2019年1月27日日曜日

和気の三保高原

昨日の雪の後、暖かな岡山のハイキングコースを歩いてみようと思いました。和気から吉井川沿いに遡ると、天神山の北に東から大きく吉井川に突き出した山があります。地形図には書いてありませんが、この山の東側に位置するのが三保高原です。山の南西の端からハイキングコース(矢田ハイキングコース)があるようなので歩いてみました。

登山口は尾根先の矢田にあります。まず駐車場の目の前の不思議な看板を見て、北向き穴観音を見に行きました。大きな岩の下に作られた祠(仏教なので堂と言うべきか)で、確かに北を向いています。不受不施派との関係はよく分かりませんが、むき出しという点が信仰の場という印象を強めています。駐車場に戻って登山道に入りました。ところどころに川柳の札(なぜか健康絡みのものが多い)があって、ハイキングコースという感じですが、実は雪が溶けて木の上から落ちてきますし、シダに積もった雪がズボンに付いてびしょびしょ、地面もぬかるんで不完全防水の靴は水浸し、という状況になりました。気温も低いので、体力を要するコンディションでした。ひどい急勾配はありませんが、斜面に道が作られているところではシダで足元が見えずちょっと危ないところもありました。この先ずっと、ピークには登らずに南側を巻く場所が多かったと思います。

しばらく歩くと「一本松」の展望所に着きました。川向うの妙見山は見えますが、木が伸びて吉井川沿いはよく見えません。この先で何枚も見た説明板がここにもあります。昔は下から一本の黒松が見えたのだそうです。その先は「しのび坂」または「しのべ坂」です。353m地点の手前に吉井川の堰が見える休憩所がありますが、木が伸びすぎてあまり景色は見えません。そして平らな道を歩くと、車の通れる道に出ます。これは杉沢の方向から延びている道の終点で、終点には害獣捕獲用の檻がありました。ぬかるみになった道(防火帯でもあるらしい)を歩くと、宇根池に出ました。展望台があります。宇根池は凍っていません(写真)。近くには建設省の矢田無線中継所があります。ここからは舗装道路となり、金比羅大権現に着きました。ここも展望はありません。

神社の前に北に下る林道があったのですが、地形図と少し違っているのでもう少し東に歩くと、KDDIのものらしい携帯の通信塔がありました。下山を考えていたの東には行かず、この林道を下りました。地形図の破線道どうりに下っていくのですが、途中から大伐採地となりました。北に吉井川から美作岡山道路が見えます。このまま破線道どうりに降りられるかと思ったら、尾根を下っていくと目の前には伐採された木が山積みになっており、先に進めなくなりました。どうやら伐採に来る車両は延原の方の舗装道路を通ってくるようでした。雪が残っているので藪こぎは避けたかったのですが、とりあえず地形図の破線道の続きを探しました。少し北に林道を降りて、西に小さな尾根を降りると、この付近は林道が何本も南北に走っていました。2本めの林道を南にたどると地形図の破線道付近に出たので、そのまま破線道と思われる林道を下りました。しかしこの林道は340m+の小ピークの東で北に向かってしまったので、そちらには行かずに破線道と思われる付近を西に藪こぎしました。340m+を過ぎて、藪を降りていくと、東から林道が来ていました。これは340m+ピークの北側を通っているようで、先程行かなかった林道と繋がっている可能性があります。とにかくこの道の延長を西に歩きました。荒れ気味の作業道で、最近の伐採作業には使われていないようですが、歩くには問題ありません。谷に降りてからはガレ石が増えますが、雪はほとんど残っていませんでした。害獣捕獲用の大きな檻が道幅ほぼ全部占めていました。石がなんとなく赤っぽいなと思っていたら(苦鉄質というらしい)、ベンガラ工場の跡のようでした。吉井川沿いに降りてからは、サイクリングロードを歩いて快適に帰りました。

[1]の下山コースが正解かもしれません。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★★
地形図は「周匝」「日笠」です。

2019年1月26日土曜日

篠山の愛宕山と天狗岩稲荷

小雪のちらつく日でしたが、篠山の愛宕山に登りました。姫路から国道372号線(デカンショ街道)をひたすら走って、篠山南西の真南条から南に細い道を入り、龍蔵寺の駐車場に車をとめました。付近には植林の伐採に使われる車両が何台かとまっており、これが後で大問題となりました。

登り口は龍蔵寺の鐘楼の前で、石の階段が続いています。途中には石仏もあります。「忍の滝」への分岐がありますが、今の時期には水がなさそうなのでパスして登り続けると、頭上に巨大な石垣があり、階段を上がるとその上は広い平坦地となっており、ここにも石仏や五輪塔(?)があります。正面には鳥居があり、急な階段が真っ直ぐに登っています。これは地形図に描かれている階段ですが、両側にロープは張られているものの、あまりに急なためか立入禁止となっており、巻道を歩いて愛宕堂にまで登りました。地形図では神社になっており、鳥居があったので神社かと思うと、建物の雰囲気はお寺です。前に立っている燈篭には元禄と書かれているようで、かなり古そうでした。

巻道の途中に愛宕山への分岐があったので、そちらに向かいました。地形図には尾根に破線道があるのですが、愛宕山への丸い標識が割れていたため見過ごして、そのまま西の谷の方へ行ってしまいました。間違いに気がついて戻って尾根道を見つけました。途中に滝谷口という標識がありましたが、何でしょうか?山頂に近づくと非常に急な坂があり、ロープは張られているのですが、雪が数センチ積って滑りやすく、雪の下に何があるのかも分からないので、登るのは大変でした。ロープは滑りやすく、結び目が作ってあるのは助かりました。しかし木に掴まれればロープより楽に登れました。なんとか尾根に出ると近畿自然歩道で、西に少し登ると愛宕山山頂でした。山頂からは北に展望があり(写真)、篠山も見えます。

愛宕山山頂からは近畿自然歩道を東に戻りました。整備されているので雪でも歩きやすくて助かりました。この付近の南側には茶畑があるようですが雪でよく見えず、稲荷神社を目指しました。標識どおりに歩き、南に母子(もうし)の方向に歩くと、目指す天狗岩稲荷に着きました。赤い鳥居がいくつかあって、その先の2つの祠は小さいのですが、祠の背後には巨大な岩が聳えており、迫力のある神社でした。岩には蜂の巣が作られているようです。天狗岩神社はGoogle Mapで知ったのですが、場所が間違って記載されていて迷いました。

天狗岩神社からは再び近畿自然歩道を戻り(今日は戻ってばかりです)、途中にあった龍蔵寺への分岐を降りました。斜面を折り曲がりながら降りて行く道です。雪で飾られた木々がきれいでした。林道に降りてきて、龍蔵寺の方向に降りて行くと、林道が倒木で埋まっており、なんとか通り抜けましたが、これは自然の倒木ではなく、伐採した植林を寝かせてあるようでした。さらに降りると下の方で植林を伐採しており、林道は伐採した木で埋まっていました。これでは通り抜けるのも大変ですし、伐採作業は林道で行われているので通り抜けも危険です。いろいろ検討して、道を戻って隣の尾根で降りようと思いました。

降りてきた道を戻りながら西側の尾根に移れないか見てみましたが、倒木が多く難しそうでした。尾根に戻って愛宕山に戻りながら北に尾根を降りられないかも検討しましたが、雪が数センチ積もっていて、急斜面を降りるのは危険そうでした。結局近畿自然歩道を愛宕山まで戻り、さらに南の650m+ピーク(愛宕山648mよりも高い、如意が峰?)に行き、西に曲がって尾根を歩きました。ここは近畿自然歩道なのかどうか分からないのですが、篠山市と三田市の境で、雪で道がよく分からなくても赤いマーキングがありました。一箇所鎖場がありましたが、降りるのは危険そうだったので巻いて降りました。南側には送電線があるので、赤い「火の用心」も立っています。最後は斜面を西に鞍部へ降りました。鞍部に地形図の破線道があることを期待したのですが、倒木だらけの植林で道はありません。

気を取り直して、北に谷を降りることにしました。地形図から急な谷だということは分かっていたのですが、雪で足元はよくわからず、倒木も多く、非常に歩き辛い谷でした。雪がなくても歩きたくない谷です。最初は谷の東側少し斜面の上に道らしきものを見つけましたが、谷が細くなると西側に渡らねばならなくなりました。西側にようやくまともな道の形跡を見つけましたが、小さな谷に3本の丸太が渡してあり、掴まれるようにロープも渡してあるものの、とても渡れるようなものではなく、谷に降りました。しかしこの下は堰堤で、結局道に戻りました。堰堤の下からは少し太めの道になり、堰堤がさらに2つありましたが、丸太橋も2つありました。丸太橋と言っても5本以上の丸太で幅は広いのですが、雪で滑る恐れがあるので渡っていません。最後はガードレールのある道(篠山市林道大平山線)にでてきて、龍蔵寺に戻りました。最初の予定とは全く違う方向から戻ってきました。

時間は4時間も歩いていませんが、時々風が強く吹雪になるような天候で、無理な山歩きでした。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★★
地形図は「篠山」です。

2019年1月14日月曜日

呑吐ダムからシビレ山

呑吐(どんと)ダムの作る衝原(つくはら)湖は神戸市北区と三木市の境に位置します。山陽自動車道から明石海峡大橋に向かう高速道路が渡る湖と説明するのがわかりやすそうです。つくはら湖の北のシビレ山(南にはシブレ山があります)には、2016/02/11に北から登りましたが、今回はつくはら湖から登ってみました。

車は呑吐ダムにとめて、立入禁止の管理用道路を東に歩くと、すぐに「シビレ山(登り口左10分)」という小さな板が木に掛かっています。小道を登ると、神戸支線四二に出てきます。ここからは地形図に破線で描いてある道を歩いて、登山道となる地形図の破線道に入りました。この破線道に曲る所にも「シビレ山(至三角点)」という白い板が木に掛かっていますが、小さくて見落としそうでした。ここからしばらくは低い灌木の藪の中を歩きます。市境ですが、特に標識があるわけではありません。陽当りが良くて暖かいのは良かったのですが、なんとも殺風景です。以前大きな山火事でもあったのだろうかというくらいに、高い木はありません。対洞四等三角点(235.55m)は登山道の脇にあり、「太陽と緑の道」という道標があります。この道標はこの後たくさん見ましたが、形が矢印ですが矢印の方向に何かがある訳ではないので、誤解しそうです。三角点からは三木方面が見渡せますが、一番目立つのは防災公園の競技場です。ちょっと歩くと「三津田(一部竹ヤブ悪路)」という白い札が掛かっていました。この辺からは砂地で木の生えていない場所が多く、登山道から少し外れて砂の斜面を登ると、良い展望が得られます。六甲から雄岡山・雌岡山、三木まで見渡せます。写真は雄岡山と雌岡山です。周囲は灌木とシダ藪で、道が無いと歩くのは大変でしょう。しかし勾配はほとんどありません。正直言って退屈な道ですが、お喋りしながらハイキングを楽しむには向いていると思います。

登山道は北に向かい、コウモリ谷への分岐を過ぎると、登山らしくなってきます。道にはロープが張ってあります。そしてシビレ山と丹生山の分岐があり、シビレ山へ急斜面を登ると主尾根に出てきます。ちょっと西に歩くとシビレ山の山頂です。「シビレ山 465m」と書いた板がなければ山頂と分からないかも知れません。ちょっと東に戻ると白い「火の用心」がありますが、ここの白い板には「丹生山 不動滝」と書いてあって、矢印がなく板の形は不動滝を指しており、混乱させてくれます。丹生山がそちらでないことは明らかで、東に歩きました。ここは2016/02/11にも歩いています。シビレ山四等三角点(512.74m)は少し尾根を行き過ぎてから藪を戻って見に行けます。この付近からは明石海峡大橋が見えますが、逆光です。あとは尾根道を歩いて古い石の道標のある分岐を過ぎ、丹生山へ向かいました。

丹生神社にお参りしてから、まず参道を降りて、途中で千年家の方向に曲がりました。この先の登山道も良く整備されていますが、かなり急勾配です。石が多く落ち葉がかぶさっているので、注意して歩く必要がありました。しかし迷う要素はなく、湖畔の山田町衝原に降りられました。あとはつくはら湖に沿ったサイクリングロードと管理用道路を歩いて呑吐ダムまで帰りました。

展望 ★☆☆
藪山度 ☆☆☆
地形図は「淡河」です。

2019年1月5日土曜日

津田永忠の墓所から登る空山

和気町の空山には、2017/03/25に登りました。結構な藪山で苦労しましたが、今回は南に奴久谷(ぬくだに)にある「岡山藩主池田家墓所附津田永忠墓」から登ってみました。津田永忠は岡山では知らない人はいないと思いますが、17世紀に岡山藩を支えた人です。この墓は和意谷にある池田家の墓と同様に儒教式になっており、本名を書いた石の後ろに盛り土があるだけのものです。

墓所の後ろの斜面にはしっかりした金網が張られています。入口を探して彷徨いましたが、結局東の谷に降りた所にありました。谷から斜面を登りましたが、シダが生えているところを極力避けたため、かなり傾斜のきつい所を木に掴まって登ることになりました。しかし枝が邪魔なだけでシダ藪はしのげました。支尾根に上がると一面のシダで、シダの薄い、道かも知れない所を登りました。空四等三角点(290.7m)はシダ藪の中で、白い棒が立っていなければ見つけられなかったでしょう(写真)。しかし三角点を過ぎるとシダが減ってきて歩きやすくなりました。道もたまにありますが、灌木の藪に消えてしまいます。方角もわかりにくく、適当に道らしきものを求めて歩いていたら、320m+に登ってしまい、2017/03/25に見た石積みに出ました。ということは方向を間違えているわけで、付近の藪をうろうろした挙げ句、やっと東に進路を定めて、北の林道との出合いまで来ました。前回の反省として、ここからは林道を歩いたほうが楽なのですが、前回同様に灌木の藪を抜けて空山まで歩きました。働(かせぎ)三等三角点(375.66m)があり、岡山徒歩の会の札が木にかかっていますが、標高や山名は書かれていません。

下山は少し南に歩き、南東に尾根を降りました。これも分かりにくい尾根で、シダも茂っており、それを避けると方角が分からなくなるので困りました。GPSとくびっぴきで降りました。途中に地面に人が入れそうな大きな穴があいていましたが、鉱山ではないでしょう。道のような溝があっても、シダで覆われていると歩けません。それでもたまに吉永方面が見える場所もあって、一息つけました。降りれば降りるほどシダが濃くなりましたが、踏み跡はあります。280m地点もシダが生えており、その先は方向が分かりにくいのと背の高いシダ藪なのと相まって難所でした。それでもなんとか方角を定めて尾根を降りて、120m+の鞍部に出ました。もう藪は懲りたので西側に斜面を降りましたが、ここは植林で何も問題ありません。そして降りてきた所は航空写真ではよく分からなかったのですが、養鶏場の跡でした。20以上の大きな建物の残骸があり、中にはケージが並んでいます。だいぶ前に操業を止めたようですが、操業していたら山から迷い込んだら困ったことになったと思います。養鶏場の中を歩いて、原っぱを歩くと害獣避けの扉がありました。養鶏場には害獣は入れたということなのでしょう。

ギリギリなんとか歩ける程度の藪山、という感じでした。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★★★
地形図は「和気」「日笠」です。