2007年10月14日日曜日

中村・前之庄三角点

塩田温泉から林道塩田線を登って坂地峠から棚原山に登るルートは,よく知られています。このルートを通ると,当然「この峠の北の山はどうなっているんだろう?」という疑問が湧きます。この疑問に答えるべく,北側の山に登ってきました。

塩田温泉から峠に行くと,棚原山への道よりも少し手前の北側に,コンクリートの壁があります。この壁の端は段になっていて,ちょうど階段のように見えるので,ここを登り口にしました。もちろんこれは階段ではありませんが,テープのマーキングがいくつもあります。そして,すぐに尾根に出るのですが,驚くほどたくさんのマーキングがあります。地面には木の標識もありますし,ここから中村三角点までは,迷うことはまずありません。勾配は急ですが,振り返れば木々の間から棚原山が見えます。

293.9mの中村三角点は,特に特徴のある場所ではありません。驚いたのはここに大柿さんの赤いプラスチック板が下がっていたことです。このルートを歩かれていたとは知りませんでした。家に帰ってから調べたのですが,確かに2002/11/10に記録があります。ただし詳しいことは書いてなくて,「大藪覚悟で突入したが小藪程度で縦走完了」とあるだけです。小藪と言えるかどうかは,この後を読んでください。

中村三角点で尾根は少し折れ曲がります。ここからは古知之庄が望めます。この先の尾根にはマーキングは全くありません。雑木林の間を進みます。尾根道はありませんが,雑木林なので倒木があっても問題はありません。小さなピークを一つ過ぎると,東から送電線の巡視路が上がってきます。ここからは関電のおかげで歩きやすい尾根道になります。この道は次の250mの小さなピークを西側からぐるっと巻きます。登ることもできますが,かなり藪っぽいと思います。そして巡視路はピークの北側を東に巻いて,尾根の上にある小さな鉄塔に着きます。とても可愛らしい鉄塔で,足の間隔は2m程度しかありません。神野溝口線95です。建設は昭和14年3月ですから,小さいのも分かります。

ここから巡視路は北の鞍部へ降りていきます。ここは草が生えていて地面が見えないので,転んでしまいました。この付近は藪なので,巡視路が無いと歩けないかも知れません。鞍部は植林ですが,巡視路は真っ直ぐに藪の方に登っていきます。そのまま登っていくと,笹藪になりますが,さすがに関電の巡視路はしっかりしており,笹のトンネルの中を進んでいきます。笹藪に道を付けると,両側の笹が大きく育って倒れるために,トンネルになってしまいます。林田付近では何度かこれにひどい目に遭っているのですが,関電はしっかりと笹を切っているので,しゃがんで歩いていけます。途中に次の鉄塔への分岐点があるのですが,これも笹のトンネルの中です。この付近の笹のトンネルは見事なもので,一見の価値があります。そして神野溝口線94に出てきます。杉之内がよく見えます。巡視路はここで行き止まりです。ここから尾根に乗る予定だったのですが,周囲は笹藪でとても尾根には行けません。

しかたなく鞍部まで引き返しました。東へ歩いて植林の中を登って尾根に出ましたが,なるべく鉄塔から遠くの地点に出ないと,尾根は笹藪です。この付近の尾根は藪がちで歩きにくいのですが,しばらく行くと雑木林の普通の尾根になります。道が無いので枝をかき分ける必要はありますが,軽快とは言えないにしても歩くのに支障はありません。282mピークに近づくと踏み跡がはっきりしてきますが,これはピークの西側を通り過ぎます。北に行くにはこれが正解で,下手にピークに登ってそのまま進むと東の尾根に出てしまいます。

次のピークも踏み跡は西側からピークへと登っています。このピークは四つ角になっており,東は香寺町中村へ,北は久畑三角点経由で中国自動車道の南に降りるようになっています。私はバスに乗る都合から,西の尾根を進みました。

この西の尾根は広くて迷いやすい場所です。方位磁石で常に方向を確認しないと現在地点がわからなくなります。雑木林ですが木の密度が高めなので,枝を押しながら進みます。踏み跡と思われるものがたまにありますが,ほとんどは藪です。北にみどり丘の住宅地や七種山方面が見えます。この後247mピークまでは倒木もあり,歩きやすいとは言えない雑木林です。

この先は地形がますますわかりにくくなり,方位磁石は必須です。植林があり,倒木もありますが,通れます。そして前之庄三角点(213.6m)ですが,完全にシダに埋まっており,発見するのに苦労しました。(写真)

問題はどうやってこの山を下りるかです。三角点の周囲はどちらを見ても急斜面の藪です。降りられないことはないと思いますが,シダも多く,避けたい場所ばかりです。また,下手に降りると工場に入ってしまう可能性もあります。そこで,少し東に戻って,地形図で見るとちょっと尾根っぽい南側を降りていこうと考えました。この場合の問題は二つ,南斜面なので藪がきつそうなのと,沢に降りてその先歩けるかどうかです。

最初はこのルートは正解のように見えました。多少の尾根があるのです。しかしどんどん急斜面になり,藪も密度が高くなります。木に掴まり,枝を押して降りると,沢の近くまで降りられましたが,ここは笹藪です。万事休すかと思いましたが,沢は笹で完全にはブロックされていません。足下には岩の間を水が流れていますが,とにかくしばらく進むと,沢の南側に林道がありました。

正しい降り方は,今でもわかりません。林道の入口の工場脇には関電の巡視路の標識と「まむし注意」の標識があります。登るのなら,ここから登るのが正解でしょう。しかし,三角点からここを目指して降りて来るのは容易ではありません。なお「点の記」は北側の林道から登っています。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★★

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