2008年12月27日土曜日

北から登る高山

高山は桶居山や高御鞍山の北に位置する山です。姫路市と加古川市の市境にあります。これまでの登山記録をインターネットで調べると、壮絶な闘藪記ばかりで、西の馬山に匹敵する姫路の東の代表的藪山と言えるでしょう。いずれは挑戦しようと思いつつ機会をうかがっていたのですが、冬になって少しは歩きやすくなったことを期待して、行ってみました。

これまでの登山記録は、どれも南から登っています。確かに南には送電線が通っており、巡視路が使えるのですが、南斜面の藪はたいてい手強いものです。そこで、北から登ってみることにしました。地形図とGoogle Earthを見ると、飾東町大釜新の南の尾根は岩場が多いようで地肌が見えています。そこで、この尾根から257mピークを経由して高山まで歩くことにしました。

尾根から登るわけですから、尾根の突端から登るのがベストなのですが、あいにくこの尾根の北端には山陽自動車道が通っており、その南で尾根に登らなければなりません。明らかに一番楽なのは、257mピーク近くの送電線の鉄塔めがけて保守路を登ることですが、これでは尾根歩きが楽しめないので、地形図にある清住の北の墓地の、さらに少し北から農地を通ってアプローチしました。

道はありません。急斜面で、しかもすぐに藪になりました。最初は灌木で間が少しあいていますが、すぐにシダ藪になります。密集したシダで、胸の辺りまでの高さがあるので、なかなか登れません。無理やり体で押しのけて進むしかないのですが、かなり力が必要です。しばらくシダが薄そうなところを選んで歩いているうちに、自分が歩いているところが道なのだという気がしてきました。地面にはシダは生えておらず、両側からシダが倒れこんでいるのです。しかし、道は地面からやや掘られており、その分だけシダが高いところにくるので歩きにくく、結局道の脇に出て登りました。

しばらくの藪漕ぎの後、やや開けたところに出てきました。この付近は下から見ると木が少なくなっていますが、山火事の跡かも知れません。2007/05/12の山火事でしょうか?Google EarthやYahooの航空写真は、山火事以前のもののようです。ただ、昨年の山火事にしては木が多いような気もします。ここまで来ても尾根はまだで、やや薄くなった藪を抜けて、ようやく尾根に達しました。尾根には赤いマーキングがあります。展望は良好です。北に遠く見えている反射板は、畑山でしょうか。まず182mピークまで歩き、一度下がって登りますが、ここはちょっと岩場になっています。

この先はそれほど歩きにくい場所はなく、230m+ピークに登ります。この付近には明瞭な尾根道があります。隣の218mピークも眺めの良い場所です。しかし、ここで尾根道は東に降りて行ってしまうので、再び藪を歩きました。まず、低木の生えた岩場を南に降りました。そして送電線の鉄塔を目指して240m+ピークを登りました。ここはかなり厳しいシダ藪でした。ピーク付近も藪で、鉄塔まで降りる途中も藪でした。しかしこの付近の藪には明らかに道があります。手入れがされていないためシダがかぶさったり木の枝が張り出しており、道としては使えなくなっているだけです。

小振りの鉄塔は、「姫路支線三」と書いてあります。建設は昭和29年4月です。ここからは257mピークを目指して登りますが、最初は落ち葉を踏みしめて歩けます。北斜面で木が生えていると日照が少なくてシダは育たないのでしょう。しかしだんだんとシダが増え、低木の藪になります。257mピークは藪の中です。

257mピークまで行くのは実は行きすぎで、少し戻って西に市境を辿りました。辿ると言っても道はなく、ときどき赤いマーキングがあるだけです。西側の斜面は灌木の藪ですが、この先の鞍部は3mくらいの崖になっており、気を付けないと転落します。人工的な切り通しではなく、こんな崖があるのは予想外でした。

この後も赤いマーキングがありますが、藪漕ぎに変わりはありません。しかし、青いマーキングが入ってくるあたりから様子が少し変わり、木の間隔が少し開き、シダも背が低くて歩きやすくなります。240m+ピーク付近では展望は南北に開けており、明石海峡大橋が見えます。そして、次の260m+ピークには「高山」と書かれた金属の赤い道しるべがあります。ここには南から道が上がってきており、登山ルートのようです。この下には送電線の鉄塔があるので、それを経由してくるのでしょう。

ここからは、ほぼ快適な尾根歩きです。展望も素晴らしく、瀬戸内海も明神山も見えます。その西の、251mピークの北にある240m+くらいの地点には、「山中1.4km」と書かれた赤い道しるべもあり、ここに登ってくるルートもあるようです。こうなると気楽な尾根歩きで、高山まで100メートルごとに赤い金属の標識があります。これらの金属の標識は、字を金属板をへこませて描いた手の要ったものです。

そして、いよいよ高山山頂です。298.3mの、これも金属の標識があります(写真)。上の眼鏡はどなたかの忘れ物でしょうか。川北三等三角点もあります。

下りは北に降りなければなりません。西に尾根を行く道は、まだはっきりしています。この付近は落ち葉の雑木林です。下山ルートは清住の大歳神社のある尾根です。しかし、この尾根に向かう道は無いので、適当に藪を抜けました。落ち葉の雑木林には変わりありませんが、降りてゆくとだんだん灌木が増えてきます。また、シダが密集して生えている場所があり、それを避けていたところ、目指す尾根をはずれてしまいました。目指す尾根は230m+くらいのところで少し西に進んでから北に降りるのですが、真っ直ぐ北に降りてしまったため、いきなり急斜面となり、小さな溜池(天井谷池)の裏に出てきました。このルートはやや急ですが、シダ藪がないので意外と良いかも知れません。

やはり聞きしにまさる藪山でした。尾根に登るところを除けば、送電線に向かって降りるところと、257mピーク付近の藪が最悪でした。しかし高山の南東の尾根は見晴らしも良く歩きやすいので、南から正しい道で登れば良い登山コースでしょう。

展望 ★★★
藪山度 ★★★

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