2008年8月9日土曜日

梯から登る水剣山

宍粟50山に選ばれたとかで登山する人が増えたらしい水剣山ですが、一般的な登山ルートは山崎町大谷から送電線の巡視路で尾根に出る道だと思います。このルートは最初が急勾配で、尾根に出る頃には疲れてしまいます。もっと楽なルートはないかと探したのが、今回の北東からのルートです。

山崎町梯から、北に延びる林道があります。これを峠まで行くと、そこから水剣山までは地形図で見る限りは1kmほどのゆるやかな尾根道です。いかにも楽そうなので、暑い夏の日にもかかわらず行ってみました。

梯から北に向かう林道は、車は許可がないと入れません。大部分は木陰の道なので、夏でも快適に歩けますが、3kmもあります。しかもずっと登り坂です。この登山コースが楽なのは、この林道で標高にして400m近くを登るからです。この林道は沢と平行していますから、疲れたら沢で水浴びをしながら歩くと良いでしょう。

林道の終点は少し開けていて、たき火の跡があります。峠に行くには、この終点の少し手前で右に折れて沢を渡る必要があります。前に峰旗に登ったときにここに降りてきたので道は分かっているつもりだったのですが、見事に間違えて林道の突き当たり右側で沢を渡ったため、すぐに道が無くなりました。金属製の堰堤の脇を通って沢を登りましたが、背の高い草が増えてきたので左手の尾根に登りました。ここにはネットが張られていたようですが、今はぼろぼろです。ここを登っていったところ、結局目指す峠から水剣山の方に登った標高650mくらいの地点に出ました。

ここから水剣山までは真っ直ぐ尾根を登るだけです。道はありませんが、切り開きが多少あるので歩きづらくはありません。植林も雑木林もありますが、倒木は少なく、北斜面で下草も多くありません。どんどん登って行くと左手からの尾根と合流する地点があり、これが742m地点のようです。この付近はなだらかで、暑くさえなければ快適な山歩きが楽しめるはずです。

尾根はだんだん急になってきて、最後は岩場になりますが、登るのは簡単です。そうするといきなり北側に視界が開け、黒尾山が見えます(写真)。この地点は、南から登って来ると通らないので要注意です。ここにもネットが張られています。この先はすぐに蔦澤三等三角点(872m)のある水剣山山頂です。しばらく休みたかったのですが、ハエが飛び回っており、長居のできる状況ではありませんでした。

登山者が増えたことの御利益として、標識やマーキングが増えたことがあります。山頂から東の尾根へ降りるルートには「東尾根方面下山道」という標識があり、マーキングがたくさんあります。見通しが悪く、東尾根の方向はほとんど見えませんから、この標識には助かりました。その後のマーキングも、おせっかいと思う人もいそうですが、倒木を避ける巻き道まで親切に示しています。急勾配を降りて、涼しい風が心地よく岩場の楽しい吊り尾根を通ります。それから一山登ると、806mピークにある関電の梯反射板に出てきます。ここは展望が楽しめます。

ここから先は、梯に降りようと思うと真南ではなく少し東側の尾根に向かう必要があります。この分岐は分かり易く、その先の尾根も道こそありませんが歩きにくくはありません。かなりの急勾配を降りるので心配になりますが、尾根を外す恐れはほとんどなく、鞍部まで降りると西から関電の送電線巡視路が上がってきています。次の678mピークは巡視路は西側を巻いており、さらに下ると巨大な鉄塔があります。この鉄塔は斜面に建っており、「転落注意」の札が立っています。番号札を見に行くのは大変そうだったので確認していませんが、播磨西線71の筈です。播磨西線の鉄塔の多くにあるように、周囲にはネットが張ってあります。しかし、通行を妨げるようなものではありません。この手前に72鉄塔への分岐があり、それを伝って下山することも考えたのですが、72鉄塔の先がどうなっているか分からないので止めました。しかし72鉄塔はかなり低い位置にあるので、多分沢に降りられると思います。

この先は巡視路がないので、倒木やイバラに悩まされますが、比較的勾配の緩い尾根です。次の570m+のピークには、TVアンテナ群があります。展望も良好です。この南は峠越しに大谷から梯を結ぶ破線道まで、急勾配の植林を降ります。「NHKケーブル埋設」という杭が打ってあります。峠に出るまでこの破線道が存在するか心配だったのですが、ありました。梯までは若干倒木がありますが、楽な下りです。ただし降りてきたのは地形図にあるような梯の南側ではなく、集落の西側でした。

このコースは、道はありませんが迷う恐れは少なく、急勾配の登りがない点がお勧めです。ただし帰ってきたら足が血だらけで、蛭がいることがわかりました。多分最初にまぎれこんだ沢だと思います。ご注意下さい。

展望 ★★☆
藪山度 ★★☆

0 件のコメント: