2008年12月23日火曜日

北から登る七種山

七種山は南の青少年野外活動センターから七種滝経由で登るのが普通ですが、北から登れないものかとかねてから考えており、今回はそれを実行しました。

起点は前之庄の北の河原口(こうらぐち)です。ここから河原谷林道で河原川を遡っていきました。これは亀ヶ壺へのコースです。鮎釣りの小屋がいくつかあり、その先は植林の中を通りますが、電信柱がずっとあり、光ファイバーまで通っているので、先に何かあることが分かります。河原川は途中で水があったと思えば無くなってしまう不思議な川です。

光ファイバーの行き着く先は、地形図で432mピークをぐるっと廻った先にあるコテージです。数軒が並んでおり、車が停まっていて人が来ているようでした。登りに使おうと思っていた道は、このコテージ群の先にある東に向かう破線道なのですが、この場所には橋がありません。さらに上流では何やら工事をしているようなので、そちらには行かずに川を渡って破線道を探しました。この場所では川に水がありますが、渡るには支障ありません。

川を渡ると植林ですが、道らしきものがあるので辿っていきます。谷に入るといきなり谷は倒木でふさがれています。無理やり右手の尾根に登ろうかとも思ったのですが、よく探すと左手に道がありました。道を辿って登ることができます。周囲は倒木が多く、湿気の多い谷です。しばらく登ると倒木処理の跡に出てきます。ネットが張られています。処理と言っても切った木は寝かせたままですが、歩くには好都合です。丸太の上で滑らないように気を付けて、ネットに沿って谷を登っていきました。

倒木処理のネットが途切れると、尾根に向かうネットがあり、それを辿ることもできましたが、取りあえず初心に帰って地形図の破線道を辿ることにしました。とは言え、道はありません。谷には水はなく、植林になっています。足元は柔らかく、倒木もありますが、越えられないようなものではありません。最後は非常に急峻になり、岩場が聳えています。ここを木に掴まりながら登り、尾根に出ました。しかし、実は岩場の右手を登った所が鞍部なので、岩場を登る必要はありません。この谷登りは、約1時間かかりました。地形図の破線道は、存在しないと断言できます。

ここからは軽快な尾根歩きです。少し歩くと南に七種鎗が見えます。北に禿の行者山の岩場がよく見えます。その背景に紅白に塗られた鉄塔が見えますが、雪彦山の北を通る送電線でしょう。河原川をはさんだ北側の斜面は、大規模な伐採が行われたようで、裸の山肌が見えている場所が沢山あります。少し登りがあって、河原谷(「かわはらだに」と点の記にはあります)四等三角点(559.7m)があります。大柿さんのピンクのプラスチック板が下がっていました。'08.3.12ですが、鶴居城趾から来られたということで、朝何時に起きればこんなことができるのでしょうか?

この後も気持ちの良い尾根歩きです。かなり大きなアップダウンがあります。552m地点まで来ると、目の前にバッテンに木が組まれています。七種山から七種鎗に縦走するときに間違えて北の尾根に入り込まないようにという配慮でしょうが、北の尾根も捨てたものではありません。ここからは案内板やマーキングが増えます。急な坂を登って、案内どうりに400mを15分かかって倒木の中を歩くと、七種山(683m)の頂上です。さすがに展望は最高です。ここからも禿の行者山が見えます。

問題は下山です。河原林道を歩きながら見ていましたが、七種山の北側の山は急勾配で、降りやすそうな所はありません。しかもあまり西側で降りると河原川を渡れない可能性があります。尾根に沿って降りるのが一番楽そうなので、北側斜面にある496m地点を通る尾根で降りることにしました。まず倒木地帯を戻って尾根に出て、そこから「危険 この先は道がわかりにくい」と書いてある西方向へ歩きました。

496m地点に降りる尾根は、割と簡単に見つかります。最初は勾配もそれほど急ではありません。周囲は雑木林で、木の間隔も広いので、歩きやすい尾根です。しばらく降りると、眼下に先ほどのコテージが見えるようになります。向かいの裸の山肌も見えます。そして、大きな岩場にさしかかります。この岩場はかなり本格的なものです。両側が切り立っており、岩の上には松が生えています。高所恐怖症気味の私にはここを通るのはかなりの試練なので、おとなしく西側の斜面に降りて通り過ぎました。斜面もかなりの急勾配で、歩くのは楽ではありません。上を通った方が楽だったかも知れません。写真は、この岩を斜面から見上げたものです。後で河原川沿いに歩きながら見上げると、この岩場が見えました。この岩場が地形図における496m地点です。

この先も尾根は歩きやすいのですが、ときどき尾根に岩があって迂回せざるを得ません。どの岩場でも展望が開けるので、向かいの山の岩場とか河原口の人家とか、景色を楽しむには良い尾根です。しかし、だんだんと勾配が急になります。予定では450m付近で少し北に折れて、一番長い、川に飛び出している尾根に行くつもりだったのですが、勾配の緩い方向に歩いていたら尾根を真っ直ぐに北西の方向に降りていました。戻るのも面倒なのでそのまま進みましたが、勾配は急です。尾根を降りていて岩場があるとその先が降りられないので、迂回して斜面を歩かねばなりません。雑木林で乾いているのが良いのですが、足元は土が軟らかくて簡単に崩れます。木に掴まりながらなので、腕も疲れました。途中には道かと思うような部分もありましたが、マーキングは一切無く、倒木も伐採したものは皆無でした。

最後は右手に植林が現れ、雑木林と植林の境界付近に沿って降りると、水のない河原川に出てきました。反対側の植林を抜けて林道に出ました。尾根で降り始めてから、約1時間20分かかりました。

この496m地点のある尾根は、登りも楽しめると思います。一番長い尾根から登り始めると、勾配は急ですが、展望を楽しみながら七種山に登れるかも知れません。

展望 ★★★
藪山度 ★★☆

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