2024年8月24日土曜日

お滝さん経由で登る大甲山

 


2024/08/15に大甲山に登ったときにお滝さん経由の登山道が気になったので、もう一度行ってみました。齋木から行者道の丁石のある道を登り、見つからなかった齋木三角点の手前で今回は未舗装の林道に入ってみました。この林道はいきなりフェンスで通れなくなっていましたが、人が通れる扉がありました。ところがこの扉が開けられず、無理やり体を押し込んで通り抜けました。林道をフェンスで遮断しているのは初めて見ましたが、すぐに川を渡るところで橋が無いので、いずれにしても車は通れません。この林道は山の斜面をジグザグに登り水平区間も多いので、前回歩いた舗装道路に比べるとかなり大回りになりました。たくさん歩いて前地カンカケ林道に出ました。舗装道路と同じく迎え行者の所です。


お滝さんの登山口の方向に矢印はあるものの、特にマーキングもないので方向がわかりません。滝というからには谷だろうと思って谷を登りました。これは2011/07/31に降りてきた谷です。その頃に比べると倒木は片付いているようですが、登山道はよくわかりません。丁石はめったに見つかりません。しかし谷沿いになんとか歩けて、谷を東に渡ると滝がありました。滝といっても岩の斜面を水が流れているだけですが、これが2011/07/31に写真を撮った滝のようです。道はさらに続きまた西側に移り(両側に道がある所もあるようでした)、上流にももっと滝らしい滝がありました。これがお滝さんのような気がしますが、説明板がないので行者の水がどこだかわかりません。この谷はもっと遡れそうでしたし、そのまま稜線まで登ろうかとも思ったのですが、「お滝さんコース」の道標があったので植林の斜面をほぼ水平に西に歩きました。尾根の先を回っていきますが、途中に丁石があるので2011/07/31に逆に歩いた道です。植林は徐々に鉄穴流しの跡のようになり、二十四丁の丁石のあと、ススキの生えた伐採地に出ました。これを横切ると林道があって行者堂に行けるだろうと思ったのですが(これは帰りに確認できました)、行者堂は下山で行くことにしていたので、ここから尾根を登りました。山頂までまだ標高差400mあります。かなり急な斜面で、木に掴まらずにやっと登れるくらいでした。744mで一休みし、さらに斜面を登り続けて標高850mを超すと大甲山への道標がありました。ここからは登山コースですが、登山道を登るのは初めてでした。マーキングが多く、標高900m付近からは植林の斜面をジグザグに登っていきます。たまにマーキングが視野になくて迷いそうになりましたが、たいていは木の陰に隠れていただけで、気をつけて探すと道がみつかりました。自然林になって「大甲山頂上まで300m」という表示があると、標高差ももう80mほどでした。山頂には斉木三等三角点(1035.37m)があり、晴れて南に展望がありましたが、暑いので日陰に入って休みました。


下山は登山道を戻りました。下山でもマーキングを見失いそうになった所がありましたが、問題なく降りられました。まっすぐに降りていき、2024/08/15とは違って2011/07/31と同じように行者岩の方に行きました。行者岩は「聖地につき立入禁止」だそうでトラロープが張ってありましたが、登ると危険だからだと思います(写真)。行者岩からはロープ沿いに降りましたが、2011/07/31にあった木の階段は残っていません。降りると行者堂がありましたが、2015年に整備されたようでかなり綺麗になっていました。迎え行者が設置されたのもこの時でしょう。ここからは林道で下山しましたが、途中に登りで見た伐採地の反対側に2011/07/31に見た行者の水への道標がありました。林道ができる前はお滝さんコースが一般的な参道だったのでしょう。


展望 ★☆☆

藪山度 ★☆☆

地形図は「安積」「音水湖」です。



2024年8月20日火曜日

宮野から登った寺前の深谷三角点

 


寺前の北にある深谷三角点へは、2009/05/01に東から、2013/04/14に北から行っていますが、今回は西から登りました。神河町宮野の、県道8号線の小田原川の南東に切り立った崖があります(写真)。これは立岩嶽だそうです[1]。川沿いに近づくと親柱があって、かつてはここに橋がかかっていたようです。そのまま川沿いに崖に近づいても丈夫なネットがあるだけなので、少し戻ってネットの扉を探し出して入りました。しかし急斜面の下はひどい藪で、しかも山椒が香ってきます。急斜面を登るのはやめて、少し川の方に行ってから折り返すと道のような踏み跡があり、付近の家の屋根が見えるあたりからピンクのマーキングがありました。しかし明確な道があるわけではなく、すぐに木や岩に掴まって急斜面を登ることになりました。ここを登り切ると崖の上ですが、木が生えているので小田原川を見下ろせるわけではありません。崖の上を歩いていると、川の方の急斜面にロープが張ってあるところがありましたが、降りられるのでしょうか?


崖の上からは緩やかな尾根歩きですが、やや急な斜面を登ると平らな植林に出ました。ここから東に少し登ると松の幼木の間に上岩四等三角点(395.59m)がありました。三角点の周囲だけが藪で、他は藪と言うほどではない尾根です。また少し登って390m+の尾根に上がり東に歩くと、北側が植林なので尾根にも北側に作業道がありました。そして標高400mまで来ると共同アンテナの残骸がありました。この先で一瞬だけ南に展望があり、標高450m付近からは斜面にネットが張られていました。北側がネットの内側で植林ですが、ネットの内側は鹿の食害が少なくて藪っぽいので、なるべくネットの南側を登りました。ネットが倒れているところもたくさんあります。標高500mの稜線に出てからはネットに沿って北に歩きました。これは2009/05/01の逆コースです。500m地点を過ぎて下ると鞍部には切通しのような溝がありましたが、西側の急斜面には道はなく、東側も道は未確認です。ネットのせいもあってあまり歩きやすい尾根ではありませんが、稜線にこだわらなければ西側の植林の作業道を歩くのが楽でした。北に歩くとネットは一時消えましたが、また復活して、その東側を歩いて尾根に上がり、深谷三等三角点(543.81m)に着きました。周囲は藪です。


深谷三角点からは西に稜線を歩きましたが、植林で歩きやすい尾根でした。少し灌木の間隔が狭くなってきて、571m地点の手前で西向きの尾根に曲がって下山を始めました。すこし降りると関電の巡視路があって、非常に歩きやすくなりました。巡視路は途中で北の鉄塔に向かってしまいましたが、尾根は歩きやすく、踏み跡がもあるようで、どんどん下っていきました。しかしこれが間違いで、踏み跡がなくなったと思った時には計画していた長い尾根よりは北にある西向きの尾根を降りていました。戻るのは大変そうだったのでどうしようかと考えていると、北の植林に降りていく作業道があったのでこれを降りました。この道はすぐに見失ってしまい、あとは急勾配の植林を降りました。枝打ちされた枝や間伐材の間に岩も多く、木に掴まって降りるのも大変でしたが、幸いなことに下まで降りると害獣避けのフェンスに扉があり、それを出るといきなり県道8号線でした。


展望 ☆☆☆

藪山度 ★★☆

地形図は「寺前」「長谷」です。



2024年8月18日日曜日

登山道で登った生栖の行者山

 


2024/7/27に福知からユリ三角点に行った下山中に、行者山への道標を見かけました。それで行者山には北側の登山道で登ったことがなかったことに気がついて、登ってみることにしました。生栖には登山道の案内板があるので、それに従って歩きましたが、最初は2024/7/27の逆コースです。橋を渡って登山口から扉を開けて林道に入りました。林道沿いにある石仏は案内板によれば大日如来像です。さらにかなり急な林道を登って行くと、2024/7/27の下山で出てきた地点の行者山への道標まで来ました。道標通りに登るとすぐに林道は終わり、植林の急斜面に行者山への道標がありました。ここからは植林のジグザグの作業道を登りましたが、登山道として整備されているため、危険な場所はありません。ピンクテープのマーキングが多く、谷で道がわからなくなっても、見渡せば必ず視界にマーキングがあるので助かりました。途中には大きな岩もあって、これは登山道がなければ登ってみようとは思わない急な植林です。谷を渡りながら植林を登っていくと、最後は尾根をまっすぐ登るようになっていました。ここは標高差100mほどもあり、途中の岩で少し休みましたが、登り切ると稜線に出て、登ってきたのは「林道へ下山(尾根コース)」となっていました。ここからはユルユルと登って行者山の山頂に着きました。揖保川の上流方面の展望がありました(写真)が、赤い石の他には座れるところもありません。生栖三等三角点(787.15m)と宍粟50名山の標識は、山頂から少し西に下ったところにありました。


下山は南側の登山道にしましたが、三角点の西は大岩があって非常に急でした。ロープがあって助かりました。降りて西のピークの方に行く途中に行者山への道標があります。行者堂と言っても小屋には鍋や飯盒があって宿泊の場所に見えますが、この場所では水を入手するのが大変そうです。上方の大岩にある行者像は今回も見落としました。ここからは登ってきた時と同様に登山道は急斜面の植林をジグザグに降りるようになっています。長く続きますしマーキングもありませんが、見失うことはない道でした。斜面で道が流れかけた場所でも真っすぐ歩けば続きがありました。最後は林道に出ましたが、そのまま道標の通りに歩くとすぐに終わりになりました。しかしここにも道標があって、植林を少し降りて林道の終点に出ました。この先は普通の山歩きではまっすぐに植林の斜面を降りるところですが、今回は登山道を歩くのが目的なので林道を歩きましたが、すぐにシダの斜面を降りる道に道標がありました。ここはシダが伸び過ぎて踏み跡を見失い、林道に降りてから正しい地点を探しました。すると林道の反対側にまた林の中を降りる道があり、これを降りると地形図にもある林道に出ました。下山の道標の方向に歩くと、両側に石の積まれた(単に置かれただけ?)少し掘られた道が続き(地形図の破線道です)、小屋とお堂のある登山口に出てきました。あとは道路を降りました。この下山は道標に助けられましたが、下山では植林をまっすぐ降りても良かったような気がします。林道は地形図にはないので、辿るとどこへ行くか分かったものではありません。それにしても行者山という名前に遜色のない、どちらから登っても急斜面の山です。


展望 ★☆☆

藪山度 ★☆☆

地形図は「安積」です。



2024年8月17日土曜日

戸倉峠駐車場から赤谷山

 


兵庫県と鳥取県の県境に位置する赤谷山には何度も登っていますが、手軽に登れそうなルートで登ってみました。登り始めたのは新戸倉トンネルの手前にある国道29号線沿いの駐車場から少し下った谷の所で、谷の奥へ道もありそうでしたが、いきなり尾根を登り始めました。最初は急勾配の自然林、それから相変わらず急勾配の植林、少し楽になって889mピークは植林でした。この先は勾配も緩く、障害物のない尾根登りで、自然林も多く、木の間隔の広いところも多くて、自然を満喫できます。標高が高いので暑さでバテることもありません。気持ちよく登っていき、標高1020m+の細尾根では南側の谷に水が流れていました。そして標高1050mを超えた付近から急にチシマザサが生え始めました。最初はパラパラだったのですが、すぐに両手でササをかき分けて登っている自分に気が付きました。この付近からは再び急勾配ですがチシマザサが茂っており、それよりも邪魔なのは倒れた灌木で、避けられずに持ち上げて投げたりしながら登りました。なんとなく踏み跡というか獣道もあるようで、それを探して登りました。悪戦苦闘の末、1190m+で県境の稜線に出ました。戸倉峠と赤谷山への道標がある場所です。ここから赤谷山はチシマザサの回廊を抜けてすぐでした。落折二等三角点(1216.57m)があります。天候は良かったのですが、眼下に雲が動いていくのが見えました。


下山は県境を北に戸倉峠の方向に戻りました。登ってきた1190m+ピークを過ぎて、1143mピークまで行き、東にチシマザサの急斜面を降りました。ここも登ってきたチシマザサの藪と同様で、ササをかき分けるだけでなく倒れている灌木の枝を避けながら下っていきました。特にチシマザサの茎は地面に倒れているのを踏むと滑るので、何度か転びました。しかしここでも標高1090mを切った付近で尾根になると突然チシマザサは消えて、太いブナなどの自然林になり、楽に歩けるようになりました(写真)。こちらの尾根は登ってきた尾根よりも自然林が多い感じで、幅の広い気持ちの良い尾根が続きました。何の特徴もありませんが、山歩きとしては文句ありません。間違った方向に降りないように気をつけて気分良く下っていきましたが、地形図でもわかるように最後は急斜面です。どちらに降りたら楽なのかわからなかったので、とりあず尾根をまっすぐに降りましたが、木に掴まらないと降りられない急勾配でした。少し勾配が楽になると作業道が横切っていたので北に辿ってみましたが、結局は国道29号線に向かって降りて行きました。少し草叢がありましたが、抜けると駐車場にでました。ただ、駐車場の手前に草叢に隠れて溝がありました。要注意です。


展望 ★☆☆

藪山度 ★★☆

地形図は「戸倉峠」です。



2024年8月15日木曜日

波賀町齋木から大甲山

 


波賀町の大甲山は何度も登っていますが、今回は一番近くの齋木から登りました。出発点は国道429号線沿いで、「大甲山行者山登山口」という表示のある安養寺の付近から北に登りました。日差しが強く暑いのですが、途中で植林に入ると突然雰囲気が変わって涼しくなりました。この変化は劇的です。この林道は北山線というらしく、途中には行者道の丁石があります。丁石は約109mごとにあるはずですが、新しげな丁石の割にはかなりが見つかりません。それに1丁から始まって、あと何丁で着くのかがわからないので、あまり役には立ちません(じっさいには行者堂は30丁です)。途中にあるはずの齋木三角点は墓の下でしょうか?見つけられませんでした。


害獣避けの扉を通って登っていくと、前地カンカケ林道に出ました。この付近はやや古い感じで未舗装で幅も狭めです。登り着いたところには「迎え行者」がありました(写真)。まっすぐ登ると「お滝さん登山口」、左にカンカケ林道を行くと「大甲山 行者山 登山口」ですが、ここからカンカケ林道を右に行きました。2023/11/26に通らなかったルートを通るためで、559mピークの北の付近に行って、荒れた植林を登りました。鉄穴流しの跡で複雑な地形のところに倒木があって、右往左往しながら登っていきました。鉄穴流しの跡の急斜面を登り、岩の多い付近を通って尾根に上がると楽になりましたが、アセビが増えてきました。しかし全体的には植林が多く、急なところが多いとは言え登りやすい尾根でした。最後に一踏ん張りして、871m地点で稜線に出ました。ここは2011/10/16と2023/11/11にも下山で通った尾根です。長い稜線は気持ちよく歩けましたが、最後の長い植林の坂はちょっと疲れました。登り切ると大甲山の山頂です。斉木三等三角点(1035.37m)があり、少し霞んでいましたが南に展望がありました。


下山は南に尾根を降りました。これは登山道らしいのですが、あまり標識がありません。この尾根は2015/08/15に降りているのですが、今回はマーキングが減っているような気がしました。標高950mあたりから下は急斜面の植林で、適当に歩いていると登山道の矢印があって、ここからは登山道で降りました。この付近からは標識も増えて、2011/07/31に通った行者登山口への道標がありました。さらに自然林を下っていくと、鉄穴流しの跡の植林になりました。ここは歩きにくいのですが、おそらく2015年にはなかった作業用の林道があったので無理して降りました。


前地カンカケ林道まで降りて、しばらくはこれを東に歩きました。そのまま南に下山すると、国道を歩いて戻らなければならないと思ったからなのですが、たまたま南に分岐する古い林道があったのでそれを下りました。この草の生えた林道はすぐに伐採地の上で終わってしまったので、戻って東の植林に入りました。鉄穴流しの跡で、地形を見ているぶんには楽しいのですが歩きにくく、とにかく降りていくと谷になり、谷沿いで下山できるかと思って谷に降りましたが、倒木と灌木で埋まっており、通れないので石や草に掴まって東側の急斜面を登りました。最初からもう少しカンカケ林道を東に歩いて、この尾根を降りればよかったのです。植林から出ないようにして尾根を下っていくと石積みのある平坦地に出ました。棚畑の跡の植林です。何段か下ると湿地になってきましたが、一番下には扉があって道路に出られました。


展望 ☆☆☆

藪山度 ★★☆

地形図は「安積」「音水湖」です。