山崎の北に与位という村があります。温泉があって「よい温泉」と書いてあるので何が良いんだろうと思いますが,地名なんですね。ここは「与位の洞門」で有名ですが,これを通らずにすむトンネル(塩田一宮線よいたいトンネル)が建設中で,平成20年には完成するようです。この与位の洞門は標高546mの神谷三角点から東に延びた尾根の下を通っています。この山が,宮山です。この山の登り方はいろいろあるようですが,地形図を見ると与位から梯(かけはし)に延びる峠越えの道があるので,それで峠まで行って南に尾根沿いに進もうと思いました。
与位からこの道の方に進んでいくと,途中に立て札があり,「右 コボキ 西山,左 シカキ谷」と「通行不能 路線名:塩田一宮線 理由:幅員減少1.0m 箇所:これより先」となっています。この路線名はよく分からないのですが,とにかくシカキ谷の方に進みます。舗装道路が続きますが,何やら分譲地があり,所有者の名前が立て札に書いてあります。結構整地はされているのですが,木が生え放題です。バブルの遺跡でしょうか。
いよいよ山に入ります。沢を登るのですが,途中から倒木が増えてきます。破線道なのでなんとかなるだろうと願っていたのですが,写真のような状況になるともう歩けません。倒木で沢も道も全く見えません。しかたなく,南斜面を強引に登りました。ここも急斜面の藪で決して登りやすくはありませんが,もう引き返せません。悪戦苦闘の末,尾根の474mピークから東に延びる尾根に出て,474mピークを目指しました。ここも傾斜はきついのですがそこそこ登りやすく,尾根に出ました。
あとは尾根歩きです。植林の中を歩き,頂上目指して登ります。頂上の手前に大きな岩があります。そして頂上には神谷三等三角点がありますが,ここに置かれた石には雄棲山と書かれていました。宮山の別名のようです。
ここからは下りです。与位の洞門を目指して東に尾根を下りました。岩場,倒木,共同アンテナといろいろあり,展望も時々得られます。全体としては最初に出会った倒木の印象が強烈なので,あまりここで苦労したという記憶はありませんが,最後に出てきた尾根の終点の小さなピークはどうやって抜けたらよいのか悩みました。
尾根の外れで送電線の鉄塔に出ました。低めの鉄塔で,形も古そうだと思ったら,昭和13年9月と書いてありました。今でも使われているというのは,ちょっと感動ものです。この送電線は今では山をいくつも越えて香寺町の方に繋がっていますが,最初はもっとローカルなものだったのではないでしょうか(後に香寺町の方でも鉄塔を調べましたが,やはり同じ頃のものでした。かなり高い山を越えている送電線なのですが,戦前にも十分な建設技術があったのでしょう)。そして,最後は与位の洞門の上に出てきます。真っ直ぐ降りようという人のためにか,ロープが下がっています。歩いて降りるには南側の道を行けばいいのですが,あちこち歩いて揖保川の眺めを楽しみました。
とにかく梯への峠越えの道の倒木は強烈でした。それ以外は気持ちの良い山だったと思います。
展望 ★★☆
藪山度 ★★★ 最初がきつかった
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