2009年5月2日土曜日

生野の八幡山

朝来町と神河町の境界にある山ですが、とりあえず生野の八幡山としておきます。ピラミッド山として有名です([1])が、登山道がないことでも知られています([2])。

北から延びる長い尾根を歩こうと、生野峠に向かいました。峠は切り通しになっていますが、南側に一段高くなっているところがあり、建物の跡があります。そこから植林の中を尾根を目指して登りました。作業道を見つけながら急斜面をジグザグに登っていくと尾根に出ました。ここからいくつかアップダウンがあり、藤ノ棚三等三角点(460.81m)に着きました。三角点の手前には切り通しがありましたが、南側は道が崩落していました。この辺にはピンクのマーキングがやたらとありますが、道を示したものではなさそうです。

この先の490m+ピークは尾根の十字路で、進むべき方向は真南です。山林の中で南への尾根は見えないので、方角を信じて降りるしかありません。見えている尾根はどれも間違いです。あとはほとんどアップダウンのない尾根道で、時々展望もあり、気持ち良く歩けます。500mを越えた辺りから植生が変わってきて、灌木が増えてきますが、道はあります。600m付近になると激登りとなりますが、植林の中にしっかりと道があるので足元が崩れることはありません。ピンクのマーキングが役に立ちます。

倒木を避けながら登り続けると、頂上です。八幡山三等三角点(775.42m)があります。展望があります。頂上の岩は人工物では?という説もあるのですが、播磨の山としては普通の頂上です。方位磁石が狂うかどうか調べてみましたが、正常でした。とりあえず景色を堪能してから、さらに倒木だらけの尾根を進んで西側の770m+ピークにも行きましたが、周囲は藪でした。

この山頂付近で一番面白いのは、南西の谷です。植林が無く、岩がまとまって転がっています。写真は、山頂から谷を見たところです。これが拝殿跡かどうかはともかくとして、広々として気持ちの良い場所です。これらの岩がなぜできたかについては、解説([3])があります。私の最大の疑問は、なぜここには植林をしなかったのか、なぜ雑木が生えてこないのか、です。生えている木から見ると、植林を伐採した跡だと思うのですが、えらく綺麗に片付いているのが不思議です。

尾根の植林も気持ちが良く、南に尾根を歩いて762mピークまで行ってきました。途中からやや倒木が増えますが、気持ち良く森林浴を楽しめました。このような美しい植林を見ていると、植林は人間と自然の共同作業だということをひしひしと感じます。

問題は例によって下山です。生野峠の方に帰りたいので、頂上の南から北東に延びる一番長い尾根を降りることにしました。頂上付近で尾根を探して降りて行きましたが、700m付近で倒木地帯になりました。木が北から南に向かってなぎ倒されています。楽そうだったので右手(南側)に尾根を巻いて進みましたが、少し行くと南に展望の広がるところがあり、そこで自分が南寄りの尾根にいることに気がつきました。倒木は多くても、北寄りに巻くべきだったのです。しかたなしに倒木だらけの尾根を北に渡り、斜面を歩いて北東に延びる尾根まで歩きました。650m付近ですが、この付近の谷は地形図で見るよりも急峻でした。そして目的の尾根に着くと、ここも倒木に覆われていました。

ここからは1時間以上、倒木だらけの尾根を降りました。こんなに長く倒木地帯の続く尾根は珍しいと思います。巨木ではないのですが、古い倒木が多く、おそらく2004年の台風で倒れたものが大半と思われます。岩の多い尾根で、灌木もあるので、くぐるにしても乗り越えるにしても大変でした。両側は急なので、斜面に降りて歩くこともできません。主尾根の楽な道と手入れされた植林を考えると、この尾根の荒れっぷりには驚きます。

倒木が少なくなってくると、尾根には深い溝があり、これを伝って降りました。その先は雑木林ですが、じきに美しい植林に出てきました。手入れが行き届いており、伐採された丸太が積んでありました。尾根の終端は降りにくそうだったので、谷に降りて、播但自動車道の側道を歩き、トンネルを通って自動車道をくぐって大歳神社に出てきました。

主尾根は文句なしです。下山に関しては、主尾根を南に歩いて送電線の巡視路で下山するのが正解と言えそうです([4][5])。出発点まではヒッチハイクをするか、銀の馬車道を歩くしかありませんが。

展望 ★★☆
藪山度 ★☆☆~★★★

地形図は「生野」です。

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