上郡から西へ安室ダムの方へ安室川を遡って行くと、道路は北へ向かい、安室ダムの方へ曲がっていき、岡山県には行けません。この県境の山を歩いてみました。行頭の須賀神社に車を停めて歩き始めました。向かい側には小学校の分校がありますが、閉まっているようです。小学校の北の山には牛神様が祀られています。ちょっと北に歩くと西に谷があり、道があるのでこれを歩き始めました。しばらくは谷川沿いに道が続きます。流れを何回か渡りますが、道は明らかです。しかしだんだんと谷が狭くなり、大きな岩が谷を塞ぎ始めました。最後は岩を越えるのが危険になってきたので、西側の斜面を登ることにしました。しかしこの斜面は非常に急なだけでなく、大きな岩盤がたくさんせり出しており、登るのは不可能でした。しかたなしに急斜面を南にトラバースして登れる場所を探しました。すると、岩盤の上から水が落ちている場所に出てきました(写真)。滝というには水量が不足ですが、岩盤が大きいので結構迫力がありました。
滝の付近は岩盤で登れないので、もう少し南に尾根の裾を周ってから登り始めました。ここも岩の多い斜面ですが、岩盤ではなく勾配も少し緩いので、なんとか登ることができました。腕の疲れる登山でした。急な斜面を登り切ると平坦な場所に出ました。ここから主尾根までは広く木の少なめの藪です。かつて木を切って下に降ろした時に使われたと思われる溝が地面にありました。しばらく歩くと県境の主尾根に出ました。切り開きがあり、一挙に歩き易くなりました。最初の予定では県境を南に歩いて才ヶ峠から下山するつもりだったのですが、まず少し北に歩いてみることにしました。アップダウンの少ない尾根なので、落ち葉を踏んで軽快に延野三等三角点(342.21m)まで歩くことができました。標石の頭は赤く塗られていました。
明治時代の地形図を見ると最初に登った谷には道があります。ただし延野から西の尾根を越えて、私がギブアップした付近よりも奥で谷に降りています。それから谷をさかのぼって、県境を越えて岡山県の都留岐へと山の中を降りて行っています。この道の痕がないか調べたかったのですが、結局峠のお地蔵さんなどもなく、はっきりした道が尾根を横断している場所もありません。かなり北で、最初に遡った谷の一番奥の付近で岡山側から道が上がってきていました。ここから北の尾根は急に道が怪しくなったので、おそらくはこの岡山側からの道の延長が尾根上に南に延びているのだと思います。
さらに北に歩くとさらに道は怪しくなります。シダが茂っていたり藪がきつかったりする場所もありますが、木の間隔が広くて歩きやすかったり、明らかに切り開きと思われる場所もありました。西や北に展望がある場所もありますが、付近に高い山がないので面白い景色はありません。尾根は東に曲がりますが、道が現れたり消えたりするのは相変わらずです。わりとしっかりした道のある部分もあります。北に溜池があるはずですが、ほとんど見えません。
そして、県境が北に折れる所で南の尾根に向かいました。こちらにも最初は切り開きがありました。しかしシダの大きな藪に突き当たって消えてしまいました。この付近の尾根は複雑で、なかなか思った方向に行けません。行こうと思ってもシダ藪がひどいと入っていけません。急な斜面もあって苦労して南に歩き続けました。シダ藪を抜けると開けた場所に出たり道があったりします。最後は谷沿いの尾根を歩いて、最初に登った谷の東側の尾根を降りたかったのですが、途中でわりとはっきりした道と出会ったので、それを辿りました。シダが多い場所もありますが、道を見失うことは無く、最後は気の枝を通して延野や安室ダムが見える所に出てきました。ここからは急斜面をジグザグに降りる道がついていました。降りてくると堰堤があり、墓地から延野に出られました。
最初は岩盤との戦い、最後はシダ藪との戦いになりました。県境の尾根は特に魅力的な道でもなく、ゴミが目立ちました。
展望 ☆☆☆
藪山度 ★★★
地形図は「上郡」です。
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