兵庫県、岡山県、鳥取県の県境の尾根であるちくさ高原北方のの尾根は、整備された登山道として知られています。普通に歩くのでは面白くないので、少し変わったルートで歩いてみました。
登り口は吉野川の上流で、大茅スキー場の北です。道路が吉野川の北側に渡った付近から登り始めました。最初の目標はすぐ北の鉄山なのですが、特に道はありません。最初は西にトラバースして尾根から登ろうと思っていたのですが、意外と登りやすい植林だったのでそのまま真っ直ぐに登りました。足元は良いのですが、中腹からは非常な急斜面で、木に掴まってなんとか登れるくらいでした。かんな流しで削って急斜面になったのかも知れません。そのうちに岩が増えてきて、大きな岩を巻いて登りましたが、両側とも急斜面です。大きな岩は1m以下の厚さの板状に割れており、面白い眺めです(写真)。そして最後は植林の斜面を登ると山頂でした。鉄山四等三角点(981.71m)があります。名前から察するにかんな流しが行われた山なのでしょう。
鉄山からは北に斜面を降りましたが、ここもかんな流しの跡なのか不思議な地形で、方向が分からなくなりました。最後に鞍部の深い溝を渡ると林道がありました。木原造林と書かれた古いバスが捨てられていましたが、今も伐採が行われているようです。登っていく方向にも林道が地形図よりも先まで続いており、とりあえずはこれを歩きました。1030mピークの手前の鞍部で尾根に乗ろうかとも考えたのですが、林道の行方も知りたかったので、1030mピークは林道で西側を巻きました。その次の鞍部では林道は西の方へ行くことが予想できたので、尾根に上がりました。おそらくこの林道は沖ノ山林道に繋がっているのだと思います。尾根歩きも快適ですが、海抜1100m付近からは笹が増えてきます。それでもしばらくは手でかき分ければ歩けますが、1140mピークまで来るとネマガリダケの藪となりました。この北は少し下りましたが、ここはかなりの藪で腕力が必要でした。鞍部に降りても藪ですが、東にネマガリダケをかき分けて進むと、谷に出ました。これは東から来る谷で、谷を渡って斜面を登りました。こちらも笹薮ですが、あまり強くありません。更に県境に近づくとネマガリダケの密度が増して来ますが、無理やり突破すると登山道に出ました。
ここからは岡山県と鳥取県の県境の尾根歩きです。中国自然歩道となっています。南側はネマガリダケ、北側は植林が多いようでした。少し歩くと若杉自然研究路が尾根に達してターンしている地点に出ました。吉野川上流には駐車場があって、そこを起点にして若杉峠からこの自然研究路付近は良く整備されています。平日でしたが、何組かの登山者と会いました。尾根の道にも木に説明書きの札がついていて、勉強になりました。展望台の東屋を過ぎるとお地蔵さんのある若杉峠に出ました。北は吉川、南は大茅へ道があります。
若杉峠からはさらに県境を南東に歩きました。こちらも道は整備されていますが、登山者はいません。除伐をしている人たちに会いました。鳥取県側は最近植林されたようです。若杉峠の南東にまずひとつ峠を越えている道があり、1134mピークの南にも鞍部があって、ここには吉野川から道が来ています。さらに鳥取県に延びており、「吉(川)山林道 起点」となっていました。
ここからも鳥取県と岡山県の県境を歩くと、兵庫県との3県の接する場所に出てきます。ここには「三国平登山口」と「千種川支流 天児屋川源流」の道標があります。ここから南の尾根歩きは天国で平で道は広く、特に東側のブナの多い自然林はきれいです。歩き易いとは言え、それなりに時間はかかって峰越峠に着きました。未舗装道路に降りますが、すぐに峠越えの舗装道路に出ます。これは大茅から来ている道で、2車線の立派なものです。ちょっと舗装道路を下って「長義山登山口」の道標からまた登り始めました。ここは「ライオンズの森(広葉樹林)」となっていますが、ススキの茂る伐採地で、道標がなければ足を踏み入れたくはありません。登山道もススキに覆われて分かりにくくなっていますが、なんとか踏み跡と倒れている道標を頼りに鞍部まで出ました。ここからは一気に登って、山頂に出ました。森上三等三角点(1105.39m)があります。宍粟50名山の杭が立っています。読み方は本当に「なぎさん」なんでしょうか?異論もあるようです。
長義山からはあまり手入れの良くない植林を抜けて、一旦鞍部まで降り、1036mピークをかすって尾根を歩きました。道標ではダルガ峰の方向です。その先は細尾根ですが、細尾根というより両側からかんな流しで削られて残った尾根を歩いているような感じでした。そして1081mピークに登りました。ここからは下山です。まずは北西の尾根を地形図の破線道どうりに降りました。高規格の林道に出て、少し東に歩いて、地形図の破線道を探しました。ちょうどその付近には林道脇に広い空き地があり、その先を降りました。この空き地は人工的なものでしたが、その下の地形も凸凹の多い人工的なもので、かんな流しの跡だと思われます。溝や広い道があるのですが、ちゃんとは繋がっていません。破線道をなるべく辿って谷に降りたのですが、谷にも道があるわけではなく、支尾根をそのまま降りるのが正解でした。この破線道で降りたのは、地形図上は破線道が川を横切っているので橋があることを期待したのですが、橋はありません。やや水量が多いため飛び越えるのは難しく、結局裸足になって渡りました。ちょっと登ると道路で、出発点まではすぐでした。
全部で5時間以上かかる、私としてはかなり長いコースでした。
展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「西河内」です。
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