鎌倉岳は、富栖湖の東に位置する山です。若山四等三角点(725.5m)があります。長い尾根が南に延びていますが、その南端の栃原から登るとあまりに距離が長いので、栃原川に沿った林道を北上してその終点から登るのが一般的なようです([1],[2],[3])。そこで、そのルートで登ってみました。
林道は途中から未舗装になり、ややでこぼこがありますが、東に向かって二つに分岐するところまでは難なく自動車で行けます。ここからは、北に向かう林道を歩きます。この道は以前は立派なものだっただろうと思われますが、今は岩が多くて歩きにくくなっています。途中に石で作られた美しいスロープが現れます(写真)。このスロープの左手には滝があり、急斜面を登らなくても良いように作られたのだと思いますが、徒歩でなら十分登れる斜面です。スロープの下には炭焼き釜があるので、おそらく山奥で切り出してきた木材を降ろすためのものだったのではないかと思います。かなり古い物でしょうが、今でも美しい姿で残っているのに感動しました。
スロープを上がった先も道は続きますが、倒木もあり、ますます歩きにくくなります。最終的に沢が分岐する地点に小屋が立っています。鎌倉岳はここから左に折れて沢を登ります。しかし、少し歩くと沢に倒木と背の高い草が増えてきて、歩きにくくなってきます。右手を見上げると岩場があり、さほど登るのは難しくなさそうなので、岩場を登ることにしました。これが判断の間違いでした。岩を登っても、その上は倒木と背の高い草で、結局右手にトラバースするしか道がありません。これは、小屋の背後にある山に登ることを意味します。この山は頂上まで植林なので、歩きやすいのですが、最初のうちはかなり急斜面です。
尾根に着くと、雑木林です。道はありませんが、木は歩くのに支障ありません。問題なのは倒木です。鎌倉岳に向かう途中の尾根にはいくつか倒木地帯があり、それを越えるのは容易ではありません。植林の倒木の場合、尾根を横断する形で倒れており、しかも周囲に背の高い草が生えていることが多く、根の方に廻っても枝の方に廻っても歩きづらくなっています。これらを通り抜けるのにかなり時間がかかりました。この辺りの尾根は植林ですが、太い広葉樹が残っていることがあり、その下で何度か休息しました。結局1km程度の距離を1時間半かかってアップダウンしながら歩き、TVアンテナの脇を通り、鎌倉岳に着きました。
鎌倉岳の頂上は、現在は木が切られていて広場になっています。しかし周囲の木の背が高いため、眺望はあまり効きません。この付近からは雪彦山がよく見えますが、あとは北西の関にある別荘地帯が見える程度です。
下りは、正しいルートを探すことにしました。登りでは倒木がありそうでしたが、降りる道は他にはないので、意を決して三角点の北側のピークから南東に延びる尾根を降りました。この尾根は歩きやすく、登るのもさほど困難ではないと思います。尾根の最後には岩があり、ここからは沢を降ります。石が疲れた足の裏に当たって歩きにくく、また倒木もいくらかあります。しかし、なんとなく倒木と背の高い草を抜けていると、分岐点の小屋に出てきました。登るときに通れそうに見えなかった沢が、簡単に降りられたわけです。
もう少し頑張って、みんなの登っている沢道を探すべきだったと反省しました。おかげで倒木の多い尾根を大回りしました。
展望 ★☆☆
藪山度 ★★★
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