2011年9月25日日曜日
北から登るヒルガタワ
ヒルガタワというのは、植松山と荒尾山を結ぶ尾根にある1171mピークのことです(本来タワは峠を意味するので変ですが、慣例なのでこうしておきます)。このピークから北を見ると、八丈川からきれいな尾根が登ってきており、これを伝って登ることを計画しました。この尾根は原不動滝の裏山(滝を見る側の山)なので、滝を見に行って遊歩道から登るのが一番なのですが、入場料を払って滝を見に入りハイキングコースに行こうとすると「進入禁止」が掛かっています。そこで次はカンカケ林道を歩いてみましたが、林道は谷の北側を走っており、谷の南側の尾根に取りつける可能性はありません。結局カンカケ林道から南に分岐している長い林道の終点まで行って、そこから登るしかないという結論になりました。
車を林道の入り口にとめて、歩き始めました。長い林道です。谷川の斜面は伐採された木が山積みになっています。道はしっかりと作られており、自動車も通れそうです。しかし、いきなり問題が発生しました。橋が落ちているのです。この林道の橋はコンクリート製で、谷の両側に橋台を作ってそこにコンクリートの道路を載せているのですが、それが無くなっていました。谷を覗き込んでも落ちた橋が見つからなかったのが不思議です。この谷は狭いので簡単に上流側を歩いて渡れましたが、ここからは崩落がひどく、歩くのがやっとです。次に落ちていた橋は深い谷に掛かっており、注意深く上流側の谷に降りて渡りました(写真)。水量の非常に多い日でしたが、うまく渡れました。橋は、橋台の間に落ちていました。この先は意外と良い道で、無事な橋もあり、谷を東側に渡り、地形図よりも少し先で林道は終わっていました。
予定では林道を少し戻って903mピークを目指して登るはずだったのですが、林道が少し伸びていたことと、さらにその先に踏み跡があったことから、もう少し谷沿いを歩いてみました。細い谷で、植林の中を歩けるうちはよいのですが、そのうち石が増えてきて歩きにくくなりました。そこで、東側斜面を登り始めました。急斜面ですが植林なので障害物はありません。そのうちに自然林になりますが、勾配は相変わらず急で、最後は少し北に巻いて尾根に出ました。
あとは軽快な尾根歩き、と思ったのですが、この尾根は藪っぽく([1])、988mピークも藪です。最初の激登りよりも疲れました。しかし標高が上がると眺めが良くなってきます。荒尾山、大甲山が見えます。1083mピーク付近まで来るとだいぶ歩き易くなりましたが、この後は急勾配で、息を切らして稜線に出ました。ヒルガタワはすぐ西です。この後は稜線沿いに展望を楽しみながら西に歩きました。南は瀬戸内海や四国の山々、北は氷ノ山が見えていました。池を通り過ぎて、植松山に尾根が曲がる辺りで北西に斜面を降りました。これは2011/08/24に歩いたのと逆コースですが、広い尾根で迷いそうでした。この先は倒木地帯がありますが、1114mピークを過ぎて1150m+ピーク(大きな標石あり)まで、植林の中です。最近北側が伐採されたようですが、伐採の意図が分かりません。倒れた木はそのままですし、間伐にしては残っている木が無かったりします。それに、そもそも枝打ちしていない木が多く、その一方で広葉樹も伐採されています。まるでジェイソンが来て暴れて行った後のようでした。
1178mピーク付近からは藪っぽくなります。その北の鞍部には大きな岩があり、巻かないと歩けません。1170m+ピークも藪で、東側は伐採されています。最初はここから999mピークを経由して降りれば早いと思っていたのですが、こんな乱切りのような伐採の後を歩くのは嫌なので、カンカケ越に降りることにしました。こちらもあまり良い道ではないようでしたが([2])、少し降りると西側に展望が開けました。後山方面が一望できる絶好の場所でした。この後は踏み跡はずっと続きますが、低い松などの枝が突き出しており、それを避けるのが大変でした。鹿避けネットがずっと続きますが、ほとんど地面に落ちており、かえって尾根の目印になって助かりました。植林を抜け、カンカケ越に出て、林道で車まで戻りました。5時間以上掛かっていました。
原からカンカケ林道を進むと、八丈川が分岐するところで北に曲がりますが、この付近の東側には墓地があります。江戸時代の墓がほとんどですが、原の集落の墓地にしては遠すぎるので、附近に村があったのではないかと思われます。Googleの地図(ゼンリンの地図)を見ると、墓地の少し北側に建物が10個描かれています。この地図には川が描かれていないのですが、場所から判断すると川の西側のようです。しかし林道から眺めてみても、建物はありませんし、建物を立てられそうな場所もありません。大雨で全部流されてしまったのでしょうか?
展望 ★★★
藪山度 ★★☆
地形図は「西河内」です。
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