丹波市山南町和田の岩尾城は戦国時代の山城として知られています。高い山ではありませんが、プチ登山のつもりで行ってみました。登り口は岩尾城からは東に離れた和田の外れで、「岩尾城跡縦走コース 和田下町登山口」と書かれた看板です。距離は2.1Kmとなっていますが、他の案内板を見ると2080mのようです。この登り口は稲荷神社への参道で、新しめの赤い鳥居が続き、小ぶりな神社があります。その先は四国八十八ヶ所巡りになります。あちこちにある、一山で八十八ヶ所を巡れるという便利なコースで、各寺の石仏が祀られていますが、コンクリートの覆いが崩れかけているものが多いのが気になりました。お参りをしながら登山道を登ると害獣避けの扉があり、この先にも石仏はありますが、本格的な登山となります。ここから岩尾城まで全体としては整備されたハイキングコースですが、シダが膝くらいまで茂っている場所がたくさんありました。それも日当たりの良い登り斜面に茂っていることが多く、意外とハードな登山でした。258mピークには共同アンテナがあります。ここを含めて、風通しが良く涼しくてほっとする場所がいくつもありましたし、展望もあちこちから東や南が望めます。石金山が正面です。道は分かりやすいのですが、登りになる地点で巻道らしい道と分岐していることがあり、いずれも登りが正解でしたが、シダが茂っているので分かりにくいかも知れません。逆方向に歩けば問題ないでしょう。
登山道は最後は牧山トンネルの方向から来る尾根に出て、そこから割掘りを通って少し平坦地を抜け、急斜面を登ると岩尾城跡です。山の名前は蛇山(358m)です。あまり大きな城ではありませんが、戦国時代の山城にしては石垣がかなり残っているのが驚きです(写真)。角のところなどあまり丁寧に積んでいるようには見えませんが、これでも400年以上も持ったというのは驚異的です。ここには以前も来ているので、今回特に見たかったのは実は西の尾根でした。城跡から北に平坦地に降りて西の尾根を下りました。踏み跡があります。少し降りると地形図に岩のマークが描いてありますが、ここは真砂土の急斜面です。今はないのですが、以前和田小学校の入り口に岩尾城の登山地図があって、城の北に人間地獄という場所が描いてありました。和田の人に聞くと蟻地獄の人間版とのことで、この蟻地獄のような半円形の真砂土の斜面は確かに人が足を滑らせると蟻地獄のように滑り落ちると思います。一番上には「危険」の札があったので、おそらくこれが人間地獄なのでしょう。子供の頃にはダンボール板で滑って遊んだと言っていましたが、どう考えても止まれないので危険すぎです。なお、北に展望があって篠ヶ峰などが見えます。
岩尾城跡に戻って、西の丸の方から下山しました。案内板の脇にも真南に降りる急勾配の小道がありますが、登山道は西の丸から降ります。登山道には案内板がありますが、ことごとく和田から登って来ることを前提に作られており、縦走して下山すると迷いそうになる所もあります。石垣は下の斜面にもあり、井戸や曲輪があります。途中に下山道があり、これが和田小学校へ降りる道だと思いますが、真っ直ぐに歩きました。最後は植林になり、害獣避けの扉を通って親縁寺に出ました。今回は通らなかったのですが、途中で達磨岩という、下から見上げると結界の張られているのが見える大きな岩を通るコースもあると思います。
暑い日だったので意外とハードなハイキングコースでした。岩尾城跡は、一見の価値があると思います。
展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「丹波和田」です。
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