2019年8月11日日曜日

東から登る若桜のくらます

前回くらますに登ったのは5年前の夏(2014/08/19)で、その記憶も薄れてきて、東の林道から登ることを思い立ちました。若桜の加地から林道を入ると、発電所に向かって道があります。これは県境の大通峠にも繋がっている主要林道ですが、発電所の手前に分岐があります。この林道は長く標高900m付近まで伸びており、航空写真で見ると他にも林道がありそうなので、うまく利用できないかと思いました。

行ってみると、この林道は「立入禁止」でチェーンがかかっていますが、脇から入れます。すぐに建物あり、「清流遊山荘」という名前がついていますが、使われている気配はありません。ここからは長い林道歩きで、舗装はすぐに切れて、だんだんガレ石が増えてきます。しかし、しっかりした林道なので楽に登れます。古い林道ですが、途中に小屋があってそこに張られている許可証は新しいものでした(産廃業者ですが?)。が、そのすぐ上では林道が崩落しており、橋も流されていました。目的は林道の南の尾根に上がることだったのですが、斜面はあまりにも急峻で取り付く島もないという感じでした。結局林道を1時間近く登ると、南の尾根に曲がる林道がありました。ここも沢にかかる橋は流されていましたが、渡るには問題ありません。渡ってすぐに沢の南側を遡る道もありましたが、それは無視して尾根に延びる林道を歩きました。この林道の終点は、まさしく私が望んでいた尾根の真ん中で、ここから尾根登りを開始しました。

この尾根は植林が主なので歩きやすく、勾配も大したことはありません。予想していたことですがしばらくすると北側下には林道がありました。ちょっと厳しい登りで994mピークに出ましたが、付近は植林です。ちょっと降りて鞍部に出ると、北にも南にも林道が見えました。しかし林道からこの鞍部に登って来るのは大変でしょう。再び登りになり、すこし平坦な所を歩いてから、最後の標高差200mくらいは急斜面となります。この付近は植林ではなく、笹の多い自然林です。特に標高1100m付近からは笹薮となります。チシマザサが混ざっており、時々竹槍で刺されるような目にあいました。林なのですが笹が生い茂っており、急斜面でもあって登るのは疲れます。ブナが増えてきて良い雰囲気ですが、笹を押し分けて登るのは腕力がいります。のけてものけても笹、という状況は30分以上続き、少しならだかになってきたと思ったら、そこが主尾根でした。主尾根も笹が茂っており、その間を歩いてくらますの山頂に着きました。天狗岩三等三角点(1282.13m)が目印です。周囲はススキの藪で、岩がひとつあります。木がないので夏は大変です。

下山は悩みましたが、登っている途中に北正面に草原があって、その下すぐまで林道が行っていたので、そこへ行ってみようと思いました。山頂から北の1260m+のピークまで笹薮を歩きました。この付近でも踏み跡を見つけるのは困難です。少しは木があるので、木の下で風にあたって休んでから、下山をはじめました。1260m+から東に延びる広い尾根は、地形図でも草原となっています。一面の笹原で、たまに木が生えています(写真)。展望は良好です。日差しがきついので中央は歩きたくなく、木の生えている北の端を歩こうとしたのですが、なぜか笹原の端に行くとチシマザサが生き残っていて、いきなり歩きにくくなります。結局なるべく中央を歩かねばならないのですが、笹と言っても背丈より高く伸びており、斜面が急になってくると足元も危うくなってきます。地面が見える場所はほとんどありません。こんな所で遭難したら、10年は見つけてもらえないでしょう。結局笹薮の上から下まで、1時間近くかかりました。下まで来ると、地面が見えたので林道かと思ったら、斜面が小さく崩落した場所らしく、ここからは笹薮ではありませんが急斜面の小さな谷を笹に掴まって降りることになりました。非常に急なので気を付けて降りると、下に林道がありました。途中にも林道の終点があったのですが、谷の反対側なので行けず、下まで降りました。ここは林道の折り返し地点でした。

あとは林道を歩きましたが、いかにも雑に作った林道で、当然崩落が進んでいました。この林道は谷を渡って登ってきた尾根の北側を降りて行くようになっていました。つまり、最初に谷を渡った時に無視した林道の続きのようでした。じっさい谷沿いに林道は降りて行きました。谷に降りる場所があって、谷の北側に渡っているようでしたが、そこを無視して歩いていくと、林道が終わってしまいました。戻るのも面倒だったので斜面を降りましたが、下には最初に無視した林道があって、無事に谷を渡って主林道に戻れました。あとはガレ石で捻挫しないように気を付けて下山しました。

登りはまぁ正解ルートだと思うのですが、下山は危険すぎです。1146m地点まで行って、北東の尾根から東に降りるルートはありますが、それも以前の経験から笹薮が多そうです。なかなか一筋縄ではいかない山のようです。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★★
地形図は「岩屋堂」です。

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