思います。そして巡視路はピークの北側を東に巻いて,尾根の上にある小さな鉄塔に着きます。とても可愛らしい鉄塔で,足の間隔は2m程度しかありません。神野溝口線95です。建設は昭和14年3月ですから,小さいのも分かります。

ここから巡視路は北の鞍部へ降りていきます。ここは草が生えていて地面が見えないので,転んでしまいました。この付近は藪なので,巡視路が無いと歩けないかも知れません。鞍部は植林ですが,巡視路は真っ直ぐに藪の方に登っていきます。そのまま登っていくと,笹藪になりますが,さすがに関電の巡視路はしっかりしており,笹のトンネルの中を進んでいきます。笹藪に道を付けると,両側の笹が大きく育って倒れるために,トンネルになってしまいます。林田付近では何度かこれにひどい目に遭っているのですが,関電はしっかりと笹を切っているので,しゃがんで歩いていけます。途中に次の鉄塔への分岐点があるのですが,これも笹のトンネルの中です。この付近の笹のトンネルは見事なもので,一見の価値があります。そして神野溝口線94に出てきます。杉之内がよく見えます。巡視路はここで行き止まりです。ここから尾根に乗る予定だったのですが,周囲は笹藪でとても尾根には行けません。

しかたなく鞍部まで引き返しました。東へ歩いて植林の中を登って尾根に出ましたが,なるべく鉄塔から遠くの地点に出ないと,尾根は笹藪です。この付近の尾根は藪がちで歩きにくいのですが,しばらく行くと雑木林の普通の尾根になります。道が無いので枝をかき分ける必要はありますが,軽快とは言えないにしても歩くのに支障はありません。282mピークに近づくと踏み跡がはっきりしてきますが,これはピークの西側を通り過ぎます。北に行くにはこれが正解で,下手にピークに登ってそのまま進むと東の尾根に出てしまいます。

次のピークも踏み跡は西側からピークへと登っています。このピークは四つ角になっており,東は香寺町中村へ,北は久畑三角点経由で中国自動車道の南に降りるようになっています。私はバスに乗る都合から,西の尾根を進みました。

この西の尾根は広くて迷いやすい場所です。方位磁石で常に方向を確認しないと現在地点がわからなくなります。雑木林ですが木の密度が高めなので,枝を押しながら進みます。踏み跡と思われるものがたまにありますが,ほとんどは藪です。北にみどり丘の住宅地や七種山方面が見えます。この後247mピークまでは倒木もあり,歩きやすいとは言えない雑木林です。

この先は地形がますますわかりにくくなり,方位磁石は必須です。植林があり,倒木もありますが,通れます。そして前之庄三角点(213.6m)ですが,完全にシダに埋まっており,発見するのに苦労しました。(写真)

問題はどうやってこの山を下りるかです。三角点の周囲はどちらを見ても急斜面の藪です。降りられないことはないと思いますが,シダも多く,避けたい場所ばかりです。また,下手に降りると工場に入ってしまう可能性もあります。そこで,少し東に戻って,地形図で見るとちょっと尾根っぽい南側を降りていこうと考えました。この場合の問題は二つ,南斜面なので藪がきつそうなのと,沢に降りてその先歩けるかどうかです。

最初はこのルートは正解のように見えました。多少の尾根があるのです。しかしどんどん急斜面になり,藪も密度が高くなります。木に掴まり,枝を押して降りると,沢の近くまで降りられましたが,ここは笹藪です。万事休すかと思いましたが,沢は笹で完全にはブロックされていません。足下には岩の間を水が流れていますが,とにかくしばらく進むと,沢の南側に林道がありました。

正しい降り方は,今でもわかりません。林道の入口の工場脇には関電の巡視路の標識と「まむし注意」の標識があります。登るのなら,ここから登るのが正解でしょう。しかし,三角点からここを目指して降りて来るのは容易ではありません。なお「点の記」は北側の林道から登っています。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★★

2007年10月13日土曜日

再び間違った道で登った三坂三角点

再びというのは,前回の黒谷三角点のリベンジの話です。黒谷三角点も三坂三角点も安志の南東の山にあり,尾根で繋がっています。黒谷三角点へは長野から東に延びた道を入って,北側の林道から尾根に登ったのですが,藪と植林を突破する必要があったので,今回は南側の林道から尾根に登ってみました。

前にも書きましたが,これらの林道は地形図のようには繋がっていません。南側の林道は良く整備されており,途中は舗装されています。しかし,石がたくさん転がっていますし,大きな切り株が道を塞いでいる場所もあります。そして,林道にはよくあることなのですが,突然終わっています。その終点は,地形図で言えばまさしく谷のどん詰まり,標高270m付近です。正面には488mのピークが見えますが,まだ200mも急斜面を登らねばなりません。終点の先は谷ですが,草が茂っていてとても歩けそうもありません。登り口のようなものもありますが,すぐに草で行く手を阻まれます。しかし,よく見ると左手,つまり北側は植林で,そちらに行く道がありました。

ここから尾根に出るまで,ほぼ1時間かかりました。植林への道はすぐに消えてしまい,後は藪を歩くしかありません。この辺りの植林はかなり伐採されており,丸太が斜面に転がっている状態ですが,その上にシダをはじめとした大きな草が生えているため,丸太が見えない場所が多数あります。しかも,地形図からもわかるように急斜面です。丸太の上を歩いているうちはいいのですが,足を踏み外すと転んでしまいます。これなら前回登った斜面の方がずっと楽でした。

間違った道のことを詳しく書いてもしかたありませんが,登るならいっそ植林が伐採されてしまった裸の斜面の方が楽かも知れません。この尾根には,北の端から登るか,送電線の巡視路を伝って登るのが無難です。

尾根に出てからは,488mピークの北から今回は東に進路を取りました。この付近は比較的よく手入れされている植林で,倒木も切ってあります。しかし,開けた尾根道というようなものはありません。しばらく歩くと三坂三角点(477.9m)に到着です。(写真)

この後も,ずっと尾根を歩きました。この尾根については大柿さんの記録を読んでいて,歩きやすそうな気がしていたのですが,決してそんなことはありません。確かに絶望的な倒木地帯はありませんが,倒木はたくさんあります。そして,尾根の分岐が多く,例えば私は439m地点で南東に向かってしまい,途中で気がついて引き返しました。

この後,鞍部に出ますが,ここは東も西も下りられそうでした,しかし,東は工事の音がうるさく,ダンプと並んで歩くことになりそうですし,西側は地形図で見ると崖の上に出てきそうなので,さらに南の尾根に進みました。

この付近はとりたてて特徴はありませんが,相変わらず倒木が多く,決して気楽に歩ける尾根ではありません。しかもアップダウンがかなりあって疲れます。

414m地点には倒木があり,北から来てそのまま進むと西向きの尾根に行ってしまいます。歩きやすい尾根なのでそのまま降りられればいいのですが,少し進むと岩場があり,その先は道は無く,急斜面の藪です。しかたなしに414m地点に戻り,倒木で見えなかった南の尾根に進みます。切り開きはありませんが,しばらくは尾根道です。しかし,350m付近で急斜面になり,後は木に掴まりながら降りるしかありません。ここまでは蜘蛛の巣を払うために木の枝を持っていたのですが,ここからはそれすら持てません。適当に降りていったのですが,場所によってはまさしく藪漕ぎでした。最終的には谷のような場所に出て,大きな石を踏みながら降りて行ったところ,三坂の村に行く舗装道路に出ました。帰りは古瀬畑からと決めていたので,峠越えの道路に出て,峠を越えて奥護持へ行きました。疲れた足には堪えました。

この山は,二戦二敗となりました。二回とも尾根まで登れているのですから,必ずしも負けではないのですが・・・

展望 ★☆☆
藪山度 ★★★