宝台山は相生と上郡の間にある山です。二号線から北を見るとアンテナのたくさん立っている山が見えますが、これが宝台山です。登山記録を調べるとアンテナの保守路を歩くのが楽だということが分かりますが([1],[2],[3])、西から登ってみることにしました。
このルートは[3]に少し書いてあります。休治から東に延びる破線道を歩きます。入り口に獣避けの扉がありますが、ここに「聖徳太子の手洗場と馬の水飲み場」のことが書いてあります。聖徳太子が乗っていた馬の蹄の跡が残ってる岩と、水を飲ませた岩があるのだそうです。楽しみにして歩いていくと、すぐに右に曲がる矢印が立っていました。しかし、その方向の道は草だらけで、少し入って行ったものの、すぐに引き返しました。もう少し破線道を歩けば道に別の指示があるのかと思ったのですが、結局なかったので、やはり矢印の場所だったのでしょう。藪の奥まで入ってみるべきでした。しかしこの場所には川はないので、「休治川のほとりで休憩して馬に水を飲ませた」という伝説とは合致しません。
この道は車の通れる林道で、歩きやすいことこの上ありません。途中で木々の間から上郡方面が見え隠れしますが、展望はあまりありません。そして、何も考えないで歩いていると、溜池のほとりに出てきて、動物捕獲用の大きな檻があって道は終わってしまいます。地形図では途中から山頂に向かう破線道が分岐しているのですが、分岐はどう探しても見つかりません。結局仕方がないので地形図の分岐の付近で尾根に登りました。尾根にも檻があります。ここからは尾根沿いに登りました。地形図の破線道は尾根よりは北側にあるので、どこかで合流するのかと思いつつ登りましたが、結局現れませんでした。
切り開きのある尾根なので楽に登れます。途中で雑木林が植林に変わり、急斜面を登ると379m地点に出てきます。ここは送電線の巡視路が通っており、それを歩いて尾根を南に進むと、宝台山の山頂に出てきます。
山頂にはドコモ(写真)とツーカーホン関西とJ-PHONEの巨大なアンテナ、そしてパラボラアンテナの付いた兵庫県の宝台山中継所があります。ほかに「KDDI管理地」という札の立っている更地がありますが、これが地形図の北側のアンテナの場所です。J-PHONEと兵庫県の塔は地形図にはありません。若狭野二等三角点(379.0m)はドコモのアンテナの東側の藪山にありますが、探すのに手間取ります。二等三角点だという割りには土に深く埋まっています。ツーカーホン関西のアンテナ塔の南にある斜面に「わかさの成林」と書いた矢印があります。とても登れないような斜面にありますが、おそらくこの南の尾根を通って成林に降りられるということでしょう。
下山は赤穂市と上郡町の境界の尾根を西に降りることにしました。兵庫県の中継所の西側の藪を抜けると、下山ルートが見つかります。良い道とは言えませんが、マーキングがしっかりしており、迷うことなく降りていけます。途中で尾根から北西に降りるところも、マーキングとプラスチックの杭があるのですぐわかります。これを降りてゆくと、溜池の南側に出てきます。ここに「宝台山」と書いた矢印があって、降りてきた道の方向を指しています。つまりこれは登山ルートなのです。
溜池の南で南西に向かう破線道を探したのですが、結局見つからず、マーキングもあることなので境界をそのまま進みました。ところがすぐにマーキングは北の方へ行ってしまいました。あとはマーキングも杭もない境界の尾根を伝って歩きました。あまり藪はなく、楽に歩ける尾根です。最後は231mピークの東のピークで南に折れて、破線道と交差しますが、破線道に向かって降りるところはシダの藪でした。
ここで破線道が尾根を越えているはずなので探したのですが、見つかりません。しかたないので無理やり西側の藪に入ってみましたが、歩けるような藪ではなく、再び尾根に戻りました。少し歩くと北側に降りる道があったので降りてみると、沢に出てきました。非常に荒れていますが人工の道と思われるものがあり、これをしばらくは歩けました。しかし、すぐに藪にぶつかりました。これも突破できそうもなかったので沢に降りましたが、笹藪で抜けるのは大変でした。この後はとにかくいろいろな種類の藪が続き、最後は溜池に出てきました。大きなウシガエルが驚いて水に飛び込みました。この溜池の周囲もすべて藪で、突破は困難を極めました。石積みがたくさんあり、かなり手の掛かった溜池であることは確かですが、今は完全に放置されて笹が伸び放題です。
苦労して藪を抜けて溜池の西側に出てくると、良い道があります。これは地形図の実線道です。そこから東に延びる破線道は存在しないわけです。この良い道をしばらく歩くと、74m地点で北に向かう破線道があります。西の正福寺に向かう道は良い道なのですが、北に向かう道のほうが休治に行くには近道なのでこれを通ろうとしたところ、すぐに道が無くなりました。地形図の破線道に忠実に歩きましたが、笹藪が多く、またしても藪漕ぎです。やっとのことで溜池の北まで来ると、道が現れました。最後まで藪に祟られました。
国土地理院にだまされたような山登りでした。特に下山の最後のほうの藪はひどく、こんなことならずっと尾根を歩いて、231mピークまで行って北に降りた方がよかったかも知れません。宝台山の登山ルートとして最も楽しめそうなのは、椿峠から成林まで高圧線の保守路を通る道だと思います。ただ、これだと山の反対側に降りてしまうのが困りものです。
展望 ★★☆
藪山度 ★★★
2 件のコメント:
藪山探検隊さん こんにちわ大阪の原ちゃんです。本日は’北から登る宝台山’です。時間が有りそうなのでさらに北の点名’椿峠’経由で行って来ました。BS瓜生東から大池で地元の人と立ち話をしました。先週近くで鹿を2頭狩ったそうです。後、近畿自然歩道を通り、宇麻志神社から取り付き後はメンテ道(近畿自然歩道)で楽勝でした。尾根では点の記の’宿’からの道も確認できました。廃道でしたが。点名’椿峠’では南西方面が開けていて宝台山もばっちりでした。地図には無いですが反射板が2基有りました。下りは三角点の南方にテープ後が有り降りたのですが直ぐに右に振り尾根に乗れました。正解は一つ目の反射板の激下りを降りたら尾根に乗れると思います。しかし下りなんで境界線を外さない様に歩くのが難しかったです。曇っていたら間違いそうな所が2箇所有りました。250mで右に振る所を降りたら明らかに林道でラッキーと思いましたが残念ながら直ぐに笹の藪に変わり降りれませんでした。椿峠の直前も笹とイバラの嵐で最悪でした。直前で左の沢に逃げた方が良かったかも。椿峠からは切り開きが続きあっという間にca379に着きました。しかしこのルートも下りは難しいでしょうね。振り返ると’どこを降りるねん’と言うような所が3箇所も有りました。後はお決まりの点名’若狭野’を探し、成林へのメンテ道も確認し、西方の溜池へ峠まで降りて、「宝台山」の看板から南東の破線を降りました。今回は三角点から椿峠の道を境界線通りに降りれたのがラッキーで印象に残りました。それでは。
宝台山は西播変電所から高圧線の鉄塔伝いに登ルートがやっぱり一番楽でしょうね。関西電力には足を向けて眠れません(が、電気代をこれ以上払う気もありませんけど)。
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