2019年11月9日土曜日

夜久野町直見の富岡山

2019/10/26に登った居母山の直見川を挟んで西の対岸にある山です。登り口は夜久野町直見の西垣ですが、まず西垣城の跡を見に行くことにしました。西垣から舗装道路を登ると居母山高源寺跡地があってお堂があり、赤い鳥居があって小さな神社があります。道路はここに扉があって「危険 鉱山跡崩落の為立ち入り注意 夜久野町」と書かれています。こちらには行かず、神社の反対側の道を降りて害獣避けの扉を通ると道があって、すぐに竹林になります。倒れている竹も多いのですが、明らかに人工の平坦地があります。このような地形は里山には多く、畑の跡かと思いましたが、何段かあり、その上の平坦地はかなり広く、これが西垣城の跡のようです([1])。城と言っても背後は山ですので、山頂に作られる山城とは明らかに違っています。背後の斜面を少し登ると水平に道があり、その北の端には斜面に沿って溝があります。これらは植林の作業用に掘られたものかと思ったのですが、どうやらこれらも西垣城の一部のようで、そのさらに上にあった崩れた石垣のようなものも、遺構のようです。

さらに斜面を登り続けましたが、道があるので急斜面ですが歩きやすく、道路にでてきました。この道を歩くとターンがあって、その先は鉱山跡となります。確かに崩落はひどく、大きな岩が重なっており、木も茂ってきてあまり奥までは入れませんでした(写真)。これはろう石鉱山だそうで、京都府のレッドデータブックに登録されています([2])。岩は赤っぽいものが多いのですが、白いものもあって、あれがろう石なのでしょう。兵庫県にはろう石の鉱山は多いのですが、京都府ではここだけだったようです。

鉱山からは登れないので、道がターンするところまで戻り、そこから斜面をトラバースして北の尾根に向かいました。苦労しつつ少し歩くと、斜面に溝がありました。まるでさっき見た縦堀と同じように斜面に沿って真っ直ぐに掘られており、木材か石を転がして落とした跡のような感じです。非常に急な斜面ですが、この溝を登りました。足元の落ち葉が滑りますが、溝の外も同じような感じなので頑張って標高差100mほど登ると溝がなくなったので、北の尾根にトラバースしました。この尾根は広くて勾配もきつくなく、だいぶ楽になりました。そのまま木の間隔の広い尾根を登って主尾根の700m+ピークまで登り、富岡山まで素晴らしい植林を歩きました。山頂は美しい植林の中で展望は全くありません。直見二等三角点(707.2m)があります。

富岡山からは700m+ピークに引き返し、北に斜面を降りて稜線を縦走しました。美しい植林が続きますが、自然林もあって足元は落ち葉です。アップダウンは多少はありますが、先程の登りに比べればほぼ平らです。763mピークを過ぎ、極楽のような尾根歩きでした。途中に富岡山への道標が落ちていたので、登山道として整備されたこともあったようです。栗尾三等三角点(760.0m)のあるピークには「栗尾山」という札が木に架かっていました。

栗尾山からの下山は、真っ直ぐに直見川まで伸びている尾根を選びました。最初は少し方向に気をつけて尾根を選択して急斜面を降りる必要がありましたが、少し降りると歩きやすい尾根になりました。標高が下がると植林は減って少し木の密度が増しますが、歩きにくいという程ではありません。長い尾根でしたが、最後は道に降りて扉を通って県道に出ました。

盛りだくさんの3時間半でした。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「直見」です。

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