2020年5月21日木曜日

新田から歩く加美アルプス

 


三国岳から千ヶ峰につながる長い尾根の北半分は加美アルプスとして知られています。単に北アルプスの山の名前をピークに適当に振っただけですが、整備された縦走路であることは間違いありません。これを南から歩いてみました。


出発点は越知川沿いの新田で、キャンプ場などがあります。ここから南に少し歩いて水谷林道に入りました。きれいに舗装された道で、途中に水谷西ルートへの分岐がありますが、そちらには行かず水谷林道を歩いて、水谷東ルートに向かいました。これも整備された道で、植林の中を上がって行きます。千ヶ峰遊歩道として整備されたくらいですから、とても歩きやすくなっています。地形図の破線道の通りに植林を登り、大師堂に出てきました。東屋もあります。千ヶ峰が望めることになっているのですが、植林が育ったのか見えません。ここで水谷林道を横断して東コースの続きの急斜面を登りました。非常に急なので階段が作られていますが、膝に悪いのでなるべく外して登りました。植林の中をぐいぐい登って、尾根に出ました。


尾根道は幅も広く楽に歩けます。「孝行の森」という名前だそうですが、すぐに東屋と駐車場のある市原峠に着きました。ここで森林基幹道千ヶ峰・三国岳線が尾根を横切っており、西側は登ってきた水谷林道に繋がり、さらに作畑に降りて行っているようです。しかし三国岳方面は通行止めです。しかも5月18日からは「木材伐採・搬出工事のため立入禁止」です。実際には工事をしている様子はなかったのですが、とりあえずこの道は避けて、切通しの急斜面を登りました。登ると東西両側に展望が広がっていました。これは登るべきです。登れば尾根を縦走です。縦走路としては見捨てられてしまったようですが、歩くには問題ありません。が、すぐにまた切通しがあって、千ヶ峰・三国岳線が尾根を横切っていました。ここは切通しの西側に「千ヶ峰⇔三国へ」という道標がありました。縦走路はここと市原峠の間は千ヶ峰・三国岳線を歩くようです。


また切通しの急斜面を登り、縦走を続けました。アシビが多いのですが、問題なく歩けます。植林もあり自然林あり銀竜草ありで、気持ちの良い尾根です。まず2015/07/04に東の西山から登ってきた872mピークに着きました。さらに北上して、マタニ山に着きました。深谷山三等三角点(927.94m)があります。周囲はアシビですが赤く色づいているので意外と派手な雰囲気でした。さらに北に歩くと、また千ヶ峰・三国岳線が尾根を今度は東から西に横切っていました。2015年にはマタニ山の付近だったので、徐々に延びてきているようです。ここは切通しではなく楽に植林の縦走路に戻れました。この先は植林が多く、道標やマーキングもあってスイスイと歩けた感じでした。地籍図根三角点を過ぎると清水への下山路があり、その北には奥多々良木線二一鉄塔が立っていました。この付近もそうですが、東側の展望のある場所がいくつもあって、それも楽しめました。


この縦走路は道標も多くピンクや黄色のマーキングもあって分かりやすいのですが、それでも何箇所かルートを外れました。鉄塔の北の850m+ピークの南斜面は急勾配で、藪っぽかったのでまっすぐは登らずに西の植林の作業道で登りました。それでも正しいルートに戻ったようなのですが、ここで黒いプラ階段を見つけて、歩きやすいのでそれを辿っていくと、金属の橋もあって、整備された巡視路になりました。しかし巡視路は水平に北に行って、そのまま北西に降りていってしまいました。そのまま下山するという手もあったのですが、初心貫徹で踏み跡を探して北から850m+ピークに上がりました。加美アルプス西雄岳です。


急坂を東に降りて、古いネットのある尾根を東に進みました。時期を過ぎていますがシャクナゲが咲いていました。そして小屋ヶ谷四等三角点(842.17m)のあるピークが奥雄山ですが、プレートが割れてしまっています。ここまでは北から2013/03/16に来ています。展望のあるキレットまで行ってから植林に戻って北に下りました。790m+ピークが涸沢山で、その北の800m+ピークをコースは東側を巻いていますが、気づかずにピークに登ると北雄岳でした。そのまま西に行きそうになり、方向が分からなくなってコースに戻るのに苦労しました。コースに戻れば植林のなかの槍雄岳縦走コースを北に歩いて、地形図で破線道が横切っている鞍部に着きました。ここから谷の破線道で下山予定でした。


この鞍部は東側にははっきりした道がありませんが、西側は北斜面の工事が見えました。行ってみるとぬかるんだ作業道がありました。ここからはこの作業道で下山しましたが、谷の北斜面はほぼ全部伐採されていて、とてもシュールな景色が続きました。上の方に一列だけ残されている植林は芸術作品のようです(写真)。谷の奥は伐採されただけで植林はされていませんが、入り口の近くは木が植えられていました。鹿に食べられないように張られたネットを潜りました。谷底はかなり悲惨な状態で、破線道を歩くのは難しそうでした。


長い作業道です。谷のかなり上の方に作られていて、南に向かって展望があります。最後は尾根の西側にまわって、ジグザグに谷の分岐点に降りていました。降りたところには小さな祠がありました。ここからは森林管理道黒川新田線を歩いて新田に戻りました。


展望 ★☆☆

藪山度 ★☆☆

地形図は「丹波和田」「大名草」です。


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