2010年12月18日土曜日

寺前から登る亀ケ坪三角点


寺前の南や西の山はずいぶん歩いたつもりでしたが、亀ケ坪三角点には行ったことがありませんでした。そこで、北側から登ってみました。

登り口は寺前の南、比延の「はにおか運動公園」にしました。ここから、まず221mの丘に登りました。この丘の東側には日吉神社があるので、この丘が播磨風土記にある埴岡と思われます。埴土でできた割には大きな岩があったりしますが、運動公園の裏手から整備された道があって、頂上にはベンチがあります。そのまま東側に降りると、途中に市川鶴居線18鉄塔があります。昭和60年建設という割にはかわいらしい感じの鉄塔です。山から下りると右手に長楽寺があります。十二面観世音菩薩の開帳は25年ごとだそうですが、お堂の中を覗くと結構豪華でした。その右手に、小さなにっこり笑った女の子(?)の像が二つ置いてあり、その間を通って背後の山に登れます。赤い「火の用心」のそばに「鉄塔へ急な登り40分」と書いてあります。花岡山長楽寺と言うくらいですから、この山は花岡山でしょうか。埴岡と音が似ているのが気になります。

扉を開けて登り始めると、すぐに市川鶴居線19鉄塔があります。40分というのは、稜線の鉄塔までの時間のようです。しかし急な登りというのはその通りで、巡視路で良い道なのですが、かなり急です。階段が所々にありますが、お馴染みの黒いプラスチックではなく、コンクリート板です。周囲はシダ藪になりますが、道は整備されています。20、21鉄塔を過ぎて、稜線に出ます。左に曲がると22鉄塔があります。確かに40分弱かかりました。そのまま南に降りる巡視路もあるようです。西側に行くとベンチがあって、東向きには「瀧頂上三角点へ20分」西向きには「西脇林道へ25分」と書いた標識があります。西脇林道がどの道かは分からなかったのですが(おそらく比延から延びる林道でしょう)、この付近には登ってきたのとは別の下山路があって、そちらに行くのではないかと思います。というのは、尾根伝いに西へ歩く道は整備されていないからです。

藪と化した尾根を西に歩くと、ネットが張られていました。おかげで歩きにくくてたまりません。最初は眺めの良い北側を歩いて、寺前の展望を楽しんでいましたが、下草や切り株が多くてとても歩きづらく、危険な箇所もあるので、尾根の幅が広がってきたあたりで南側に移りました。南側は下草が少ないのですが、道ははっきりしないので枝を払いながら歩かねばなりません。そのうちに地形図で破線道が尾根を越えている地点に来ましたが、どちら側を見てもはっきりした道は確認できません。この先の573mピークへの登りは厳しい藪で、南側の尾根にトラバースして移って、南から登りました。それでもシダや灌木が多く、気力の必要な登りでした。573mピークの手前にはネットが張ってありますが、乗り越えて頂上に行けました。頂上は立つのも難しいような藪でした。

南側から573mピークを巻いてネットに沿って更に西に歩きました。ここでもネットの北側の方が眺めは良いのですが、歩きにくいので南側に移りました。一度530m+まで降りてから登り返して570m+まで来ると、尾根が広くなってきて、落ち葉を踏みしめて歩けるようになりました。「構」と書いてある標石が時々ありました。歩きやすい尾根を進んで、神河町、市川町、夢前町の境界点まで来ると、またネットが現れました。またちょっと藪っぽくなりますが、めげずに登るとついに亀ケ坪四等三角点(650.83m)に到着しました。周囲は木が切ってあって、寺前方面を木に隠れがちですが望むことができます。南の河原川にある名所は亀ヶ壺ですが、この三角点は所在地が夢前町山之内字河原谷亀ケ坪となっています(実際には神河町との境界上です)。「点の記」では、「高朝田から南に林道に入って、その終点から徒歩で120分」となっていますが、鶴居から林道を十三回り峠まで自動車で登る方が早いと思います。少し足を伸ばして、三角点の西の650m+のピークの方まで行ってみたところ、「之より左直営林」と書いた標石がありました。どっち向きに置くかで解釈が変わってきます。

下山は、この西の高朝田に降りる破線道が存在しないことは身を持って知りましたので(2009/03/21)、三角点から北に降りることにしました。やや急な尾根を降りて行くと、600m+くらいの地点でいきなり前が急斜面になりました。とても降りられそうもないと思ったので、ここは東側に少し降りて、勾配がなだらかになった560m+くらいの所をトラバースして北に進みました。しかし東に降りるのも急勾配でしたし、トラバースも危険でした。尾根に戻って見上げると、意を決して尾根を降りるのが正解だったようです。ただ、上から見るとどっちに向かって降りたらよいのかが分からないのが問題です。この難所を通り抜けると、あとは歩きやすい尾根になりました。落ち葉を踏んで歩くのは快適です。倒木も少なくて、541mピークも軽快に過ぎましたが、450mを切った付近でまたネットが現れました。例によってネットの北側の方が眺めが良いので、ずっと北側を歩いて行くと、だんだんシダが茂るようになりました。しかし少し辛抱して歩くと、道が現れました。あとはこの道を歩いて下山しましたが、途中でシダに覆われて道が消えるところも多く、その場合にはピンクテープのマーキングを頼りにしました。これも時々変な所に付いているのですが、最後は植林の作業道に出られたので、おそらくこれが道だったのでしょう。

この付近の主尾根は、割と歩きやすいという印象を持っていたのですが、この区間は藪だらけでした。3時間半程度で歩けたので、そんなに大苦戦でもないのですが、ネットと藪だけが印象に残りました。

展望 ★★☆
藪山度 ★★★
地形図は「寺前」です。

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