安富町の安志から北に林田川を遡っていくと,末広という集落があります。その北には栃原(地形図では杤原となっています)があり,末広三角点(602m)はその東の山にあります。この付近一帯は植林が多く,下から見上げると倒木地帯が多数あります。また,かなり処理の進んだ倒木地帯もあります。末広の南側にある大谷山三角点の北側では大規模な倒木処理が行われました(「三森の3三角点歴訪」を参照)。大谷山三角点からさらに北の山が末広三角点付近となります。この付近も見上げると倒木がかなりありますが,問題は尾根上の倒木の様子で,これだけは行ってみなければわかりません。
最初は栃原四等三角点(365.5m)まで登ることにしました。この三角点のある尾根の南端は末広集落まで延びていますが,林田川付近はコンクリートで固められていて,登るのは大変そうです。地形図をよく見ると栃原の安富北小学校前から南に林道があるので,これの終点から尾根まで登ることにしました。
動物避けのゲートを開けて林道を登り始めると,まずドコモの山の字形のアンテナが立っています。これは下からも森の上ににょきっと出ているのが見えます。さらに林道の終点には貯水タンクがあります。この先は道がないので,タンクの裏側の植林の中を登りました。急勾配ですがすぐに尾根に乗れて,あとは楽な登りです。林道もありますが,降りて行くだけのようなのでそのまま尾根まで登っていきました。
栃原三角点の周囲は特に特徴はありませんが,この尾根には高い木があってあまり陽が当らないため,草や灌木は生えておらず,楽に歩けます。三角点から北東に延びる尾根では時々両側の山が見えますが,処理された倒木地帯(つまり植林を切り払った裸の斜面)が目立ちます。
長い尾根歩きですが,だんだん標高が上がってゆきます。岩場になる場所もありますし,450mを越した付近は倒木地帯となります。この付近の尾根の倒木は一応切ってあるのですが,幹を切っただけで木を運び出していないので,歩くのはやっぱり大変です。この尾根の北端は地形図で広葉樹林の印のある530m+のピークですが,ここは植林です。そして,ここから東の鞍部に降りると,そこは倒木処理の終わった広大な空き地となっています。地形図からもわかるようにこの付近は勾配が小さいので,まるでリゾート開発の途中のような雰囲気です。写真は,ここから少し南に末広三角点の方へ行った地点から見た530m+ピークですが,足元では広く植林が伐採され,運び出されています。この草原を鹿が走るのを目撃しました。倒木処理のために道が上がってきていますが、どちらの方角から上がってきているのかは,確認していません。
大規模な伐採のおかげで眺望は上々です。しかも末広三角点までは尾根上に車の通れる道ができています。末広三角点からは東側の眺望がすばらしく,明神山がよく見えます。適当な切り株などもあって,休憩には最適のポイントでした。東側の斜面にも,何らかの作業の跡が見られます。
この先は,南の中ノ谷川に向かって下山ですが,整備された林道の後の藪山下山はカルチャーショックです。この付近の尾根も倒木は切ってあるのですが,運び出されてはいないため,藪山と大差はありません。しかしテープのマーキングやプラスチックの標識がたくさんあり,手入れの跡がうかがえます。下山ルートは,尾根をなるべく真っ直ぐ進んで川辺に降りるつもりだったのですが,500m+の尾根の広い部分で方向が分からなくなりました。下山は怪我の可能性が高いため,なるべく楽なルートを選ぶことをモットーにしているので,一番分かり易い尾根を降りたところ,どんどん西に進んでしまい,栃原三角点との間にある沢に降りてきました。この尾根も木は切ってありますが,急勾配ですし岩場もあって楽な下山ルートではありません。沢に沿った破線道は自動車の通れる程度の道で,末広をまわって出発点の小学校まで戻りました。
このルートは倒木処理後の展望が魅力です。林道が尾根に達していることが分かったので,これを利用して更に北や東の尾根を歩くこともできそうです。しかし,どこから登ってきてるのかを調べなければなりません。
展望 ★★★
藪山度 ★★☆
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