2009年11月29日日曜日

山之内から賀野神社へ

山之内小学校の裏に、鍋倉山という山があります。ここから尾根に乗って北上すると、雪彦山の東の賀野神社まで尾根伝いに行くことができます。この尾根を歩いてみました。

山之内小学校の西側の道路を北に歩くと、角に「鍋倉山城跡」の標識が立っています。もう少し雪彦山方面に歩くと、やや壊れかけた「なべくらの森」と書かれたゲートが立っており、ここから鍋倉山に登ることができます。小学校の課外授業に使われているのでしょう。山頂にはネットやロープがあって、遊べそうです。山之内の地図もあります。山頂は二の丸だったそうで、北に降りた鞍部にはお地蔵さんが祭ってあり、ここが本丸跡だそうです。尾根を北に歩くには、ここから尾根を登ります。

最初は長い急峻な尾根ですが、下草がないので助かりました。300m付近からは草木が増えてきます。320m+のピークは薮です。このピークでは尾根が東に曲がっており、注意深く北の尾根に降りました。迷いやすい地点です。一度270m+まで降りて、再び340mピークまで登りましたが、あまり急峻ではなかったと思います。この後はやや高度を上げながらアップダウンが続きます。400mを越えるピークが出てきたあたりから、雪彦山の大天井岳が見えるようになります。雄大な眺めです。他にも西側の山並みはよく見えます。そして446mピークへは急坂です。

446mピークでもうっかりして東の尾根に行きそうになりました。方向を確認して、さらに尾根を北に歩きました。藪もありますが、あまり長くは続きません。場所によっては道があります。そして林道が近付くと、お堂の跡があります。現在は林道沿いに移されているお堂のようです。この手前に東へ降りる道のようなものがありましたが、はっきりしません。

林道には降りずに、ずっと尾根を歩きました。地形図からもわかるようになだらかですが、ちょっと藪っぽい感じです。502mピークも薮です。その北を降りて鞍部に出ると、標石らしき石が転がっていました。裏返すと字が書いてありました。「かんべ」と読めますが(写真)、どこのことしょうか?この鞍部から西側に降りると、賀野神社までは道跡がありました。あとは、「散歩道」という標識の立っている旧参道を降りましたが、かなり荒れていました。淡路ヶ丸にあるような井戸がここにもあり、地滑り対策だそうです。

長い尾根歩きですが、ピークで尾根を間違えなければ楽なコースです。帰りはバスに乗るのが楽だと思います。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆

地形図は「寺前」です。

2009年11月21日土曜日

西カニワ渓谷から皆河三角点

雪彦山の登山ルートとして、安富町関から北に行ってカニワ口(かにわぐち)渓谷を遡るルートがあります。この時にカニワ口渓谷に行かず、そのまま北に行ったらどうなるのか疑問に思っていたので、行ってみることにしました。関から林田川を遡ると、左手に岩山が聳えており、さらに進むと「千寿の水」があります。ここがカニワ口渓谷の入口ですが、ここで川を渡ると「通行不能 路線 東河内安積線 理由 巾員減少1.0m 箇所 これより300m先」という看板が立っています。道は立入禁止となっていますが、これを北に進みました。

この道は県道430号線です。起点は一宮町東河内で、終点は安富町(安志?)ですが、通行不能区間が「宍粟市一宮町東河内 - 宍粟市一宮町東市場間」と「宍粟市一宮町東市場 - 姫路市安富町関間」となっています。Yahooの地図を見ると、この北の山を越した岡城川沿いの林道が430号線となっています。つまり、これから歩くのは「宍粟市一宮町東市場 - 姫路市安富町関間」の通行不能区間となります。自動車が通れないのと人が通れないのは大違いですが、従来の経験から言って、このような場合は人も通れないケースが多いようです。「宍粟市一宮町東河内 - 宍粟市一宮町東市場間」の方は、破線道すらありません。

立入禁止の先には鮎釣りの施設がありますが、こちらも立入禁止です。その先には分岐があって、右の山に入る道に赤い「火の用心」が立っています。この山には送電線があるので、尾根伝いにそれに登る道だろうと判断しました。県道の確認が目的なので、沢沿いに進みました。次は地形図にもある堰堤で、「通常砂防工事 西カニワ堰堤」とあります。この沢の名前は西カニワ渓谷としておきます。

この辺りから道は消えてしまって、沢沿いに歩くことになりました。水の多い沢です。太い管が走っており、水を採取しているようです。岩だらけで水の多い沢は歩きにくく、疲れてきたので先ほどの送電線の巡視路に戻ろうかと思っていると、橋が現れました。しっかりとした石積みがあります。ここは地形図で破線道が沢を渡っている所ですが、東からはしっかりとした道が来ており、これが巡視路だと分かりました。沢歩きが嫌いなら、素直に「火の用心」に従えばよいようです。この橋は丸太や板でできていますが、かなり腐っていて危なそうなので、岩を伝って橋の下を渡りました。橋の反対側には「火の用心」があって、さらに上流を指しています。ここからは歩きやすい道になりました。地形図どうりに沢の西側の少し高いところを通っています。「カニワ公団造林地」と書いてあります。

頭上に送電線が見えてくると、8番と9番の鉄塔への分岐があります。その先は倒木が増えてきますが、だいたいは切ってあります。しかし道は沢を横切ってまた戻ってと、地形図とは必ずしも一致しません。そして炭焼き窯の残骸があったり、倒木がかなり増えて歩きにくくなると、小屋がありました。トタンの波板で作られた大きめの小屋ですが、完全に倒壊していました。ここは地形図で川の最上流にあたる場所です。ここより北の沢は倒木だらけでした。東側の山は登れそうでしたが、目的である県道を探すために一度少し戻りました。地形図の破線道は途中で西に折れているのです。破線道に相当する付近には植林の作業道があり、破線道どうりに北西、そして北に進みましたが、その先の沢はまた倒木だらけで道は見あたりません。そこで右手の尾根に登りました。これは地形図では沢と破線道に挟まれた尾根になります。急峻で長い尾根登りでしたが、障害物はなく、目指す姫路市と宍粟市の境界の尾根に着くことができました。関から歩き始めて2時間近くです。

尾根には鉄塔がありました。播磨北線14です。金属プレートの三角点もあります。岡城四等三角点(794.27 m)です。北側の眺めが良く、暁晴山や岡城川が見えます。ここからは東に尾根を歩きました。歩きやすい尾根でしたが、アップダウンがけっこうありました。周囲は植林が多いのですが、894mピークに出ると木や草が茂っています。展望は素晴らしく、姫路市最高峰の977mピークや高場山が見えます。ここでちょっと藪っぽい道を通って北に降りて、播磨北線17鉄塔に行きましたが、ここからの眺望も素晴らしく、染河内川流域も見えます。北に降りる巡視路があり、北を走る岡城林道から登ってこれるようです。地形図では岡城川沿いから破線道が延びていますが、これは見つかりませんでした。

ここからはネットの張ってある尾根を南に歩いて、皆河三等三角点(915.75 m)に出てきました。写真は三角点ですが、背景の鉄塔は姫路市最高峰です。展望は抜群で、海が見えました。ここには安富反射板(4x6m、標高910m、平成19年3月完成、中播磨県民局所属)が西を向いて立っています。周囲の樹木の伐採状況から見て、南北に電波を反射して伝えているようです。

さらにネットの張ってある尾根伝いに歩きましたが、ネットの北側はススキの原っぱです。伐採が進んでいます。しばらく東に進むと北東に延びている尾根があってそちらに行きそうになりましたが、注意して南東に進みました。この付近は道はありますが木の枝などが落ちていて、歩きにくくなっています。そして雪彦山ではおなじみの道案内板が現れると、播磨中央線13鉄塔です。ここからの眺望も素晴らしく、北東南と見渡せます。この付近はカニワ口渓谷から登ると出てくる地点です。

あとは雪彦山のメインストリートを、942mピークの分岐、雪彦山遭難対策協議会によるとauの携帯OKとなっているが圏外だった通称鉾立山、案内板だらけの雪彦山四等三角点(915.15 m)と進み、標識どうりに谷を降りて千畳平、鹿ヶ壺を見て関に帰ってきました。約5時間の道のりでした。

思ったよりも倒木が少なく、ひどい藪漕ぎもなく市境の尾根に出られたのは発見でした。安富反射板は姫路市最高峰から見つけて行ってみたかった地点でした。距離は長めですが眺望の良いルートなので、健脚派にお勧めです。

展望 ★★★
藪山度 ★★☆

地形図は「寺前」です。

2009年11月7日土曜日

神河町の宮野三角点

寺前から県道8号線を西に走ると、宮野の付近で鉄塔の立っている山が聳えています。県道は小田原川沿いに東にこの山を迂回しますが、立派な山なので登ってみることにしました。登り口は宮野の北、立岩神社の先の付近で、「石の懸樋」の説明がある付近ですが、この石の懸樋の本体がどこにあるかはよく分かりませんでした。とにかく近くに扉の付いた舗装道路があり、扉を開けて登り始めました。

この道は地形図どうりに北中谷川の砂防ダムで終わっています。そもそも高圧線の鉄塔を目指すのであれば、砂防ダムまで来ないで途中で尾根に取り付くべきですし、砂防ダムからでも東に向かって尾根に出るべきです。しかし、砂防ダムの東側斜面を登ると道があり、谷沿いに延びていたので、それを辿ることにしました。この谷には炭焼き窯の残骸がいくつも残っています。そして最後は岩と倒木だらけの谷だけになってしまいます。その付近で見上げると頭上には送電線が走っており、だいたいの位置を把握することができました。右手の尾根を目指して登ると、鉄塔よりも上の500m付近に出てきました。この尾根の勾配はきつく、鉄塔まで降りる元気はなかったので、さらに尾根を登りました。

少し登ると共同アンテナがありました。そしてさらに急勾配の植林を登り続けると、日和四等三角点(606.64 m)に着きました。三角点の東側に炭焼き窯の跡がありました。三角点付近は木が切ってありますが、展望はありません。ここまで1時間弱でした。400m近く登っていますが、もう300m登らねばなりません。再び急勾配の植林を登り続けると、800mを越した付近から伐採した倒木が増えてきました。830m+ピークは倒木で埋まっています。特に三角点も無いので南側斜面に降りて歩きました。尾根に戻ると太田ダムが見えました。「災害に強い森づくり」と書いた杭が立っていましたが、周囲は伐採した木がそのままになっていました。これで災害に強い森が作れるのでしょうか?840mピークは正確にどこだったか分かりませんが、この付近は尾根に道があります。暁晴山が見えてきます。足元には栗がたくさん落ちていましたが、全部食べられていました。この840mの尾根の西端からは、少し南側の展望がありました。そして後は下りとなり、尾根にネットが現れます。尾根の北側の少しの幅だけをネットで囲っているようです。そして舗装された林道に出てきました。雪彦峰山林道です。

林道を越して尾根を続けて歩きましたが、林道は切り通しになっているので少し左手から登りました。尾根は笹藪が続きます。南に展望のある地点(写真)を過ぎると、宮野三等三角点(911.38 m)に達しました。北側にはネットがあります。更に尾根を西に進みましたが、倒木が増えて歩きにくくなりました。ここで左手を見ると尾根があり、ここが神河町と姫路市の境界の尾根であることが分かりました。ここからは南に進み、また林道に出てきました。この後は林道を歩いてもよかったのですが、820mピークに行ってみました。付近は伐採後植林されており、ネットでしっかりと囲われているので、扉を開けて入ってピークに登りました。その後南側にあった扉から出て、再び林道に出てきました。

この後は林道をヘアピンカーブの先まで歩いて、関電の赤い「火の用心」のところから植林に降りました。左手はススキの原っぱです。この先は関電の巡視路です。付近は西も東も大規模な伐採が進んでいますが、この尾根は平和そのものです。鞍部に降りて登り返すと鉄塔がありました。播磨中央線17です。ピークに登ると柳谷四等三角点(797.56 m)がありました。ここは高場山で、2009/03/21に登っています。

眺望を楽しんだ後、下山路を検討しましたが、どうせなら尾根を歩こうと決めました。2009/03/21と同じように尾根を東に進みました。やや倒木が多いものの歩きやすい尾根を歩いて、僧屋敷四等三角点に着きました。今日4つめの三角点ですが、これは改測となっています。ここからは2009/03/25のルートを逆に辿って高朝田に降りました。この尾根は登るときは楽しめましたが、降りようとすると少々勇気が必要な岩場があって、あまり楽とは言えません。1時間以上掛かって下山しました。

最初の所は、尾根から登って鉄塔に行った方が楽しめて時間も節約できたかも知れません。全部で5時間半かかっています。調べてみると、宮野から西に掛ヶ谷へ向かう道は県道67号線となっています。これは姫路神河線で、国道2号から始まってモールの前を通り、書写山の下から夢前川に沿って北上し、熊部付近で消滅している道です。将来的には高場山の東の尾根を越えて神河町と繋がるのでしょうか?実態はその逆で、昔尾根を超えていた道が消滅しかかっているようです。

展望 ★★★
藪山度 ★★☆

地形図は「長谷」「寺前」です。