寒い冬には海に近い山が暖かくて良いのですが、近すぎると藪だらけになります。少し海から離れた山として選んだのが、備前市の岳山です。
山の北側から通信塔の保守道路があるのですが、山陽自動車道の備前ICがあってガードが厳しそうなので、南側からアプローチすることにしました。熊沢蕃山の家の跡がある正楽寺から新幹線のカードをくぐって西側の尾根を目指しました。送電線鉄塔があるので巡視路を探すと、山裾を取り巻くように道がありました。まず三石線45鉄塔に着きましたがここは尾根先ではないので、さらに西に歩いて三石線43鉄塔に着き(44が無い?)、ここから尾根を登りました。シダの多い藪で、ちょっと眺めの良い場所もありましたが、藪こぎです。シダは膝くらいの高さですが、木の枝も邪魔です。山の上に出るとシダのない空き地もあり、道もはっきりしますがシダの間を歩きます。西側に少し出ると長谷下池を見ることができました。蕃山三等三角点(189.05m)は、標石を探して道の近くのシダ藪を歩いていると足に当たるものがあり、それが三角点でした。さらにシダの間を縫って歩くと缶ビールが木の枝に刺してありましたが、2009年製造でした。シダの背が腰のあたりまで高くなり、道を見失うと力づくでシダ藪を抜けなければなりません。なんとかここを切り抜けて、東に方向を変え、鞍部に降りると北から道が来ているようで、登ると三石線50鉄塔でした。
鉄塔から北東へ尾根を伝いましたが、ここもシダ藪か灌木の藪が続きました。はっきりした道はありません。最後にシダ藪の200m+ピークに登って降りると、鞍部には平坦地があって水が流れていました。水に沿って北に歩いたのですが、ここは真っ直ぐ向かいの山に登るのが正解だったようです。水量は僅かでしたが沼地で足を取られました。というのは、この北に地形図にもある小さな溜池があり(野鳥の天国のようでした)(写真)、その水が南に向かって流れているからです。茂みを抜けて保守道路近くに出ると地形図にもある北からの道があったので、八木山四等三角点(231.66m)を見に行きました。この実線道は未舗装ですがしっかりしています。三角点付近は切り開かれていますが木が邪魔で展望はありません。
保守道路に戻って、東に歩きました。かなり長い道で最初は舗装されていました。途中には防火用水(?)や水道施設のタンクらしきものもありました。道の北側に柱が何本か立っていて、KDDIの備前東基地局だそうです。この南側にはパラボラ付きの鉄塔がありますが、名無しです(札があるのですが錆びていて読めません)。中国地方建設局岡山国道工事事務所が建てたことになっています。鉄塔の側の斜面はコンクリートで固められているので道に戻って斜面を登り、岳山を見に行きました。道があります。地形図の書き方はよく分かりませんが、400m+のピークが一番高いので岳山でしょう。標石はありますが、展望はありません。KDDIの基地局まで戻り、さらに東に歩くと分岐があって直進方向は鎖がかかっています。そのまま歩き続けると北に展望が開けますが、特に面白いものはありません。終点にあるのは頑丈に防護された鉄塔で、雰囲気から防衛省の施設と思われます。パラボラが二基ずつ、二方向に向いていました。鎖まで戻って分岐を南に歩くと、地形図の通信塔の場所は柵で囲まれた藪があるだけです。ここがNTTの保守道路の終点らしく、黄色い標識によると保守道路は起点から3400m、ここの標高は381mのようでした。しかしさらに西方向に降りると鉄塔があります。これもパラボラ付きです。やはり名無しですがNTTではなく、備前市が保安林内作業許可を取っています。
下山は鉄塔の先を南西に歩きました。最初は道があるような気がしたのですが、すぐに灌木の藪になり、シダも増えてきました。この南の斜面はかなり急ですが完全な藪で、岩場もあって方向を決めるのに苦労しました。結局行きたい方向には行けず。鞍部を北寄りに抜けて登り返しましたが、ここも背の高いシダ藪です。方向も間違えそうで、GPSで方向を確認しつつ南西に降りました。この付近からはときどき踏み跡があり、少しずつ歩きやすくなりました。そして少し登り返して、正楽寺四等三角点(251.28m)に着きました。この付近は平らですが、尾根がジグザグに曲がっているので方向確認が必要です。ひどい藪はもうなくなり、マーキングもあって、シダの間の踏み跡を歩いて、三石線48鉄塔に到着しました。ここからは巡視路で下山ですが、少し歩くといきなり墓が2つありました。なんの説明書きもなく、ちょっと驚いて通り過ぎ、鞍部まで降りると谷に道がありました。南の鉄塔は回線が分岐しているので興味はあったのですが、道は行き止まりっぽかったのでここから下山しました。降りてみると、「熊沢蕃山両親の墓」という看板がありました。
展望 ☆☆☆
藪山度 ★★★
地形図は「備前三石」です。
0 件のコメント:
コメントを投稿